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TEPCO 2011

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Page 1: TEPCOTokyo Electric Power Company 東京電力 会社案内 1 低廉で安定的な電気を中心としたエネルギー・サービスを これからも提供するとともに、「低炭素時代をリードする」という

TEPCO会 社 案 内 2011

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目 次2 ごあいさつ

3 東京電力グループ中長期成長宣言 2020ビジョン

4 社会の信頼を大切にする

5 安定供給

9 コミュニケーション活動

10 未来を切り拓く

11 ゼロ・エミッション電源の積極的な導入

14 あらゆる分野での電化推進

16 電力ネットワークのさらなるスマート化

18 成長事業の積極的な展開

21 人と技術が活きる

22 人が活躍・連携する強い現場の実現

26 技術開発

28 組織図・会社概要・沿革

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Tokyo Electric Power Company 東京電力 会社案内 1

低廉で安定的な電気を中心としたエネルギー・サービスを

これからも提供するとともに、「低炭素時代をリードする」という

新たな社会・環境貢献、新たな付加価値を追求していきたい、という思いを込め、

新しいコーポレートスローガンを制定しました。

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2 東京電力 会社案内 Tokyo Electric Power Company

 東京電力グループを取り巻く環境は、少子高齢化・

人口減少といった社会構造の変化に加え、地球温暖化

問題や、省エネルギー技術の進展、アジアを中心とし

たエネルギー消費の増大など、大きく変わりつつあり

ます。

 東京電力グループは、こうした経営環境の変化に対応するだけでなく、これをグループ成長

の好機ととらえ、より前向きな経営を進めるため、次の10年に向けた「東京電力グループ

中長期成長宣言 2020ビジョン」を2010年9月に策定し、新たなスタートを切ったところ

です。

 この「2020ビジョン」の考え方を一言で表したものが、「いつもの電気、もっと先へ。」と

いう新しいコーポレートスローガンです。社会や地域のみなさまの信頼を大切にし、電気の

安定供給に努めるとともに、「低炭素時代をリードする」という、将来を見据えた「もっと先」

の付加価値を世の中に提供したいという思いを込めています。

 具体的には、電気を“つくる”から“つかう”まで、エネルギーチェーンのさまざまな場面に

おいて、低炭素化を積極的に進め、さらには海外においても、これまで国内の電気事業で

培った人材や技術を活かし、効率のよい低炭素なエネルギー利用を拡げることにより、新たな

社会・環境貢献を追求していきたいと考えています。

 また、これらの目標を達成するためには、なによりも「人」の力が大切です。東京電力

グループは、「人」本位の経営、業務革新、現場力の強化を三位一体で進め、従業員の創意工夫と

チームワークを通じて最高のサービス品質を追求し、「2020ビジョン」を実現していきます。

 東京電力グループは、低炭素時代をリードするとともに、これを企業収益と両立させる

ことでグループの持続的成長を実現し、これからの時代にふさわしい、ゆたかで快適な未来を

切り拓いていきます。

取締役会長 勝俣 恒久  取締役社長 清水 正孝

ごあいさつ

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Tokyo Electric Power Company 東京電力 会社案内 3

社会の信頼を大切にする社会のみなさまからの信頼が企業活動の基本です

● 電気を安定的にお届けすることが、私たちの社会的な使命と考えます。その上で、お客さまに喜ば れるサービス品質の向上をはかります。● 「安全最優先」の意識を徹底し、「世界トップレベルの安全な会社」を目指します。● お客さまや地域社会のみなさま、株主・投資家のみなさま、ビジネスパートナー、従業員等、社会の 多くのみなさまと対話を重ねます。● 社会の一員として、あらゆる局面において、「企業行動憲章」に則って行動します。

第1の指針

第2の指針

未来を切り拓く電気で低炭素な未来を切り拓きます

電気事業の深耕● 原子力発電の着実な推進をはじめ、電気を“つくる”側の低炭素化を進めます。● あらゆる分野で電化をおすすめし、“つかう”側の低炭素化をサポートします。● “つくる”と“つかう”を“つなぐ”電力ネットワークをさらにスマートにするとともに、新たなビジネスの 可能性を検討します。

「場」の拡がり● グループの強みを発揮できる事業を展開し、海外にも積極的に事業の「場」を拡げます。● これらの取り組みを着実に進めるため、さらなる効率化に挑戦します。

第3の指針

人と技術が活きる人の活躍・連携が仕事を動かします

● 従業員の主体的な活躍と連携がグループの持続的成長の原動力となる「『人』本位の経営」を展開します。 同時に、仕事の付加価値を高める業務革新を進め、仕事を改善・改革し続ける「強い現場」を実現します。● 低炭素化・安定供給等を支える技術の開発・活用に取り組みます。

7つのバリューアップplan

2020ビジョンにおける経営指針(企業像)

「経営指針」は、「経営理念」実現に向け、2020ビジョンにおいて進む経営の方向性を示したものです。

東京電力グループは、3つの指針に沿って、低廉で安定的な電気を中心としたエネルギー・サービスをこれからも提供するとともに、「低炭素時代をリードする」という新たな社会・環境貢献を追求し、それを企業収益と両立させることにより、持続的に成長していきます

東京電力グループが持続的成長を実現するために、今後、特に注力していく取り組みを7つの「バリューアップplan」として定めました。

1. ゼロ・エミッション電源を積極的に導入する ―電気を“つくる”側の取り組み―2. あらゆる分野で電化をおすすめする ―電気を“つかう”側への働きかけ―3. 電力ネットワークをさらにスマートにする ―“つくる”と“つかう”を“つなぐ”取り組み―4. 事業の「場」を拡げる5. 業務効率を改善し続ける

6. 人が活躍・連携する強い現場をつくりあげる7. 次代を見据えた技術をつみあげる

感じる お客さまの心、設備の声を敏感に感じとる

行動原則

「行動原則」は、私たち東京電力グループの従業員一人ひとりが、日々の業務の中で常に心がけるべき原則を示したものです。

考える 相手を思いやり、何ができるか深く考える

実践する 決めたら、責任を持ってすぐに実践する

              エネルギーの最適サービスを通じてゆたかで快適な環境の実現に貢献します東京電力グループ経営理念

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4 東京電力 会社案内 Tokyo Electric Power Company4 東京電力 会社案内 Tokyo Electric Power Company

社会の信頼を大切にする社会のみなさまからの信頼が企業活動の基本です

柏崎刈羽原子力発電所 中央制御室

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Tokyo Electric Power Company 東京電力 会社案内 5

エネルギーを取り巻く環境

 日本のエネルギー自給率は主要国の中では極めて低く、エネルギー資源の安定的な調達が課題です。 一方で、発展途上国を中心に、世界のエネルギー消費量は年々増加しています。このままのペースでエネルギーを生産し続けた場合、それぞれのエネルギー資源を採掘できる年数は、石油は46年、天然ガスは63年、石炭は119年、ウランは100年と予想されています。また、エネルギー消費の増加によるCO2排出量の増加やエネルギー資源価格の変動が、世界規模で

の問題となっています。

電源のベストミックス

 各エネルギー資源や、原子力、火力、水力などの発電方法には、さまざまな特長があります。東京電力では、それぞれの特長を活かして、中長期的なエネルギー情勢に適した組み合わせを選択する「電源のベストミックス」を推進しています。

世界の一次エネルギー消費の推移と見通し(億t:石油換算)

1990 2007 2020 2030※1 中国、インド、先進国除く ※2 アジア除く出典:IEA「World Energy Outlook 2009」

0

20

60

40

80

120

100

140

160

(年)

中国

インド

日本

アメリカ

アジア※1

発展途上国※2

その他 

エネルギー資源の可採年数

石油 天然ガス 石炭 ウラン出典:石油、天然ガス、石炭 BP 「BP統計2010」   ウラン OECD-NEA/IAEA 「Uranium 2007」

0

40

20

60

80

100

120

140

46年63年

119年

100年

(年)

主要国のエネルギー自給率

(%)

(注1)電力は輸出入量を一次エネルギーとして計上。 (注2)端数処理の関係で合計があわない場合がある。出典:IEA「ENERGY BALANCES OF OECD/NON-OECD COUNTRIES 2010 Edition」

0

20

40

60

80

100

120

160

140

インド

75 75

中国

9493

カナダ

144153

イギリス

7380

アメリカ

6575

フランス

51

8

ドイツ

2840

日本4

18

イタリア

1515

 原子力を輸入とした場合 原子力を国産とした場合 

28

45

12

1

08070605040302012000 10計画

09

東京電力のエネルギー別発電電力量構成比(他社受電含む)

(%)

原子力 

0

20

40

60

80

100

1973 80 19計画

90 (年度)

LNG・LPG 石炭 

その他のガス 新エネルギー等 水力

石油

09

5

0 4 8 12 16(時)

ロードカーブ

揚水式水力

揚水用動力

石油

LNG、LPG、その他ガ

石炭

原子力

流込式水力

20 24

調整池式

貯水池式水力

揚水用動力

ベース供給力

ミドル供給力

ピーク供給力

安定供給 わが国は、世界第4位のエネルギー消費大国ですが、その一方で、実に約96%もの資源を輸入に頼っている、エネルギー資源小国でもあります。日本全体の約3分の1の電力消費を抱える東京電力では、中長期的な視点に立ち、「安定性」「環境性」「経済性」のバランスを考えた取り組みを進めるとともに、刻々と変化する電力需要にもきめ細かく対応することで、品質の高い電気を安定してお届けしています。

社会の信頼を大切にする

1日の時間帯別発電

川崎火力発電所点検作業

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6 東京電力 会社案内 Tokyo Electric Power Company

発電・送配電ネットワークと需給運用

各発電所で発電された電気を、送配電ネットワークを通じて、効率よく、安定的にお客さまのもとへお届けしています。

発電所

水力発電所

火力発電所

275,000V

500,000V〜

275,000V

500,000V〜

原子力発電所

275,000V

500,000V〜

発電所

再生可能エネルギーによる発電

66,000V

 原子力発電は、「安定性」「環境性」「経済性」に優れた発電方法で、現在、東京電力の発電設備の約3割を占めています。一度ウランを原子炉の中に入れると最低1年間は燃料を取り替えずに発電できることや、燃料のリサイクルが可能であることから、原子力発電は、国のエネルギー戦略の中でも基幹電源として位置づけられています。さらに、発電時にCO2などの温室効果ガ

スを排出しないことから環境性にも優れています。また、燃料となるウランを、オーストラリアやカナダなどの政情の安定した国から輸入していること、少ない燃料で大量の電気をつくれることから、安定性に優れた発電方法であり、さらに、発電コストに占める燃料費の割合が小さいため、燃料価格の変動に左右されにくく、電気料金の安定にも役立っています。

原子力発電

 火力発電は、東京電力の発電設備の約6割を占めています。硫黄分などを含まずクリーンなエネルギーであるLNG(液化天然ガス)やLPG(液化石油ガス)、経済性に優れ、世界各地に分布し埋蔵量が豊富な石炭、需要変動対応力に優れた石油など、幅広い燃料を利用しています。さまざまな燃料を利用することによりエネルギーセキュリティを高めるとともに、エネルギー資源を有効に利用しCO2の排出を抑制していくため、効率向上に向けたさまざ

まな取り組みを継続的に行っています。

 水力発電は、発電時にCO2などの温室効果ガスを排出しない環境性に優れ

た発電方法であると同時に、純国産エネルギーとしても重要視されています。また、運転を開始してから最大出力を得られるまでの時間が数分程度と短時間であり、水の流量を調整することによって数秒単位で出力を変えることができるため、即応性に優れた発電方法でもあります。

 太陽光や風力などの再生可能エネルギーによる発電は、発電時にCO2などの温室効果ガスを排出しない環境性に優れた発電方法です。太陽光発電と風力発電は、出力が自然条件によって左右されるなどの課題もありますが、貴重な純国産エネルギーであるとともに、地球温暖化対策の一方策として大きな期待を集めています。東京電力では、その経済性にも留意しつつ、再生可能エネルギーの技術開発・導入に積極的に取り組んでいきます。

火力発電

水力発電

再生可能エネルギー

(注) 東京電力の値は、非常災害および工事計画による停電を除く。

イギリス出典:Ofgem「2008/09 Electricity Distribution Quality of Service Report」2008年度値アメリカ出典:コンソリデーティド・エジソン、フロリダ・パワー&ライト、エヌスター、パシフィック・ガス&エレクトリック、サザン・カリフォルニア・エジソン5社のSAIDI2009年平均値(SAIDI:System Average Interruption Duration Index)

(分) (回)

1997

1軒あたりの停電時間(分)  1軒あたりの停電回数(回)

0

20

40

60

80

100

0.2

0.0

0.4

0.6

0.8

1.0

98 99 2000 01 02 03 04 05 06 07 08 イギリス アメリカ

0.05回2分

66分

81分

09

神流川発電所 下部ダム(上野ダム)

富津火力発電所

福島第二原子力発電所

扇島太陽光発電所(建設中)

お客さま1軒あたりの停電回数と停電時間の推移 (東京電力)

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Tokyo Electric Power Company 東京電力 会社案内 7

 遠隔地の発電所で発電した電気を、消費地へ大量に効率よく送るため、高電圧で送電しています。送電

線の形成にあたっては、ルートを網の目状にし、事故などが発生した場合でも、他のルートを経由して送電できるようにしています。なお、都市部には主に、地中送電線で送電しています。

社会の信頼を大切にする

154,000V

送電線 154,000V

154,000V

鉄道変電所

送電線 66,000V

送電線 66,000V

配電線 6,600V

66,000V

送電線

66,000V

ビル・中規模工場

6,600V

配電用変電所

地中配電線

地中配電線

ビル・中規模工場

柱上変圧器

6,600V

引込線

引込線

100V/200V

引込線

100V/200V

100V/200V

154,000V

154,000V

送電線

発電所

発電所

一次変電所

大規模工場

中間変電所22,000V

22,000V

配電線

大規模ビル・大規模工場

大規模ビル・大規模工場

送電線

超高圧変電所

住宅

商店

小規模工場

電柱

送電 変電所 配電

大規模工場

鉄道変電所

配電線

送電 変電所 配電

給電所

給電所

 各発電所の特性、送電線・変電所などの状況を常に把握し、電気の使用状況や電力系統全般を見ながら、

電気の流れをコントロールしています。発電・流通設備で一貫した運用計画を年・月・週・日ごとに作成し、設備・燃料を準備することで、刻々と変化する電力需要に、的確に対応しています。

送電

 発電所から送られてきた高電圧の電気は、変電所で段階的に電圧を下げた後、お客さまのもとへ送られます。また、落雷などの事故により電気の流れが途絶えた場合には、事故の発生区間を切り離して、それ以外の区間へ自動的に送電するシステムを設置しています。

 発電所から送られてきた電気を、最終的にお客さまへ送り届ける電線が配電線です。お客さまごとに適した電圧で、安定した電気をお届けします。なお、消費地の一部地域では、地中配電線も施設しています。

変電 配電

中央給電指令所 地中送電線の点検作業

新福島変電所 高圧配電線の点検作業(間接活線工法)

給電所

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8 東京電力 会社案内 Tokyo Electric Power Company

世界トップレベルの安全な会社をめざして

 東京電力では、電気事業に関わるさまざまな設備を各地域に設置し、社会のみなさまからご理解とご協力をいただきながら事業活動を行っています。これからも社会のみなさまから信頼をいただけるよう、安全確保を最優先に、全社をあげて人身安全と設備保安の確保に努めていきます。また、万が一の災害に備え、防災業務計画や社内マニュアルを定め、全社一体となった危機管理体制を整備し、非常災害時の対応力を強化しています。

 毎年、人身災害防止に向けて、リスクアセスメントなどに基づき、「安全活動計画」を策定し、活動を展開しています。安全活動の実施状況を確認・評価し、適宜見直すことによって、安全管理のPDCAをまわし、継続的な改善をはかっています。 事業所では、「安全品質担当」が推進役となり、業務に潜む危険要因や問題点を社員一人ひとりが自ら考え、各職場で討議を重ね、災害の原因をなくす取り組みを展開しています。 一方、本店では会社全体の安全ルールの改善、安全教育の実施、重大災害の原因・対策の検討や安全管理の実施状況の確認・評価などを通じて、事業所の活動を支援しています。 また、現場業務の多くを協力して行っているグループ会社や配電・通信の協力会社との間で、安全活動の仕組みや実施状況について意見交換を行い、災害原因などの関連情報を共有するなど一層の相互協力をはかっています。

防災訓練の実施 東京電力では、事故・災害発生時においても安定して電気をお届けできるよう、万が一に備えた訓練を定期的に行っています。社内で実施しているさまざまな訓練をはじめ、国や自治体などが主催する防災訓練にも積極的に参加しています。阪神・淡路大震災のほか、東京電力がこれまでに経験した2006年の送電線へのクレーン船接触による大停電や2007年の新潟県中越沖地震による原子力発電所の被災など、事故や災害の教訓から得られた対応策を社内マニュアルに反映するとともに、これら防災訓練の中でその実効性を確認することにより、さらなる改善をはかっています。

 「非常災害の発生を防止する」、発生した場合は「その被害を軽減」し、「早期に復旧する」ことを基本方針とし、防災業務計画や社内マニュアルなどを定め、全社一丸となった危機管理体制を整備しています。万が一、災害が発生した場合や、発生が予想される場合には、直ちに「非常態勢」を発令し、本店、支店・支社、発電所などに対策本部・支部を設置し、迅速かつ組織的に復旧作業を行う体制を整えます。また、復旧に必要な資機材を各地の資材センター等に確保しているほか、他の地域の電力会社などとの協力体制も確立しています。

 公共の安全、電力設備の保安に万全を期するため、設備を持つ事業所や本店各設備部門において、体制・ルールを定め、それを維持・向上するためのシステムを構築し、設備工事・使用前検査・メンテナンス・運転全般に関わる保安活動を行っています。

防災対策の基本計画非常災害※の発生を防止する。また、発生した場合は、災害の規模を軽減し、早期に健全な状態に復旧する。

人身安全確保・人命尊重が最優先、電力供給は可能な限り継続

③ 被災設備の早期復旧 ・復旧資機材整備 ・復旧活動円滑化 など

② 被災時の影響軽減 ・設備構成の多重化 ・バックアップ機能 など

① 被災しにくい設備 ・耐災設計、補強 ・的確な保守 など

※ 地震や台風、雷、豪雨などの自然災害や設備の内部的要因、テロ(破壊活動)や飛来物・ク レーン接触といった外的要因などにより、電力設備が被災し、人身災害の発生や広範囲・長 時間停電により社会・経済システムに多大な支障を及ぼすこと。

安全活動の展開と推進

非常災害時における対応力の強化

電力設備の保安確保への取り組み

事業所における安全活動の概要

計画の実施・日常の安全管理・安全教育・災害発生時の対応

マネジメントレビュー・安全活動の実施状況・安全管理のプロセス評価・災害発生状況および原因

安全活動の見直し

安全方針・安全活動計画の策定

危険要因および優先実施項目の特定・リスクアセスメント・安全事前評価・危険予知

不適合の是正・不適合の報告・ルールの改善

計画

評価

改善

実施

主な役割

事業所長 ・活動の全体統括

安全品質担当 ・取り組み状況の確認・評価 ・安全施策の定着への 指導・支援

電力応急・復旧訓練

 また、設備部門から独立した立場である保安監査部門において内部監査を実施し、システムが有効に機能しているかを定期的に評価しています。

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Tokyo Electric Power Company 東京電力 会社案内 9

社会の信頼を大切にする

コミュニケーション活動 東京電力では、事業活動に関わるさまざまなステークホルダーとの、コミュニケーション活動を行っています。

 いただいたご意見・ご要望を事業活動に活かしていくことで、よりよい事業展開をはかるとともに、みなさまからの信頼を、より確かなものにしていきます。

国際社会との関わりについては18ページ、社員との関わりについては22ページをご覧ください。

お客さま サービスの向上

地域社会 地域社会の発展

ビジネスパートナー取引条件の最適化

未来を担う子どもたち

環境・エネルギーに対する意識の

向上国際社会技術力・

ノウハウの向上

政府・自治体実効的な制度づくり

社員働きがいの向上

株主・投資家経営情報の取得

東京電力グループのステークホルダー

でんきのふるさとイベント

尾瀬ヶ原から望む至仏山とミズバショウ

環境コミュニケーション

 すべての生命の源である豊かな自然をまもり、未来の世代へ引き継いでいくことは重要な社会的責任であると考えています。人と自然との共生をめざし、「生物多様性」の保全に向けて尾瀬の自然保護や発電所の緑地保全・創出に取り組むとともに、子どもたちや地域の方々と一緒に環境について考える活動である「東京電力自然学校」など、さまざまなコミュニケーション活動を行っています。

千葉火力発電所における自然観察会

地域社会とのコミュニケーション

 地域社会の一員として、地域の発展に貢献するために、地域のみなさまとともにさまざまな活動を行っています。 原子力発電所の立地地域である福島県、新潟県、青森県(建設準備中)と、電気の大消費地である首都圏との相互理解をはかる「産消交流」活動では、立地地域の観光・物産を紹介するイベントを実施しています。また、各事業所でもフェイス・トゥ・フェイスの交流イベントを開催しています。

株主・投資家とのコミュニケーション

 経営の透明性を高め、社外の意見を経営に反映するため、アニュアルレポート等の冊子やホームページ等を通じ、情報開示の充実に努めています。また、機関投資家・証券アナリストの方々に対しては、経営計画や決算に関する説明会を開催し、意見交換等を行っています。

お客さまとのコミュニケーション

 お客さまによりご満足いただくため、カスタマーセンターにてお客さまからの各種お問い合わせにワンストップでお応えしています。また、電気・エネルギーやオール電化住宅に関する情報などを、テレビ・ラジオCM、新聞広告、ホームページ、各種パンフレット、PR施設など、さまざまなツールを活用し、提供しています。

機関投資家向け説明会

カスタマーセンター

東京電力自然学校

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10 東京電力 会社案内 Tokyo Electric Power Company10 東京電力 会社案内 Tokyo Electric Power Company

未来を切り拓く電気で低炭素な未来を切り拓きます

米国カリフォルニア モハベ (ユーラスエナジーホールディングス)

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Tokyo Electric Power Company 東京電力 会社案内 11

ゼロ・エミッション電源の積極的な導入 CO2の少ない電気を”つくる”ために、東京電力グループは、電力供給の安定性、環境性、経済性の同時達成に向けて電源のベストミックスを推進しつつ、さらなる電源の高効率化、低炭素化に取り組んでいます。

未来を切り拓く

原子力発電の推進

 発電時にCO2を排出しない原子力発電は、地球温暖化防止に有効な発電方法です。東京電力では、安全を大前提に、原子力発電の

パフォーマンス向上と新規開発に取り組み、利用拡大をはかっています。

 原子力発電は、原子炉の中でウランが核分裂したときに発生する熱を利用して発電しており、発電時に地球温暖化の原因となるCO2などの温室効果ガスを排出しません。原子力発電所の設備利用率はCO2排出量に大きく影響し、東京電力の原子力設備利用率が1%向上すると、CO2排出量は年間で約100万t削減されます。 発電の際にCO2を排出しない原子力、再生可能エネルギーの利用やCO2排出量の比較的少ないLNG火力の活用により、仮にすべての発電を平均的な石油火力でまかなった場合に比べ、年間約9,830万t(2009年度)のCO2排出抑制効果があります。中でも、原子力発電によるCO2排出抑制量は約5,520万tで、CO2排出抑制量全体の56%におよびます。

0

400

200

600

800

1,000

石炭火力 石油火力 LNG火力 LNG火力(コンバインド)

太陽光 風力 原子力 地熱 水力79 43 123 98

864

695 476376

943

738

599

474

38 25

21(加圧水型原子炉:PWR)19(沸騰水型原子炉:BWR)

13 11

発電用燃料燃焼 設備の建設・運用(g-CO2/kWh(送電端))

電源別のライフサイクルCO2排出量

(注1) 発電用燃料の燃焼に加え、原料の採掘から発電設備などの建設、燃料輸送・精製、運用・保守などの ために消費されるすべてのエネルギーを対象としてCO2排出量を算出。原子力については、現在 計画中の使用済燃料国内再処理・プルサーマル利用(1回リサイクルを前提)・高レベル放射性廃 棄物処分などを含めて算出。(注2)端数処理の関係で合計があわない場合がある。出典:電力中央研究所報告書「日本の発電技術のライフサイクルCO2排出量評価」

0

1,100

1,000

1,200

1,300

1,400

1,061

976

74.2

44.9

66.4 1,265

43.8

(10万t-CO2)

原子力発電所の設備利用率・CO2排出量の推移(東京電力)

2005 20092006 2007 2008

CO2排出量(10万t-CO2)   設備利用率 (%)

0

40

20

60

80

100

1,207

1,075

(%)

53.3

(年度)

 東京電力では、原子力発電所の立地地域のみなさまをはじめ、広く社会のみなさまから安心・信頼いただける原子力発電所をめざしています。原子力発電の安全確保・品質管理に関する日常業務や運転状況、各種データなどについて、ホームページやテレビCM、広報誌などを通じてお知らせしているほか、地域のみなさまとのコミュニケーションを大切にする場として、各種イベント等を開催しています。 発電所広報誌

原子力発電の環境優位性

地域のみなさまとともに

電源の組み合わせによるCO2排出抑制量(2009年度)

水力発電など 940万t

平均的な石油火力で発電した場合に想定されるCO2排出量

2億580万t

1億750万t CO2排出抑制量

CO2排出抑制量の内訳

原子力発電 5,520万tLNG火力発電 3,370万t

実際のCO2排出量(東京電力)

福島第二原子力発電所点検作業

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12 東京電力 会社案内 Tokyo Electric Power Company

異常の発生の防止

多重防護の考え方

もし異常が発生しても

異常の拡大および事故への進展防止

さらに事故発生に至っても

周辺への放射性物質の異常放出防止

余裕のある

安全設計(地震対策など)

フェイルセーフ

(安全側へ作動)

インターロック

(誤操作防止)

自動的に原子炉を停止する装置

止める

非常用炉心冷却装置

冷やす 閉じ込める

原子炉格納容器など(5重の壁)

放射性物質を閉じ込める5重の壁

異常を早期に検出する装置

第1の壁 燃料ペレット

第2の壁 燃料被覆管

第3の壁 原子炉圧力容器

第4の壁 原子炉格納容器

第5の壁 原子炉建屋

原子力発電所の安全対策

原子力発電所での人材育成

 原子力発電所の運転員・保全員は、定期的に社内外で教育・訓練を受けています。運転員は、現場で使用している中央制御室を模擬したシミュレータを用いた事故時の操作訓練や、技術的知識の教育などを受講しています。なお、運転員のうち、その班の責任者となる「運転責任者」は、国の定める基準をクリアし、試験に合格する必要があります。また、保全員は、現場で使用している機器・設備と同型のものを用いた保全実務訓練や、技術的知識の教育などを受講しています。また、実際に機器を製造している各メーカーでも訓練を受講し、高度な専門知識、技能を習得しています。

災害に強い原子力発電所づくり

 2007年7月に発生した新潟県中越沖地震以降、柏崎刈羽原子力発電所では、設備の点検・評価、復旧作業、耐震強化工事など、災害に強い発電所の構築に向けた取り組みを着実に進めています。これらの取り組みは福島第一原子力発電所、福島第二原子力発電所にも水平展開し、着工準備中の東通原子力発電所にも反映しています。

 原子力発電所で使い終わった燃料の中には、核分裂しなかったウランや原子炉内で新たに生まれたプルトニウムが含まれています。これらは再処理し回収することで、再び原子力発電所で燃料として使うことができます。このようにウラン資源をリサイクルする流れを原子燃料サイクルと言います。東京電力では、将来にわたるエネルギーの安定供給を確保するために、原子燃料サイクルの確立が不可欠と考えており、安全を最優先に「原子燃料サイクル」を推進しています。そのサイクルにおいて、プルトニウムを再処理によって取り出し、ウランと混ぜてMOX燃料※

をつくり、現在の原子力発電所で使うことをプルサーマルと言います。東京電力では、福島第一原子力発電所3号機において、2010年10月にプルサーマルによる営業運転を開始しています。

※MOX燃料:Mixed Oxide Fuel(ウラン-プルトニウム混合酸化物燃料)

原子燃料サイクルの確立

多重防護

 原子力発電所では、「放射性物質を扱っている」「機械は故障する場合もある」「人はミスをする場合もある」ということを前提に、幾重もの安全対策を講じ、安全を確保しています。

ウラン鉱石

使用済燃料

使用済燃料

使用済燃料

回収ウラン

天然ウラン

濃縮ウラン

濃縮ウランウラン燃料集合体

MOX燃料集合体

劣化ウラン

MOX 粉末放射性廃棄物(高レベル)

放射性廃棄物(低レベル)

ウラン精鉱(イエローケーキ)

原子力発電所

高レベル放射性廃棄物処分施設

再転換工場

MOX燃料工場

ウラン濃縮工場

転換工場

再処理工場

成型加工工場

使用済燃料中間貯蔵施設

製錬工場

低レベル放射性廃棄物埋設施設

ウラン鉱山

高レベル放射性廃棄物貯蔵管理施設

模擬原子炉(福島第一原子力発電所)

免震重要棟の建設 緊急時対策室や通信・電源などの重要設備を集合させた免震重要棟を建設し、柏崎刈羽原子力発電所では2010年1月より、福島第一原子力発電所、福島第二原子力発電所では2010年7月より運用を開始しています。免震重要棟は、建物と地盤の間にゴムなどの柔らかい部材(免震装置)をおくことで、地震の揺れを吸収する構造であり、新潟県中越沖地震を超える震度7クラスの地震が発生した場合でも、緊急時の対応に支障をきたすことがないように設計しています。 緊急時対策室(柏崎刈羽原子力発電所)

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Tokyo Electric Power Company 東京電力 会社案内 13

再生可能エネルギーの利用拡大

 太陽光や風力、水力、バイオマスなどの再生可能エネルギーは、CO2などの環境負荷が少ないクリーンなエネルギーです。東京電力で

は、技術開発・導入や、グループ会社が展開する多様な事業を通じて、再生可能エネルギーの利用拡大に取り組んでいきます。

メガソーラー発電計画

 東京電力は、神奈川県川崎市および山梨県とそれぞれ共同で、メガソーラー※の建設を計画しており、2011年度の運転開始を

めざし、設置工事を進めています。出力は合計で約3万kW、その年間発電電力量は一般家庭約7,900軒分の使用電力量に相当し、これによるCO2排出削減効果は年間約1万tとなる見込みです。

東京電力のメガソーラー計画の概要

扇島太陽光発電所(神奈川県川崎市) 出力:13,000kW 運転開始予定:2011年度

浮島太陽光発電所(神奈川県川崎市) 出力:7,000kW 運転開始予定:2011年度

米倉山太陽光発電所(山梨県甲府市) 出力:10,000kW 運転開始予定:2011年度

火力発電の高効率化・低炭素化

 電力需要の変動に柔軟に対応できる火力発電は、電力の安定供給上、重要な発電方法です。東京電力では、火力発電の高効率化・低炭素化に取り組んでおり、世界最高水準の熱効率59%を達成する1,500℃級コンバインドサイクル発電(MACC発電)を、2007年に川崎火力発電所、2008年に富津火力発電所に導入しました。さらに、熱効率61%を実現する1,600℃級コンバインドサイクル発電(MACCⅡ発電)の導入に向けて、環境アセスメント※を実施し

ており、2016年度に川崎火力発電所、2020年度以降に五井火力発電所にて運転開始予定です。東京電力の火力発電全体の平均熱効率が1%向上すると、CO2排出量は年間約190万t削減されることになります。

※ 環境アセスメント:事業が環境にもたらす影響を事前に調査・予測・評価し、その結果を公表して地域住民など関係者の意見を聴く制度。

水力発電の活用

 東京電力が保有する水力発電設備については、経年化が進む発電所の設備改修や水車の技術開発などを進めることによって、発電効率の向上をはかっています。また、新たな発電所の建設にも取り組んでおり、2010年度には「栃川発電所」(長野県下水内郡栄村)と「砥川発電所」(栃木県日光市)の運転開始を予定しています。「栃川発電所」は、信濃川水系栃川の水資源を活用して発電を行う、最大出力1,000kWの水路式発電所で、当発電所の運転開始により、年間約2,100tのCO2排出削減効果が

見込まれています。

浮島太陽光発電所完成予想図

バイオマス発電のイメージ

CO2

火力発電所石炭

バイオマス

放出

吸収

循環

燃料として使用

未来を切り拓く

東京電力の火力発電熱効率(低位発熱量)

(注)低位発熱量は総合エネルギー統計(2004年度版)の換算係数を用いて、高位発熱量実績より推定。

40

35

45

50

55

60

65

1970 75 80 85 90 95 2000 05 16

39.6%

42.7% 43.2%

47.2%

姉崎1号 鹿島5・6号

富津1・2号系列

54.1%横浜7・8号系列

55.3%富津3号系列 58.6%

46.9%

川崎1号系列 約 61%川崎2号系列(第2軸)

(%)

(年度)

クラス別設計熱効率火力発電熱効率(汽力発電端)

09

※メガソーラー:出力1,000kW以上の規模を有する太陽光発電。

木質バイオマス燃料の混焼計画

 植物由来の資源であるバイオマスは、燃焼時にCO2が発生しますが、同時に、植物が成長する際にCO2を吸収することから、全体で見るとCO2の量は増えないとされており、再生可能エネ

ルギーの一つと位置づけられています。常陸那珂火力発電所1号機において、木質バイオマス燃料の混焼による発電を計画しており、2012年度の運転開始をめざしています。本計画では、木くず等を圧縮成型した木質バイオマス燃料を約3%の割合で石炭と混合し、燃料として使用します。この取り組みによるCO2排出削減効果は、年間約11万tとなる見込みです。

世界規模での発電事業

 東京電力グループのユーラスエナジーグループを核として、風力発電事業に加えて太陽光発電事業も積極的に展開していきます。ユーラスエナジーグループは日本、韓国、欧州、米国において風力・太陽光事業を展開しており、国内では最大手、世界においても有数の風力発電事業者です。

英国ウェールズ P&L (ユーラスエナジーホールディングス)

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14 東京電力 会社案内 Tokyo Electric Power Company

太陽の熱が空気に蓄えられる

熱熱

熱熱

熱熱

熱熱

ヒートポンプ(エコキュートなど)「太陽熱間接利用」ヒートポンプで空気の熱をくみ上げ給湯や暖房などに活用

省エネエアコン

エコキュート

太陽光発電「太陽光直接利用」

太陽光発電

ヒートポンプ温水式床暖房

 

あらゆる分野での電化推進 あらゆる分野における一層の電化推進、お客さまのエネルギー利用のさらなる効率化といった、これからの時代にふさわしいサービスの提供を通じて、東京電力グループは、お客さま満足の向上と、社会全体の低炭素化に取り組んでいます。

家庭用分野における電化の推進

 オール電化住宅は、キッチン、給湯、冷暖房など、住まいで使用するすべてのエネルギーを電気でまかなう住宅です。環境性、快適性、経済性に優れ、ご採用の方の満足度も高いことから、年々増加傾向にあり、2010年8月現在、東京電力サービスエリア内で、累計80万戸に達しています。

「電化」を支えるヒートポンプ

 ヒートポンプは、太陽光や風力と同様に、無尽蔵な自然エネルギーである大気熱をわずかな電気でくみあげることにより、投入した電気エネルギーの約3~6倍の熱エネルギーをつくりだすことができます。そのため、環境性、効率性に優れており、低炭素社会の実現に向けて、不可欠な技術といえます。 仮に、家庭用・業務用・産業用分野の冷暖房や給湯などがすべてヒートポンプでまかなわれた場合、CO2削減効果は、日本全体で年間約1.4億t(家庭用・

業務用分野:約1億t、産業用分野:約0.4億t)に達すると試算されています。これは、日本のCO2排出

量の約1割に相当します。

熱 熱

熱 熱熱

熱熱

の「電気エネルギー」で

の熱をつくります

の「空気の熱」をくみあげて

ヒートポンプ

1

2~5 3~6+

※COP(エネルギー消費効率)が3~6の場合。

空気の熱は再生可能エネルギー源

 EUでは「再生可能エネルギー推進に関する指令(2009年6月施行)」において、一定効率以上のヒートポンプにより利用した「空気熱・地中熱・水熱」を再生可能エネルギーと定義しています。また日本でも、「エネルギー供給構造高度化法(2009年8月施行)※」の施行令において、

大気中の熱は再生可能エネルギー源として認められています。

※ エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律。

ヒートポンプの仕組み

オール電化体験型ショールーム Switch!Stationみなとみらい

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Tokyo Electric Power Company 東京電力 会社案内 15

未来を切り拓く

業務用・産業用(法人)分野における電化の推進

 運輸分野は、エネルギー源のほとんどを化石エネルギーに依存しています。東京電力はCO2の少ない電気を活用する電気自動車の普及を促進することで低炭素化に貢献しています。

運輸分野における電化の推進

Switch! Station Pro. 有明

 衛生的かつ快適な厨房環境を実現し、熱効率が高く、エネルギーロスの少ない業務用電化厨房を体験していただける総合体験施設です。所在地:東京都江東区有明3-5-7 TOC有明イーストタワー20階

TEPCO電化ファクトリー

 最新のヒートポンプ技術やIH技術などを紹介し、電化機器の実体験を通じて、お客さまの工場のプロセス・イノベーションをサポートする展示施設です。(注)2011年度リニューアル予定。 所在地:神奈川県横浜市鶴見区江ヶ崎町4-1

モデル厨房ゾーン

電気自動車によるCO2排出抑制効果(軽自動車1台が1万km走行した場合)

5000 1,000 1,500

1,208

360

(kg-CO2)

ガソリン車(軽)

電気自動車(軽) 約70%削減

試算条件燃費軽ガソリン車:19.2km/ℓ ―(社)全国軽自動車協会連合会「知れば知るほどいいいね!軽自動車(2008年版)」電気自動車:10km/kWh ―メーカー公表の10・15モード-充電走行距離と駆動用バッテリーの総電力量から算出CO2排出原単位ガソリン:2.32kg-CO2/ℓ ―環境省「温室効果ガス排出量算定・報告マニュアル」電気:0.324kg-CO2/kWh ―2009年度東京電力実績充電効率0.90

業務用電化厨房

ヒートポンプ給湯機

電気加熱(IH技術等)

プロセス冷温水(ヒートポンプシステム)

高効率熱源機(ヒートポンプシステム)

蓄熱式空調システム

レストラン

商業施設

オフィス

工場

蓄熱槽

電気自動車の自社導入と普及促進

 東京電力では、環境性に優れた電気自動車を業務用車両として積極的に導入しており、2009年度は310台を導入しました。将来的には3,000台程度の導入を計画しており、これにより、年間約2,500tのCO2排出削減効果を見込んでいます。

 また、電気自動車の普及には不可欠な充電インフラの整備を支援するため、あらゆる車種に適用できる汎用性の高い急速充電器を開発しました。

急速充電器の普及支援

東京電力では、急速充電器の性能向上や普及支援に取り組んでいます。2010年3月には、トヨタ自動車(株)、日産自動車(株)、三菱自動車工業(株)、富士重工業(株)、および東京電力を幹事会員として「CHAdeMO(チャデモ)協議会」を設立し、急速充電器の技術改良や、充電方式の標準化活動、急速充電器整備に関する知見の海外への提供などを通じて、電気自動車の普及を支援しています。 本協議会には、ほかにも、充電機器メーカーや充電サービス提供企業、これを支援する企業や行政など、国内外の270社・団体(2010年8月4日現在)が参加しています。

3相交流200V電源

単相100Vコンセントまたは単相200Vコンセント 5分間で約40km走行分

10分間で約60km走行分

ご家庭で充電する場合 急速充電器で充電する場合

1時間で約10km走行分(100V)1時間で約20km走行分(200V)

※最大出力50kWの急速充電器の場合。 メーカー、機種により異なります。

※車種により異なります。

東京電力オール電化レストランペイサージュ(大宮ソニックシティビル31階)

 ビルや工場などを所有する法人のお客さまに対して、東京電力はヒートポンプ技術やIH技術などの高効率電化システムによるソリューションの提案を行うことで、お客さまの低炭素化に向けた取り組みのお手伝いをしています。また、より幅広い用途において電気をご利用いただけるよう、新たな商品の研究・開発をメーカーと共同で進めるなど、業務用・産業用分野のさらなる電化の推進、低炭素化に取り組んでいます。

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16 東京電力 会社案内 Tokyo Electric Power Company

 社外の実証試験等に積極的に参画し、ネットワークのスマート化に向けた技術を開発します。

 東京電力が参画する計画・実施中の社外実証試験 (2010年7月現在)

 ・分散型新エネルギー大量導入促進系統安定対策事業 ・次世代送配電系統最適制御技術実証事業 ・負荷平準化機器導入効果実証事業 ・次世代エネルギー・社会システム実証事業(横浜市)

電力ネットワークのさらなるスマート化 東京電力は、電気を“つくる”側、“つかう”側から低炭素化を進めています。さらに、それらを“つなぐ”取り組みとして、電力ネットワークのさらなるスマート化に取り組んでいます。

スマート化の3要素

情報通信技術(ICT)を活用し、「①再生可能エネルギーの大量導入を可能とする電力ネットワーク構築」、「②お客さまの省エネルギー支援」、「③電力流通システムの効率・信頼性向上」を一体的に進め、電力ネットワークのさらなるスマート化に取り組みます。

スマート化に向けた技術開発 新たなビジネスの可能性

 お客さまの省エネルギー支援の中心となる、新型電子式メータ

を活用した新たなビジネスの可能性を検討していきます。

①再生可能エネルギーの大量導入を可能とする電力ネットワークを構築 ②お客さまの省エネルギー支援 ③電力流通システムの効率・信頼性向上

目標

電力品質を維持しつつ、再生可能エネルギー(特に住宅用太陽光)を大量導入

目標電気の使用状況や太陽光発電の発電状況を「見える化」し、各家庭における省エネ意識・利便性を向上

目標停電時間のさらなる短縮、停電範囲の縮小など、電力品質の維持・向上

課題

太陽光発電が電力ネットワークへ大量に流れ込むことにより、電圧の上昇など、電力品質に影響を与える恐れ

現状検針は月に一度、現地に出向して実施

課題

配電自動化システム等により、現状、十分な品質を確保しているものの、目標達成のためには、新たな機能の開発・追加が不可欠

対策

電力品質維持のため、電圧上昇抑制や瞬時瞬時の需要と供給のバランス対策、電力ネットワーク安定化対策を実施

対策遠隔自動検針の実施、インターネットによる情報提供等

対策配電線路の事故箇所の特定・遮断をより高速化する機能の追加など(経済性にも留意)

③ 電力流通システムの効率・信頼性向上ICTや蓄電池を活用した電力流通システムの効率・信頼性向上により、安定的に低炭素な電気をお届け

①再生可能エネルギーの大量導入を可能とする電力ネットワーク構築

ICTを活用し、太陽光発電の普及を後押しする電力ネットワークを構築

②お客さまの省エネルギー支援電化推進に加え、新型電子式メータを活用したお客さまの

省エネルギー支援、都市の低炭素化推進+

電気のスマート利用に関する社外講演

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Tokyo Electric Power Company 東京電力 会社案内 17

1. 発電設備の運用性向上

 電力需要の変動に柔軟な対応が可能な火力・水力発電の運用性の向上をはかり、太陽光発電の普及を後押しします。

2. 次期配電自動化

 次期配電自動化に取り組み、太陽光発電普及時の電力品質維持、配電線稼働率の向上、事故復旧時間の短縮等をはかります。

3. 新型電子式メータの導入・活用 ・ 2010年10月より、東京都の一部地域において、多機能新型電子式メータの実証試験を行っています。

・ 新型電子式メータの活用を視野に入れた、新たな情報通信技術(ICT)サービスの可能性を検討します。

電力ネットワークのスマート化のイメージ

新型電子式メータの導入によって期待される効果

1. お客さまサービスの向上 ・ お客さまの電気の使用量を記録することによる、インターネットによる電気の使用量の見える化と、それに伴う最適な電気契約内容や電気機器の上手な使い方のアドバイス

・ 停電原因箇所の特定が容易となることによる、復旧時間短縮

・ お引っ越しやご契約変更時に、遠隔操作で作業を実施することによる、立会いなどのお客さま負担軽減

・ 遠隔で検針指針を確認することによる、お客さまプライバシーの保護

2. 業務運営の効率化 ・ 毎月の検針業務、お引っ越しに伴う契約終了・再開手続き、ご契約変更などの業務を遠隔取得・制御することによる、業務効率化

原子力

火力

水力風力 太陽光

送電網

給電指令所配電線

電気自動車

海水熱利用ヒートポンプ

変電所

1. 発電設備の運用性向上

5. 蓄電池

2. 次期配電自動化

4. 都市の低炭素化

3. 新型電子式メータ

通信線

情報通信ネットワーク

発 電 送 電 配 電 販 売

太陽光・風力蓄電池

電気自動車

商業施設

工場

宅内モニター

エアコン・冷蔵庫・IH エコキュート

パワーコンディショナ

コントローラ/分電盤

未来を切り拓く

新型電子式メータ外観

4. 都市の低炭素化に向けた検討

 電力ネットワークからの供給をベースに、地域内の再生可能エネルギーを最大限活用するとともに、ヒートポンプ等の高効率機

器を積極的に採用した都市の低炭素化について、東京都江東区豊洲地区での開発※等を検討していきます。

※ 東京電力グループが提案するオール電化のスマートコミュニティ。電力ネットワークからの供給をベースに、再生可能エネルギー・未利用エネルギーを最大限活用するとともに、エネルギー使用状況の見える化やエネルギーマネジメントシステムの導入等も検討する。

5. 蓄電池の普及支援

 蓄電池の信頼性・利便性向上のため、各種蓄電池の性能を評価するとともに、利用技術を開発していきます。

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18 東京電力 会社案内 Tokyo Electric Power Company

成長事業の積極的な展開 これまで国内の電気事業で培ってきた人材、技術、ノウハウを活かして、海外へも積極的に事業の場を拡げるなど、グループの強みを発揮できる成長事業※を展開し、事業基盤のさらなる強化や社会・環

境貢献に幅広いフィールドで取り組んでいきます。※ 国内の電気事業に加え、海外事業、エネルギー関連・その他事業の3つの領域にて事業を展開。国内の電気事業以外にも成長を求めていくことから、海外事業とエネルギー関連・その他事業を「成長事業」と定義。

海外事業の展開

海外事業を東京電力グループの事業の柱と位置づけ、発電・燃料などの各分野において、グループの力を結集し、積極的に展開していきます。

発電事業

 国内での世界最高水準の運用実績を活かした発電事業は、連結利益成長の牽引役です。火力・原子力・再生可能エネルギーの各発電事業に取り組むことにより、今後10年間で海外の持分出力を1,000万kW(2009年度実績の約3倍)に拡大します。

原子力発電事業

火力発電事業

再生可能エネルギー発電事業

東京電力グループの「場」の拡がりのイメージ

ネットワーク事業等送配電、省エネコンサルティング等事業の継続性や収益の安定性を高める

発電事業火力、原子力、再生可能エネルギー効率のよい低炭素なエネルギーの供給を通じて、連結利益の拡大を牽引する

燃料事業上流権益、輸送、トレーディング燃料調達の安定性・柔軟性・経済性を向上させるとともに、収益機会を獲得する

海外事業

国内電気事業

国内事業(エネルギー関連・その他)

エネルギー供給(ガス等)

データセンター

省エネコンサルティングエネルギーソリューショングリーン電力証書

オール電化関連(不動産等)シニア向けサービス

ビジネスサポート

その他

新型電子式メータの活用を視野に入れた、新たなICTサービスの可能性を検討します。

・当面は、地域を絞らず、各国において事業機会を捉えていきます。・ 中長期的には経済発展著しい中国・インドをはじめとしたアジア市場で活躍することができるよう、準備を進めます。・東京電力グループの強みをより一層活かせるよう、出資比率の向上※や燃料事業との協業等を検討します。※出資比率が最も高い(50%)ティームエナジープロジェクト(右図 投資事業①)では、最大限の強みを発揮。

・ 先進炉であるABWR※に開発段階から関与し建設・運転実績を持つ強みを活かし、事業を展開します。まずは米国(右図 投資事業②)をはじめとした原子力発電の導入実績がある国で事業をスタートし、ステップバイステップで展開します。・ABWRの技術・運転実績を世界に示し、さらなる事業機会の確保に加え、国内の発電所の運営基盤も強化します。※Advanced Boiling Water Reactor 改良型沸騰水型原子炉

・ユーラスエナジーグループを核として、欧米など先進国の制度等を活用し、事業を拡大します。・中長期的には欧米以外の各地域への事業拡大を検討します。

インドにおけるコンサルティング

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Tokyo Electric Power Company 東京電力 会社案内 19

燃料事業 燃料調達の安定性・柔軟性・経済性向上のために、事業を拡大していきます。

その他の事業 東京電力グループの技術力を活かした省エネルギー等のコンサルティング事業については、各国での取り組みを強化し、各事業における新たなお客さまとの関係構築にもつなげていきます。また、事業の継続性や収益の安定性を高めるため、ネットワーク事業等への参画も検討します。

上 流 中 流 下 流

ウラン鉱山     開発・精錬

転換 濃縮 再転換 成型加工

発電所

ガス販売ガス田開発  液化プラント     海上輸送      LNG受入基地  

LNGトレーディングプロジェクト名   年間引渡数量 ダーウィンLNG(下図 上流事業③)   約200万tウィートストーンLNG(下図 上流事業④) 約410万t

主なプロジェクト名 年間引渡数量 シガーレイク(下図 上流事業①) 約450ショートトンU3O8

LNG輸送船5隻運航中

TEPCOトレーディング(株)(2006年1月設立)

バリューチェーン全体に関わることで調達の安定性・柔軟性・経済性の向上をはかるとともに、収益機会を獲得します。

「燃料バリューチェーンのイメージ」

未来を切り拓く

事業を行っている地点(準備中を含む)●火力発電事業●原子力発電事業●再生可能エネルギー発電事業●LNG上流事業●ウラン上流事業○コンサルティング事業▲植林事業■海外事務所

投資事業①フィリピン: ティームエナジープロジェクト 出力320万kW/火力②アメリカ: サウステキサスプロジェクト 出力135万kW×2基(予定)/原子力③日欧米韓: ユーラスエナジーグループ/風力・太陽光

コンサルティング事業①バングラデシュ: 石炭火力発電マスタープラン調査②トルコ: ピーク対応型発電最適化計画調査③ベトナム: 超々臨界石炭火力計画調査④ベトナム: UHVシステム導入予備調査

ロンドン事務所

東・東南アジア

上流事業①カナダ: シガーレイクプロジェクト(ウラン)②カザフスタン: ハラサンプロジェクト(ウラン)③オーストラリア: ダーウィンLNGプロジェクト④オーストラリア: ウィートストーンLNGプロジェクト(協議中)

今後の重点地域

   火力

   再生可能エネルギー

●●

●●

● ●

■■

○○○○

○○

▲●

北京事務所(2010年度設立予定)

コンサルティング事業②

コンサルティング事業①

コンサルティング事業③④

  投資事業③  投資事業③

投資事業②

ワシントン事務所

海外コンサルティング事業の実施地域内訳

その他(全世界対象等)アフリカ北・中南米欧州・旧ソ連

中東

豪州・太平洋

南アジア

上流事業①

上流事業②

上流事業④

上流事業③

投資事業①

○●

※これまで64カ国、411件のプロジェクト(累計売上高144億円)を実施(2010年9月末)。

  投資事業③

海外事業の展開のイメージ

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20 東京電力 会社案内 Tokyo Electric Power Company

国内でのエネルギー関連・その他事業の展開

 電気事業の付加価値を高め、グループの強みを発揮できる領域において電気事業以外の事業を展開するとともに、既存事業の着実な推進により、エネルギー・サービスの向上と、グループの事業成長をはかります。

主要関係会社

発電東京発電(株)君津共同火力(株)鹿島共同火力(株)相馬共同火力発電(株)常磐共同火力(株)日本原子力発電(株)

設備の建設・保守東電工業(株)東電環境エンジニアリング(株)東電設計(株)東京電設サービス(株)(株)東電ホームサービス(株)東設土木コンサルタント(株)関電工新日本ヘリコプター(株)日本原子力防護システム(株)(株)TLC

資機材の供給・輸送東京計器工業(株)東電物流(株)東光電気(株)(株)高岳製作所東光東芝メーターシステムズ(株)

燃料の供給・輸送テプコ・リソーシズ社テプコ・オーストラリア社TEPCOトレーディング(株)リサイクル燃料貯蔵(株)パシフィック・エルエヌジー・シッピング社パシフィック・エルエヌジー輸送(株)

パシフィック・ユーラス・シッピング社トランスオーシャン・エルエヌジー輸送(株)エルエヌジー・マリン・トランスポート(株)シグナス・エルエヌジー・シッピング社東京ティモール・シー・リソーシズ(米)社南明興産(株)(株)テプコーユ(株)テプスターテプコ・ダーウィン・エルエヌジー社東京ティモール・シー・リソーシズ(豪)社南双サービス(株)日本原燃(株)パシフィック・ホープ・シッピング社石炭資源開発(株)原燃輸送(株)セルト(株)

エネルギー・環境ソリューション東京都市サービス(株)バイオ燃料(株)川崎スチームネット(株)森ヶ崎エナジーサービス(株)伊勢原エネルギーサービス(株)東京臨海リサイクルパワー(株)日立熱エネルギー(株)日本自然エネルギー(株)羽田太陽光発電(株)日本ファシリティ・ソリューション(株)関東天然瓦斯開発(株)青山エナジーサービス(株)府中熱供給(株)(株)クリーンコールパワー研究所東京熱エネルギー(株)タス・フォレスト・ホールディングス社

電気通信(株)ファミリーネット・ジャパン

有線テレビジョン放送(株)テプコケーブルテレビ

情報ソフト・サービス(株)テプコシステムズ東電ユークエスト(株)(株)アット東京(株)ティ・オー・エス東京レコードマネジメント(株)(株)ジャパン・イーマーケットジャパンケーブルネットホールディングス(株)日本デジタル配信(株)(株)テプシスソリューションズ

情報通信設備の建設・保守TEPCO光ネットワークエンジニアリング(株)

不動産東電不動産(株)尾瀬林業(株)東電用地(株)(株)リビタ(株)むつ小川原ハビタット東双不動産管理(株)(株)TFサービス

サービス東京リビングサービス(株)東電ピーアール(株)(株)キャリアライズ東電タウンプランニング(株)テプコ・リインシュランス社

東電ハミングワーク(株)東電ライフサポート(株)東電広告(株)(株)TEPCOコールアドバンス東電パートナーズ(株)グッドサーブ(株)ハウスプラス住宅保証(株)(株)環境美化センター(株)当間高原リゾート日本ユーティリティサブウェイ(株)大同工芸(株)ハウスプラス確認検査(株)

 耐震性、万全の電源設備を有し、国内屈指の高い信頼性を誇るデータセンターを運営しています。

株式会社アット東京 データセンター

海外事業トウキョウ・エレクトリック・パワー・カンパニー・ インターナショナル社(株)ユーラスエナジーホールディングストウキョウ・エレクトリック・パワー・カンパニー・ インターナショナル・パイトンⅠ社ティーエムエナジー・オーストラリア社トウキョウ・エレクトリック・パワー・カンパニー・ インターナショナル・パイトンⅡ社シピー・ジーピー社キャピタル・インドネシア・パワーⅠ・シーブイティームエナジー社ロイ・ヤン・マーケティング・ホールディングス社アイティーエム・インベストメント社グレート・エナジー・アライアンス社アイティーエム・オーアンドエム社スターバックパワー社

代表的な事業

 下水汚泥を炭化処理し、バイオマス燃料に加工して発電用に販売しています。

 介護付有料老人ホームの企画・管理・運営事業を行っています。

 建物を再生させるリノベーション住宅の分譲・賃貸事業を行っています。

株式会社リビタ 企業社宅をオール電化住宅に再生「リノアたまプラーザ」

東電ライフサポート株式会社介護付有料老人ホーム「もみの樹 横浜鶴見」

バイオ燃料株式会社汚泥炭化プラントと汚泥炭化物

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Tokyo Electric Power Company 東京電力 会社案内 21Tokyo Electric Power Company 東京電力 会社案内 21

人と技術が活きる人の活躍・連携が仕事を動かします

現場での保守作業

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22 東京電力 会社案内 Tokyo Electric Power Company

人が活躍・連携する強い現場の実現 東京電力にとって、「人」は大切な財産です。従業員の主体的な活躍と連携が持続的な成長の原動力となる「『人』本位の経営」を展開します。同時に、仕事の付加価値を高める「業務革新」を進め、仕事を改善、改革し続ける「強い現場」をつくりあげます。

 従業員・会社相互の信頼と責任のもと、人を大切にし、多様な人材が、一人ひとり働きがいをもって仕事に取り組むことができる環境を整え、個人の最大限の能力を引き出し、それを組織力として束ねていきます。そのため、「徹底した人材育成」「多様な人材の活躍の推進」「コミュニケーション・連携の強化」に取り組んでいきます。

「人」本位の経営の実践 

研修制度

 日常業務を通じた指導(OJT)と社員の自己啓発を基本としながら、各部門や事業所、総合研修センターでは、さまざまな研修を実施し、最新の専門知識・技能の短期間での習得をはかるとともに、参加者の相互理解を推進することで、社員の能力開発を支援しています。

 特に総合研修センターでは、新入社員から経営層にいたるまで、

幅広い研修体系を整えています。 また、研修が効果的・効率的に実施されるように、研修実施後の効果測定に基づき、確実にPDCAをまわすとともに、研修で習得したスキル・知識が職場で実践されるように、職場へのサポートも行っています。

総合研修センターが実施する主な研修

対象マネジメント能力の

付与・強化課題発見・解決能力の

付与・強化第一線の技術・技能の

維持・継承経営リーダー・変革リーダーの育成

その他意識改革など

特別管理職

一般職

※1 W-TΣP:若手人材に潜在力を発揮・伸張できる場を提供し、新しい技術や業務革新、企業価値の創造に自ら取り組む人材を育成する。※2 WT研修:経営課題に関する最新情報とさまざまな部門からの参加者と議論する場を提供し、変革意欲を向上させ、自ら行動する前向きな姿勢を培う。※3 キャリアビジョン研修:自らの価値観や強みを認識し、キャリアビジョンを主体的に描くことで、実現に必要な能力の開発を動機づける。

事業所経営研修

新任支社長研修 経営

マネジメント研修

W-TΣP(ダブル・テップ)※1

マネジメント能力向上研修 チームリー

ダー研修

課題解決力向上研修(上級)

課題解決力向上研修(中級)

技術リーダー研修

大学(院)卒

2年目研修

設備自動化

システム研修

保護制御

システム研修

実践力開発プログラム指導者研修

短期集中技術講座

各部門専門技術・技能研修

目標管理研修 W

T研修

キャリアビジョン研修

新入社員研修(新入社員導入研修、制御所・総合制御所、電気系大学卒、配電部門下期など)

GMフォロー研修GM着任前研修

非常災害対応能力向上研修

店所

3年目研修

実践力開発プログラム(ステップⅢ)

実践力開発プログラム(ステップⅡ)

実践力開発プログラム(ステップⅠ)

販売営業研修(法人・生活)

次世代リーダー研修

事務系若手大学卒フォロー研修

※3

技術者倫理研修

社内広報広聴(経営指針の伝達と意見収集)を各研修に取り込み

研修センター実施 研修センター・各部・各店所共催

ねらい

※2

社員の活躍や能力向上の支援

執務風景

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Tokyo Electric Power Company 東京電力 会社案内 23

ダイバーシティの実現

 東京電力では、多様な人材の活躍を目的に、公正・公平な人材雇用・登用を推進しています。

障がい者雇用

 東京電力は、障がい者の雇用を積極的に進めており、東京電力と関係会社13社を含めた東京電力グループの障がい者雇用率は2.1%(610名、2010年6月1日現在)と、法定雇用率1.8%を上回っています。 2008年7月には新たな雇用の創出と、より一層の社会への参加と自立を支援するため、東電ハミングワーク株式会社を設立しました。東電ハミングワーク株式会社は、「印刷・コピー業」「清掃業」「園芸業(花の栽培・花壇への植栽)」などを主な業務としており、特別支援学校や支援機関などからの就労実習受け入れ、年間約1,500名の見学者対応などを通じて、障がいのある方の就労普及のために、幅広い活動を行っています。

高年齢者雇用

 「高年齢者雇用安定法」の改正(2004年6月)に合わせ、それまでの制度を見直し、65歳まで就労可能な高年齢者雇用制度を導入しています。本制度の下では、社員は55歳から57歳までに自身の働き方に関する希望に基づき、「再雇用または転籍による65歳までの就労」または「60歳定年までの就労」を選択することとしています。

女性社員の活躍推進

 ダイバーシティ推進室を中心に、全社員の約12%を占める女性社員の活躍を推進するための育成方策や条件整備などの取り組みを展開しています。2004年2月以降、女性の管理職やリーダーを育成する研修を継続的に開催し、約300名が参加しています。こうした取り組みにより、2009年度は9名の女性を新たに管理職として登用し、女性管理職数は63名となりました。さらに、意識啓発の機会を提供するため、若手に自分の今後のキャリアを考えるセミナーを実施したり、中堅社員向けに有志企業による異業種交流セミナーなどを実施しています。

東電ハミングワーク株式会社における園芸事業

東電ハミングワーク株式会社における印刷事業

人と技術が活きる

能力・業績評価

 能力・業績の適切な評価を行うために、客観性・透明性・納得性を高める観点から、複数の上位職者による多面評価、イントラネット上での制度内容・評価基準の公開、上司との面談を通じた評価結果の本人への通知を行っています。

能力発揮のための支援制度

 社員のチャレンジ意欲に応え、活躍の機会を提供する「社内人材公募」「社内人材マーケット」制度や自己啓発意欲に応える「国内外大学院留学制度」「TOEIC IPテスト」の開催などにより、能力の発揮を支援しています。また、高度な専門性をもつ社員に対しては、「プロフェッショナル制度」および「スペシャリスト制度」により、高い技術・技能などを評価・認定しています。

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24 東京電力 会社案内 Tokyo Electric Power Company

 東京電力では、仕事と生活の調和を推進することにより、社員一人ひとりの生産性を高め、会社全体の業績向上につなげるワーク・ライフバランスを推進しています。さまざまな取り組みにより、両立指標※の得点率が89%を超えています。

※両立指標:仕事と家庭の両立支援対策の進展度合いを、各企業が客観的に評価することを目的に厚生労働省が作成した指標。

労働時間管理 「コンプライアンス(管理の適正化)」「業務改革(業務効率化や働き方の見直し)」「社員意識や職場風土改革」の3つの側面から労働時間管理に取り組んでいます。就業時間中の業務効率をさらに高めるため、東京電力全体で「メリハリワーク」と称する運動を展開し、「仕事は原則20時まで」「ノー残業デー」「労働時間の見える化」などの取り組みを実施しています。

ファミリーデイ(家族の職場参観)の実施 ファミリーデイは、社員同士がお互いの家族を知り、お互いの「ワーク」のみならず「ライフ」にも目を向けることで、社員間のコミュニケーションや相互理解を一層深めることを目的として実施しています。2009年度は、多数の事業所で開催され、本店では302名の家族が参加しました。

スポーツ・文化活動 各種スポーツや趣味に関する社員の自主的・自発的な活動を支援しています。また、シンボリックスポーツとして、女子サッカー部「マリーゼ」と「長距離・駅伝チーム」を支援・強化しています。一方、ボランティアに関する情報の提供や活動の紹介、あっせんなどを通じた社員の主体的社会参加も支援しています。

社員を応援するさまざまな制度◎出産・育児・介護を支援する制度

 出産・育児・介護をする社員が安心して働き続けることができるように、さまざまな制度を整備しています。 育児をする社員を支援する制度としては、子どもが3歳に達する年度の年度末までを限度に利用できる「休職制度」や、小学校1年生の年度末まで利用できる 「短時間・フレックス勤務制度」などがあります。介護をする社員を支援するための制度としては、3年間を限度に利用できる「休職制度」と、介護事由が消滅するまで利用できる「短時間・フレックス勤務制度」などがあります。

◎休暇制度 入社1年目には年間15日、2年目からは年間20日取得できる「普通休暇」のほか、自分の誕生日、結婚記念日または家族の誕生日の属する月に連続3日間取得できる「アニバーサリー休暇」や、「夏季休暇」「結婚休暇」「ボランティア休暇」「リフレッシュ休暇」などがあります。

◎施設 独身寮や社宅のほか、保養施設、会合施設、グラウンド、テニスコートなどの利用が可能です。また、育児をしながら働く社員のための「社内託児所」を設置しています。

◎テプコマイチョイス 個人の多様な価値観やニーズに対応する、カフェテリア方式の福利厚生制度です。あらかじめ用意されている各種社内外のサービスの中から自ら選択利用し、与えられるポイントの範囲内で費用の補助を受けられます。利用できるサービスには「介護」「子育て」「結婚」「健康」「自己啓発」「余暇・レジャー」などのジャンルがあり、それぞれ豊富なメニューを取り揃えています。

ワーク・ライフバランスの実現

0

150

200

250221(4)

(人)

「育児休職制度」利用者数

20092007 2008

220(2)

173(2)

(注)各年度の利用開始数。( )はうち男性。

(年度)

ファミリーデイ

マリーゼ 長距離・駅伝チーム

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Tokyo Electric Power Company 東京電力 会社案内 25

部門や階層を越えたコミュニケーション

 若手から経営層までの幅広い階層の、さまざまな部門の社員が、経営課題について討議することで、変革意欲を向上させることを目的とした「WT研修」なども行っています。これまでに1,500名の社員が参加しています。(2010年7月現在)

コミュニケーションの活性化 社員一人ひとりがいきいきと働くことができるよう、職場内はもちろん、社内の各階層・部門を越えた多様なコミュニケーションを促進し、組織としての活力や一体感を高めることに努めています。

現場力の強化  

 電力設備の運転、保守、工事などの業務に携わる第一線職場では、日常業務を通じた指導(OJT)や、研修などを通じて、技術・技能の維持・向上をはかっています。 また、携わる業務において求められる技術・技能の水準を明らかにし、修得した技術力の到達レベルに応じて認定を受ける「技術認定制度」や、部門ごとに、保持すべき技術技能について、共通の技術課題で競い合う「全社技術技能競技大会」なども行っています。こうした取り組みは、業務の委託化や設備の自動化などによる社員自らの手による作業機会の減少や、世代交代に伴う実務経験者の減少などによって、技術・技能の継承機会が

経営層とのコミュニケーション

 経営層が毎年ほぼすべての事業所を訪問し、社員との意見交換を通じて現場の実態を把握するとともに、経営に関する情報を直接発信しています。また、イントラネットには日常のツールとして、「経営層とのコミュニケーションひろば」を設けています。

社内コミュニケーションツール

 イントラネットや社報、社内テレビなどさまざまなツールを活用し、社員の情報共有や意識高揚をはかっています。

失われないようにするだけでなく、技術技能習得への意欲向上や、職場の活性化にもつながっています。

社内テレビ

社報「とうでん」

全社技術技能競技大会

人と技術が活きる

WT研修

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26 東京電力 会社案内 Tokyo Electric Power Company

技術開発 東京電力グループの技術力を結集し、次代を見据えた技術を生み出し、つみあげていくことによって、社会の低炭素化を後押しすると同時に、安定供給や安全確保を確実に推進するための技術を開発し、導入していきます。

電気自動車(EV)および急速充電器の開発

 自動車メーカーと共同での電気自動車開発を通じて運輸部門のCO2排出削減に向けた活動を行っており、電気自動車の市販

が開始された現在でも実証試験を継続しています。 また、東京電力が長年にわたり培ってきたパワーエレクトロニクス技術を活かし、どのメーカーの電気自動車でも利用可能な急速充電器を開発し、充電方式の国際標準化に向けた取り組みも行っています。

電化推進に資する技術開発

 家庭用・業務用・産業用・運輸分野といったあらゆる分野における一層の電化推進、お客さまのエネルギー利用のさらなる効率化に向けた技術開発を推進します。◎ 温水・蒸気製造ヒートポンプの開発、溶融炉・熱処理等の電化技術の開発

◎ヒートポンプの高効率化や革新的ヒートポンプに関する技術開発◎ 電気自動車・充電インフラの普及促進に向けた技術の標準化に関する開発

ゼロ・エミッション電源の導入に資する技術開発

 ゼロ・エミッション電源の積極的導入による、さらなる電源の高効率化・低炭素化に向けた技術開発を推進します。◎ 原子力発電のパフォーマンス向上や次世代軽水炉の開発などの原子力発電の利用拡大に向けた技術開発

◎ 洋上風力発電やバイオマスなどの再生可能エネルギーの利用拡大に向けた技術開発

◎ 石炭ガス化複合発電(IGCC)、二酸化炭素回収・貯留(CCS)技術の開発・実証などの多様な火力電源の低炭素化に向けた技術開発

電力ネットワークのスマート化に資する技術開発

 再生可能エネルギーの大量導入を可能とする電力ネットワーク構築、お客さまの省エネルギー支援、電力流通システムの効率・信頼性向上など、電力ネットワークのさらなるスマート化に向けた技術開発を推進します。◎ 再生可能エネルギーの大量導入を可能とする電力ネットワーク対策技術・次期配電自動化技術の導入に向けた開発◎ 新型電子式メータの開発ならびに新型電子式メータを活用した省エネルギー支援技術の研究開発◎ 送電ロス低減に向けた機器開発、超電導ケーブル技術の実証に関する研究

安定供給・安全確保に資する技術開発

 高経年化設備に対する保全技術の高度化やリスク管理の充実など、電力の安定供給・安全確保に向けた技術開発を確実に推進します。◎ 設備の高経年化に対応するための劣化対策技術・設備診断技術・延命化技術の開発◎ 原子力発電所の耐震対策、エネルギーセキュリティ確保のための燃料種別拡大、人身災害対策・PCB処理等に関する技術開発

三菱自動車工業(株)「i-MiEV」と(株)高岳製作所「急速充電器」

植物のCO2吸収量についての研究風景

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Tokyo Electric Power Company 東京電力 会社案内 27

人と技術が活きる

洋上風力発電技術の開発

 再生可能エネルギーの利用拡大に向けた取り組みの一つとして、東京大学などと共同で、洋上風力発電技術の研究を進めています。2009年8月から、NEDO※より千葉県銚子市沖合に風車と風況観測タワーなどを設置する実証研究を受託し、日本の自然条件に適した洋上風力発電技術の確立に向け研究を開始しました。

※NEDO:独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構

SCC進展試験装置

洋上風力発電イメージ図

電化機器の開発

 家庭用・業務用・産業用分野における省エネ・CO2削減をめ

ざし、ヒートポンプやIH調理機器などの開発に取り組んでいます。

超電導ケーブル

「エコキュート・ソーラーヒート」共同開発:(株)デンソー、矢崎総業(株) 販売元:矢崎総業(株)

応力腐食割れ(SCC)進展挙動評価装置

 原子力プラントの冷却水を模擬した高温純水環境下で試験を行い、SCC対策技術やSCCの進展をより正確に予測するための技術開発を行っています。

超電導ケーブルの開発

 コンパクト・低損失・大電流送電可能な超電導ケーブルの電力系統導入をめざして、3心一括型超電導ケーブルの開発を進めています。 2011年には、神奈川県横浜市の旭変電所において、日本初となる実系統での実証試験を開始します。

30mケーブル検証システム外観(住友電気工業(株)熊取工場)共同開発:住友電気工業(株)空冷ヒートポンプ式熱源機「ユニバーサルスマート X」

共同開発・販売元:東芝キヤリア(株)

エックス

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28 東京電力 会社案内 Tokyo Electric Power Company

会  長

社  長

副 社 長

監 査 役 監査役業務部

常務取締役

支  店

栃   木

群   馬

茨   城

電 力 所

猪 苗 代

松   本

信 濃 川

火力事業所

西

中   央

建 設 所

富津火力

常陸那珂火力

川崎火力

広野火力

電力流通本部

火 力 部

燃 料 部

建 設 部

工 務 部

配 電 部

系統運用部

ネットワークサービスセンター

新事業推進本部※

品質・安全監査部

事業開発部※

情報通信事業部※

(注)ICT事業推進のため、グループ事業推進部内に   ICT事業推進部長を配置。

東通原子力建設準備事務所

原子力品質監査部

ガス・カンパニー

原子力・立地本部

原子力・立地業務部

原子力品質・安全部

立地地域部

福島第二

柏崎刈羽

原子力運営管理部

原子燃料サイクル部

原子力設備管理部

原子力発電所

福島第一

開発計画部

技術開発研究所

営 業 部

法人営業部

電力契約部

販売営業本部

埼   玉

千   葉

東   京

多   摩

神 奈 川

山   梨

沼   津

秘 書 部

企 画 部

技 術 部

環 境 部

システム企画部

広 報 部

関連事業部※

燃料関係会社再編準備室

総合研修センター

総 務 部

労務人事部

経 理 部

用 地 部

資 材 部

電子通信部

国 際 部

東京電力病院

技術開発本部

※国内におけるより一体的なグループ事業の推進をはかるため、事業推進体制を整備します。(2010年12月予定)

現行の体制 今後の体制

関連事業部

新事業推進本部

事業開発部

情報通信事業部

グループ事業推進部

新事業開発部

国内グループ会社の経営管理・支援の一元化

インキュベーション・新事業開発の強化・効率化

【国内グループ事業推進体制】

[国内事業の総括]

組織図 (2010年10月1日現在)

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Tokyo Electric Power Company 東京電力 会社案内 29

1951年0 5月 1日 東京電力創立、資本金14億6千万円(現在の10電力体制の原型)

1953年 11月 18日 東京電力創立後、初の火力発電・潮田火力3号機が運転開始(5万5,000kW)

1959年 08月 18日 千葉火力発電所4号機の完成で火力発電の出力が水力発電を上回る(火主水従へ)

1965年 12月 10日 初の揚水式発電所・矢木沢発電所2号機が運転開始(8万kW)

1969年 08月 8日 夏の最大電力が冬を追い越す(冬ピークから夏ピークヘ)

1971年 03月 26日 東京電力初の原子力・福島第一原子力発電所1号機が運転開始(46万kW)

1980年 4月 1日 第二次石油危機の影響の燃料費高騰などによる電気料金改定(52.33%引き上げ)

1984年 4月 お客さまの声をお聞きしてサービスの向上に活かす「エコー・システム」発足

1985年 12月 20日 東京電力初のコンバインドサイクル発電・富津火力発電所が運転開始(1号系列第1軸16万5,000kW)

1987年 10月 1日 コンビニエンス・ストアで電気料金収納始まる

1995年 5月 15日 東京電力の原子力発電所の累計発電電力量が1兆kWhを達成

1997年 1月 10日 電力卸供給入札の落札者が決定(1999~2001年度供給予定8社110万kW)

1997年 7月 2日 柏崎刈羽原子力発電所7号機が運転開始。全号機が完成し、世界最大の原子力発電所となる(総出力821万2,000kW)

1998年 2月 10日 電気料金改定(4.20%引き下げ)

2000年 3月 21日 特別高圧の電力小売自由化開始

沿革2000年 3月 31日 東京電力初の事業用風力発電・八丈島風力発電所が運転

開始(500kW)

2000年 10月 1日 電気料金改定(5.32%引き下げ)グリーン電力基金開始

2001年 1月 30日 青森県むつ市内に「むつ調査所」を開設。「リサイクル燃料備蓄センター」の立地可能性調査を開始

2001年 7月 24日 5年ぶりに最大電力の記録を更新(6,430万kW)

2002年 4月 1日 電気料金改定(7.02%引き下げ)

2004年 8月 27日 東京電力の原子力発電所の累計発電電力量が2兆kWhを達成

2004年 10月 1日 電気料金改定(5.21%引き下げ)

2004年 10月 7日 東京電力グループ中期経営方針「経営ビジョン2010」を公表

2005年 4月 1日 電力小売自由化範囲の拡大(高圧で電気の供給を受けるすべてのお客さま)

2005年 11月 21日 東京電力と「日本原子力発電(株)」の共同出資により「リサイクル燃料貯蔵(株)」を設立(「むつ調査所」は廃止)

2006年 4月 1日 電気料金改定(4.01%引き下げ)

2007年 6月 15日 日本初の1,500℃級コンバインドサイクル発電・川崎火力発電所が営業運転開始(1号系列第3軸50万kW)

2008年 9月 1日 電気料金の見直し

2010年 9月 13日 「東京電力グループ中長期成長宣言 2020ビジョン」を公表

2010年 9月 29日 公募増資の実施を決議(約2.5億株)

会社概要 (2010年3月31日現在)

設立年月日 1951年5月1日

資 本 金 6,764億円

株 主 数  794,653名

売 上 高※1 5兆162億円

経 常 利 益※1 2,043億円

当期純利益※1 1,337億円

従 業 員 数 38,227人

販売電力量※2 2,802億kWh

発電所190カ所 6,448.7万kW

 原子力3カ所 1,730.8万kW

 火力25カ所 3,818.9万kW

 水力160カ所 898.7万kW

 新エネルギー等2カ所 0.4万kW

変電所1,591カ所 2億6,576万kVA

送電線(回線延長) 4万303km

配電線(電線延長) 103万6,528km

※1:2009年度連結実績※2:2009年度

発電所およびサービス区域▲原子力発電所●水力発電所(10万kW以上)■火力発電所●支店所在地

▲柏崎刈羽▲福島第一▲福島第二

●秋元

●信濃川

●中津川第一

●新高瀬川

●水殿●安曇

●矢木沢●玉原

●神流川

●塩原

●鬼怒川●今市

●葛野川

■広野

■常陸那珂

■鹿島

■千葉■五井

■袖ヶ浦■姉崎

■富津

■品川■大井

■川崎■東扇島■横浜

南横浜■横須賀■

茨城支店●水戸

群馬支店●前橋

栃木支店●宇都宮  

埼玉支店●さいたま

山梨支店●甲府

沼津支店●沼津

神奈川支店横浜 ●

多摩支店八王子 ● 千葉支店

●千葉●本店

東京支店新宿 ●

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本誌は植物油インキを使用しています。

このパンフレットの本文ページは、尾瀬の木道をリサイクルした再生紙を使用しています。東京電力は、これからも尾瀬の環境保全に積極的に取り組んでまいります。

〒100-8560 東京都千代田区内幸町1丁目1番3号

電話:(03)6373-1111(代表) www.tepco.co.jp

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