26 juniorH1H4 06 A4E1 E2 E3 E (を担当) B4 B5 B6 B1 B2 B3 B (を担当) D4D5D6 D1D2D3 D...

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9 TYPE Ⅰ 国 語 B 1 三 学習の流れ 教材例 第1時 「読書週間」の標語 (公益社団法人読書推進運動協議会「読書週間」標語入選作品) 授業アイディア例 右の六つの標語について,グループで一つの標語を担当し,それぞれの 標語の表現の工夫とその効果について分析する。 「表現の技法を用いて,読書についての標語を作る」 「表現の技法を用いて,読書についての標語を作る」 ~表現の仕方について,根拠を明確にして自分の考えをまとめる~ 〔第2学年〕B 書くこと オ 〔第2学年〕C 読むこと ウ 〔第1学年〕伝国 (1) イ (オ) 学習指導要領における領域・内容 標語を読んで,表現の工夫とその効果について自分の考えをまとめることに課題が見られました。そこで,本アイディアでは,標 語に用いられている表現の工夫とその効果について分析し,それを生かして読書についての標語を創作する学習を提案します。読書 についての自分の思いを標語の形で発信することを通して,特に,表現の仕方について自分の考えをまとめることを狙いとします。 教師 「読書週間」の標語の分析を役立てて,自分 の読書標語を作りながら,表現の技法について 理解を深めましょう。 「表現の技法を用いて読書についての 標語を作る」ための学習の見通しをもつ。 過去の「読書週間」の標語を取り上げ, グループで担当した標語の表現の工夫 とその効果について分析する。 (第1時) それぞれの標語につい て分析した内容を交流し, 表現の工夫とその効果に ついて整理する。 (第2時) 読書についての自分の 思い〈メッセージ〉を書き, 表現の技法を用いて標語 の形で表す。 (第3時) 〈メッセージ〉を標語にし た際の表現の工夫について まとめ,グループで読み合 い,意見を述べる。(完成し た標語を校内に掲示する。) (第4時) (言語活動) 表現の技法を用いて,読書についての標語を作る。 学習の見通しをもつ。 授業前の教師の準備 《擬人法》を使うことで「風」が 意志をもってページをめくってくれ る よ う な 気 が し ま す。ま た,「秋」 と《体言止め》にすることで余韻が 残り,様々な情景が浮かびます。紅 葉が散る中で,ベンチに座って本を 読んでいるのではないでしょうか。 《5・7・5》になっているからリズミ カルで覚えやすいので心に残ります。「あ りますか?」と《問いかけ》の言い方に することで読者に考えさせる効果があり ます。自分に言われているようです。 F4 F5 F6 F1 F2 F3 F ( を担当 ) C4 C5 C6 C1 C2 C3 C ( を担当 ) E4 E5 E6 E1 E2 E3 E ( を担当 ) B4 B5 B6 B1 B2 B3 B ( を担当 ) D4 D5 D6 D1 D2 D3 D ( を担当 ) A4 A5 A6 A1 A2 A3 A ( を担当 ) B1 三についての生徒の解答の状況を「解答類型」( 平成 26 年度 報告書 中学校 国語 ) に照らして 把握する。特に,以下の「解答類型」の生徒の解答の状況に着目する。 ノートを基に,標語から伝わってくる〈メッセージ〉と〈表現の工夫 とその効果〉を書く。 B 1 三 正答率 48.9% 課題の見られた問題の概要と結果 B 1  読書についての標語を考える 「解答類型2」の生徒 表現の工夫を具体的に示さず,効果だけを書いている。 表現の技法を適切に理解しないで書いている。 「解答類型9」の生徒 「解答類型2」で示した解答の状況に加えて, 【早川さんのノート】を参考にして〈メッセージ〉を書く ことができていない。

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109

TYPE Ⅰ

国 語

B 1 三

学習の流れ

教材例

第1時

第2時

第4時

第3時

● 「読書週間」の標語

  (公益社団法人読書推進運動協議会「読書週間」標語入選作品)

授業アイディア例

❷ 右の六つの標語について,グループで一つの標語を担当し,それぞれの

標語の表現の工夫とその効果について分析する。

「表現の技法を用いて,読書についての標語を作る」「表現の技法を用いて,読書についての標語を作る」~表現の仕方について,根拠を明確にして自分の考えをまとめる~

●   本アイディアのように,個々の生徒の学力の状況を「解答類型」から把握することで,それぞれの課題に応じた指導が可能になる。

参照▶「平成 26年度 報告書 中学校 国語」 P.60 ~ P.66,「平成 26年度 解説資料 中学校 国語」 P.52 ~ P.58

〔第2学年〕B 書くこと オ〔第2学年〕C 読むこと ウ〔第1学年〕伝国 (1) イ (オ)

学習指導要領における領域・内容

本授業アイディア例 活用の本授業アイディア例 活用のポイントポイント

 標語を読んで,表現の工夫とその効果について自分の考えをまとめることに課題が見られました。そこで,本アイディアでは,標語に用いられている表現の工夫とその効果について分析し,それを生かして読書についての標語を創作する学習を提案します。読書についての自分の思いを標語の形で発信することを通して,特に,表現の仕方について自分の考えをまとめることを狙いとします。

教師

 「読書週間」の標語の分析を役立てて,自分の読書標語を作りながら,表現の技法について理解を深めましょう。

 書いたものを読み合い,意見を付箋で貼りましょう。友達の意見から新たに気付いたことをワークシートに書き加えましょう。

 いろいろな表現の技法が使われていることが分かりましたね。では,皆さんの読書についての思いを,表現の技法を用いて標語にしてみましょう。ワークシートに書き込んでいきます。

 「表現の技法を用いて読書についての標語を作る」ための学習の見通しをもつ。 過去の「読書週間」の標語を取り上げ,グループで担当した標語の表現の工夫とその効果について分析する。 (第1時)

 それぞれの標語について分析した内容を交流し,表現の工夫とその効果について整理する。 (第2時)

 読書についての自分の思い〈メッセージ〉を書き,表現の技法を用いて標語の形で表す。 (第3時)

 〈メッセージ〉を標語にした際の表現の工夫についてまとめ,グループで読み合い,意見を述べる。(完成した標語を校内に掲示する。) (第4時)

(言語活動) 表現の技法を用いて,読書についての標語を作る。

❶ 学習の見通しをもつ。

❸ グループを右の図のように変え,それぞれの標語について分析した内容を交流する。

第4時終了後の教師の分析

授業前の教師の準備

○ 表現の技法について理解した上で,標語を作成している。

○ 表現の技法をどのように標語に取り入れたかを説明している。 《擬人法》を使うことで「風」が意志をもってページをめくってくれるような気がします。また,「秋」と《体言止め》にすることで余韻が残り,様々な情景が浮かびます。紅葉が散る中で,ベンチに座って本を読んでいるのではないでしょうか。

 Aは,「本と旅する」と「本を旅する」という似た言い方の《繰り返し》をすることで,リズムが生まれ印象的な標語になっています。また,「本と旅する」は,本と一緒に過ごす姿を想像させ,「本を旅する」は,物語の世界に入り込む楽しさを思い出させます。「と」と「を」を使い分けるだけで表現が豊かになります。

 《5・7・5》になっているからリズミカルで覚えやすいので心に残ります。「ありますか?」と《問いかけ》の言い方にすることで読者に考えさせる効果があります。自分に言われているようです。

最近出会った一冊の本で変わった

先が知りたくなるワクワク感がある

休み時間も夢中

 私は、休み時間に本に夢中に

なった経験を、《五七五》の形

式で表しました。そうするとリ

ズムがよくなるので、本を読ん

でいるときのワクワクする気持

ちがより伝わりやすくなると

思ったからです。また、大冒険

と《体言止め》にすることで冒

険を強調し、現実には味わえな

いような体験が本の中ではでき

ることを表してみました。

標語案①

《使った表現の技法》

表現の技法を用いて

読書についての標語を作る

 書いた文章を分析する。

 授業前に把握した「解答類型2」や「解答類型9」に該当する生徒が,次の観点で文章を記述したり,

推敲したりすることができているかどうかを見る。すいこう

◆◇

読書についての自分の思い〈メッセージ〉

◇◆

標語案②

本と旅する 本を旅する

ホントノキズナ

ありますか?好きだと言える一冊が…

風もページをめくる秋

翔べ心!

本はその翼である

よい社会 ひとりひとりの読書から

〈「読書週間」の標語〉

F4 F5 F6

F1 F2 F3F

( を担当 )

C4 C5 C6

C1 C2 C3C

(を担当 )

E4 E5 E6

E1 E2 E3E

( を担当 )

B4 B5 B6

B1 B2 B3B

( を担当 )

D4 D5 D6

D1 D2 D3D

(を担当 )

A4 A5 A6

A1 A2 A3A

(を担当 )

D1 E1 F1

A1 B1 C1

1* Aから Fの「1」の生徒でグループを作る

2から6も同じようにグループを作る。

変わりました

 この一冊で

〔ワークシートの例〕

倒置法

《使った表現の技法》

休み時間

 本の世界で大冒険

五七五

  ・

体言止め

❻ 〈メッセージ〉を標語にした際の表現の工夫とその効果について

まとめ( 3 ),グループで読み合い,意見を述べる。3

22 1

❹ 個人で,読書についての自分の思い〈メッセージ〉を書く(ワークシート内の 1 )。

❺ 書いた〈メッセージ〉を,表現の技法を用いて標語の形で表す( 2 )。21

 B1三についての生徒の解答の状況を「解答類型」( 平成 26 年度 報告書 中学校 国語 ) に照らして

把握する。特に,以下の「解答類型」の生徒の解答の状況に着目する。

 ノートを基に,標語から伝わってくる〈メッセージ〉と〈表現の工夫とその効果〉を書く。B 1 三 正答率 48.9%

課題の見られた問題の概要と結果

B 1  読書についての標語を考える

● 「解答類型2」の生徒  表現の工夫を具体的に示さず,効果だけを書いている。

  表現の技法を適切に理解しないで書いている。

● 「解答類型9」の生徒  「解答類型2」で示した解答の状況に加えて,【早川さんのノート】を参考にして〈メッセージ〉を書く

ことができていない。 ※ 〈メッセージ〉が書けない生徒には,以下のような内容を書いてみるよう促す。・ 私にとって本とは・ 本を読まない人へ贈る言葉・ 忘れられない読書体験 など

109

TYPE Ⅰ

国 語

B 1 三

学習の流れ

教材例

第1時

第2時

第4時

第3時

● 「読書週間」の標語

  (公益社団法人読書推進運動協議会「読書週間」標語入選作品)

授業アイディア例

❷ 右の六つの標語について,グループで一つの標語を担当し,それぞれの

標語の表現の工夫とその効果について分析する。

「表現の技法を用いて,読書についての標語を作る」「表現の技法を用いて,読書についての標語を作る」~表現の仕方について,根拠を明確にして自分の考えをまとめる~

●   本アイディアのように,個々の生徒の学力の状況を「解答類型」から把握することで,それぞれの課題に応じた指導が可能になる。

参照▶「平成 26年度 報告書 中学校 国語」 P.60 ~ P.66,「平成 26年度 解説資料 中学校 国語」 P.52 ~ P.58

〔第2学年〕B 書くこと オ〔第2学年〕C 読むこと ウ〔第1学年〕伝国 (1) イ (オ)

学習指導要領における領域・内容

本授業アイディア例 活用の本授業アイディア例 活用のポイントポイント

 標語を読んで,表現の工夫とその効果について自分の考えをまとめることに課題が見られました。そこで,本アイディアでは,標語に用いられている表現の工夫とその効果について分析し,それを生かして読書についての標語を創作する学習を提案します。読書についての自分の思いを標語の形で発信することを通して,特に,表現の仕方について自分の考えをまとめることを狙いとします。

教師

 「読書週間」の標語の分析を役立てて,自分の読書標語を作りながら,表現の技法について理解を深めましょう。

 書いたものを読み合い,意見を付箋で貼りましょう。友達の意見から新たに気付いたことをワークシートに書き加えましょう。

 いろいろな表現の技法が使われていることが分かりましたね。では,皆さんの読書についての思いを,表現の技法を用いて標語にしてみましょう。ワークシートに書き込んでいきます。

 「表現の技法を用いて読書についての標語を作る」ための学習の見通しをもつ。 過去の「読書週間」の標語を取り上げ,グループで担当した標語の表現の工夫とその効果について分析する。 (第1時)

 それぞれの標語について分析した内容を交流し,表現の工夫とその効果について整理する。 (第2時)

 読書についての自分の思い〈メッセージ〉を書き,表現の技法を用いて標語の形で表す。 (第3時)

 〈メッセージ〉を標語にした際の表現の工夫についてまとめ,グループで読み合い,意見を述べる。(完成した標語を校内に掲示する。) (第4時)

(言語活動) 表現の技法を用いて,読書についての標語を作る。

❶ 学習の見通しをもつ。

❸ グループを右の図のように変え,それぞれの標語について分析した内容を交流する。

第4時終了後の教師の分析

授業前の教師の準備

○ 表現の技法について理解した上で,標語を作成している。

○ 表現の技法をどのように標語に取り入れたかを説明している。 《擬人法》を使うことで「風」が意志をもってページをめくってくれるような気がします。また,「秋」と《体言止め》にすることで余韻が残り,様々な情景が浮かびます。紅葉が散る中で,ベンチに座って本を読んでいるのではないでしょうか。

 Aは,「本と旅する」と「本を旅する」という似た言い方の《繰り返し》をすることで,リズムが生まれ印象的な標語になっています。また,「本と旅する」は,本と一緒に過ごす姿を想像させ,「本を旅する」は,物語の世界に入り込む楽しさを思い出させます。「と」と「を」を使い分けるだけで表現が豊かになります。

 《5・7・5》になっているからリズミカルで覚えやすいので心に残ります。「ありますか?」と《問いかけ》の言い方にすることで読者に考えさせる効果があります。自分に言われているようです。

最近出会った一冊の本で変わった

先が知りたくなるワクワク感がある

休み時間も夢中

 私は、休み時間に本に夢中に

なった経験を、《五七五》の形

式で表しました。そうするとリ

ズムがよくなるので、本を読ん

でいるときのワクワクする気持

ちがより伝わりやすくなると

思ったからです。また、大冒険

と《体言止め》にすることで冒

険を強調し、現実には味わえな

いような体験が本の中ではでき

ることを表してみました。

標語案①

《使った表現の技法》

表現の技法を用いて

読書についての標語を作る

 書いた文章を分析する。

 授業前に把握した「解答類型2」や「解答類型9」に該当する生徒が,次の観点で文章を記述したり,

推敲したりすることができているかどうかを見る。すいこう

◆◇

読書についての自分の思い〈メッセージ〉

◇◆

標語案②

本と旅する 本を旅する

ホントノキズナ

ありますか?好きだと言える一冊が…

風もページをめくる秋

翔べ心!

本はその翼である

よい社会 ひとりひとりの読書から

〈「読書週間」の標語〉

F4 F5 F6

F1 F2 F3F

( を担当 )

C4 C5 C6

C1 C2 C3C

(を担当 )

E4 E5 E6

E1 E2 E3E

( を担当 )

B4 B5 B6

B1 B2 B3B

( を担当 )

D4 D5 D6

D1 D2 D3D

(を担当 )

A4 A5 A6

A1 A2 A3A

(を担当 )

D1 E1 F1

A1 B1 C1

1* Aから Fの「1」の生徒でグループを作る

2から6も同じようにグループを作る。

変わりました

 この一冊で

〔ワークシートの例〕

倒置法

《使った表現の技法》

休み時間

 本の世界で大冒険

五七五

  ・

体言止め

休み時間

 本の世界で大冒険

❻ 〈メッセージ〉を標語にした際の表現の工夫とその効果について

まとめ( 3 ),グループで読み合い,意見を述べる。3

22 1

❹ 個人で,読書についての自分の思い〈メッセージ〉を書く(ワークシート内の 1 )。

❺ 書いた〈メッセージ〉を,表現の技法を用いて標語の形で表す( 2 )。21

 B1三についての生徒の解答の状況を「解答類型」( 平成 26 年度 報告書 中学校 国語 ) に照らして

把握する。特に,以下の「解答類型」の生徒の解答の状況に着目する。

 ノートを基に,標語から伝わってくる〈メッセージ〉と〈表現の工夫とその効果〉を書く。B 1 三 正答率 48.9%

課題の見られた問題の概要と結果

B 1  読書についての標語を考える

● 「解答類型2」の生徒  表現の工夫を具体的に示さず,効果だけを書いている。

  表現の技法を適切に理解しないで書いている。

● 「解答類型9」の生徒  「解答類型2」で示した解答の状況に加えて,【早川さんのノート】を参考にして〈メッセージ〉を書く

ことができていない。 ※ 〈メッセージ〉が書けない生徒には,以下のような内容を書いてみるよう促す。・ 私にとって本とは・ 本を読まない人へ贈る言葉・ 忘れられない読書体験 など