竹内倫徳デンマーク・オーフス大学生命医学部, 独立准教授

新奇な体験による記憶の強化

(一財)バイオインダストリー協会”未来へのバイオ技術“勉強会

2020年12月16日

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経歴

学歴

1990年3月 岡山県立岡山操山高校卒業

1994年3月 広島大学工学部第Ⅲ類学科（宮川都吉教授）卒業

1996年3月 広島大学大学院工業研究科（宮川都吉教授）修士課程修了

2000年3月 東京大学大学院医学系研究科（三品昌美教授）博士課程終了

2000年3月 医学博士の学位授与（東京大学、HAKU I 1551）職歴

2000年4月 東京大学大学院医学系研究科薬理学分子神経生物学教室

（三品昌美教授）、助手（〜2007年3月）2007年4月 東京大学大学院医学系研究科薬理学分子神経生物学教室

（三品昌美教授）、助教（〜2008年8月）2008年9月 英国エジンバラ大学認知神経システムセンター（Richard Morris

センター長）、博士後研究員（〜２０１８年２月）

2018年2月 デンマーク・オーフス大学生命医学部

独立准教授（〜現在に至る）

本日のトーク内容

青斑核とドーパミン依存的な日常の記憶の強化

日常の記憶の強化に重要な役割を担うタンパク質因子の同定

青斑核とドーパミン依存的な日常の記憶の強化トピック1

どのような因子が記憶を長続きさせる

のでしょうか？

ある日の朝ごはんの記憶(日常の記憶)

ささいな日常の記憶は「海馬」と呼ばれる脳の領域に形成され、その多くは1日のあいだに忘れます

新奇な体験を直前あるいは直後にともなう場合、ささいな日常の記憶が長期にわたり保持されます

+

ある日の朝ごはんの記憶(日常の記憶)

ディ◯ニーランド(新奇な体験)

マウスで日常の記憶を評価する「日常の記憶テスト」

イベントアリーナ

新奇な体験による日常の記憶の保持の増強

新奇体験箱P < 0.01

Takeuchi, Duszkiewicz, Sonneborn et al, Nature, 2016n = 13マウス

チャンスレベル

海馬に発現しているドーパミン受容体が重要

n = 13 ice

Takeuchi, Duszkiewicz, Sonneborn et al, Nature, 2016野生型マウス、13匹

チャンスレベル

新奇な体験による記憶の増強効果は海馬に発現しているドーパミン受容体の活性化が重要

新奇な体験による記憶の増強効果は、青斑核の活性化により模倣できるでしょうか？

光遺伝学とは

チャネルロドプシン2（ChR2）を使った青斑核の光による活性化

ChR2を発現するウイルス: ChR2+マウス, ８匹; ChR2–マウス, ６匹

Takeuchi, Duszkiewicz, Sonneborn et al, Nature, 2016

ChR2+ mice, n = 8ChR2– mice, n = 6 Takeuchi, Duszkiewicz, Sonneborn et al, Nature, 2016

青斑核の光活性化により日常の記憶が増強する

Takeuchi, Duszkiewicz, Sonneborn et al, Nature, 2016

青斑核の光活性化による記憶増強には海馬のドーパミン受容体の活性化が必要である

プロプラノロール (21.1 mM): βアドレナリン受容体阻害剤SCH23390 (3 mM): ドーパミン受容体阻害剤

新奇な体験を伝える回路青斑核➞海馬

Takeuchi, Duszkiewicz, Sonneborn et al, Nature, 2016; Yamasaki & Takeuchi, Neural Plasticity, 2017

青斑核から海馬へのドーパミンの放出が日常の記憶の強化に重要

青斑核からの出力ドーパミン

日常の記憶の強化に必要なタンパク質因子の同定

トピック2

どのタンパク質因子が、記憶の安定化に働き、長期的な記憶の形成に重要であるのか、よくわかっていない

長期的な記憶の形成メカニズム

長期的な記憶形成に必要な鍵タンパク因子の同定

将来の展望

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