Success Story from KODAK 社内のデジタル検版シ …...Success Story from KODAK...

2
Success Story from KODAK 写真製版から企画制作へと業務を変革 株式会社シーフォースは、東京千代田区に自 社ビルを構える気鋭の企画制作会社である。設 立は 1979 年で、当初は写真製版を主業務とす る典型的な製版会社としてスタートした。 1998 年にはデザイン部門を新設して業務範囲を拡大。 その後、写真製版から制作中心へと軸足を徐々 にシフトし、現在では企画制作からデザイン、プ リプレスまで、プリントメディアから Web ・デ ジタルメディアまでをワンストップで手がける企 画制作集団へと見事な変貌を遂げている。シー フォースの C は、 ClientsCommunicationCreationColor の頭文字。この4つの「C」を キーワードに、柔軟な発想力をもつ「Force =力、 勢い」で最先端の顧客ニーズに応えている。 デジタル検版の必要性に迫られて InSite を導入 同社がコダックのワークフローシステム Kodak InSite Kodak Prinergy を導入したの 2009 3 月のこと。その理由について同社 の代表取締役社長である奥山邦之氏は次のよう に語っている。 「昨年、社内で人的ミスによる校正事故が多発し て、お客様に大きなご迷惑をおかけしました。な かでも修正指示のない箇所でミスが発生したの 100% 当社の責任でした。修正箇所は意識し てチェックするが、修正のない箇所はチェック漏 れやミスが発生しやすい。こうしたトラブルを回 避するために、デジタル検版システムの導入によ る業務改善が急務でした」 単に損害を補償するだけでなく、ワークフロー を改善して事故のない万全な制作体制を顧客に 示すことが同社には迫られていたのである。昨 9 月から機種検討をはじめ、最終的に奥山社 長が決断したのが InSite だった。すでに他社製 システムでプリプレスのワークフローを構築して いた同社だが、「昨年の drupa でコダック製品 の先進性を強く感じたのがきっかけで、 InSite Prinergy をセットで導入し、ワークフロー全体の 切り替えを決めました」と奥山社長は笑いながら 語る。その笑顔には「自らの決断に間違いはな かった」という確かな自信があふれていた。 社内のデジタル検版システムとして InSite を導入し、校正事故を大幅に削減。 さらに検版時間も劇的に短縮。 代表取締役社長 奥山 邦之氏 InSite でスピーディで正確な 校正・検版作業を実現 InSite を選んだ理由について、制作管理部課 長の新庄晃氏は次のように語っている。 「修正前と修正後、そして両方を比較した差分 画面の 3 つを並べて表示できるのは InSite だけ でした。 InSite なら間違いのない検版作業が短 時間で行えると確信しました」 実際、 InSite の差分表示画面では変更箇所が ハイライト表示されるため、担当者はその部分だ けを修正後の画面でチェックすれば済む。またテ キストだけでなく、写真や色を修正した箇所も一 目で分かるため、モレのないチェックが可能にな る。必要に応じて網の % も表示できるため、色 制作管理部課長 新庄 晃氏 制作部 IP グループリーダー 酒井 潤氏 修正前、修正後、差分の3画面表示を高く評価してInSite を導入 株式会社シーフォース

Transcript of Success Story from KODAK 社内のデジタル検版シ …...Success Story from KODAK...

Page 1: Success Story from KODAK 社内のデジタル検版シ …...Success Story from KODAK 写真製版から企画制作へと業務を変革 株式会社シーフォースは、東京千代田区に自

Success Story from KODAK

写真製版から企画制作へと業務を変革株式会社シーフォースは、東京千代田区に自

社ビルを構える気鋭の企画制作会社である。設

立は 1979年で、当初は写真製版を主業務とす

る典型的な製版会社としてスタートした。1998

年にはデザイン部門を新設して業務範囲を拡大。

その後、写真製版から制作中心へと軸足を徐々

にシフトし、現在では企画制作からデザイン、プ

リプレスまで、プリントメディアからWeb・デ

ジタルメディアまでをワンストップで手がける企

画制作集団へと見事な変貌を遂げている。シー

フォースの Cは、Clients、Communication、

Creation、Colorの頭文字。この4つの「C」を

キーワードに、柔軟な発想力をもつ「Force=力、

勢い」で最先端の顧客ニーズに応えている。

デジタル検版の必要性に迫られてInSiteを導入同社がコダックのワークフローシステム

Kodak InSiteとKodak Prinergyを導入したの

は 2009年 3月のこと。その理由について同社

の代表取締役社長である奥山邦之氏は次のよう

に語っている。

「昨年、社内で人的ミスによる校正事故が多発し

て、お客様に大きなご迷惑をおかけしました。な

かでも修正指示のない箇所でミスが発生したの

は 100%当社の責任でした。修正箇所は意識し

てチェックするが、修正のない箇所はチェック漏

れやミスが発生しやすい。こうしたトラブルを回

避するために、デジタル検版システムの導入によ

る業務改善が急務でした」

単に損害を補償するだけでなく、ワークフロー

を改善して事故のない万全な制作体制を顧客に

示すことが同社には迫られていたのである。昨

年 9月から機種検討をはじめ、最終的に奥山社

長が決断したのが InSiteだった。すでに他社製

システムでプリプレスのワークフローを構築して

いた同社だが、「昨年の drupaでコダック製品

の先進性を強く感じたのがきっかけで、InSiteと

Prinergyをセットで導入し、ワークフロー全体の

切り替えを決めました」と奥山社長は笑いながら

語る。その笑顔には「自らの決断に間違いはな

かった」という確かな自信があふれていた。

社内のデジタル検版システムとしてInSiteを導入し、校正事故を大幅に削減。さらに検版時間も劇的に短縮。

代表取締役社長 奥山 邦之氏

InSiteでスピーディで正確な校正・検版作業を実現

InSiteを選んだ理由について、制作管理部課

長の新庄晃氏は次のように語っている。

「修正前と修正後、そして両方を比較した差分

画面の 3つを並べて表示できるのは InSiteだけ

でした。InSiteなら間違いのない検版作業が短

時間で行えると確信しました」

実際、InSiteの差分表示画面では変更箇所が

ハイライト表示されるため、担当者はその部分だ

けを修正後の画面でチェックすれば済む。またテ

キストだけでなく、写真や色を修正した箇所も一

目で分かるため、モレのないチェックが可能にな

る。必要に応じて網の%も表示できるため、色

制作管理部課長 新庄 晃氏 制作部 IPグループリーダー 酒井 潤氏

修正前、修正後、差分の3画面表示を高く評価して InSiteを導入

株式会社シーフォース

Page 2: Success Story from KODAK 社内のデジタル検版シ …...Success Story from KODAK 写真製版から企画制作へと業務を変革 株式会社シーフォースは、東京千代田区に自

It's time for you AND Kodak

10-01-CAT.36004410

調の確認も容易に行える。こうした検版作業の正

確さは事故件数の低減にもつながった。

「導入して半年になりますが、この間、社内事故

はわずか数件でした」と奥山社長はその成果に驚

いている。事故によるペナルティはなくなり、顧

客の信用も確実に取り戻している。

InSiteは作業時間の短縮にもつながった。こ

れまでは 32ページの通販カタログの検版に 2

時間近くかかっていた。しかし、InSiteを導入し

てからはわずか数分で終わるようになった。同社

ではこの通販カタログだけでも毎月 20種類以

上のバージョンを制作しているので、時間短縮の

効果には驚くべきものがある。

制作ワークフローに革命をもたらしたInSite & Prinergy同社の制作業務はデザイン、DTP、IPの 3グ

ループに大別される。IPとはイメージプロセッシ

ングの略で、写真製版を含むプリプレス業務全

般を担当する。他社製システムからコダックへと

ワークフローを切り替えたことで、同社の制作

ワークフローも改革された。これまではDTP部

門がネイティブの校了データを作成し、IP部門

がそのデータをチェックし、必要に応じて面付け

などを行って印刷用の最終 PDFを作成してい

た。しかし InSite & Prinergyワークフローでは、

DTPのスタッフがPDF(PDF/X-1aフォーマット)

まで作成して InSiteにアップロードする。バック

グラウンドでは Prinergyがこの PDFを印刷用

に自動変換しているため、IP部門では最終チェッ

クと面付け・出力のみに専念できるようになった。

一見、DTP部門の負担が増えたように見えるが、

株式会社シーフォース代表取締役社長:奥山 邦之

従業員数:42名

本社所在地:〒101-0052

東京都千代田区神田小川町3丁目9番地4号 Cforce Bld.

TEL:03-3293-3090

FAX:03-3293-3099

www.cforce.co.jp

本社3Fの IP(イメージプロセッシング)部門 業界誌、書籍、カタログ、チラシなど幅広いプリントメディアをカバー

検版時間の削減効果などもありトータルの制作

時間は確実に短縮した。さらに新庄課長はスタッ

フの意識改革にも貢献したと指摘する。

「DTPと IPの間にあった壁もなくなり、制作業

務全体の作業効率が大幅に向上しました。革命

といってもいいでしょう。DTPのスタッフも印刷

データに関する知識が増え、技術レベルの底上

げにもつながっています」

PrinergyのRBA機能で自動化を積極的に推進

Prinergyの操作性・作業性を高く評価するの

は制作部 IPグループの酒井潤氏だ。

「Prinergyは直感的で使いやすく、短期間で覚

えることができました。またジョブのテンプレート

を利用すれば、誰でも簡単に作業できます」

酒井氏はPrinergyのRBA(ルールベース オー

トメーション)機能を積極的に活用して、ワークフ

ローの自動化を推進している。サイズによって出

力先のプリンタを切り替えたり、InSiteで校了ボ

タンを押すと自動的に面付けして大判プリンタで

出力するなど、出力の自動化はもちろん、営業部

門からの要望にも RBA機能で応えている。

「お客様にもメール送信が可能な低解像度 PDF

が欲しいという営業マンの要望が数多くありまし

た。これまではその都度、営業マンがDTP部門

に依頼していたのですが、これがDTPスタッフ

の大きな負担になっていたのです」

このため、InSiteに制作データをアップロード

すると、Prinergyが自動的に印刷用 PDFと同時

に低解像度 PDFも作成するようにした。これに

より、営業マンは InSiteから低解像度 PDFをダ

ウンロードして、いつでも顧客に提供できるよう

になった。DTP部門も「負担が軽減した」と喜ん

でいる。

社内のデジタル検版システムとして InSiteを

導入した同社だが、InSite & Prinergyワークフ

ローによって同社の業務全体が活性化されたと

もいえる。

「校正事故が少なくなったこと。ペナルティがな

くなったことも重要ですが、それ以上に社員全員

が安心して仕事できるようになったのが何よりの

メリットでした」

こう語る奥山社長だが、「次はお客様にオンラ

イン校正システムとして InSiteを提案していき

たい」とその眼はすでに将来を見据えていた。