特集 有機ELパネルの最新開発動向 - JST

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特集 有機ELパネルの最新開発動向

Brand Model Class Pixel Format ppi TFT Array OLED Patterning

LG LG 55EM9700(flat model) 55" 1920×1080 40 Oxide TFT White OLED + RGBW color filter

LG LG 55EA9800(curved model) 55" 1920×1080 40 Oxide TFT White OLED + RGBW color filter

Samsung ES9500(flat model) 55" 1920×1080 40 LTPS TFT RGB⦆ Evaporation

Samsung KN55S9CA(curved model) 55" 1920×1080 40 LTPS TFT RGB⦆ Evaporation

Sony/ AUO (prototype) 56" 3840×2160 79 Oxide TFT RGB⦆ Evaporation

Panasonic (prototype) 56" 3840×2160 79 Oxide TFT Ink Jet Printing

LG 55”FHD OLED TV Samsung 55”FHD OLED TV Panasonic 56”4K OLED TV Sony 56”4K OLED TV

表1 大型有機ELテレビの開発例

1. 総論:有機EL応用の最新動向

Panasonic Toshiba SEL/Sharp ASU FDC

Diagonal(in) 4" 10.2" 3.4" 14.7"

Pixel Format 224×224×RGB 1920×RGBW×1020 540×RGBW×940 960×720×RGB

Resolution 80ppi 223ppi 326ppi 818ppi

OLED Device Top-Emission Bottom-Emission Top-Emission Bottom-Emission

OLED Technology RGB W-OLED + CF W-OLED + CF RGB

TFT Array Technology a-IGZO a-IGZO CAAC-IGZO a-IGZO

Substrate Material PEN PI Transparent Plastic PEN

Bending Radius R=10mm Not Reported R=4mm Not Reported

Max. Process Temp 150℃ Not Reported Not Reported 200℃

SID 2013 Session # 18.4L 70.1L 18.2L 70.2L

SID Prototype? Yes Yes Yes No

表2 SID 2013で報告されたフレキシブル有機ELディスプレイ

Panasonic SEL&Advanced Film Device

Description Highly Efficient OLED Lamp Highly Efficient Flexible OLED Lamps

Lamp Size(mm) 50mm×50mm 56mm×42mm 360mm×300mm

Luminous Efficiency 102 lm/W@3000cd/m2, 114 lm/W@1000cd/m2 131 lm/W@1000cd/m2 110 lm/W@1000cd/m2

CIE Color Coordinates (Not Reported) 0.49, 0.50 0.50, 0.50

Color Reproduction(CRI) (Not Reported) >90%

Lifetime ~100K hours@1000cd/m2 (Not Reported)

Featured Technologies BLES(Built-up Light Extraction Substrate) Exciplex(Hole Transport Material) MLA(Micro-Lens Array) Three-Color White: Orange-Green-Blue

SID 2013 Session # Session 66.2 Session 66.4

SID Prototype? Yes Yes Yes

表3 SID 2013で報告された高効率有機EL照明パネル

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特集 有機ELパネルの最新開発動向

(a)平面ディスプレイの単純配列

(b)目地レス配列用表示素子

図1 表示素子の配列例

3. 平面ディスプレイの目地レス配列技術と大型表示装置への応用

(a)近距離からの観視に対応

等ピッチ 不等ピッチ

等ピッチ 不等ピッチ

(b)充分な視距離からの観視に対応

等ピッチ

3 1.5

不等ピッチの面積拡大

2.25

3.0

図4 シミュレーション画像の例

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gp gp

封止部 封止部

電極取出し部

電極の端面取出し 電極の中央取出し

表示素子間のギャップ表示素子間のギャップ

図5 電極の中央取出し位置

表示素子

図9 192×192mm×2セット(各16素子)

図10 1920×3456mm(2880表示素子)

(CEATEC2009出展 三菱電機ブース)

図12 円筒型ディスプレイ

図13 1/3球形状型ディスプレイ

(CEATEC2010出展 三菱電機ブース)

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4. トップエミッション型フレキシブル有機ELディスプレイの開発

フレキシブルCFを用いた試作品

(a)

(b)

(c)

228μm

0.7

0.6

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

0.00.0

u′

v′

C .I .E . 1976 Chromaticity Diagram

NTSC規格

106%

0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7

図2 フレキシブルCFA基板の(a)外観,(b)光学顕微鏡写真,および(c)試作した酸化物TFT駆動有機ELディスプレイの色再現範囲

画面サイズ 9.9型

画素数 960×RGBW×540(qHD)

画素ピッチ 228μm×228μm

解像度 111 ppi

表示色 1677万7216色

TFT構成 2トランジスタ

有機ELデバイス構造 白色有機EL+CF(WRGB)

厚さ 110μm

図3 酸化物TFT駆動フレキシブル有機ELディスプレイの外観と仕様

ストレス条件VDS=VGS=12V

0.1

-0.1

0.05

-0.05

0

ΔV

TH(

V)

time(s)

(b)

0.1 1 10 100 1000 10000

(×10-6)

VDS=-5V

3

2

1

0

-20-30

VGS(V)

-I D

S(A)

(a)

20

初期

1

100

1000

10000

50000

70000

100000

折り曲げ回数

-10 100

図5 有機TFTにおける(a)曲率半径3mmの繰り返し折り曲げ前後のTFT特性比較,および(b)通電ストレス試験

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5. 10.2型WUXGAフレキシブル有機ELディスプレイ

画面サイズ 4.1型ワイド

画素数 432×RGB×240(FWQVGA)

画素ピッチ 210μm×210μm

解像度 121 ppi

表示色 1677万7216色

TFT構成 2トランジスタ

有機ELデバイス構造 RGB有機EL塗り分け

厚さ 80μm

図6 有機TFT駆動ローラブル有機ELディスプレイの外観と仕様

白色有機EL +RGB(W)

-CF

保護フィルム

有機EL

TFTアレイ

カラーフィルタ

画素電極

有機EL

剥離

封止

画素電極

剥離

封止

バンク

カラーフィルタ

a-InGaZnO TFTバリア層

透明ポリイミド基板

ガラス支持基板

ボトムエミッション

構造

塗布形成ポリイミド

基板

(a)アプローチ (b)作製工程

図2 フレキシブル有機ELディスプレイに対するアプローチと作製工程

支持基板を用いる場合

支持基板

支持基板

プラスチック基板貼り合せ

プラスチック基板

プラスチック基板

TFT+有機EL

プラスチック基板

支持基板

プラスチック基板

プラスチック基板 プラスチック基板

TFT+有機ELTFT+有機EL

接着層

支持基板

接着層

貼り合せ

塗布

剥離

剥離

プラスチック基板塗布形成 プラスチック基板単独使用

支持基板を用いない場合

図1 フレキシブルディスプレイの作製方法

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(c)剥離前後

剥離

透明ポリイミド基板

透明ポリイミド基板

ガラス支持基板

ガラス支持基板

Vd=15V

Before

After

Vd=0.1V

Before

After

1.0E-04

-10

Vg(V)

Id(A)

10 15 20-5 50

1.0E-05

1.0E-06

1.0E-07

1.0E-08

1.0E-09

1.0E-10

1.0E-11

1.0E-12

1.0E-13

1.0E-14

InGaZnO+有機EL

InGaZnO+有機EL

(b)カラーフィルタ形成時

カラーフィルタ(Red, Green, Blue or White)

Vd=15V

Vd=0.1V

G

B

R

W

1.0E-04

-10

Vg(V)

Id(A)

10 15 20-5 50

1.0E-05

1.0E-06

1.0E-07

1.0E-08

1.0E-09

1.0E-10

1.0E-11

1.0E-12

1.0E-13

1.0E-14

保護層ドレイン ソース

エッチングストッパ層

絶縁膜ゲート

バリア層

InGaZnO

透明ポリイミド基板

ガラス支持基板

(a)TFT形成時

保護層ドレイン ソース

エッチングストッパ層

絶縁膜ゲート

バリア層

InGaZnO

透明ポリイミド基板

ガラス支持基板

1.0E-04

-10

Vg(V)

Vd=15V

Vd=0.1V

Id(A)

10 15 20-5 50

1.0E-05

1.0E-06

1.0E-07

1.0E-08

1.0E-09

1.0E-10

1.0E-11

1.0E-12

1.0E-13

1.0E-14

図5 各プロセス段階でのInGaZnO TFTの伝達特性

ズームイン

ズームアウト

図7 フレキシブルディスプレイの曲げを利用した入力システム

フレキシブルディスプレイの端を曲げる方向によって,表示のズ

ームイン,ズームアウトを切替えることができる.

図6 10.2型フレキシブル有機ELディスプレイの外観写真

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特集 有機ELパネルの最新開発動向

6. 有機EL照明

陰極

R発光ユニット

B発光ユニット

G発光ユニット

ガラス基板

ITO

電荷発生層

電荷発生層

陰極

G+R発光ユニット

B発光ユニット

ガラス基板

ITO

電荷発生層

陰極

白色発光ユニット

白色発光ユニット

ガラス基板

ITO

電荷発生層

図3 白色MPE(Multi Photon Emission)素子構造の例

145mm□

287×97mm2

2,800K(電球色)

4,000K(白色)

4,700K(昼白色)

図1 有機EL照明パネルのラインナップ例(Lumiotec)

(a)素子単体の配光特性 (b)光学フィルム併用時の配光特性

-80 80-60 60-40 40-20 200

1.4

1.2

1

0.8

0.6

0.4

0.2

0

Angle(deg)

Lum

inan

ce(

Nor

malized

:正面設計:設計A:設計B

-80 80-60 60-40 40-20 200

1.4

1.2

1

0.8

0.6

0.4

0.2

0

Angle(deg)

Lum

inan

ce(

Nor

malized

:正面設計:設計A:設計B

図6 素子の配光特性と干渉設計

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特集 有機ELパネルの最新開発動向

有機層 成膜

次工程へ

(スクライブ,実装,検査)

平行移動

陰極層成膜

封止封止ガラス

ガラス基板

ガラス基板

リニア蒸発源

図7 量産ライン概念図(リニア蒸着源インライン装置)

図10 デスクライト(Feel Lab, 2013年)

図9 博物館の展示ケース照明(東京国立博物館,2013年)

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(13) 1021

総論:有機EL応用の最新動向1

ま え が き

今年の1月に本誌の編集委員から,有機ELの特集を計画

しているのでゲストエディタとして協力してもらいたいと

の依頼を頂いた.筆者も長年本誌のお世話になった関係か

らお引き受けすることにした.今回の特集内容は,基礎研

究というよりは,実用化,商品化を目指した開発内容を中

心とし,その応用範囲をディスプレイだけでなく照明用途

にも拡げて企画してみた.冒頭ではあるが,原稿依頼を引

き受けて頂いた著者の方々に深くお礼申し上げます.この

分野の研究開発に従事されている,あるいは興味を持たれ

ている関係者の一助となれば幸いである.

現在の有機EL実用化,量産化の第一歩は,1997年のパ

イオニア(東北パイオニア)による車載用小型ラジオである.

それまで,電流を流すような電子デバイスに有機材料を用

いるなど論外と考えられていた.この先入観を払拭した研

究者,技術者の貢献は非常に大きい.現在,有機ELの

ディスプレイとしての用途は,スマートフォン,タブレッ

ト,テレビ,さらには小型パネルを利用した曲面や球面の

超大型ディスプレイにも波及し,着実に用途および市場が

拡がっている.また,ディスプレイ用途だけでなく,自発

光性を利用した室内照明への応用でも注目され,小型の照

明パネルが市販されるまでになってきた.その発光効率も,

現在の蛍光灯を凌ぐものも開発されるようになってきた.

将来的には,ディスプレイおよび照明用途のいずれにおい

ても,低コスト化と低環境負荷の点で印刷法によるパネル

作製技術が重要になると予想される.

本稿では,有機ELの技術応用の最新動向を紹介するこ

とで,あらためて有機ELの可能性を見直したい.特に,

有機ELテレビ,フレキシブル有機ELディスプレイおよび

有機EL照明を中心に最新動向を紹介する.

テレビへの応用

有機ELのテレビ用途は非常に大きな市場であり,誰も

が期待する応用先である.現在,着実にディスプレイ画面

の大型化と高精細化の技術革新が進んでいる.表1に有機

2

1

キーワード 有機EL,有機ELディスプレイ,有機EL照明,フレキシブル有機ELディスプレイ,発光効率

[正会員]時 任 静 士†

Special Issue

有機ELパネルの最新開発動向

67vol

12no

映像情報メディア学会誌 Vol. 67, No. 12 pp. 1021~1023(2013)

Brand Model Class Pixel Format ppi TFT Array OLED Patterning

LG LG 55EM9700(flat model) 55" 1920×1080 40 Oxide TFT White OLED + RGBW color filter

LG LG 55EA9800(curved model) 55" 1920×1080 40 Oxide TFT White OLED + RGBW color filter

Samsung ES9500(flat model) 55" 1920×1080 40 LTPS TFT RGB⦆ Evaporation

Samsung KN55S9CA(curved model) 55" 1920×1080 40 LTPS TFT RGB⦆ Evaporation

Sony/ AUO (prototype) 56" 3840×2160 79 Oxide TFT RGB⦆ Evaporation

Panasonic (prototype) 56" 3840×2160 79 Oxide TFT Ink Jet Printing

LG 55”FHD OLED TV Samsung 55”FHD OLED TV Panasonic 56”4K OLED TV Sony 56”4K OLED TV

表1 大型有機ELテレビの開発例(口絵カラー参照)

†山形大学 有機エレクトロニクス研究センター

"Overview: Latest Trends of Organic Light Emitting Diode Applications"

by Shizuo Tokito (Research Center for Organic Electronics, Yamagata

University, Yamagata)

Page 11: 特集 有機ELパネルの最新開発動向 - JST

特集:有機ELパネルの最新開発動向

映像情報メディア学会誌 Vol. 67, No. 12(2013)1022 (14)

ELテレビの開発動向を示す.LGとSamsungはハイビジョ

ンの55インチを商品化しようと躍起になっており,すでに

受注を開始している.フロントプレーンである有機EL部

には白色発光とカラーフィルタの組合せ,あるいはシャド

ウマスクを使った塗り分け技術を選択している.一方,国

内企業関係は,ソニー/AUO連合とパナソニックが56イン

チの4Kのプロトタイプを開発した.大画面・高精細化技

術に関しては日本企業が先行していると言える.ここで注

目すべきは,この4Kパネルを4枚組合せることでNHKが

推進するスパーハイビジョン(8K×4K)パネルが実現可能

となっている.単板の場合は,配線抵抗等の課題もあるが,

原理的には可能な技術レベルに到達している.発光部の両

者の違いは,発光層の形成が真空蒸着法を主体としたもの

かインクジェット法で形成したかである.インクジェット

法の導入は,将来の低コスト化の点で大いに期待される技

術であり,日本が先行する独自技術である.薄膜トランジ

スタ(TFT)バックプレーンに関しては,従来技術である

LTPS(Low-temperature Poly Silicon)のシリコンTFTを

活用しようとするSamsungに対して,LG,ソニー/AUO,

パナソニックは次世代技術である酸化物TFTの採用に踏

み切っている.

将来的には,フロントプレーンだけでなくバックプレー

ンも含めて印刷法を導入した作製技術の開発が重要であ

る.現在,印刷法が適用できる塗布系有機EL材料や塗布

系有機半導体材料,さらには,塗布系酸化物半導体の開発

とともに,インクジェット法等の印刷手法による画素形成

技術の開発が進められている.

フレキシブルディスプレイへの応用

プラスチックフィルム等の薄い基板を用いることで,持

ち運びが容易で壊れにくいフレキシブル有機ELディスプ

レイが実現できる.従来の液晶ディスプレイ,プラズマ

ディスプレイでは困難な新しい用途が期待される.まさに,

有機ELだからこそ可能なデバイスである.

現在,SamsungとLGが4インチクラスのスマートフォ

ンへの実用化を急いでいる.表2には今年のSID 2013の報

告例をまとめた.SamsungやLGを追随する形で国内企業

であるパナソニック,東芝,半導体エネルギー研究所

(SEL)/シャープが,フレキシブル有機ELディスプレイの

試作を発表している.SIDでの展示はなかったが,アリゾ

ナ州立大のフレキシブルディスプレイセンターも最大サイ

ズのパネル試作を報告している.全体的な傾向しては,大

画面化と高精細化の内容となっている.高精細化の方法と

しては,白色発光とカラーフィルタを組合せた方式が有力

であり,東芝が223ppi, SEL/シャープ組が328ppiを実現し

ている.パックプレーンにはLTPSよりも低温で作製でき

る酸化物TFTに期待がかかる.プラスチック基板は,

PENかポリイミドが使用されているが,そのハンドリング

法が大きく異なる.PENはガラス板等に貼り付けて用いる

が,ポリイミドはガラス板上にワニスから成膜して用いる.

バックプレーンとフロントプレーンおよび封止完了後には

ぎ取ることになる.

薄型照明への応用

有機ELは従来の光源では実現が困難な非常に薄くて軽

い面光源が実現できる.国内でも8社を越える企業がこの

分野に参入しており,技術的にも先行している.当初,発

光効率(消費電力)の点で,従来の蛍光灯には及ばなかった

が,高効率で発光するリン光材料や光取出し効率の向上に

よって著しく改善され,その効率を凌ぐレベルに達してい

4

3

» Special Issue «

Panasonic Toshiba SEL/Sharp ASU FDC

Diagonal(in) 4" 10.2" 3.4" 14.7"

Pixel Format 224×224×RGB 1920×RGBW×1020 540×RGBW×940 960×720×RGB

Resolution 80ppi 223ppi 326ppi 818ppi

OLED Device Top-Emission Bottom-Emission Top-Emission Bottom-Emission

OLED Technology RGB W-OLED + CF W-OLED + CF RGB

TFT Array Technology a-IGZO a-IGZO CAAC-IGZO a-IGZO

Substrate Material PEN PI Transparent Plastic PEN

Bending Radius R=10mm Not Reported R=4mm Not Reported

Max. Process Temp 150℃ Not Reported Not Reported 200℃

SID 2013 Session # 18.4L 70.1L 18.2L 70.2L

SID Prototype? Yes Yes Yes No

表2 SID 2013で報告されたフレキシブル有機ELディスプレイ(口絵カラー参照)

Page 12: 特集 有機ELパネルの最新開発動向 - JST

縡 総論:有機EL応用の最新動向

(15) 1023

» Special Issue «

る.筆者らの米沢地区にも有機EL照明の量産化を進める

ルミオテックがある.その製造パネルを使ったモダンな有

機EL照明が市内の料亭等で使われている.

表3に示すのは,SID 2013で報告された有機EL照明の中

で特記すべきものである.パナソニックとSELの両社の試

作パネルとも100 lm/Wを越えており,特にSELは131

lm/Wの高効率を示すフレキシブル照明パネルを実演でき

ている.照明の場合も,既存技術との差別化のためにフレ

キシブル化は重要な開発課題である.

む す び

有機EL技術を応用した有機ELテレビ,フレキシブル有

機ELディスプレイ,有機EL照明などの基本技術で,日本

が先行している部分が多い.これも国内の研究者や技術者

が厳しい環境の中で粘り強く研究を進めてきた結果であ

る.国内企業がこれら技術の実用化,量産化に結びつける

ことでビジネス面での成功も期待したい.将来的には,印

刷技術の導入がこの分野の勝敗を決める可能性が大であ

る.筆者らは,低温プロセスが可能なプリンテッドエレク

トロニクスの基盤研究を進めており,この分野に少しでも

貢献できればと思っている.

最後に,本稿の執筆に際しご議論頂きましたAdvanced

Display Consultingのクレイ・シェパード氏に感謝します.

(2013年9月2日受付)

〔文 献〕

1)C.W. Tang and S.A. VanSlyke, Appl. Phys. Lett., 51, pp.913-915(1987)

2)C. Adachi, S. Tokito, T. Tetsuo and S. Saito, Jpn. J. Appl. Phys., 27,

L713(1988)

3)時任静士,安達千波矢,村田英幸:“有機ELディスプレイ”,オーム

社(2004)

4)城戸淳二:“有機ELのすべて”,日本実業出版(2003)

5

Panasonic SEL&Advanced Film Device

Description Highly Efficient OLED Lamp Highly Efficient Flexible OLED Lamps

Lamp Size(mm) 50mm×50mm 56mm×42mm 360mm×300mm

Luminous Efficiency 102 lm/W@3000cd/m2, 114 lm/W@1000cd/m2 131 lm/W@1000cd/m2 110 lm/W@1000cd/m2

CIE Color Coordinates (Not Reported) 0.49, 0.50 0.50, 0.50

Color Reproduction(CRI) (Not Reported) >90%

Lifetime ~100K hours@1000cd/m2 (Not Reported)

Featured Technologies BLES(Built-up Light Extraction Substrate) Exciplex(Hole Transport Material) MLA(Micro-Lens Array) Three-Color White: Orange-Green-Blue

SID 2013 Session # Session 66.2 Session 66.4

SID Prototype? Yes Yes Yes

表3 SID 2013で報告された高効率有機EL照明パネル(口絵カラー参照)

時任ときとう

静士し ず お

1987年,九州大学大学院総合理工学研究科博士課程修了.同年,同大学院助手.1990年,豊田中央研究所主任研究員.2001年,NHK放送技術研究所主任研究員.2009年,同研究所部長.2010年より,山形大学有機エレクトロニクス研究センター副センター長(教授).工学博士.正会員.