1212 GENKI Front Back - JAEA私たちの身近な存在である氷。水が0...

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Japan Atomic Energy Agency ENKI 未来へ げんき 43 2016 vol. 国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構 シリーズ福島研究開発 大熊分析・研究センター えなかった 世界 える 未解決 問題を解明 宇宙線被ばく量を 世界で初めて国や地域ごとに 高精度で評価 ― 日常における私たち一人ひとりの 年間平均被ばく量を再評価 ― 大型放射光施設SPring-8利用した 原子力機構研究

Transcript of 1212 GENKI Front Back - JAEA私たちの身近な存在である氷。水が0...

  • J a p a n A t o m i c E n e r g y A g e n c y

    ENKI未来へ げんき

    国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

    日本原子力研究開発機構は、日本で唯一の原子力に関する総合的研究開発機関として、「原子力の未来を切り拓き、人類社会の福祉に貢献する」をミッションとしています。主な業務として、東京電力福島第一原子力発電所事故への最優先での対応、原子力の安全性向上のための研究、核燃料サイクルの研究開発、放射性廃棄物処理・処分の技術開発といった分野に重点的に取り組むとともに、これらの研究開発を支え、新たな原子力利用技術を創出する基礎基盤研究と人材育成に取り組んでいます。

    432016 vol.国立研究開発法人

    日本原子力研究開発機構

    3191190

    料金受取人払郵便

    ひたちなか

    郵便局承認

    切手不要

    (受取人)

    国立研究開発法人

    日本原子力研究開発機構

    広報部「未来へげんき」係

    茨城県那珂郡東海村

    大字舟石川765番

    地1

    差出有効期限

    平成29年

    3月31日まで

    104

    性 別年 齢

    都道

    府県

    フリガナ

    男・女

    (  )

    住  所 氏 名電 話

    Japan

    Ato

    mic E

    nergy A

    gency

    (キリトリ線)

    シリーズ福島研究開発大熊分析・研究センター

    見えなかった世界が見える

    氷の未解決問題を解明宇宙線被ばく量を世界で初めて国や地域ごとに高精度で評価― 日常における私たち一人ひとりの 年間平均被ばく量を再評価 ―

    大型放射光施設SPring-8を利用した原子力機構の研究

  • 私たちの身近な存在である氷。水が0℃になると氷になることを私たちは知っていますが、実は、水に圧力をかけても氷になることをご存知でしょうか。

    この「高圧氷」について、東京大学大学院理学系研究科小松一生准教授の研究チームと原子力機構のJ-PARCセンターにある

    超高圧中性子回折装置「PLANET」が長年の謎をひとつ、解き明かしました。

    こまつ かずき

    Covercommentary

    世界最大級の大型放射光施設「SPring-8」に設置されている原子力機構専用ビームライン

    「BL22XU」の一部。真空配管を通じて放射光(X線)を放射線遮蔽ハッチ内の実験装置に導入し、物の

    内部の原子・分子の状態を見ることができます。

    Contents

    To k i m e k i「雪は天から送られた手紙である」

    世界的な雪氷学者である中谷宇吉郎博士(1900-1962)の言葉です。一般に、北海道の雪はサラサラの粉雪、北陸の雪は湿って重たいベタ雪です。この雪質の違いは、気象条件による大気中の温度と水蒸気量の違いが大きな要因となっています。当時アメリカの最新式の除雪車が、日本の雪では動けなかったという新聞記事を見て、なぜ?と思ったことが中谷博士が研究を始めるきっかけでした。中谷博士は、あらゆる雪の結晶を顕微鏡写真に撮って分類し、 気象状態がどのようなときにどんな結晶の雪が降るか調べました。 そして、1936年に世界で初めて人工的に雪の結晶を作ることに成功しました。その後、博士の研究テーマは雪や氷のさまざまな問題へと広がりました。

    中谷博士はもともと原子物理学を志しイギリスへ留学しましたが、帰国後日本では実験に必要な機材が揃わず、やむを得ずお金のかからない雪の研究に向かったと言われていますが、当時アメリカのベントレイが出版した「雪の結晶写真集」に魅せられたことにもその動機があったようです。

    トキメキサイエンス

    S C I E N C E

    0104

    08

    1012

    シリーズ福島研究開発大熊分析・研究センター

    PLAZA 原子力機構の動き読者アンケートはがきなど

    見えなかった世界が見える氷の未解決問題を解明

    宇宙線被ばく量を世界で初めて国や地域ごとに高精度で評価― 日常における私たち一人ひとりの 年間平均被ばく量を再評価 ―

    大型放射光施設SPring-8を利用した原子力機構の研究

    1

  • プラネット

    ミト

    システム

    水素は2つのサイトのどちらかに入る

    酸素

    無秩序相 秩序相

    1つの酸素のまわりには2つの水素がつく これまで中性子を用いた高圧実験は、その試料の小ささゆえ

    に、シグナルが大変弱く、その実現が困難でした。 J-PARCは、既存のパルス中性子施設の数倍~10倍の中性子束を得ることができるため、小さな試料からでも十分なシグナルが得ることができ、中性子その場観察実験が可能となります。「PLANET」は、高圧実験専用に作られたビームラインであり、数万~20万気圧での物質の構造解析が可能となっています。中性子の特長を生かし、X線ではなかなか見ることのできない水素などの軽元素の状態を観察することが可能です。 今回の研究では、この特性を生かし、長年謎であった「氷の未解決問題」に答えを出すことができました。 「PLANET」を利用することで、これまで観測できなかった高密度物質中での水素の挙動を調べることができるため、地球科学、惑星科学、物質科学などの研究に広く利用されています。

    小松 圧力によってできる氷は「高圧

    氷」と呼ばれています。

     たとえば、先端の面積が1㎟のハイ

    ヒールを体重100㎏の人が履いたと

    しましょう。そのハイヒールの下に水が

    あれば、水に1ギガパスカルの圧力が

    かかり、水は室温で凍ります。

    氷の多形

    氷の「未解決問題」に挑む

    室温で出来る高圧氷

     

    同じ化学組成からできていて、結晶

    構造が違うものを多形といいます。

     

    たとえば、ダイヤモンドと黒鉛は同

    じ炭素(C)からできていますが、結晶

    構造が違います。多形によっては、この

    ように別の名前がついているものもあ

    りますが、氷の場合は、全て「氷」と呼

    ばれます。

     

    高圧氷も含め、結晶構造が異なる氷

    は、現在までに少なくとも17種類は存

    在することが知られていて、発見され

    た順にローマ数字で表記(※注1)さ

    れます。冷凍庫でできる通常の氷は、

    「氷Ⅰ相」と呼ばれています。

     

    これら17種類の結晶構造が異なる氷

    は、それぞれ「圧力」と「温度」の設定条

    件の違いによりできあがります。(図1

    参照)

    小松 多形をもつ物質の中でも、氷ほ

    ど多くの多形が見つかっているものは

    他になく、水や氷の特異性を象徴して

    いると言えます。

     それでは、なぜ氷には、これほど多く

    の多形があるのでしょうか。その理由の

    一つを、氷中の水分子(

    H2O)

    が持つ水

    素結合に求めることができます。氷の

    中の一つの酸素原子に注目しましょう。

    近くには、四面体を作るように4つの

    酸素原子があります。この4つの酸素

    との間に水素が配置するのですが、その

     

    私たちの身近にありながら、このよう

    に奥の深い「氷」という物質。

     

    多くの研究者がこの不思議な物質の

    解明に挑むなか、いくつかの「謎」が生ま

    れてきました。その一つが「無秩序相Ⅵ

    と秩序相XV」のペアの存在です。

    小松 秩序相である氷XV相は無秩序相

    である氷Ⅵ相を冷やすことで精製され

    るとされていて、温度や圧力を操作して

    氷XV相を作り出すという実験と理論計

    算の両面から、この氷の性質を調べてき

    ました。しかし長い間、この2つの方法に

    よって得られる氷の性質が違い、理論と

    実験の「答え」が合わなかったのです。

     それでも私たちの生活には何の支障

    もない、と思う方もいるかもしれません。

    しかし、私たちの生活に身近な「氷」の存

    在にすら理論と実験の結果に違いが生

    じてしまうということは、人間の成り立

    ちや自然の原理を解明しようとする「科

    学」そのものに疑念が生じてしまうとい

    う大変な事態に繋がります。

     

    小松先生をはじめとする研究チーム

    が挑んだのは科学の本質に迫る謎でし

    た。その解明に欠かせなかったのが原子

    力機構のJ -

    PARCなのです。

    小松 水(氷)の化学式がH20という

    のは皆さんご存知だと思います。氷の構

    造の違いを知るには、このうちH、つまり

    水素がどこにいるのかというのを見つけ

    なくてはなりません。水素の観察は、顕

    微鏡やX線ではできません。それでは何

    を使うのか、というときに役立つのがJ

    -

    PARCで作られる中性子線なので

    す。水素のような軽い元素に中性子ビー

    ムが当たると吸収や散乱が起き、水素原

    子が「見える」ようになります。私たちは

    世界最高性能のJ -

    PARCの超高圧

    中性子回折装置「PLANET」を「氷

    の謎」解明のパートナーに選びました。

     また、これまでの「無秩序相Ⅵから秩

    序相XVを作り出す実験」にはいくつか問

    題があるという仮説も立てていました。

    高圧氷を作るときには、液体窒素での冷

    却が欠かせないのですが、これまでの実

    験者は実験装置ごと液体窒素に漬けて

    冷却していたのです。これでは精確な温

    度調整ができず正しい結論が出ない恐

    れがあります。私たちは数年の歳月をか

    け、メーカーと協力し液体窒素を細い管

    を通して送り込みながら実験する装置

    「Mito

    system」(※注2)を

    完成させました。

     

    そして、温度の微調整が可能な

    「Mito

    system」を

    「PLANET」に設置し、私たちが導

    き出した結論は、秩序相だと思われてい

    た氷XV相は、実は秩序状態と無秩序状

    態が混じり合った「部分秩序状態」だっ

    たということでした。

     

    触ると冷たい氷が身近な私たちは、

    そのような水が固体になったものも

    「氷」と呼ぶことに違和感があるかもし

    れません。しかし、氷の定義は「水が固

    体になったもの」、つまり水分子が自由

    に動けない状態になったものなので、非

    常に高い圧力をかけて分子の動きを抑

    えてしまえば、「冷たくない氷」もつくる

    ことが可能なのです。

    室温で作った1ギガパスカルの高圧氷

    図2 氷の秩序相と無秩序相の構造

    小松 一生 准教授こまつ かずき

    圧力から解放されると水に戻ってしまうため、残念ながら現在の技術では、人間は圧力によってできた「室温の氷」に触れることはできません。

    ※注1 今から100年以上前、高圧氷を初めて発見したエストニアの物理化学者グスタフ・タンマンが、ローマ数字で表記したことによります。※注2 Mito systemという名称はこの実験装置が茨城県水戸市で開催された国際会議で初めて公開されたことにちなんで付けられました。

    配置の仕方は、たった一つの水分子だけ

    に着目しても6通りもあるのです。目に

    見えるぐらいの大きさの氷になれば、そ

    の組み合わせは天文学的な数になって

    しまいます。この水素配置の自由度が、

    氷の多形が多くあることの理由の一つ

    です。

     

    また、氷の多形は、同じ酸素配置を

    持ちながら、水素配置がランダムな「無

    秩序相」と水素配置がある特定の規則

    性を持つ「秩序相」のどちらかに分類さ

    れます。(図2参照)

    さらなる

    「謎」の解明へ

    小松 「氷」の状態が解明できたからと

    言って、すぐに私たちの生活が変わるこ

    とはないでしょう。それでも、これまでに

    分からなかった氷の謎が今確かにひと

    つ、解明できたのです。このような基本

    的な問いに一つ一つ答えつづけていくと、

    J-PARC 物質・生命科学実験施設超高圧中性子回折装置「PLANET」

    物質・生命科学実験施設/第一実験ホールオレンジ色のビームラインが 「 PLANET 」 J-PARC 物質・生命科学実験施設 http://j-parc.jp/MatLife/ja/

    PLANETで実験中の小松准教授

    小松 今回の実験で解明できたのは、こ

    れまでの実験の設定が不十分であった

    ということです。これは「無秩序相Ⅵから

    秩序相XVを作る」という命題において、

    実験の科学の根本を成り立たせる「理論

    計算」が大きく間違っていなかったとい

    う証明にもなります。私たち氷の科学者

    の研究の根幹に対する疑念を解消でき

    たと言ってもいいでしょう。また「部分秩

    序状態」というこれまでに発見されてい

    なかった不思議な状態を氷が持っている

    ということもわかりました。このことも

    「氷」という物質の解明にとっても大き

    な一歩だと思っています。

    東京大学大学院理学系研究科地殻化学実験施設

    図1 氷の相図

    ある時、まさに水が氷に変わるように、

    不連続に社会を変えるような大発見に

    つながっていくかもしれません。

     まずは今回見出した「部分秩序状態」

    が他の形の氷にも見られるのかどうか、

    そしてどのような機能を持っているの

    か。氷の可能性に挑むべく、検証を続け

    ています。

    液体

    Ih II V

    III VI

    XV

    VII

    VIII

    0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.50

    50

    100

    150

    200

    250

    300

    350

    温度 / K

    圧力 / GPa

    -250

    -200

    -150

    -100

    -50

    0

    50

    温度 / oC

    水素

    3 2

  • C o s m i c r a y s宇宙線による被ばく量を

    世界で初めて国や地域ごとに高精度で評価日常における私たち一人ひとりの年間平均被ばく量を再評価

    私たちは、日常絶えず自然界から放射線を受けています。宇宙からの放射線、大地からの放射線、空気中からの吸引物や、食物からも被ばくしているのです。原子力基礎工学研究センターの佐藤達彦研究主幹はこの中の宇宙からの放射線について、

    私たち一人ひとりの年間平均被ばく量を、国や住んでいる地域によって高精度で評価する手法を開発しました。この成果は、今後世界基準を見直すデータとしても貢献が期待されています。

    さとう たつひこ

    地域によって、自然放射線の年間被ばく線量に違いがあるのはどうしてでしょうか?

     宇宙からやってくる宇宙線は磁場の弱い北極や南極に多く降り注ぐため、それらの地域では宇宙線による被ばく線量が高くなります。(本誌P5~P7参照)その他、地域により自然放射線の強弱が出る大きな要因として、大地からの影響があります。 大地からの自然放射線の多い地域として、インドのケララ州などが挙げられます。これらの地域は、ウランやトリウムといった放射性物質を多く含むモナザイト岩石帯に位置しています。自然放射線の世界平均は年間2.4ミリシーベルトですが、ケララ州では、年間10ミリシーベルトもの被ばく線量があり、世界平均の4倍以上となります。

     日本の平均は年間約2.1ミリシーベルトですが、ウランやトリウムを比較的多く含む花崗岩地帯では、その他の地域よりも高くなります。

    どのくらい被ばくすると、影響がでるのでしょうか?

     人体が放射線に被ばくすると、DNA(遺伝子)に傷ができる可能性があります。しかし、DNAには自己修復機能が備わっているため、人類は太古から自然放射線を受けていますが、地上で自然放射線を浴びる程度の被ばくであれば、健康への影響が出ることはありません。 放射線が危険になるのは、大量に放射線を浴びた場合です。例えば、全身に500ミリシーベルト被ばくした場合には、リンパ球の減少が見られます。また、1,000ミリシーベルト(1シーベルト)を全身に被ばくすると、吐き気を感じたりするといわれています。それより低い線量でも、受けた放射線の量に比例して数年後から数十年後にがんになる割合が、被ばくしていない場合に比べて高まることが明らかにされています。しかしながら、これまでの調査では、100ミリシーベルト以下の被ばくでは、健康への影響は確認されていません(注)。

    (注)国際放射線防護委員会(ICRP)が認めている推定値では、1,000ミリシーベルトの被ばくに対して放射線によるがん死亡の割合が5%増加するとされています。日本人はがんによって亡くなる割合が約30%とされていますが、1年間で100ミリシーベルトの線量を被ばくした集団では、その割合が30.5%になると計算されます。100ミリシーベルトより小さな線量では、被ばくの影響によってこの割合が本当に増加したかどうかを疫学的な方法で確かめることは極めて困難であるとされています。

    Cosmic rays

    Q &A宇宙線被ばく

    Q1Q2

    AA

    放射線被ばくの早見図人工放射線 自然放射線

    量子科学技術研究開発機構HPより引用・改変

    5 4

  • 佐藤 UNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学

    委員会*注)が2008年に発表したレポートでは、宇宙線に

    よる被ばく線量は、高度、緯度・経度により複雑に変化するた

    め、国や地域ごとの詳細な評価は実施せず、限られた実測値か

    ら単純な仮定に基づいてその世界平均値のみを概算していま

    した。このような背景から、より精緻かつ高精度な手法に基づ

    く宇宙線被ばく線量の評価が望まれていました。この宇宙線に

    よる年間平均被ばく量を、地域ごとに高精度でわかるようにし

    たということが、今回の成果です。

     方法ですが、まず大気中に入り込んだ宇宙線が地表面まで届

    く間に、どのように空気シャワー(図1参照)を作るかというこ

    とを原子力機構が独自に開発した最新のコンピュータシミュ

    レーションで再現し、その結果を元に宇宙線強度解析モデル

    「EXPACS」を開発しました。

     この解析モデルは、高度、緯度・経度、年月日を指定すれば、ど

    のような放射線がどの高度にどれくらいあるか、宇宙線強度や

    被ばく線量を瞬時に計算できます。その計算精度は、様々な実

    測との比較で実証されており、最も信頼性の高い大気圏内の宇

    宙線強度計算モデルとして、航空会社の乗務員の宇宙線被ばく

    線量評価などにも使われています。

     この「EXPACS」で計算したデータと標高データと人口

    データの3つを重ね合わせ、世界230ヶ国に対して、地球上の人

    が宇宙線に年間平均どれくらい被ばくしているかを調べました。

     その結果、現在UNSCEARが評価している世界平均値よ

    り、約16%低いことが判明しました。

     今回の成果は、今後UNSCEARが再評価を行う際に、非

    常に重要な基礎データとして貢献が期待されています。

     今回の解析に利用した「EXPACS」は、一般的な表計算ソ

    フト用のファイルになっているので誰でも使用できます。

    「EXPACS」をダウンロードして、緯度・経度・高度・日付を

    入力するだけで、自分のいる場所や知りたい場所の宇宙線量を

    簡単に知ることができます。

     宇宙線がどこにどれだけきているかということがはっきりわ

    かる宇宙線モデルは、研究として非常に利用価値は高く、いろい

    ろなところで使われています。たとえば、半導体などは、宇宙線に

    よってエラーが起こりやすいので、半導体を使用した精密機械な

    どは、建物の上の階よりは地下室などに置いて、宇宙線を遮蔽し

    ている場合もあります。また、宇宙線強度と地球環境の変化の調

    査などにも使われています。

     以前は、スパコンでなければ、その場所の宇宙線量を評価する

    ことはできませんでした。誰でも簡単に高度や緯度・経度、太陽

    の活動度などを考慮し宇宙線量を出せるモデルを作ったという

    ことは非常に意味のあることだと思っています。

    C o s m i c r a y s

    自然放射線とは何か?佐藤 自然放射線とは、地球が誕生して以来大地や空気中などに存在しているカリウム40やウラン、トリウムなどの自然放射性核種に由来する放射線及び、宇宙からの放射線(宇宙線)のことです。この言葉は、原子力利用や放射線発生装置の利用によって発生する人工放射線に対比して使用されます。大地は、地域によって岩盤が異なるので放射線もエネルギーや量が違ってきます。空気中には、気体でしか存在しない自然放射性核種ラドンが常に漂っていて、私たちは呼吸するたびにそれらを吸引しています。また食物でも、たとえば干しこんぶや干ししいたけ、バナナ、ジャガイモ、ナッツなどはカリウム40などをやや多く持っています。魚介類も放射線量が比較的高いことで知られています。ただし食物に含まれる放射線量は、毎日食べても人体に影響がないレベルです。宇宙線は、高度によって放射線の種類が違います。飛行機の高度では主に中性子、地表に届く放射線は主にミュオンと呼ばれる素粒子の一種です。

    宇宙線とは何か?佐藤 地球に降り注ぐ宇宙線は、私たちの太陽系から遠く離れた場所で起きた、超新星爆発の現場から飛んできた爆風の名残と言われています。しかし、そのほとんどが太陽風などで押し戻されたり、地球まで到達しても磁場で曲げられたりして、大気圏を通過することはありません。ただし、磁場の弱い北極や南極、または宇宙線自体が高エネルギーである場合は、地球の磁場を通り抜け大気の中に入ってきます。大気に入ってきた宇宙線は大気中の元素と衝突して核反応を起こし、陽子が中性子やパイオンに、そして電子やミュオンにというようにたくさん粒子を作りながら地上まで到達します。こうして作られた宇宙線のなだれ現象は「空気シャワー」とか「大気シャワー」と呼ばれています。私たちが受ける自然放射線による被ばく量の約16%はこうした宇宙線からのものです。

    宇宙線強度計算プログラムPARMA/EXPACShttp://phits.jaea.go.jp/expacs/jpn.html 成果から作成した地表面での宇宙線による被ばく線量率マップ。標高の高い土地や極域で線量が高くなる。

    図1 空気シャワー

    (単位:mSv/年)

    EXPACS入力画面

    人口が1億人以上の国における宇宙線被ばく線量の平均値及びその最小/最大

    日本の人口平均値は230ヶ国中153番目となる0.27mSv/年で、その最小及び最大値は0.24mSv/年(沖縄県波照間島)及び0.86mSv/年(富士山頂付近)となります。

    アンスケア

    エクスパックス

    *注 原子放射線の影響に関する国連科学委員会(英: United Nations Scientific Committee on the Effects of Atomic Radiation: UNSCEAR)は、電離放射線による被ばくの程度と影響を評価・報告するために国連によって設置された委員会。略称はアンスケア(UNSCEAR)。

    宇宙線による年間平均被ばく量を

    高精度で評価することに成功

    佐藤 達彦 研究主幹さとう たつひこ

    原子力基礎工学研究センター環境・放射線科学ディビジョン放射線挙動解析研究グループ

    超高エネルギー宇宙線

    パイオン

    電子やガンマー線

    ミュオン

    大気中の原子核と衝突

    空気シャワー

    大気大気

    山山

    地上地上

    地表面での宇宙線被ばく線量率(mSv/年)

    5.0

    1.8

    0.68

    0.25

    国 名 人口(2000年時点)人口平均値 最小値 最大値

    全世界 6,033,968,093 0.32 0.23 6.1中国 1,253,492,596 0.31 0.24 5.0インド 1,008,934,399 0.27 0.23 5.5米国 283,200,526 0.33 0.25 4.9

    インドネシア 212,056,274 0.26 0.23 1.5ブラジル 170,401,328 0.31 0.25 0.72ロシア 145,489,933 0.32 0.27 2.4パキスタン 141,256,130 0.31 0.24 4.5バングラデシュ 137,439,020 0.24 0.24 0.29

    日本 127,094,637 0.27 0.24 0.86ナイジェリア 113,861,481 0.27 0.25 0.48

    7 6

  • SPring-8の放射光とは?

    見えなかった

    世界が見える

    菖蒲 放射光とは、レントゲンのように、非破壊で物質の分子や原子の世界をみることができる光です。ほかの光と比べてみると、太陽の光は、赤外線から紫外線までの広い範囲の波長を持っていますが、光の強さがレーザーや放射光ほど強くなく、またX線も含まれていません。レーザーは、発散しないで遠くまで届く強い光ですが、ある特定の波長しか出すことができません。 放射光は、レーザーのように発散しないで遠くまで届く指向性の強い光で、しかも太陽の光のようにさまざまな波長を持ち、非常に輝度の高い(明るい)X線を出すことができます。いろいろな波長の光を持っているということは、多くの研究に利用できるということです。

    ものの健全性、余寿命評価に利用「応力の研究」

    福島環境回復および福島第一原子力発電所の廃炉に関する研究

    重元素物質の物性や材料中の応力・ひずみの研究を行っているビームライン「毎日整備して世話をしているので、子どものようにかわいい装置です」

    菖蒲 たとえば電車の車輪や原

    子炉の構造物、また車の部品な

    ど、製品は使われていくうちに

    経年劣化(疲労)していきます。

    疲労があるレベルを超えるとも

    のは壊れてしまいますが、疲労状

    態がどの程度なのかを数値化で

    きれば、壊れる前の段階で使用

    を中止し、交換や修理により元

    の状態に戻すことができます。

     

    応力というのは、例えばもの

    を曲げたりすると、もとの形状

    や寸法を保とうとするために生

    じる抵抗力(内力)のことです。

    応力と外力が釣り合わなくなる

    とものが壊れてしまうので、どう

    いう状態になっているかを調べ

    ることがとても重要です。

     ものが壊れるときは、必ず応力

    のバランスが崩れます。なぜそこ

    にき裂が入るかというと、応力集

    中という力が集まる場所がある

    からです。その場所を突き止める

    ために、最初の加工直後に発生し

    た応力の分布を、放射光を使って

    測る必要があります。

     以前は、材料の中を測る光がな

    かったので、シミュレーションに

    よってイメージを作っていました。

    そのシミュレーションが本当に正

    しいか、それを実証することがで

    きる数少ない技術が放射光です。

     

    放射光のメリットは微小部の

    原子や分子の状態を「見る」こと

    ができるということです。ピンポ

    イントで10分の1㎜の空間のひず

    みを、その場観察、つまり動かして

    いる状態で見ることができるのも

    大きな特徴です。

     その他、応力の研究を応用した

    原子炉施設の安全性向上技術の

    研究開発や、ウランなどの重元素

    の今まで知られていなかった物性

    の研究など、原子力機構ならでは

    の研究も、放射光を使って行われ

    ています。

    大型放射光施設SPring-8を利用した原子力機構の研究

    原子力科学研究部門物質科学研究センター放射光エネルギー材料研究ディビジョン放射光分析技術開発グループ

    菖蒲 敬久 研究主幹しょうぶ たかひさ

    上空より撮影したSPring-8サイト全景SPring-8 蓄積リング棟(中央の円環状建物)

    菖蒲 福島の環境回復とは、具体

    的にはセシウムの除染です。播磨

    地区のアクチノイド化学研究グ

    ループを中心に、汚染された土壌

    の成分を放射光で調べ、セシウム

    を吸着しやすい物質が何かを見

    つけ出し、その物質が実際にセシ

    ウムをどれくらいの割合で吸着す

    るかをリアルタイムで測りながら

    研究しています。この研究は、すで

    に基礎研究から応用の段階に進

    んでいて、数年後には現地での実

    用化も視野に入れています。

     

    また、福島第一原子力発電所の

    廃炉については、燃料デブリ等の原

    子炉構造物を水中レーザーを使っ

    て切断する方法が検討されていま

    す。SPring-

    8でも、敦賀事

    業本部レーザー共同研究所と協

    力してステンレスやアルミニウムな

    どの分厚いものをレーザーで溶接

    し、金属内部が融けていく様子を、

    放射光の透過像で直接見ながら実

    験した実績があります。燃料デブ

    リはどのようなものが溶け合い、混

    じり合っているかわかりません。今

    の段階ではあらゆる可能性を考

    え、あらゆる物質を観察すること

    で、水中レーザー切断の技術開発

    に貢献したいと考えています。

    SPring-8からの放射光の明るさ(輝度)は、従来のX線発生装置から得られる光の明るさに比べ、10億倍となっています。

     SPring-

    8(Super

    Photon

    ring -

    8

    GeV)とは、兵庫県の播磨科学公園

    都市にある世界最高性能の放射光を生み出すこ

    とができる大型放射光施設です。電子を光とほ

    ぼ等しい速度まで加速し、磁石によって進行方向

    を曲げることにより発生させた放射光を使って、

    様々な研究が行われています。

     SPring-

    8には、2本の原子力機構専

    用ビームライン(BL22XU、BL23SU)

    があります。このビームラインに導かれる放射光

    を利用して行われている研究について、菖蒲敬久

    研究主幹に話を聞きました。

    しょうぶたかひさ

    スプリング

    エイト

    (C)RIKEN

    (C)RIKEN 9 8

  • シリーズ

    『福島研究開発』

    燃料デブリ、高線量のがれき、水処理二次廃棄物などの分析を行います。

    低・中線量のがれき類、焼却灰、樹木、水処理二次廃棄物などの分析を行います。

    整備スケジュール

    研究データ整理や、事務などに利用します。2017年度末からの運用を予定しています。

    起工式2016年9月7日起工式を行いました。

    グローブボックス

    フード分析の前処理に利用

    コンクリートセル

    1F廃炉に向けての最前線施設

    大熊分析・研究センター

    施設管理棟

    施設管理棟

    第2棟

    第2棟

    第1棟

    第1棟

    コンクリート(約1m)で遮蔽されていて、線量の高いものを遠隔操作で取り扱う。窓は、遮蔽効果のある厚さ約1mの鉛ガラスが使われている。

    放射性物質が飛散しやすいものを取り扱う。密閉された容器に手袋(グローブ)がついており、外気と遮断された状況で作業が可能。

    鉄セル数十cmの鉄で遮蔽、線量の比較的低いものに利用。

    完成予想図

    建設予定地

    東京電力ホールディングス

    福島第一原子力発電所

     原子力機構では、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所(1F)の廃止措置において発生する様々な放射性廃棄物の分析・研究を実施する施設として「大熊分析・研究センター」の建設を進めています。 この分析施設においては、研究データの整理等を行う「施設管理棟」、1Fの事故により発生した汚染されたコンクリート等のがれきや伐採された樹木などに含まれる放射性物質等の分析を行う「第1棟」、主に溶け落ちた核燃料である燃料デブリの分析を行う「第2棟」の建設が計画されています。

     1Fの廃炉に向けて、最前線で分析を行い、その分析の結果を迅速に燃料デブリの取り出し作業など、最も重要な廃炉作業に活かすための施設です。同時に、今までに経験のない物質の分析方法を、国内外の研究者が集結して研究し、技術開発できる場所としても期待されています。

    福島研究開発部門福島研究基盤創生センター

    技術主席長尾 美春ながお よしはる

    スリーマイル島原子力発電所から取り出した燃料デブリ幅約10cm、重さ1.6kg程度、原子炉圧力容器内の溶けて固まった核燃料がある部分から採取された大きなかけら

    ※ 運用開始時期については、認可申請等も含めて精査中。

    福島県

     長尾

    大熊分析・研究センターは、

    1Fの廃止措置を着実に進めていくた

    めに必要な分析・研究を実施する施

    設です。

     1Fの中には、非常に放射線量の高

    いコンクリートのがれきや、伐採され

    た樹木などの廃棄物が数多くありま

    す。第1棟では、こうした放射性廃棄

    物の中に含まれる放射性物質の分析

    を行います。廃棄物の種類によって性

    状や特徴を確認し、処理処分を適切

    に行うことが目的です。

     第2棟では、燃料デブリの分析を

    行います。燃料デブリとは、メルトダ

    ウンして溶け落ちた核燃料です。1Fの

    燃料デブリには、核燃料だけでなく、

    被覆材や原子炉の構造材など、どう

    いうものがどういう形で溶け込んで

    いるのか全くわかっていません。原子

    力発電所の事故による燃料デブリの

    例としては、アメリカのスリーマイル

    島原子力発電所のものがあります。

     スリーマイル島原子力発電所事故

    により発生した燃料デブリはカチカ

    チで石炭のように固まっていました

    が、1Fからの燃料デブリはどういう形

    状なのかも全くわかりません。粉状で

    サラサラしているのか、軽石のように

    なっているのか、岩石のように固いの

    か、泥のようなものなのか、さまざま

    な形状を想定して、装置や分析法を

    検討しています。

     特に第2棟については、これから試

    行錯誤しながら分析方法を考え、設

    計・建設を行うと同時に、国内外の研

    究者の知恵を結集して廃炉措置に貢

    献していきたいと思います。

    大熊分析・研究センターは、1Fに隣接して建設され、第1棟、第2棟は建設後、1Fに組み込まれます。たとえば燃料デブリなどの高線量の放射性物質は、外部の分析施設への輸送が非常に困難です。1Fに組み込まれた施設であれば、燃料デブリ等の輸送は、構内輸送となり、迅速に分析を進めることができます。

    測定室 空調衛生機械室

    居室

    機械室

    ワークショップ

    ミーティングスペース

    フード室

    鉄セル室

    グローブボックス室

    11 10

  • INFORMATION

    皆さまの「声」をご紹介いたします

    当機構の研究・開発へのご支援をお願いします! 編集後記

    季刊

    ● 編集・発行  日本原子力研究開発機構  広報部広報課

    ● 制 作  有限会社 オズクリエイティブルーム

     今年は、秋を楽しむ間もなく冬将軍が駆け足でやってきました。 今号では、氷や宇宙線の研究をご紹介させていただきましたが、ごく身近にあるものにもたくさんの不思議があることにあらためて気づかされました。 私たちの身の回りにもたくさんの科学の種がころがっています。ふと感じる「?」が科学への興味に繋がってくれましたらうれしく思います。 「未来へげんき」では、これからも原子力機構の様々な研究をご紹介していきます。

    432016 vol. 平成28年12月

    寄附金募集 お問い合わせ先

    国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構 財務部寄附金担当

    TEL:029-282-1133 (内線40922) E-mail::[email protected]〒319-1184 茨城県那珂郡東海村大字舟石川765番地1

    原発について一般に報道されない現状の情報を知ることができるので有難い。( 東京都八王子市 熊谷 様 )

    安全性の高い日本の原子力技術を国際社会にアピールしてください。より多くの技術者を育成し、日本を豊かにしてください。 ( 福井県福井市 角谷様 )

    最新の研究開発成果などをお知らせいたします。メールマガジンの配信を希望される方は、ホームページからお申込みください。http://www.jaea.go.jp/mailmagazine/

    メルマガ

    最新の研究成果などをお知らせいたします。https://twitter.com/jaea_japanツイッター

    研究開発成果をわかりやすく紹介する動画「Project JAEA」などを配信しています。http://www.jaea.go.jp/atomic_portal/jaea_channel/

    JAEAチャンネル

    「未来へげんき」へのご意見・ご感想などをお寄せください。https://www.jaea.go.jp/genki/enquete/43/

    Webアンケート

    http://www.jaea.go.jp/study_results/newsletter/「未来へげんき」バックナンバー

    HPhttp://www.jaea.go.jp/about_JAEA/fdonation/

    アンケートへのご協力ありがとうございます。皆様からお寄せいただきましたご意見を一部紹介いたします。

    「未来へげんき」編集部では、皆様からのご意見を編集に反映させてまいります。 今後ともよろしくお願いいたします。※アンケートに記入いただきます個人情報は、本件以外には使用いたしません。

    1.本誌「未来へげんき」をどこで入手されましたか。

    3.表紙や紙面のデザインの印象

    4.「未来へげんき」の冊子配送についてお伺いいたします。

     (イベント等で本誌をはじめてお読みになった方)

    2.今号の記事・読み物で良かったもの(複数回答可)

    ご住所:

    お名前:

    □表面に記載した住所・お名前宛てに送付を希望する

    【 「未来へげんき」の郵送をご希望の場合 】

    5.原子力機構および本誌に関するご意見・ご要望をお聞かせください。

    また、今後取り上げてほしいテーマなどご自由にご記入ください。

    いただいたご意見を、巻末でご紹介させていただいております。

    ご紹介する際に、お住まい(市町村まで)及び苗字を紹介させていただきますので、ご了承ください。

    □お住まい(市町村まで)及び苗字の紹介を許可しない

    ご協力ありがとうございました。

    ① 原子力機構施設など ② 公共施設 ③ 郵送 ④ その他 (      )

    ① 私たちの研究「 氷の未解決問題を解明 」

    ② 私たちの研究「 宇宙線被ばく量を、世界で初めて国や地域ごとに高精度で評価 」

    ③ 見えなかった世界が見える 大型放射光施設Spring-8 を利用した原子力機構の研究

    ④ シリーズ福島研究開発 「 大熊分析・研究センター 」

    ⑤ PLAZA 原子力機構の動き

    ⑥ その他 (                             )

    ① 良い ② まあ良い ③ 普通 ④ あまり良くない ⑤ 悪い

    本誌は年4回発行しています。

    今後の郵送を希望される方は送付先のご記入をお願いします。

    皆様の声をお寄せください。

    今後の編集の参考にさせていただきます。

    43

    2016 v

    ol.

    (キリトリ線)

    敦賀事業本部【広報誌】「 つ る が の 四 季 」No.113(平成29年1月発行予定)では、国が決定した「もんじゅ」の方針を掲載いたします。

    東濃地科学センター【広報誌】「地層研ニュース」11月号を発行しました。「日本水文科学会研究奨励賞を受賞」、「おもしろ科学館2016inみずなみへの出展」ほかを掲載しています。

    P L A Z A原子力機構の動き

    幌延深地層研究センター「幌延フォーラム2016」を開催しました。フォーラムでは、幌延深地層研究センターの事業内容の紹介の他、特別講演も行い、降雪の中約50名の方にご参加いただきました。ありがとうございました。

    青森研究開発センター第12回むつ海洋・環境科学シンポジウムを開催しました。原 子 力 機 構 からは「AMSを使った極微量分析」についてご報告しました。

    原子力機構の2015年度における事業活動やさまざまな活動を総合的に報告しています。

    福島研究開発部門【広報誌】「明日へ向けて」第10号を発行しました。「先を読みキメ細かくタイムリーに対応したい。」環境創造センター宮原センター長に話を聞きました。

    J-PARCセンター【広報誌】季刊誌「J - PA RC」No.4を発行しました。「特集 素粒子・原子核の標準理論 その先を知りたい」ほかを掲載しています。

    先端基礎研究センター

    主なプレスリリース

    トピックス

    世界で初めての透明強磁性体の開発に成功~ 新しい磁気光学効果の発見 ~新材料ゲルマネンの原子配置に対称性の破れ~ 省エネ・高速・小型電子デバイス実現に向けた素子開発へ道 ~

    核不拡散・核セキュリティ総合支援センターラグビーボール型に変形した原子核のハサミ状振動の全体像を明らかに~ 30年の謎を解明し、原子核の構造・性質の統一的理解に道筋 ~

    http://www.jaea.go.jp/

    「PLAZA」と「INFORMATION」で紹介している情報の詳細は原子力機構ホームページでご覧いただけます。

    第11回原子力機構報告会を開催しました。

    「原子力機構2016」を公表しました。

    その他のプレスリリースはこちらhttp://www.jaea.go.jp/news/press/results.html

     11月8日、有楽町朝日ホール(東京都千代田区有楽町)にて、第11回原子力機構報告会を開催しました。 今年は全体概要のほか、「我が国の将来を担う原子力技術と人材」をテーマに5件の個別報告とパネルディスカッションを実施しました。パネルディスカッションでは、原子力の研究開発利用の将来や、福島の廃炉を担う人材育成の課題などについて討論がなされ、原子力機構の責務をあらためて認識するものとなりました。 皆様よりいただいた感想やアンケートの結果をもとに、次年度の報告会をよりよいものにできるよう努めてまいります。 12

  • 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

    日本原子力研究開発機構は、日本で唯一の原子力に関する総合的研究開発機関として、「原子力の未来を切り拓き、人類社会の福祉に貢献する」をミッションとしています。主な業務として、東京電力福島第一原子力発電所事故への最優先での対応、原子力の安全性向上のための研究、核燃料サイクルの研究開発、放射性廃棄物処理・処分の技術開発といった分野に重点的に取り組むとともに、これらの研究開発を支え、新たな原子力利用技術を創出する基礎基盤研究と人材育成に取り組んでいます。

    3191190

    料金受取人払郵便

    ひたちなか

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    切手不要

    (受取人)

    国立研究開発法人

    日本原子力研究開発機構

    広報部「未来へげんき」係

    茨城県那珂郡東海村

    大字舟石川765番

    地1

    差出有効期限

    平成29年

    3月31日まで

    104

    性 別年 齢

    都道

    府県

    フリガナ

    男・女

    (  )

    住  所 氏 名電 話

    Japan

    Ato

    mic E

    nergy A

    gency

    (キリトリ線)