第32回学会報告記（第68回アメリカ心臓病学会学術集会 ACC 2019） 関西労災病院循環器内科、佐藤と申します。 先日米国ニューオーリンズで行われました ACC 2019 についてご報告させていただきます。

1 会場 2019 年度米国心臓病学会(ACC)学術集会が 2019 年 3 月 16 日から 18 日の日程で米国ニューオーリンズにて開催されました。 ニューオーリンズはルイジアナ州最大の都市で、蛇行するミシシッピ川に沿う地形からクレセント・シティ（三日月の街）との愛称でも親しまれています。 ライブハウスからはジャズを始め、様々なミュージックが溢れだす、活気豊かな街です。ちょうどセント・パトリックデーの時期で、街中は緑一色の格好をした人々でさらに賑わっていました。

ACCは心血管疾患を扱う AHA(アメリカ心臓協会)と並ぶメジャーな学術団体で、臨床心臓病学の研究発表・教育の場として世界から注目されている学会の一つです。渡米も世界的な学会への参加も人生初の私は、会場の規模にも参加者・参加企業の多さにもその顔ぶれにも、ただただ圧倒されました。

２ 発表 当院からは飯田先生、石原先生、豊島先生、東野先生、私(佐藤)の計 5 人での参加となりました。発表の内容は以下の通りです。 飯田 修 先生 Poster Contributions 「The Association of Preoperative Characteristics with the Reintervention Risk in Patients Undergoing Revascularization or Critical Limb Ischemia」

石原 隆行 先生 Poster Contributions 「Retrospective Assessments of Intra- and Inter-rater Reliability of Quantitative Flow Ratio」

豊島 拓 先生 Poster Contributions 「Impact of cardiac condition on prognosis in patients with critical limb ischemia after revascularization」

東野 奈生子 先生 Poster Contributions 「Association of duration for renal replacement therapy or serum phosphorus level with the prognosis of critical limb ischemia after endovascular therapy」

私(佐藤 由季) Poster Contributions 「Clinical Outcomes of Newer-Generation Versus Second-Generation Drug-eluting Stent Implantation in Patients with Coronary Artery Disease: Retrospective Analysis of Real-World Data」

３ まとめ 今回の ACC では、外科手術に低リスクの症候性大動脈弁狭窄症患者においても経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVR)が外科手術と比較し術後 1 年の死亡/脳卒中/再入院のリスクを有意に低下させる、ということがLate Breaking Sessionで発表されました。これまでの TAVR の適応範囲を大きく変えるだろう発表に会場内は興奮に包まれ、私もその歴史的瞬間に立ち会えた感動に身震いしました。

私は今回、ポスター発表に挑戦させていただきました。開始まで非常に緊張しておりましたが、ポスターの前で足を止め見てくださる方もたくさんいらっしゃってほっとしました。期間中、非常に多くの貴重な経験をすることが出来、まさに夢のような数日間でした。今回得た知識や経験を今後の臨床にも活かし、日々精進していきたいと思います。

以上、ACC 2019報告記でした。

文責：佐藤