AX Artis zee BA Twinを使用した syngo DynaCT撮影の工夫 · 2017. 6. 1. · Artis zee BA...

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AX Interview 先生方とのコミュニケーションを手術前に綿密 に取っています。私たちがまずその手技・症例を 理解し、次にどのような画像を出すか、どのアン グルが欲しいのかを常に先読みすることで、手技 に行き詰まった際にも技 師から提 案が行える、 これは大きなモチベーションになっています。 造影剤の注入条件や希釈度については臨床 で使用する前に必ずファントムを作って基礎実験 を行います。更には適切なコリメーション、適切な カテ位置、使用するデバイスの特性に合った再 構成関数を切り替えることも効果的です。 見えないもの、見えづらいものをきちんと見せる ことが我々画像のプロの仕事だと考えています。 DynaCT の撮影モードは6/10/20 秒の回転速度 の選択が可能ですが、患者さんの静止が困難な 場合、画質は少し落ちるかもしれませんが、いかに 早く再開通させるかという点でも6 秒収集が選択 できるのは有用です。 Artis zee BA Twinを使用した syngo DynaCT 撮影の工夫 1 のスライドは第11 NPO 法人日本脳神経 血管内治療学会関東地方会学術集会における 画 像コンテストで銀 賞をいただいたものです。 Penumbra 術前に血栓範囲、血管走行を把握する ために20 秒収集のDynaCT 撮影を行いましたが、 いわゆる「蟹爪」を空間分解能を高く描出でき、 更には閉塞部遠位血管も描出することが可能で、 「何故これは見えるの?」と色々な先生から質問を 受けました。今までは塞栓部の手前と奥でサンド 撮影を行い2 枚の画像からサイズを選択していま したが、 1 枚の画像だけで遠位部も描出している、 シーメンスだからこそ実現した画像だと思います。 さらに「第30 NPO 法人日本脳神経血管内治療 学会学術集会」においても、ポスター演題で銅賞 をいただきました。こだわればこだわる程、工夫を すればする程、各症例に適した画像を作れます。 日々努力し様々な事に興味を持ち取り組む、 学会に積極的に参加しDr. の話を聞いて先生が 左から、斎藤 係長、須藤 技師長 2013 1 月に導入されたバイプレーンシステム「Artis zee BA Twin」をご使用されるなかで、臨床的価値の高い画像を 提供することを常に考え工夫されている医療法人社団明芳会 横浜新都市脳神経外科病院 画像診断部 斎藤 係長に お話を伺いました。 須藤技師長より 当院の「チーム新都市」では部署の垣根を越えて病院全体の職員がひとつのチームという意識 で患者さんを中心とした診療に取り組んでいます。患者さんが救急からカテ室に来るまでの過程で 各々が気づいた事を伝達することで我々の仕事にプラスになる情報が得られます。あらゆるところ で一番になろうということが我々の目標ですが、斎藤係長はそこに向けて画像診断部のスタッフを 思いっきり引っ張っていってくれています。後輩たちも遠慮することなく本気でぶつかれる自由な 空気がそこにはあります。 何を求めているかを自分の体に叩き込んでいく。 メーカーとも密な関係を保ち色々な事を尋ねる事 が重要だと思います。 経験の浅い技師さんには沢山画像を見てどの ように条件を変えたら結果がどう変わるかといった ベースを作ってほしいです。問題意識を常に持ち 自由にアイデアを出しそれに先輩が一緒になって アドバイスする、私自身が須藤技師長からそうして もらったように、緊張感を持ちながらも伸び伸びと 治療に携われるような環境を作るように心がけて います。 Dr.との関わりという面においても恵まれて おり、技師を頼ってくれる森本院長のおかげでアン ギオに興味を持てました。今も来年に向けて新しい 撮影法を考えているところです。 2014 1117日取材) 70kv 20s CBCT 42 cm・イオパミロン300 4 倍希釈・ 1cc/s delaytime 10s 1 :左中大脳動脈閉塞 IVR Penumbra 術前における血栓範囲 / 血管走行/ 閉塞部遠位部血管描出画像 DSA CBCT Dyna CT 内頚動脈からの造影CBCT において、血栓 範囲と血管走行、閉塞遠位部の走行評価 が可能 十 分なコラテラル(Leptomeningeal Carcinomatosis)からの血流、最適な希釈 度により通過性が向上、希釈造影剤使用に より、 pseudo enhanced 現象を低減できた ことが血栓範囲&血管&心原性血栓特徴 「蟹爪」描出   3Dロードマップ併用により手技へのサポート 向上- 安全性向上&手技時間短縮 血栓範囲のサイズ計測が可能 トレボ&ソルティア - サイズ選択&遠位端部 の把握可能 統一条件で撮影可能 経験の浅い技師でも容易 - 準備撮影:1 / 処理提示:1分 急性期MCA 閉塞のIVR 治療における希釈造影CBCT 撮 影を 用いた血栓範囲把握と閉塞遠位血管描出への工夫 シーメンス・フューチャー 28 2015 4月発行 発行元 シーメンス・ジャパン株式会社 本冊子に関するお問い合わせは下記電話番号までお願いいたします。 TEL 0120-041-387 Siemens Future vol.28 からの抜き刷り

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  • AXInterview

    先生方とのコミュニケーションを手術前に綿密に取っています。私たちがまずその手技・症例を理解し、次にどのような画像を出すか、どのアングルが欲しいのかを常に先読みすることで、手技に行き詰まった際にも技師から提案が行える、これは大きなモチベーションになっています。造影剤の注入条件や希釈度については臨床

    で使用する前に必ずファントムを作って基礎実験を行います。更には適切なコリメーション、適切なカテ位置、使用するデバイスの特性に合った再構成関数を切り替えることも効果的です。見えないもの、見えづらいものをきちんと見せる

    ことが我々画像のプロの仕事だと考えています。DynaCTの撮影モードは6/10/20秒の回転速度の選択が可能ですが、患者さんの静止が困難な場合、画質は少し落ちるかもしれませんが、いかに早く再開通させるかという点でも6秒収集が選択できるのは有用です。

    Artis zee BA Twinを使用したsyngo DynaCT撮影の工夫

    図1のスライドは第11回NPO法人日本脳神経血管内治療学会関東地方会学術集会における画像コンテストで銀賞をいただいたものです。Penumbra術前に血栓範囲、血管走行を把握するために20秒収集のDynaCT撮影を行いましたが、いわゆる「蟹爪」を空間分解能を高く描出でき、更には閉塞部遠位血管も描出することが可能で、「何故これは見えるの?」と色々な先生から質問を受けました。今までは塞栓部の手前と奥でサンド撮影を行い2枚の画像からサイズを選択していましたが、1枚の画像だけで遠位部も描出している、シーメンスだからこそ実現した画像だと思います。さらに「第30回NPO法人日本脳神経血管内治療学会学術集会」においても、ポスター演題で銅賞をいただきました。こだわればこだわる程、工夫をすればする程、各症例に適した画像を作れます。日々努力し様々な事に興味を持ち取り組む、学会に積極的に参加しDr.の話を聞いて先生が

    左から、斎藤 係長、須藤 技師長

    2013年1月に導入されたバイプレーンシステム「Artis zee BA Twin」をご使用されるなかで、臨床的価値の高い画像を提供することを常に考え工夫されている医療法人社団明芳会 横浜新都市脳神経外科病院 画像診断部 斎藤 誠 係長にお話を伺いました。

    須藤技師長より当院の「チーム新都市」では部署の垣根を越えて病院全体の職員がひとつのチームという意識で患者さんを中心とした診療に取り組んでいます。患者さんが救急からカテ室に来るまでの過程で各々が気づいた事を伝達することで我々の仕事にプラスになる情報が得られます。あらゆるところで一番になろうということが我々の目標ですが、斎藤係長はそこに向けて画像診断部のスタッフを思いっきり引っ張っていってくれています。後輩たちも遠慮することなく本気でぶつかれる自由な空気がそこにはあります。

    何を求めているかを自分の体に叩き込んでいく。メーカーとも密な関係を保ち色々な事を尋ねる事が重要だと思います。経験の浅い技師さんには沢山画像を見てどの

    ように条件を変えたら結果がどう変わるかといったベースを作ってほしいです。問題意識を常に持ち自由にアイデアを出しそれに先輩が一緒になってアドバイスする、私自身が須藤技師長からそうしてもらったように、緊張感を持ちながらも伸び伸びと治療に携われるような環境を作るように心がけています。Dr.との関わりという面においても恵まれており、技師を頼ってくれる森本院長のおかげでアンギオに興味を持てました。今も来年に向けて新しい撮影法を考えているところです。

    (2014年11月17日取材)

    70kv・20s CBCT・42cm・イオパミロン300・4倍希釈・1cc/s・delaytime 10s図1:左中大脳動脈閉塞 IVR Penumbra術前における血栓範囲 /血管走行 /閉塞部遠位部血管描出画像

    DSA CBCT ~ Dyna CT ~・ 内頚動脈からの造影CBCTにおいて、血栓範囲と血管走行、閉塞遠位部の走行評価が可能  ・ 十分なコラテラル(Leptomeningeal

    Carcinomatosis)からの血流、最適な希釈度により通過性が向上、希釈造影剤使用により、pseudo enhanced現象を低減できたことが血栓範囲&血管&心原性血栓特徴「蟹爪」描出  ・ 3Dロードマップ併用により手技へのサポート向上 -安全性向上&手技時間短縮・ 血栓範囲のサイズ計測が可能 トレボ&ソルティア - サイズ選択&遠位端部の把握可能・ 統一条件で撮影可能 経験の浅い技師でも容易 - 準備撮影:1分

    / 処理提示:1分

    急性期MCA閉塞の IVR治療における希釈造影CBCT撮影を用いた血栓範囲把握と閉塞遠位血管描出への工夫

    ■ シーメンス・フューチャー 第28号 2015年4月発行■ 発行元 シーメンス・ジャパン株式会社本冊子に関するお問い合わせは下記電話番号までお願いいたします。TEL:0120-041-387

    Siemens Future vol.28からの抜き刷り