ICOM JFE21 1.−132− の関係で考えるとき,歴史や社会現象を記述する側にとって,自分の拠り所とする場所 が揺がない地なのか,それとも相対的・流動的に動かざるを得ないのか,次から次へと
TDP-43の生理的機能とALS病態における意義mlib.kitasato-u.ac.jp/homepage/ktms/kaishi/pdf/KI45-2/KI...81...
Transcript of TDP-43の生理的機能とALS病態における意義mlib.kitasato-u.ac.jp/homepage/ktms/kaishi/pdf/KI45-2/KI...81...
79
総 説 北里医学 2015; 45: 79-85
Received 28 April 2015, accepted 12 May 2015連絡先: 佐藤俊哉 (北里大学医学部実験動物学)〒252-0374 神奈川県相模原市南区北里1-15-1E-mail: [email protected]
TDP-43の生理的機能とALS病態における意義
佐藤 俊哉
北里大学医学部実験動物学
筋萎縮性側索硬化症 (ALS) の残存運動神経内に蓄積するTAR DNA-binding protein (TDP-43) の生理的機能を中心に概説した。TDP-43は二つのRNA認識モチーフ (RRM) を有する不均一核内リボ核酸蛋白 (hnRNP) で,RNA代謝の多くの過程に関与する。生物種間で比較すると,TDP-43の保存性
は高いが,スプライシングに及ぼす効果は異なる。結合蛋白の網羅的解析からは,核内ではスプラ
イシング,細胞質内では翻訳との強い関連性が指摘されている。またTDP-43が自身のmRNAに結合して発現を制御するオートレギュレーション機構も明らかにされ,これらの生理的機能の理解が
ALS病態を解明する突破口になる可能性がある。
Key words: 筋萎縮性側索硬化症,TDP-43,生理的機能,スプライシング,オートレギュレーション
はじめに
筋萎縮性側索硬化症 (ALS) は,運動神経特異的な変
性を特徴とする神経難病である。ALSの予後はきわめ
て不良で,神経内科医をはじめとする多くの研究者
が,ALSの治療法開発を目指しているものの,未だ有
効な治療法は存在しない1。またALSの病態に関しても
「ALSは手がかりを残さない完全犯罪」と,東京大学名
誉教授の故豊倉康夫先生が述べられたように,長らく
不明の状態が続いていた。しかし近年の神経変性疾患
に対する解析法の進歩により,ALS病態解明の糸口が
少しずつ見えてきた。
原因不明の神経変性疾患を解明する突破口として,
脳内に蓄積する蛋白の同定,孤発例と同じ病理変化を
きたす家族例からの原因遺伝子同定があり,このよう
な解析法で成果をあげたのが,アルツハイマー病の先
行研究である2,3。ALSにおいても同様の研究手法が使
われたが,病理学的マーカーとして有名なブニナ小体
の構造は小さく,その構成蛋白は明確にされていな
い。ブニナ小体の代わりに標的にされたのが,タウや
αシヌクレインに陰性で,ユビキチンのみに陽性を示
す封入体である。2006年秋,孤発性ALSに認められる
ユビキチン陽性skein-like inclusionの主要な構成蛋白と
してTAR DNA-binding protein (TDP-43) が報告され4,5,
TDP-43は一躍注目を集める分子となった。このTDP-43
陽性封入体は,発見当初より前頭側頭葉変性症 (FTLD)
にも認められることが報告され,さらに複数の疾患で
も認められたため6,神経変性の二次的な結果である可
能性も指摘された。しかし遺伝性ALSとして最初に発
見されたCu/Zn superoxide disumutase 1 (SOD1) 変異を
有するALS症例ではTDP-43陽性封入体が認められず7,8,
二次的な結果ではないとする意見もあった。このよう
な議論に終止符を打ったのが,TDP-43をコードする
TARDBP遺伝子における変異の発見である。常染色体
優性遺伝性形式をとる複数のALS家系から,独立した
複数のミスセンス変異が報告され,TDP-43がALS発症
の一次的な役割を担うことが明らかとなった9-13。
TDP-43の構造と研究における2つの潮流
TDP-43は二つのRNA認識モチーフ (RRM) を有する
不均一核内リボ核酸蛋白 (hnRNP) であり,その構造と
変異の分布を図1に示す。多くのTARDBP遺伝子変異が
報告されているが,家族例に限ったとしても30種類程
度のミスセンス変異と1種類のインフレーム変異が知ら
れ,それらは全てTDP-43のC末領域に集中している14。
変異の種類が非常に多いことから,筆者はC末領域の
機能低下が病因ではないかと疑っているが,それ以外
の視点からも多くの仮説が提唱されており,一定の見
解を得ていない。またTDP-43は核移行シグナル (NLS)
を有する核蛋白であるが,凝集体を形成した細胞で
は,TDP-43が核から消失する現象が知られており4,
核内で本来有する生理的機能を喪失するという仮説も
ある。
現在のALS研究の中心がTDP-43であることには間違
いないが,その流れとしては,(1) RNA代謝の異常,
80
図1. TDP-43の構造と家族性ALSに認められた変異の分布
TDP-43は二つのRNA認識モチーフ (RRM1,RRM2),核移行シグナル (NLS),核外移行シグナル (NES) を有する。C末領域には,グリシンリッチ領域 (GRR: 274-314) とQ/Nリッチ領域 (Q/N: 320-367) が存在する。家族性ALSに認められた変異を中・下段に示したが,家族例で確認された変異は,全てC末領域に集中している。本図は文献14と20の図を改変して作成した。
佐藤 俊哉
図2. TARDBP遺伝子の構造とオートレギュレーション機構
TARDBP遺伝子は6つのエクソンよりなるが,最終エクソンに潜在的スプライス部位 (int) が存在する。int6にはスプライス供与および受容部位が各4つあり,その組み合わせにより11種類以上のアイソフォームができるが,蛋白 (TDP-S) として翻訳されている証拠はない。int7にはTDP-43が結合する領域 (TDPBR) があり,TDP-43が自身のmRNAに結合することにより,負のフィードバック機構が働く。int7がスプライシングされると,理論的にはNMDを受ける構造をとるが,文献32ではNMD以外の機構が推定されており,文献33ではpolyA付加シグナル (pA) の選択を変化させることも要因であると報告されている。本図は文献33の図を改変して作成した。
81
TDP-43の生理的機能とALS病態における意義
(2) 蛋白凝集による細胞毒性という2つの方向から研究
が進められている。(1) の理由は,ALSの原因遺伝子と
して以下に示すRNA代謝に関与する遺伝子が次々と
発見されたためである。TARDBP遺伝子以外に頻度
の高い原因遺伝子としては,FUS (Fused in sarcoma),
C9ORF72 (Chromosome 9 open reading frame 72),頻度
の低い原因遺伝子としては,HNRNPA2B1,ELP3
(elongator protein 3),SETX (Senataxin),HNRNPA1が知ら
れ15,昨年にはTDP-43と相互作用するMATR3 (Matrin 3)
遺伝子の変異も報告された16。(2) に関しては,神経変
性疾患の研究に共通した流れであるが,蛋白の品質管
理に関する遺伝子,すなわちSQSTM1 (Sequestosome),
VCP (Valosin-containing protein),UBQLN2 (Ubiquilin 2)
などの変異が発見されたことからも支持されている15。
この蛋白凝集に着目する方法は,治療の分子標的を考
える上では非常に有用である。しかし,より深いレベ
ルでALS病態を理解するためには,TDP-43の生理的機
能であるRNA代謝の観点から研究する必要があると考
え,本総説では生理的機能に重点をおいて解説する。
TDP-43発見の歴史
TDP-43がALSの原因遺伝子であると報告される以前
の歴史について,時系列を追って眺めてみる。TDP-43
の発見は1995年まで遡り,Human immunodeficiency
virus type 1 (HIV-1) 遺伝子 (プロウィルスゲノム) の末
端反復配列 (long terminal repeat) 内にあるTrans-activation
response element (TAR) に結合する蛋白として最初に発
見された17。この結合部位はHIV-1遺伝子の転写活性化
因子であるTrans-activator of transcription (Tat) が結合す
るTAR RNAではなく,二本鎖TAR DNAであり,この
DNA配列に結合してHIV-1転写を抑制する宿主側因子
として報告されたため,TAR DNA-binding proteinと命
名された。
既に1995年の最初の報告においてもTDP-43とhnRNP
の相同性が高いことが示されていたが,2001年にな
り,TDP-43がRNA結合蛋白としての性質を有すること
をイタリアの研究グループが報告した18。これは 胞
性線維症の原因の一つであるCFTR遺伝子エクソン9の
スキッピングに注目し,その制御に関与する因子を検
索した報告である。CFTR遺伝子イントロン8にある
TG (実際にはUG) 配列多型に結合している蛋白をプル
ダウンし,アミノ酸配列決定にてTDP-43を同定するこ
とにより,TDP-43がスプライシングを促進する因子で
あることを証明した。また同研究グループは,TDP-43
のRNA/DNA結合特性についても解析をおこなった19。
その結果,TDP-43は6リピート以上の一本鎖UGまたは
TG配列に結合し,リピート数に依存して結合が強まる
こと,さらに二つのRRMのうちRRM1が結合に重要な
役割を持ち,RRM1内の保存された2か所のフェニルア
ラニンを改変 (F147L,F149L) することにより,RNA/
DNA結合能が失われることを示した。
ここまでの研究は,43 kDaの分子量をもつTDP-43の
全長型を対象としていたが,TDP-43には選択的スプラ
イシングにより11種類以上のアイソフォームが存在
し,全長型とは異なる細胞内局在や機能を示すこと
が報告された20,21。この選択的スプライシングは,ALS
の変異が集中する第6最終エクソン内にある潜在的スプ
ライス部位の活性化によるもので (図2),予想される翻
訳産物はTDP-43のC末領域が欠失した構造をとる (論文
内ではTDP-Sと総称されている)。このTDP-Sが内在性
蛋白として翻訳されているかどうかは明確ではない
が,C末領域に限れば,線虫 (C. elegans) のTDP-43
(TDP-1) と良く似た構造であることは興味深い。
一般的に蛋白の機能を推定する場合,生物種間の保
存性を検討すること多いが,ヒト・マウス・ショウ
ジョウバエ (D. melanogaster)・線虫の間で,TDP-43は
良く保存され,N末からRRM2領域までは55%程度の相
同性を示している2 1。しかしC末領域の相同性は低
く,ショウジョウバエのTDP-43 (dTDP) は哺乳類より
図3. TDP-43のオーソログの構造
ヒト・マウス・ショウジョウバエ (D. melanogaster)・線虫 (C. elegans) におけるTDP-43のオーソログの構造を模式的に示した。線虫のC末領域は短く,この領域にグリシンリッチ領域は存在しない。本図は文献14の図を改変して作成した。
82
長いC末領域を有しているが,線虫のTDP-1ではC末領
域のグリシンリッチ領域がない (図3)。またこの4種の
オーソログの機能を解析すると,核酸への結合特性は
類似しているものの,線虫のTDP-1とC末領域を欠失さ
せたTDP-43 (TDP-S) では,スプライシングを誘導する
効果が認められないことから21,22,C末領域を介して結
合した蛋白により,スプライシングが誘導される可能
性が高い。
個体におけるTDP-43の役割
2006年に孤発性ALSとTDP-43の関係が明らかになっ
て以降,TDP-43に関する論文は爆発的に増加してい
る。その中で,TDP-43の必要性や機能が,生物種によ
り異なることが明らかになってきた。哺乳類における
TDP-43の生理的機能を端的に示しているのが,TDP-43
遺伝子欠損マウスの結果で,全ての報告で着床 (胎生
4.5日) 前後に致死となることが報告された23-26。筆者ら
もTDP-43遺伝子欠損マウスの解析をおこなっている
が,TDP-43は母性効果遺伝子,すなわち雌親マウス
(ヘテロ個体) のゲノムから転写されたTDP-43 mRNAが
未受精卵内に蓄えられた状態にあるため,初期胚発生
は進むものの,mRNAの寿命となる着床前後に発生が
停止すると考えられた。一般的に遺伝子欠損マウスが
着床前後に致死を示す場合は,母性効果遺伝子である
場合が多く,着床以前の初期発生に不要な遺伝子なの
ではない。これを裏付ける結果として,TDP-43がES細
胞の生存に必須であることも示されている26。
マウスのみならず哺乳類全般においてTDP-43は必須
と考えられるが,dTDPを欠損させたショウジョウバエ
では致死とならず,外見的には正常に近いものの,運
動性と寿命の低下を認め,その原因として運動神経終
末の減少が指摘されている27。ただショウジョウバエ
の表現型は系統差が大きいようで,その後の報告では
運動神経終末の増加という反対の結果も示されている
が28,dTDPが運動神経に対して重要な役割を有してい
ることは確かなようである。一方,TDP-1を欠損させ
た線虫では,繁殖力の低下 (雌雄同体から生まれる卵が
野生型の約半分),成長および運動性の低下などを認め
るが,いずれも軽度の変化であった29。このような異
常は,ヒトTDP-43遺伝子の導入によりレスキューでき
ることから,機能的にはTDP-1がヒトTDP-43のオーソ
ログであると考えられる。ただ上記のような異常を認
めながらも,TDP-1を欠損させた線虫の寿命は,野生
型より長いことが示されている。これは哺乳類やショ
ウジョウバエの機能と逆のようにも見えるが,TDP-1
が加齢を促進させる遺伝子である可能性を示唆してお
り,非常に興味深い発見である。
TDP-43の発現量は厳密に制御されている
TDP-43遺伝子欠損マウスの研究から,TDP-43が生存
に必須であるだけでなく,その量が厳密に制御されて
いる可能性が指摘された。遺伝子欠損マウスを作成し
た場合,変異アリルからの発現は,Nonsense-mediated
mRNA Decay (NMD) という機構により,mRNAレベル
で抑制されることが知られている30。しかしTDP-43遺
伝子欠損マウスのヘテロ個体では,mRNAレベルおよ
び蛋白レベルでの低下がないことから,オートレギュ
レーション機構の存在が疑われた23-26。その後,TDP-
43が自身のmRNAの3'UTR (図2のTDPBRで示す) に結
合し,近傍の選択的スプライシング (図2のint7で示す)
やpolyA選択を変化させることにより,自身の発現を
制御していることが報告された31-33。この制御機構の発
見を契機に,オートレギュレーション機構の破綻によ
りALSが発症する可能性が議論されている。
一般的にhnRNPファミリーでは,選択的スプライシ
ングによりmRNA量を変化させる現象が知られてい
る34。これらの遺伝子のイントロン内には,ヒトとマ
ウスの間で極めてよく保存されたultraconserved element
があり,これが選択的スプライシングにより除かれる
ことにより,NMDを生じて量調節がおこなわれる。ま
たSR蛋白の一つであるSC35など,複数のスプライシン
グ因子では,TDP-43と同様なオートレギュレーション
機構の存在も知られている35-37。TDP-43遺伝子の第6エ
クソンにおいてもヒトとマウスの間で保存された配列
があることから,選択的スプライシング→NMDという
機構によりオートレギュレーションが働いている可能
性があるが,それ以外の機構として,選択的スプライ
シング→未知の分解機構,ポリAサイトの選択などが
働いている可能性も指摘されている32,33。このような分
解機構の詳細は不明なものの,負のフィードバックに
よるオートレギュレーション機構の存在は,発現量の
低下のみならず増加にも鋭敏であることを示すもので
ある。これを裏付ける証拠として,変異型のみならず
野生型TDP-43を過剰発現させた場合でも,酵母から
ラットにいたる生物種において,TDP-43の強い毒性が
認められている38-50。
網羅的解析からの機能予測
TDP-43の生理的機能の解析に関しては,hnRNPとの
相同性から類推されるスプライシング因子としての検
討から始まり,TDP-43と結合する蛋白についても,C
末領域を介する他のhnRNP (hnRNP A1,A2/B1,C1/C2,
A3) との結合が報告されていた51。しかし結合蛋白を網
羅的に解析すると,異なる機能が見えてくる52。HEK-
293T細胞を用いて261種類のTDP-43結合蛋白を同定
し,蛋白質間相互作用を予測するSTRINGを用いて解
佐藤 俊哉
83
析すると,結合蛋白が2つのクラスター,すなわち
「Nuclear/Splicing Cluster」と「Cytoplasmic/Translation
Cluster」に集約されることが明らかにされた。この結
果は,核内だけではなく細胞質内におけるTDP-43の機
能を明確にしていく必要性があることを示している。
実際にTDP-43が核−細胞質間をシャトルしているこ
と53,刺激に応じて細胞質内に形成されるストレス顆
粒にTDP-43が存在することも報告されており54,TDP-
43の生理的機能に関しては幅広く検討することが重要
である。
TDP-43が結合するRNA領域に関しても,次世代シー
クエンサーを用いた網羅的解析の報告がある31 ,55。
TDP-43の結合部位は,約6,000種のRNA上の40,000弱の
部位にわたり,特に長いイントロンの中央部 (Distal
intron) に結合部位が多い。配列としてはUGUGUG配列
に最も良く結合するが,この配列が必要条件でも充分
条件でもないようで,結合部位の特異性に関しては不
明な点があった。しかし最近の報告では,線虫のTDP-
1の結合部位を網羅的に解析した結果,転写直後に生じ
る二本鎖RNAの構造を認識して,その構造を阻害する
ためにRNAに結合している可能性が指摘されている56。
この論文は二本鎖RNAを認識するJ2抗体を用い,状況
証拠を積み上げる証明法を取っているが,結果は非常
にシンプルであり,また線虫を用いているため,TDP-
43の最も基本的な機能を表している可能性があり,興
味深い仮説と思われた。
おわりに
TDP-43の生理的機能に関しては,相同性からの推測
だけでなく,個体レベルあるいは網羅的な解析が加わ
ることにより,その全体像がバランスよく検討されて
いる。またオートレギュレーション機構の存在は,病
態の悪循環を説明しやすいなど,ALS病態の理解に必
要な材料は揃ってきているが,未だ病態の核心には
至っていない。この理由として,誰もが納得できる優
れた病態モデルがないことが原因の一つと考えられ
る。筆者は20年以上に渡って神経変性疾患モデルの開
発を続けているが,モデル作成には変異の効果を増強
する工夫が必要であると考えている。ALSモデル開発
においても,最近開発されたゲノム編集技術を用いれ
ば,内在性TDP-43にさまざまな変異を導入することが
可能であり,変異の効果を確認しながらモデル作成が
できる。現時点では真のALSモデルといえるようなマ
ウスは完成していないが,TDP-43の生理的機能を考慮
しながら,病態を忠実に反映したモデルを開発し,
ALS治療に貢献できるよう今後も努力を続けたいと考
えている。
文 献
1.永井真貴子,西山和利. 筋萎縮性側索硬化症の病態解明と治療戦略. 北里医学 2012; 42: 85-93.
2. Glenner GG, Wong CW. Alzheimer's disease: initial report of thepurification and characterization of a novel cerebrovascular amyloidprotein. Biochem Biophys Res Commun 1984 ;120: 885-90.
3. Goate A, Chartier-Harlin MC, Mullan M, et al. Segregation of amissense mutation in the amyloid precursor protein gene withfamilial Alzheimer's disease. Nature 1991; 349: 704-6.
4. Neumann M, Sampathu DM, Kwong LK, et al. UbiquitinatedTDP-43 in frontotemporal lobar degeneration and amyotrophiclateral sclerosis. Science 2006; 314: 130-3.
5. Arai T, Hasegawa M, Akiyama H, et al. TDP-43 is a component ofubiquitin-positive tau-negative inclusions in frontotemporal lobardegeneration and amyotrophic lateral sclerosis. Biochem BiophysRes Commun 2006; 351: 602-11.
6. Geser F, Martinez-Lage M, Kwong LK, et al. Amyotrophic lateralsclerosis, frontotemporal dementia and beyond: the TDP-43diseases. J Neurol 2009; 256: 1205-14.
7. Tan CF, Eguchi H, Tagawa A, et al. TDP-43 immunoreactivity inneuronal inclusions in familial amyotrophic lateral sclerosis withor without SOD1 gene mutation. Acta Neuropathol 2007; 113:535-42.
8. Mackenzie IR, Bigio EH, Ince PG, et al. Pathological TDP-43distinguishes sporadic amyotrophic lateral sclerosis fromamyotrophic lateral sclerosis with SOD1 mutations. Ann Neurol2007; 61: 427-34.
9. Gitcho MA, Baloh RH, Chakraverty S, et al. TDP-43 A315Tmutation in familial motor neuron disease. Ann Neurol 2008; 63:535-8.
10. Sreedharan J, Blair IP, Tripathi VB, et al. TDP-43 mutations infamilial and sporadic amyotrophic lateral sclerosis. Science 2008;319: 1668-72.
11. Kabashi E, Valdmanis PN, Dion P, et al. TARDBP mutations inindividuals with sporadic and familial amyotrophic lateral sclerosis.Nat Genet 2008; 40: 572-4.
12. Van Deerlin VM, Leverenz JB, Bekris LM, et al. TARDBPmutations in amyotrophic lateral sclerosis with TDP-43neuropathology: a genetic and histopathological analysis. LancetNeurol 2008; 7: 409-16.
13. Yokoseki A, Shiga A, Tan CF, et al. TDP-43 mutation in familialamyotrophic lateral sclerosis. Ann Neurol 2008; 63: 538-42.
14. Lattante S, Rouleau GA, Kabashi E. TARDBP and FUS mutationsassociated with amyotrophic lateral sclerosis: summary and update.Hum Mutat 2013; 34: 812-26.
15. Renton AE, Chiò A, Traynor BJ. State of play in amyotrophiclateral sclerosis genetics. Nat Neurosci 2014; 17: 17-23.
16. Johnson JO, Pioro EP2, Boehringer A, et al. Mutations in theMatrin 3 gene cause familial amyotrophic lateral sclerosis. NatNeurosci 2014; 17: 664-6.
17. Ou SH, Wu F, Harrich D, et al. Cloning and characterization of anovel cellular protein, TDP-43, that binds to humanimmunodeficiency virus type 1 TAR DNA sequence motifs. JVirol 1995; 69: 3584-96.
18. Buratti E, Dörk T, Zuccato E, et al. Nuclear factor TDP-43 and SRproteins promote in vitro and in vivo CFTR exon 9 skipping. EMBOJ 2001; 20: 1774-84.
19. Buratti E, Baralle FE. Characterization and functional implicationsof the RNA binding properties of nuclear factor TDP-43, a novelsplicing regulator of CFTR exon 9. J Biol Chem 2001; 276: 36337-43.
TDP-43の生理的機能とALS病態における意義
84
20. Wang IF, Reddy NM, Shen CK. Higher order arrangement of theeukaryotic nuclear bodies. Proc Natl Acad Sci U S A 2002; 99:13583-8.
21. Wang HY, Wang IF, Bose J, et al. Structural diversity and functional
implications of the eukaryotic TDP gene family. Genomics 2004;83: 130-9.
22. Ayala YM, Pantano S, D'Ambrogio A, et al. Human, Drosophila,and C. elegans TDP43: nucleic acid binding properties and splicingregulatory function. J Mol Biol 2005; 348: 575-88.
23. Wu LS, Cheng WC, Hou SC, et al. TDP-43, a neuro-pathosignaturefactor, is essential for early mouse embryogenesis. Genesis 2010;48: 56-62.
24. Sephton CF, Good SK, Atkin S, et al. TDP-43 is a developmentallyregulated protein essential for early embryonic development. JBiol Chem 2010; 285: 6826-34.
25. Kraemer BC, Schuck T, Wheeler JM, et al. Loss of murine TDP-43 disrupts motor function and plays an essential role inembryogenesis. Acta Neuropathol 2010; 119: 409-19.
26. Chiang PM, Ling J, Jeong YH, et al. Deletion of TDP-43 down-regulates Tbc1d1, a gene linked to obesity, and alters body fatmetabolism. Proc Natl Acad Sci U S A 2010; 107: 16320-4.
27. Feiguin F, Godena VK, Romano G, et al. Depletion of TDP-43affects Drosophila motoneurons terminal synapsis and locomotivebehavior. FEBS Lett 2009; 583: 1586-92.
28. Lin MJ, Cheng CW, Shen CK. Neuronal function and dysfunctionof Drosophila dTDP. PLoS One 2011; 6: e20371.
29. Zhang T, Hwang HY, Hao H, et al. Caenorhabditis elegans RNA-processing protein TDP-1 regulates protein homeostasis and lifespan. J Biol Chem 2012; 287: 8371-82.
30. McGlincy NJ, Smith CW. Alternative splicing resulting innonsense-mediated mRNA decay: what is the meaning of nonsense?Trends Biochem Sci 2008; 33: 385-93.
31. Polymenidou M, Lagier-Tourenne C, Hutt KR, et al. Long pre-mRNA depletion and RNA missplicing contribute to neuronalvulnerability from loss of TDP-43. Nat Neurosci 2011; 14: 459-68.
32. Ayala YM, De Conti L, Avendaño-Vázquez SE, et al. TDP-43regulates its mRNA levels through a negative feedback loop. EMBOJ 2011; 30: 277-88.
33. Avendanño-Vázquez SE, Dhir A, Bembich S, et al. Autoregulationof TDP-43 mRNA levels involves interplay between transcription,splicing, and alternative polyA site selection. Genes Dev 2012; 26:1679-84.
34. Lareau LF, Inada M, Green RE, et al. Unproductive splicing of SRgenes associated with highly conserved and ultraconserved DNAelements. Nature 2007; 446: 926-9.
35. Sureau A, Gattoni R, Dooghe Y, et al. SC35 autoregulates itsexpression by promoting splicing events that destabilize its mRNAs.EMBO J 2001; 20: 1785-96.
36. Wollerton MC, Gooding C, Wagner EJ, et al. Autoregulation ofpolypyrimidine tract binding protein by alternative splicing leadingto nonsense-mediated decay. Mol Cell 2004; 13: 91-100.
37. Ni JZ, Grate L, Donohue JP, et al. Ultraconserved elements areassociated with homeostatic control of splicing regulators byalternative splicing and nonsense-mediated decay. Genes Dev 2007;21: 708-18.
38. Johnson BS, McCaffery JM, Lindquist S, et al. A yeast TDP-43proteinopathy model: Exploring the molecular determinants of TDP-43 aggregation and cellular toxicity. Proc Natl Acad Sci U S A2008; 105: 6439-44.
39. Wegorzewska I, Bell S, Cairns NJ, et al. TDP-43 mutant transgenicmice develop features of ALS and frontotemporal lobardegeneration. Proc Natl Acad Sci U S A 2009; 106: 18809-14.
40. Kabashi E, Lin L, Tradewell ML, Dion PA, et al. Gain and loss offunction of ALS-related mutations of TARDBP (TDP-43) causemotor deficits in vivo. Hum Mol Genet 2010; 19: 671-83.
41. Li Y, Ray P, Rao EJ, et al. A Drosophila model for TDP-43proteinopathy. Proc Natl Acad Sci U S A 2010; 107: 3169-74.
42. Hanson KA, Kim SH, Wassarman DA, et al. Ubiquilin modifiesTDP-43 toxicity in a Drosophila model of amyotrophic lateralsclerosis (ALS). J Biol Chem 2010; 285: 11068-72.
43. Ash PE, Zhang YJ, Roberts CM, et al. Neurotoxic effects of TDP-43 overexpression in C. elegans. Hum Mol Genet 2010; 19: 3206-18.
44. Liachko NF, Guthrie CR, Kraemer BC. Phosphorylation promotesneurotoxicity in a Caenorhabditis elegans model of TDP-43proteinopathy. J Neurosci 2010; 30: 16208-19.
45. Wils H, Kleinberger G, Janssens J, et al. TDP-43 transgenic micedevelop spastic paralysis and neuronal inclusions characteristic ofALS and frontotemporal lobar degeneration. Proc Natl Acad SciU S A 2010; 107: 3858-63.
46. Stallings NR, Puttaparthi K, Luther CM, et al. Progressive motorweakness in transgenic mice expressing human TDP-43. NeurobiolDis 2010; 40: 404-14.
47. Xu YF, Gendron TF, Zhang YJ, et al. Wild-type human TDP-43expression causes TDP-43 phosphorylation, mitochondrialaggregation, motor deficits, and early mortality in transgenic mice.J Neurosci 2010; 30: 10851-9.
48. Shan X, Chiang PM, Price DL et al. Altered distributions of Geminiof coiled bodies and mitochondria in motor neurons of TDP-43transgenic mice. Proc Natl Acad Sci U S A 2010; 107: 16325-30.
49. Swarup V, Phaneuf D, Bareil C, et al. Pathological hallmarks ofamyotrophic lateral sclerosis/frontotemporal lobar degeneration intransgenic mice produced with TDP-43 genomic fragments. Brain2011; 134: 2610-26.
50. Zhou H, Huang C, Chen H, et al. Transgenic rat model ofneurodegeneration caused by mutation in the TDP gene. PLoSGenet 2010; 6: e1000887.
51. Buratti E, Brindisi A, Giombi M, et al. TDP-43 binds heterogeneousnuclear ribonucleoprotein A/B through its C-terminal tail: animportant region for the inhibition of cystic fibrosis transmembraneconductance regulator exon 9 splicing. J Biol Chem 2005; 280:37572-84.
52. Freibaum BD, Chitta RK, High AA, et al. Global analysis of TDP-43 interacting proteins reveals strong association with RNA splicingand translation machinery. J Proteome Res 2010; 9: 1104-20.
53. Ayala YM, Zago P, D'Ambrogio A, et al. Structural determinantsof the cellular localization and shuttling of TDP-43. J Cell Sci2008; 121: 3778-85.
54. Moisse K, Volkening K, Leystra-Lantz C, et al. Divergent patternsof cytosolic TDP-43 and neuronal progranulin expression followingaxotomy: implications for TDP-43 in the physiological response toneuronal injury. Brain Res 2009; 1249: 202-11.
55. Tollervey JR, Curk T, Rogelj B, et al. Characterizing the RNAtargets and position-dependent splicing regulation by TDP-43. NatNeurosci 2011; 14: 452-8.
56. Saldi TK, Ash PE, Wilson G, et al. TDP-1, the Caenorhabditiselegans ortholog of TDP-43, limits the accumulation of double-stranded RNA. EMBO J 2014; 33: 2947-66.
佐藤 俊哉
85
Physiological functions of TDP-43 and implications forALS pathogenesis
Toshiya Sato
Department of Laboratory Animal Science, Kitasato University School of Medicine
The physiological functions of TAR DNA-binding protein (TDP-43) were summarized, of which inclusionsin residual motor neurons are a pathological hallmark of amyotrophic lateral sclerosis (ALS). TDP-43 is amember of the heterogeneous nuclear ribonucleoprotein (hnRNP) family carrying two RNA recognitionmotifs (RRMs) and involved in various processes of RNA metabolism. The gene encoding TDP-43 is conservedin human, mouse, Drosophila melanogaster, and Caenorhabditis elegans, whereas the functional differencesin the splicing effect were observed. As a result of global proteomic analysis, TDP-43 interacting proteinswere divided mainly into two clusters of distinct interaction networks, a nuclear/splicing cluster and acytoplasmic/translation cluster. It was also found that TDP-43 binds to its own mRNA, which regulates themRNA at a steady-state level through a negative feedback loop, namely TDP-43 autoregulation. Although thepathophysiological mechanisms of ALS are becoming clearer, understanding the physiological functions ofTDP-43 could offer a therapeutic breakthrough of ALS.
Key words: ALS, TDP-43, physiological function, splicing, autoregulation
TDP-43の生理的機能とALS病態における意義