kM R Õ M O k p Hjapa-x.com/bin/wp-content/uploads/pic_results_27_057.pdf · yô S&A R Õ8 &o ¤ è...

24
構造 改革 成長 志向 経済の 好循環 所得税 税制 改正 財源 調達 相続税 グローバル化 簡素 中立 公平 法人税 再分配 少子高齢社会 財政健全化 平成28年4月 財務省 財務省が答えます! 関する 20 質問

Transcript of kM R Õ M O k p Hjapa-x.com/bin/wp-content/uploads/pic_results_27_057.pdf · yô S&A R Õ8 &o ¤ è...

構造改革

成長志向

若い世代に

光を当てる

経済の好循環所得税

社会保障・税一体改革

税制改正

財源調達

相続税

グローバル化

消費税

簡素

中立

公平法人税

再分配少子高齢社会財政健全化

平成28年4月

財務省

財務省が答えます!

税に関する20の質問

1

Q20 多国籍企業はきちんと税金を納めているの? ~グローバル化への対応と「BE   PSプロジェクト」について~

「税」の現状

所得税・相続税・贈与税

Q1  私たちはなぜ税金を納めなければならないの?Q2  税金って、どんな考え方で決められているの?そもそも公平ってどういうこと?Q3  「税」の種類にはどんなものがあるの?複雑でわからないのだけど?Q4  それぞれの税目ごとに、どういう特徴があるの?Q5  所得税や消費税って、どのように組み合わされているの?   その結果として、どのくらいの税収があるの?Q6  日本は、支出(歳出)を税収で賄えていないの?

Q7  所得税は給与からどのぐらい払っているの? ~所得税の仕組みについて~Q8  所得税の負担はどう変化しているの?Q9  「所得税を改革する」という報道を聞きますが、なぜですか?Q10 「配偶者控除」は見直されるのですか?Q11 住民税について教えてくださいQ12 相続税ってどんな税なの? ~相続税の仕組みについて~Q13 贈与税って何? ~贈与税の仕組みについて~

消費税~「社会保障と税の一体改革」~ Q14 消費税ってどのように納められるの? ~消費税の仕組みについて~Q15 「社会保障と税の一体改革」とは何ですか?Q16 消費税は具体的に何に使われるの?Q17 「消費税の軽減税率制度」って何?

法人税Q18 法人税額はどのように計算されているの?  ~法人税の仕組みについて~Q19 法人税はどのような改革が進められているの?

国際課税

2

 また、市場経済による所得等の分配は、個人の努力以外の、例えば、生まれた環境(遺産)や、どういった点に能力を持っているか等の違いにも影響を受けるため、社会的に見て望ましいものになるとは限りません。そもそも、同じ能力を持つ人同士が、同じ努力をしたとしても、時代背景や社会環境、時には運によって、大きな成果が得られることもあれば、成果を得られないこともあるかも知れません。こうした状況に対して、税制では、所得税や相続税に累進構造を盛り込むこと等を通じ、所得や資産の再分配を図り、許容しがたい格差の固定化といったことが起こらないようにすることも求められています。

財源調達機能 税制は、上記のような「公共サービス」の財源を調達する最も基本的な手段として位置づけられており、これが税制の最も直接的かつ重要な役割です。

再分配機能 所得税や相続税の累進構造等を通じ、歳出における社会保障給付等とあいまって、所得や資産の再分配を果たす役割を果たしています。

経済安定化機能 税制は、好況期には税収増を通じて総需要を抑制する方向に作用し、不況期には逆に税収減を通じて総需要を刺激する方向に作用することで、自動的に景気変動を小さくし経済を安定化する役割を果たしています。

【税制の役割】

「支え合い」により成り立っている社会

税金 公的サービス

「税」の現状Q 1 私たちはなぜ税金を納めなければならないの?

 年金、医療などの社会保障・福祉や、水道、道路などの社会資本整備、教育や警察、消防、防衛といった公的サービスは、私たちの豊かな暮らしには欠かせないものですが、言うまでもなく、その提供には多額の費用がかかります。 また、こうした「公共サービス」は、例えば、社会保障や教育など、費用負担が可能な人への提供のみでは社会的に不適当なものや、警察や防衛のように、特定の人だけのために提供することが困難なものなど、一般に、市場の民間サービスのみに依存すると、必要な量・水準のサービスが提供されない恐れがあるものです。 このため、こうしたサービスの費用を賄い、公的に実施するためには、皆さんから納めていただく税を財源とすることが求められます。 このように、みんなが互いに支え合い、共によりよい社会を作っていくため、この費用を広く公平に分かち合うことが必要です。まさに、税は「社会の会費」であると言えます。

水道・道路等

教育 年金・医療

警察・消防防衛

福祉

3

経済力が同等の人に等しい負担を求める「水平的公平」と、経済力のある人により大きな負担を求める「垂直的公平」があります。さらに、近年では「世代間の公平」が一層重要となっています。

税制が個人や企業の経済活動における選択を歪めないようにするのが、中立の原則です。

税制の仕組みをできるだけ簡素にし、理解しやすいものにするのが、簡素の原則です。

公平の原則 簡素の原則中立の原則

 税は、私たちみんなが、社会の構成員として広く公平に分かち合う必要があります。「公平・中立・簡素」であることが税制を構築するうえでの基本原則です。 各原則の内容は下図のとおりです。 例えば「水平的公平」とは、等しい負担能力のある人には等しい負担を求めることが公平との考えであり、全ての人が様々な形で広く公的サービスの便益を受け取ることから、その費用も受ける便益に応じて課税で賄うべきとの応益負担の原則に沿うものです。 また、「垂直的公平」とは、負担能力の大きい人にはより大きな負担を求めることが公平との考えであり、能力に応じて税負担を行うべきとの応能負担の原則に沿うものです。

 一言で「公平」といっても、このように様々な指標があり、人それぞれの置かれている環境によっても捉え方は変わってくると言えます。

 また、「公平・中立・簡素」は、常にすべてが同時に満たされるものではなく、一つの原則を重視すれば他の原則をある程度損なうことにならざるを得ないというトレード・オフの関係に立つ場合もあります。例えば、個人所得課税において、「公平」の観点から個人の担税力を調整するために、各種控除などを用いて個々の納税者にきめ細かい配慮を行うことが可能(Q7参照)ですが、他方、制度の「簡素」性が損なわれることとなりかねません。 いずれにしても、税制を考えていく上では、税制全体として「公平・中立・簡素」の基本原則に則しているかどうかということが重要です。

Q 2 税金って、どんな考え方で決められているの?そもそも公平ってどういうこと?

4

所得税、法人税、個人住民税など

消費税、酒税、たばこ税、揮発油税など

相続税、贈与税、登録免許税など

所得に対する税 消費に対する税 資産等に対する税

 「税」には、いくつかの分類の仕方があります。第一は、「何に税負担を求めるか」による分け方で、大きく分けると、所得に対する税、消費に対する税、資産等に対する税があります。 第二は、「誰が課税主体か」による分け方で、国が賦課・徴収するものを国税、都道府県や市町村といった自治体が賦課・徴収するものを地方税といい、国税・地方税でそれぞれ20種類以上が、それぞれ法律に定められています。 このほか、「誰が税金を負担し、国などに税金を納めるか」による分け方で、納税義務者と実質負担者が一致する所得税のような直接税と、納税義務者と実質負担者が異なる消費税のような間接税(Q14参照)があります。 税制が、日本の経済・社会の構造変化に対応したものとなるよう、様々な特徴を有する税(Q4参照)を適切に組み合わせていくことが求められています。

所得税法人税地方法人特別税復興特別所得税地方法人税

所得税や法人税などのように、所得(利益)を対象として課税

消費税などのように、物品やサービスの消費などを対象として課税

相続税や固定資産税などのように、資産の取得・保有等を対象として課税

所得課税

消費課税

国税 国税

資産課税等

相続税・贈与税登録免許税印紙税

住民税事業税

不動産取得税 固定資産税 事業所税 都市計画税 水利地益税 共同施設税 宅地開発税 特別土地保有税 法定外普通税 法定外目的税 国民健康保険税

消費税酒税たばこ税たばこ特別税揮発油税地方揮発油税石油ガス税自動車重量税航空機燃料税石油石炭税電源開発促進税関税とん税特別とん税

地方消費税 地方たばこ税 ゴルフ場利用税 自動車取得税 軽油引取税 自動車税 軽自動車税 鉱区税 狩猟税 鉱産税 入湯税

地方税 地方税

所得課税 消費課税 資産課税等

Q 3 「税」の種類にはどんなものがあるの?複雑でわからないのだけど?

5

 それぞれの税目は、下の表のように様々な特徴を有しています。

 例えば、消費税は高齢者も若い人も年齢に関係なく全員で負担を分かち合っているのに対して、所得税は主に勤労世代が広く負担しています。また、相続税は限られた一部の資産家層が対象となっているなど、負担いただく層は、税によって大きく異なります。 また、例えば、税収面に着目すると、法人税等の所得課税は税収が景気の動向に比較的左右されやすいのに対し、消費税は比較的左右されにくく、安定的です。

所得税

法人税

消費税

相続税

税収(平成28年度予算)

18.0兆円

12.2兆円

17.2兆円

1.9兆円

・担税力に応じて、累進的に負担が増加します。・勤労世代(現役世代)が主として負担します。・各種控除などにより、個々人の担税力に対してきめ細かい配慮が可能です。

・成長戦略との整合性や企業の国際的な競争力の維持・向上などに対する配慮が必要です。・さまざまな政策税制措置が講じられています。・税収が景気の動向に比較的左右されやすい特徴があります。

・勤労世代など特定の者に負担が集中せず、高齢者を含めて国民全体で広く負担を分かち合うこととなります。・税収が景気の動向に比較的左右されにくく安定的です。・貯蓄を課税ベースとしないことから、簡素な仕組みとも相まって経済活動に与える歪みが小さく、経済成長を図る上で効率的です。

・格差是正・富の再配分を図るという役割があります。・ごく限られた一部の資産家層のみを対象に負担を求める税となっています。

特徴

Q 4 それぞれの税目ごとに、どういう特徴があるの?

6

 高度経済成長期を経て昭和60年代には、税体系が所得課税に大きく依存していました。所得税の累進度が強い中での負担感も大きく、また、税負担の水平的公平(Q2参照)の確保に関する関心が相対的に高まっている中、所得税の税率構造の累進緩和等を行うとともに、平成元年には消費税が創設されました。  その後、今般の社会保障と税の一体改革においては、厳しい財政状況の下、社会保障費が年々増加する中で、社会保障の充実・安定化に充てるための財源を確保するため、消費税率の引上げを行っています。あわせて、格差の固定化の防止の観点から、再分配機能の回復を図るため、高所得者に対する個人所得課税などの見直しを行ってきました。近年は、所得税と消費税は、ほぼ同程度の税収規模となっています。 また、法人税については、企業活動の活性化や外国の負担水準との均衡などの観点から、課税ベースを拡大しつつ、税率の引下げを行っています。

 国の税収を見てみると、バブル景気に沸いた平成2・3年には過去最高の約60兆円となりました。その後、個人所得課税を中心とする減税や、景気の低迷等により税収は落ち込み、平成21年度の税収は、リーマンショックの影響により約39兆円にまで落ち込みましたが、景気回復や消費税率の引上げにより、平成28年度の税収は57.6兆円(予算額)となっています。

0

5

10

15

20

25

30

35(兆円)

0

10

20

30

40

50

60

70(兆円)

昭和

57.6

62 63 元 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 (年度)平成

24 25 28 27 26(補)(予)

46.8

50.8

54.9

60.1 59.8

54.4 54.1

51.0 51.051.9 52.153.9

49.447.2

50.747.9

43.8 43.345.6

49.1 49.1

44.3

38.741.5 42.8

43.9

47.0

54.056.4

一般会計税収計所得税消費税法人税

17.417.418.018.0

15.815.8

19.019.018.418.4

18.418.4

16.616.6

13.713.7

12.112.1 12.412.413.713.7

14.514.513.513.5 11.411.4 10.810.8

11.711.710.310.3

9.79.7

11.411.4

13.313.314.114.114.714.7

10.010.0

6.46.4

9.09.0 9.49.4 9.89.810.510.5 11.011.0

11.711.7 12.212.2

21.421.4

26.026.0 26.726.7

23.223.2 23.723.7

20.420.419.519.5 19.019.0 19.219.2

17.017.015.415.4

18.818.817.817.8

14.814.813.913.9

14.714.715.615.6

14.914.916.116.1

15.015.0

12.912.9 13.013.0 13.513.5 14.014.015.515.5

16.816.817.617.6

17.117.116.016.0

10.810.810.410.410.210.210.010.09.89.810.010.010.310.310.510.510.610.610.010.0

10.110.1

9.59.5

9.89.8

9.89.89.89.810.410.410.110.1

9.39.3

6.16.15.85.85.65.65.65.65.25.24.64.6 5.05.0

18.018.0

17.217.2

3.33.3

一般会計税収の推移

(注)平成26年度までは決算額、平成27年度は補正後予算額、平成28年度は予算額による。

Q 5 所得税や消費税って、どのように組み合わされているの?その結果として、どのくらいの税収があるの?

7

 日本の財政は、社会保障費等の増加により歳出が増える(Q15参照)中で、減税や不況の影響により歳入(税収及びその他収入)が伸び悩んできた結果、歳出が歳入を上回る状況が続いています。特に、平成20年度以降、景気悪化に伴う税収の減少等により歳出と歳入の差額が拡大し、その差は借金である公債(建設公債・特例公債)の発行によって賄われています。(平成28年度予算では歳出と税収の差額が縮小。)

(注1)平成26年度までは決算、平成27年度は補正後予算、平成28年度は予算による。(注2)公債発行額は、平成2年度は湾岸地域における平和回復活動を支援する財源を調達するための臨時特別公債、平成6~8年度は消費税率3%から5%への引上げに先行して行った   減税による租税収入の減少を補うための減税特例公債、平成23年度は東日本大震災からの復興のために実施する施策の財源を調達するための復興債、平成24年度及び25年度   は基礎年金国庫負担2分の1を実現する財源を調達するための年金特例公債を除いている。(注3)一般会計基礎的財政収支(プライマリー・バランス)は、「税収+その他収入-基礎的財政収支対象経費」として簡便に計算したものであり、SNAベースの中央政府の基礎的財政収支とは異なる。

(注1) 計数については、それぞれ四捨五入によっているので、端数において合計とは合致しないものがある。(注2) 一般歳出※における社会保障関係費の割合は55.3%。

基礎的財政収支対象経費 731,09775.6%

(単位:億円) (単位:億円)一般会計歳出 一般会計歳入

社会保障319,738 33.1%一般会計

歳出総額967,218(100.0%)

文教及び科学振興 53,5805.5%

公共事業59,7376.2%

防衛50,5415.2%

国債費236,12124.4%

利払費等 98,96110.2%

債務償還費137,161 14.2%

地方交付税交付金等152,811 15.8%

その他94,6909.8% その他収入

46,8584.8%

公債金344,32035.6%

特例公債283,82029.3%

建設公債60,5006.3%

その他102,11010.6%

消費税171,85017.8%

法人税122,33012.6%

租税及び印紙収入576,04059.6%

所得税179,75018.6%

967,218(100.0%)

一般会計歳入総額

食料安定供給中小企業対策エネルギー対策恩給経済協力その他の事項経費予備費

10,282(1.1%)1,825(0.2%)9,308(1.0%)3,421(0.4%)5,161(0.5%)61,193(6.3%)3,500(0.4%)

揮発油税酒税相続税たばこ税関税石油石炭税自動車重量税その他税収印紙収入

23,860(2.5%)13,590(1.4%)19,210(2.0%)9,230(1.0%)11,060(1.1%)6,880(0.7%)3,850(0.4%)3,910(0.4%)10,520(1.1%)

社会保障費は30兆円超に

歳出が税収を大きく上回る

Q 6 日本は、支出(歳出)を税収で賄えていないの?

120

100

80

60

40

20

050 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 元 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28

(年度)

(兆円)

20.924.5

29.134.1

38.843.4

46.9 47.250.6 51.5

53.0 53.657.7

61.565.9

69.3 70.5 70.5 75.1

73.675.9

78.8

84.489.0

89.3

84.8

83.7

82.4

84.8

85.581.4

81.8

84.7

101.0

95.3

100.7

97.1

100.2

98.8

99.7

96.7

78.5

13.8

2.12.1 3.53.5 4.54.5 4.34.3 6.36.3 7.27.2 5.95.9 7.07.0 6.76.7 6.46.4 6.06.0 5.05.0 2.52.5 1.01.0 0.20.2 0.80.8 2.02.09.29.2 8.58.5

24.324.3 21.921.9 20.920.9

25.825.828.728.7

26.826.823.523.5 21.121.1 19.319.3 26.226.2

36.936.934.734.7 34.434.4

36.0 36.033.833.8 31.931.9 29.929.9 28.428.4

16.916.9

15.7 17.321.9 23.7

26.9 29.030.5 32.4

34.938.2

41.9 46.850.8

54.960.1

59.8

54.4

54.1

51.0

51.9

52.1

53.9

49.447.2

50.747.9

43.8 43.345.6

49.1

49.1

51.0

44.3

38.738.7

43.943.941.5 42.8

47.0

54.056.4 57.6

3.23.25.35.3 7.27.2

9.69.6 10.710.713.513.5 14.214.2 12.912.9 14.014.0 13.513.5 12.812.8 12.312.3 11.311.3

9.49.47.27.2 6.66.6 6.36.3 6.76.7

9.59.5

16.216.213.213.2

18.418.4 19.919.9 18.518.5

34.034.037.537.5

33.033.030.030.0

35.035.0 35.335.3 35.535.531.331.3

27.527.525.425.4

33.233.2

52.052.0

42.342.3 42.842.847.547.5

40.940.938.538.5 36.436.4

34.434.4

3.73.7 5.05.0 6.36.37.17.1 7.07.0 7.07.0 7.07.0 6.46.4 6.36.3 6.26.2 6.96.9 6.26.2 6.46.4 6.3 6.3 6.76.7 9.59.5

16.216.2 12.312.316.416.4 10.710.7 9.99.9

17.017.0

13.213.211.111.1 9.09.0

9.19.1 6.76.7 8.78.77.87.8

6.46.4 6.06.0

7.07.0

15.015.0

7.67.6 8.48.411.411.4

7.07.06.66.6 6.56.5 6.16.1

6.86.8

建設国債発行額

特例国債発行額

一般会計歳出

一般会計税収

※「一般歳出」(=「基礎的財政収支対象経費」から「地方交付税交付金等」を除いたもの)は、578,286(59.8%)

8

 所得税は、給料や商売の利益、あるいは土地を売って得た利益などに対して課される税金です。例えば、会社員の給与の場合、①給与収入(年間収入)から給与所得控除を差し引いて所得金額を算出した上で、②税金を納める人の税負担能力に配慮するため、所得金額から基礎控除、配偶者控除などの所得控除を差し引き、③その残額に対して超過累進税率(所得が高い部分ほど適用される税率も高くなる仕組み)を適用して税額を計算します。このように、所得税は、所得の大きさに応じた負担を求めることができ、また、家族の構成などの状況に応じたきめ細かな配慮を行うことができるものです。

人的控除の種類一定の所得までは負担能力を見出せないとして設けられている基礎控除をはじめ、世帯構成など税金を納める人の負担能力を減らす基本的な事情に配慮する様々な控除が設けられています。

給与所得控除

所得控除

税額控除

税率

給与所得の金額の計算

課税所得の金額の計算

税額の計算

給与収入(年間収入)

給与所得の金額

算出税額 納付税額

給与所得控除

所得控除

(課税ベース)

課税所得の金額

~ 195万円   5%~ 330万円  10%~ 695万円  20%~ 900万円  23%~1,800万円  33%~4,000万円  40% 4,000万円~ 45%

~162.5万円     65万円 ~ 180万円 40% ~ 360万円 30%+ 18万円 ~ 660万円  20%+ 54万円 ~1,000万円 10%+120万円 ~1,200万円  5%+170万円  1,200万円~   230万円

基礎控除   38万円 配偶者控除  38万円 扶養控除   38万円 特定扶養控除 63万円 障害者控除  27万円(特別障害者   40万円)社会保険料控除     生命保険料控除医療費控除 など 

【26年度改正】1,000万円~ 220万円(※)(※)平成29年分以後の所得税について適用

対象者基礎控除 本人配偶者控除 生計を一にし、かつ、年間所得が38万円以下である配偶者 ( 控除対象配偶者 ) を有する者   一般の控除対象配偶者 年齢が70歳未満の控除対象配偶者を有する者   老人控除対象配偶者 年齢が70歳以上の控除対象配偶者を有する者配偶者特別控除 生計を一にする年間所得が38万円を超え76万円未満である配偶者を有する者扶養控除 生計を一にし、かつ、年間所得が38万円以下である親族等 ( 扶養親族 ) を有する者   一般の扶養親族 年齢が16歳以上 19歳未満又は23歳以上 70歳未満の扶養親族を有する者   特定扶養親族 年齢が19歳以上 23歳未満の扶養親族を有する者   老人扶養親族 年齢が70歳以上の扶養親族を有する者   (同居老親等加算) 直系尊属である老人扶養親族と同居を常況としている者

・障害者である者 ・障害者である控除対象配偶者又は扶養親族を有する者・特別障害者である者 ・特別障害者である控除対象配偶者又は扶養親族を有する者

   (同居特別障害者控除) 特別障害者である控除対象配偶者又は扶養親族と同居を常況としている者寡婦控除 ・夫と死別した者

・夫と死別又は夫と離婚したもので、かつ、扶養親族を有する者   (特別寡婦加算) 寡婦で、扶養親族である子を有する者寡夫控除 妻と死別又は離婚をして扶養親族である子を有する者勤労学生控除 本人が学校教育法に規定する学校の学生、生徒等である者

基礎的な人的控除

特別な人的控除

(特別障害者控除)

障害者控除

給与所得者の所得税額計算のフローチャート

所得税・相続税・贈与税Q 7 所得税は給与からどのぐらい払っているの?

~所得税の仕組みについて~

9

 所得税の最高税率は、かつて70%でしたが、サラリーマン世帯の税負担感の軽減等を目的として、引き下げられてきました。その後、再分配機能の回復を図るため、平成27年分以後については、課税所得4,000万円超の方について45%の税率が創設されました。 現在、課税対象となる収入は約240兆円ですが、各種控除により、課税所得は約100兆円となっています。この課税所得に対して、所得税額は約11.4兆円となっています。

70%

給与収入 給与収入 給与収入 給与収入 給与収入

給与収入 給与収入 給与収入 給与収入 給与収入

88%

50%

65%

37%

50%

40% 45%40%

43%50%

30%

33%

33%

23%20%

20%

10%

15%10%

5%

50% 55%

昭和59年分~61年分 平成元年分~10年分 平成11年分~18年分 平成19年分~26年分 平成27年分~

15段階 5段階 4段階 6段階 7段階

所得税

個人住民税

所得税

個人住民税

所得税

個人住民税

所得税

個人住民税

所得税

所得税+

個人住民税

個人住民税

所得税

(注1)計数は総務省「平成26年度 市町村税課税状況等の調」等を基に作成。(注2)上記計数は総合課税分(給与所得、雑所得(年金等)、事業所得、不動産所得等)の納税者に係るものである。    ⇒ 上記の所得税額に対し、約0.4兆円の税額控除(主として住宅ローン控除)が適用。

 課

 税

 所

 得

課税対象となる収入約240兆円

所得金額(約170兆円)

(給与収入(約210兆円)、年金収入(約30兆円)、事業・不動産収入(所得ベースで約10兆円)等)

各種所得についての控除等

(約 70兆円)

・給与所得控除 (約 61 兆円)

・基礎控除 (約 21 兆円)・配偶者控除 (約5兆円)・一般扶養控除 (約2兆円)・特定扶養控除 (約2兆円)・老人扶養控除 (約2兆円) 等

・社会保険料控除(約28兆円)・生命保険料控除(約3兆円) 等

・公的年金 等控除(約13兆円) 等

所得控除(約 70兆円)

人的控除(約 30兆円)

その他(約 30兆円)

課税所得(約100兆円)

[所得税額:約 11.4 兆円]

個人所得課税の税率等の推移(イメージ図)

Q 8 所得税の負担はどう変化しているの?

10

 所得税については、平成6年の税制改革において中堅所得層以上に対する税負担の累進緩和を行ってから約20年が経過しました。この間、日本の社会・経済は著しい構造変化を遂げています。例えば、少子高齢化の急速な進展や、共働き世帯の増加、また、若年層をはじめとする非正規雇用比率の上昇などです(各図参照)。こうした構造変化を踏まえ、経済財政運営と改革の基本方針2015(骨太の方針2015)では、・ 経済社会の構造が大きく変化する中、持続的な経済成長を維持・促進するとともに、経済成長を阻害しない安 定的な税収基盤を構築する観点から、税体系全般にわたるオーバーホールを進める、・ その中で、将来の成長の担い手である若い世代に光を当てることにより経済成長の社会基盤を再構築する、とされました。また政府税制調査会では、2015年夏から議論を進め、同年秋に取りまとめた中間的な論点整理では、・ 若年層などの働く意欲を阻害せず、安心して結婚し共に働きつつ子どもを産み育てることができる「生活基盤」を確保する、・ 所得再分配機能を高め、国民が安心して暮らせる社会的なセーフティネットを再構築し、経済の「成長基盤」を強化する、といった点から、個人所得課税についての見直しを進めるべきとの提言がなされ、引き続き議論が進められています。

 そうした一環として、若年層・低所得層に配慮する観点から、所得再分配機能を高めるための人的控除等の見直しを行う中で、配偶者控除など、働きたい女性が就業調整を行うことを意識しなくて済むような仕組みを構築する方向で検討が進められることとされています。また、働き方が多様化していることを踏まえ、所得の種類に応じた控除と人的な事情に配慮した控除の役割分担を含め、各種控除のあり方を検討することも求められています。

0

2000

4000

6000

8000

10000(万人) (万人)

1950 1960 1970 1980 1990 2000 2015 2030 2060(年)205020400

2000

8000

10000

12000

14000

8,717(1995年)

12,808(2008年)

12,557(1995年)

10,372(1970年)

8,136

4,113

7,682

3,2873,395

7351,583

2,980(1955年)

12,660

総人口(右軸)

15~64歳人口

14歳以下人口

65歳以上人口

7,157(1970年)

4000

6000

(見通し)

500

600

700

800

900

1000

1100

1200(万世帯)

(男性雇用者がいる世帯に占める割合:36%)

1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2014(年)

614

722

823

908

942942 9881012

1077(同60%)

1114

952 897897

955

916916863

797

720雇用者の共働き世帯

男性雇用者と無職の妻からなる世帯

(出所) 総務省「国勢調査」及び「人口推計」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計):出生中位・死亡中位推計」(各年10月1日現在人口)

(出所)総務省「労働力調査特別調査」、「労働力調査(詳細集計)」(注1)「雇用者の共働き世帯」とは、夫婦ともに雇用者の世帯。(注2)「男性雇用者と無職の妻からなる世帯」とは、夫が雇用者で、妻が非就業者(非労働力人口及び完全失業者)の世帯。(注3)就業者から農林業及び自営業者・家族従業者は除いた。(注4)2011年は東日本大震災の影響により集計していない期間があるため、年次結果は公表されていない。

我が国は人口減少局面へ

共働き世帯の増加

Q 9 「所得税を改革する」という報道を聞きますが、なぜですか?

11

0

1000

2000

3000

4000

0

100

200

300

400

5000

6000

0

30%

25%

20%

15%

10%

5%

0%

30%

25%

20%

15%

10%

5%

0%

30%

25%

20%

15%

10%

5%

0%~200 ~300 ~400 ~500 ~600 ~800 ~1000 ~1250 ~200 ~300 ~400 ~500 ~600 ~800 ~1000 ~1250 ~1500 1500~

~200 ~300 ~400 ~500 ~600 ~700 ~800 ~1000 1000~

(万人)

1994年

2009年

2009年

男60歳以上(30%)

男15~59歳以上(11%)

女15~59歳以上(28%)

女60歳以上(31%)

(年間収入階級 万円以上-万円未満)

37793779 36303630 33753375 33743374 3278327834103410

10011001

47804780 49034903 5008500851385138 52405240

1273127315641564

1634163417631763 19621962

20.920.9

26.026.0

32.632.634.434.4

37.437.4

1995 2000 2005 2010 2014(年)

0

5

10

15

20

25

30

35

40(%)

(万人)

1994年1994年

2009年

非正規従業員(左軸)

雇用者(役員を除く)(左軸) 非正規割合(右軸)

正規従業員(左軸)

非正規雇用割合の増加

年間収入階級別 世帯数分布(二人以上の世帯)(1994年→2009年)

若年世帯 壮年世帯

高年者世帯

非正規雇用増加の要因分析(2004→14年)【+398万人】

(出所)総務省「全国消費実態調査」(注1)若年世帯は「二人以上の世帯(世帯主の年齢が30歳未満)」。(注2)壮年世帯は「二人以上の世帯(世帯主の年齢が30~59歳)」。(注3)若年世帯の年間収入階級1250万円以上については割合が少ないことから省略   している。

(出所)左図:2001年以前は「労働力調査特別調査」、2002年以降は「労働力調査詳細集計」   右図:塩崎臨時議員提出資料「賃金・雇用情勢について」(平成27年4月16日経済財政諮問会議)

12

 「配偶者控除」の仕組みは下図のとおりです。かつては、「配偶者特別控除」がなく、配偶者の給与収入が103万円を超えると納税者本人の配偶者控除の適用がなくなることにより、配偶者の給与収入が増えても、世帯で見れば「手取りの逆転現象」(いわゆる「壁」)が生じていました。 現行においては、配偶者の所得の大きさに応じて控除額を段階的に減少させる配偶者特別控除の導入により、税制上の「壁」は解消されています。一方、共働きが増加している中で片働きを一方的に優遇するのは個々人の働くことへの選択を歪めているのではないか、などの指摘もあります。 こうした中で、政府においては、個人所得課税全体のあり方の検討を進める中で(Q9参照)、配偶者控除についても重要な論点の1つとして議論が進められています。

(105万円未満)

(141万円未満)

(110)

(115)

(120)

(125)

(130)

(135)

(140)

適用者数 1,500万人程度(注1)減収額 0.6兆円程度(注2)

納税者本人の受ける控除額

給与収入が103万円以下の配偶者が対象

配偶者控除(38万円)

配偶者特別控除(最高38万円)

昭和62年 創設平成16年~上乗せ部分廃止

103万円 141万円

(配偶者の給与収入)

配偶者の給与収入

3836

31

26

21

16

11

6

0

3 

適用者数 100万人程度(注1)  減収額 300億円程度(注2)

現行の配偶者特別控除は、配偶者の給与収入が103万円を超え、141万円までの場合に適用される控除(収入に応じて控除額が増減する)

103万円 配偶者の給与収入

配偶者特別控除の導入後

昭和61年以前

配偶者の給与収入0円

世帯の手取り

世帯の手取り

0円 103万円

現 行

配偶者控除・配偶者特別控除の仕組み

※ 配偶者特別控除は、控除を受ける納税者本人のその年における合計所得金額が1千万円超の場合は適用されない。(注1)配偶者控除(老人控除対象配偶者を含む。)及び配偶者特別控除の適用者数は、平成27年度予算ベースであり、給与所得者以外の人も含めた数である。(注2)平成27年度予算ベースによる。

Q10「配偶者控除」は見直されるのですか?

13

 様々な公共サービスの提供は、国と地方の間で分担しています。その費用を賄う主なものは国も地方も税金です。  教育、福祉、消防・救急、ゴミ処理といった、私たちの生活に身近な行政サービスの多くは、市区町村や都道府県によって提供されています。地方税はこうしたサービスを賄うための財源であり、その地域に住む住民などが広く共同して負担しあうもの(地域社会の会費)です。  地方税の中でも、所得税(国の税金)と同様、私たちに身近な税が、住民税です。住民税は、広く住民が地域社会の費用を分担するもので、市町村民税と道府県民税があります。その市区町村(都道府県)に住所がある個人が負担します。

(注1)道府県民税の徴収も市町村民税と併せて市町村が行っている。(注2)復興財源確保のための均等割の標準税率の引上げは、「東日本大震災からの復興に関し地方公共団体が実施する防災のための施策に必要な財源の確保に係る地方税の臨時   特例に関する法律」(平成23年12月2日法律第118号)に基づく。

個人住民税

均等割 非課税限度額を上回る者に定額の負担を求めるもの

(※)復興財源確保のため、平成26年度から平成35年度分までの間、  標準税率が年1,000円(市町村民税500円、道府県民税500円)引上げられている。

標準税率(年額)(※)

市町村民税

道府県民税

3,500円

1,500円

均等割

納税義務者の所得金額に応じた税額の負担を求めるもの(一律10%)所得割

6%

4%

10%

標準税率

市町村民税

道府県民税

個人住民税(均等割、所得割)の概要

Q11 住民税について教えてください

14

基礎控除の( )内は、法定相続人が3人(例:配偶者+子2人)の場合の額。地価公示は、三大都市圏(商業地)の昭和58年を100とした場合の指数。

区分

税率構造

基礎控除

地価公示

昭和63年12月改正前

昭和58年 昭和62年 平成3年 平成5年 平成14年 平成25年

100 157.1 336.8 244.1 80.7 69.6

昭和63年12月改正(昭和63年1月1日以降適用)

平成4年度改正(平成4年1月1日以降適用)

平成6年度改正(平成6年1月1日以降適用)

平成15年度改正(平成15年1月1日以降適用)

平成25年度改正(現行)(平成27年1月1日以降適用)

14段階 13段階 13段階 9段階 6段階 8段階

5億円超(最高税率75%)

5億円超(最高税率70%)

10億円超(最高税率70%)

20億円超(最高税率70%)

3億円超(最高税率50%)

6億円超(最高税率55%)

2,000万円+

400万円×法定相続人数(3,200万円)

4,000万円+

800万円×法定相続人数(6,400万円)

4,800万円+

950万円×法定相続人数(7,650万円)

5,000万円+

1,000万円×法定相続人数(8,000万円)

3,000万円+

600万円×法定相続人数(4,800万円)

同左

 相続税は、相続等により財産を取得した場合に、その取得した財産に課税するものです。  財産の価額が高くなるほど税率が上がる累進税率を適用することで、富の再分配を図るという役割を果たしています。 相続税は、相続した財産の価額から基礎控除といわれる一定の額を控除して計算します。この基礎控除の水準は、バブル期の地価急騰により引き上げられてきましたが、その後、地価は下落を続けているにもかかわらず、基礎控除の水準は据え置かれてきました。また、税率も徐々に引き下げられてきました。そのため、相続税が課税されるのは、亡くなられた方の4パーセント程度に過ぎず、相続税の再分配機能が低下しているといった指摘がされています。 こうした状況を踏まえ、相続税の再分配機能を回復し、格差の固定化を防止するため、平成25年度税制改正では、地価動向等を踏まえた課税ベースの拡大を図るとともに、税率構造について見直しが行われました。

30,000

25,000

20,000

15,000

10,000

5,000

0 58 59 60 元 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 2861 62 63

6,86,8 6,06,04,34,3

7,97,9

5,35,3

7,8617,861

17,79117,79125,83025,830

29,37729,377

15,74315,743

19,21019,21013,213,2

16,616,618,118,1

22,222,2

17,417,4

14,314,3

相続税収

負担割合(納付税額/合計課税価格)

課税件数割合(年間課税件数/年間死亡者数)

24(%)

(年)

(億円)

20

16

12

8

4

0

(注1) 相続税収は各年度の税収であり、贈与税収を含む(平成26年度以前は決算額、平成27年度は補正後予算額、平成28年度は予算額)。(注2) 課税件数、納付税額及び合計課税価格は「国税庁統計年報書」により、死亡者数は「人口動態統計」(厚生労働省)による。

最近における相続税の税率構造・基礎控除等の推移

相続税の課税件数割合、負担割合及び税収の推移 バブル期以後は、相続税の課税件数割合、負担割合及び税収とも減少傾向にあり、足元では、課税件数割合は100人中4人、負担割合は13.2%となっている。  

相続税ってどんな税なの?~相続税の仕組みについて~Q12

15

 贈与税は、個人から贈与により財産を取得した場合に、その取得した財産に課税するものです。生前に贈与することで相続税の課税を逃れようとする行為を防ぐという意味で、相続税を補完する役割を果たしています。 高齢化の進展に伴って相続による子や孫世代への資産移転の時期がより後半にシフトしています。  高齢者の保有する資産が現在より早い時期に子や孫世代に移転するようになれば、その有効活用を通じて経済社会の活性化に繋がるといった点が期待されます。こうした観点から、生前の贈与を容易にして、早期に高齢者の保有する資産を子や孫世代に移転できるように、贈与時に一律20パーセントの贈与税を納付し、後に相続税の計算の際に精算する相続時精算課税制度を創設するなどの取組みが進められています。

2.相続時精算課税の仕組み

1.暦年課税の仕組み

※扶養義務者相互間の生活費又は教育費に充てるための受贈財産 等

①贈与財産額を贈与者の相続開始まで累積②累積で2,500万円の非課税枠③非課税枠を超えた額に一律20%の税率

納付税額1,036万円

1,036万円0円

納付税額100万円税率

×20%

贈与額3,000万円

4,500万円< 基礎控除:4,800万円

非課税枠2,500万円

贈与額3,000万円

相続額1,500万円 ・無税

・贈与時の納付 税額100万円は 還付

無税贈与財産額(贈与時の価額)を相続財産の価額に加算して、相続税額を精算

10% ~200万円 ~200万円15% ~400万円 ~300万円20% ~600万円 ~400万円30% ~1,000万円 ~600万円40% ~1,500万円 ~1,000万円45% ~3,000万円 ~1,500万円50% ~4,500万円 ~3,000万円55% 4,500万円~ 3,000万円~

課税財産額(基礎控除後の課税価格)直系卑属 一般税率

課税財産額

贈与税額

超過累進税率

基礎控除(110万円)

1年間の受贈財産額

非課税財産等 (※)

相続時精算課税制度を選択できる場合(暦年課税との選択制)贈与者:60歳以上の親受贈者:20歳以上の贈与者の直系卑属である推定相続人及び孫

制度の仕組み

贈与時

相続時

3,000万円を生前贈与し、1,500万円を遺産として残す場合の計算例(平成27年1月1日以後の相続で、法定相続人が配偶者と子2人の場合)

【参 考】暦年課税の場合

合計納税額

贈与税って何?~贈与税の仕組みについて~Q13

16

 消費税は、消費一般に対して広く公平に負担を求める税金です。そのため、原則として全ての財貨・サービスの国内における販売、提供などを課税対象とし、事業者を納税義務者として、その売上げに対して課税を行うとともに、税の累積を排除するために、事業者は売上げに係る税額から仕入れに係る税額を控除(仕入税額控除)し、その差引税額を納付することとされています。 事業者に課される消費税相当額は、コストとして販売価格に織り込まれて転嫁され、最終的には消費者が負担することが予定されています(「直接税」と呼ばれる所得税などに対し、このように納税義務者と実質負担者が異なる税を「間接税」と呼びます。)。 

 諸外国では、消費税(付加価値税)は基幹税として主要な位置を占めており、EU加盟国では、標準税率を15%以上とすることが義務づけられています。

30

25

20

15

10

5

0

平均

EU平均

台湾

ベトナム

タイ

シンガポール

フィリピン

マレーシア

ラオス

インドネシア

カンボジア

中国

韓国

日本

トルコ

スイス

ノルウェー

ニュージーランド

メキシコ

イスラエル

アイスランド

チリ

カナダ

オーストラリア

ルーマニア

マルタ

リトアニア

ラトビア

キプロス

クロアチア

ブルガリア

イギリス

スウェーデン

スペイン

スロベニア

スロバキア

ポルトガル

ポーランド

オランダ

ルクセンブルク

イタリア

アイルランド

ハンガリー

ギリシア

ドイツ

フランス

フィンランド

エストニア

デンマーク

チェコ

ベルギー

オーストリア

(%)

EC指令

(標準税率)

EC指令

(軽減税率)

20

10

6

15 14

5.57

21 21

25

20

24

20 19

23

27

2321 20 20

25

15 15

2021 21

17

24

10

58

1916

8

18

107

2525

2.5

8

19.5

8.6

20

10

23

6

19

5

12 11

5

21

10

23

5

13

6

0 0

18

00 0

10

0

10

0

12

0

10

0

10

0

6

0

7

00

5

00

2122

10

22

9.5

17

3

17

13

18

EU ASEAN+3

OECD OECD

(2016年1月現在)

(備考)1. 日本の消費税率8%のうち、1.7%相当は地方消費税(地方税)である。 2. カナダにおいては、連邦の財貨・サービス税(付加価値税)の他に、ほとんどの州で州の付加価値税等が課される(例:オンタリオ州 8%)。 3. アメリカは、州、郡、市により小売売上税が課されている(例:ニューヨーク州及びニューヨーク市の合計 8.875%)。ミャンマーは取引高税が課されており、ブルネイは付加価値税が存在しない。 4. 上記中、 が食料品に係る適用税率である。なお、軽減税率が適用される食料品の範囲は各国ごとに異なり、食料品によっては上記以外の取扱いとなる場合がある。 5. EC指令においては、ゼロ税率及び5%未満の軽減税率は否定する考え方が採られている。

(出所) 各国大使館聞き取り調査、欧州連合及び各国政府ホームページ等による。

(注)「税」、「消費税」には地方消費税を含む。

消費税 ~「社会保障と税の一体改革」~消費税ってどのように納められるの?~消費税の仕組みについて~Q14

付加価値税率(標準税率及び食料品に対する適用税率)の国際比較

課税 課税 課税原材料製造(生産)業者 完成品製造業者 卸売業者 小売業者 消費者

(納税義務者) (納税義務者) (納税義務者) (納税義務者)

課税

2,160円税抜2,000円税160円

5,400円税抜5,000円税400円

7,560円税抜7,000円税560円

10,800円税抜10,000円

税800円

(納付税額合計)

消費者が負担する消費税額800円に対応

税込価格 10,800円税抜10,000円/消費税800円

税240

+  240円 = 800円

仕入れ7,000

税560

利益等3,000

税160

仕入れ5,000

税400

利益等2,000

税込価格 7,560円税抜7,000円/消費税560円

+  160円

税240

仕入れ2,000

税160

利益等3,000

税込価格 5400円税抜5,000円/消費税400円

+  240円

税160

利益等2,000

税込価格 2,160円税抜2,000円/消費税160円

納付税額  160円

240

160

240

160

17

財政健全化目標の達成

諸外国で最悪の財政状況から脱出「国・地方のプライマリーバランスについて、2015年度までに2010年度に比べ赤字の対GDP比の半減、2020年度までに黒字化、

その後の債務残高の対GDP比の安定的な引下げを目指す。」日本発のマーケット危機を回避

消費税率を10%へと引上げ

社会保障の充実・安定化

待機児童解消、在宅医療の充実、認知症施策の推進、保険料軽減などに対応

 

高齢化の進展などによる給付費の増に対応し、現行の社会保障制度を安定化

(安定財源確保)

+

 現行の社会保障制度の基本的な枠組みが構築された1960年代から今日に至るまでの間に、社会保障制度の前提となる社会経済情勢は大きく変わっています。高齢化の進展に伴い、社会保障給付費が大きく伸びる一方で、社会保険料収入は横ばいで推移し、その差額は拡大傾向が続いています。この差額は、税金だけでなく多額の借金によって賄われており、このままの状態を放置すれば、現在の社会保障制度を維持していくことが困難となるおそれがあります。しかしながら、皆さんのおじいさんやおばあさんなど、高齢者をはじめとした国民1人1人の生活の安心を支え、世界一の長寿国の原動力となってきた、世界に誇る日本の社会保障制度については、しっかりと継続させていく必要があります。 このため、社会保障制度を維持・充実させるための安定財源を確保し、そのことを通じて、諸外国と比べても非常に厳しい状況にある我が国の財政の健全化を目指す必要があります。 消費税が、高齢者を含め幅広く全員に負担をお願いするものであることや、比較的税収が安定しているといった性質を有することから、社会保障の安定化には消費税を充てることとしています。

消費税をはじめとする税制抜本改革で安定財源確保

同時達成

0

20

40

60

80

100

2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25

給付費116.8 兆円

財源109.5兆円十資産収入

資産収入等

平成27年度平成27年度

(兆円)

(年度)

63,0

43,0

110.7110.7 介護・福祉その他23.1

(うち介護9.7)

医療37.5

年金56.2

保険料64.8

国庫負担31.8

地方負担12.8

公費

39.539.5

16.216.2

保険料

給付費

63.0

43.0

多くは借金

47.247.2

税収だけでは足りず、特例公債等を発行し、将来世代の負担に依存している状況

公費負担も多くの割合を占める

Q15「社会保障と税の一体改革」とは何ですか?

(出所)国立社会保障・人口問題研究所「平成25年度社会保障費用統計」、平成27年度の値は厚生労働省(当初予算ベース)

18

  今般の社会保障と税の一体改革による増収分は、全て社会保障の充実・安定化に向けることになっています。 消費税の増収分は、 社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成を目指す観点から ①基礎年金の国庫負担割合2分の1への充当 ②残額を満年度時の  ・「社会保障の充実」及び「消費税率引上げに伴う社会保障4経費の増」と  ・「後代への負担のつけ回しの軽減」  の比率(概ね1:2)で按分した額をそれぞれに向けることにしています。

 「社会保障の充実」とは具体的には、 (1)待機児童を解消すべく、平成29年度末までに保育の受け皿を50万人分確保することや、幼児教育、保育 の質・量の充実や、子育ての相談や一時預かりの場を増やすなど地域の実情に応じた 子育て支援の一層 の充実を図ること (2)住み慣れた地域で必要な医療・介護を受け続けられるよう、病院や在宅医療・介護の体制を整備すること (3)厚生年金・健康保険に加入できる方の範囲を拡大するなど、セーフティネットの強化を行うことなどです。

Q16 消費税は具体的に何に使われるの?

19

 消費税率引上げに伴い、低所得者に配慮する観点から、平成29年4月1日より「酒類・外食を除く飲食料品」及び「週2回以上発行される新聞の定期購読料」を対象に消費税の軽減税率制度を導入します。軽減税率対象品目の税率は8%とします(標準税率は10%)。

 複数の税率が適用される制度の下で適正な課税を確保することが求められます。このため、平成33年4月から、適格請求書等保存方式(いわゆる「インボイス制度」)を導入します。また、それまでの経過措置として、平成29年4月から4年間は事業者の準備など執行可能性に配慮して、簡素な方法(区分記載請求書等保存方式及び税額計算の特例)とします。

平成29年4月1日 平成33年4月1日

請求書等保存方式(現行制度)

区分記載請求書等保存方式(簡素な方法)

経過措置期間(4年間)

適格請求書等保存方式(インボイス制度)

Q17「消費税の軽減税率制度」って何?

対象品目(酒類・外食を除く飲食料品)のイメージ

酒類[酒税法に規定する酒類]

有料老人ホーム等で行う一定の飲食料品の提供

ケータリング・出張料理等

持帰りのための容器に入れ、又は包装を施して行う飲食料品の譲渡

顧客が指定した場所で、顧客に飲食させるサービス

飲食設備のある場所で、顧客に飲食させるサービス

外食

【一体商品の取扱い】○軽減税率の対象である食品が、他の商品と一体として販売される場合は、一体商品の販売価格(税抜き)が1万円以下のもので、その価額のうち食品に係る価額が2/3以上を占めている場合に限り、その全体が軽減税率の対象となります(一体商品全体の価格のみが提示されている場合に限ります)。

※色のついた部分が軽減税率対象品目です。

飲食料品(食品表示法に規定する食品)

一体商品 医薬品、医薬部外品等

20

・原材料費・人件費・減価償却費・支払利息 ・法人事業税 等

企業会計上は費用とならないが、税務上は損金とするもの等

減算

加算

欠損金の繰越控除租税特別措置による所得控除受取配当等の額 等

課税所得

税引前当期利益

利益

費用

収益

算出税額法人税額

税額控除×税率

・所得税額控除 ・外国税額控除・租税特別措置に よる税額控除 等

企業会計上は費用となるが、税務上は損金とはしないもの等

一部の引当金への繰入額一定額を超える交際費、寄附金の支出額 等

平元0

5

10

15

20

25(兆円) (兆円)

2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 (年度)(1989) (90) (91) (92) (93) (94) (95) (96) (97) (98) (99) (2000) (01)(補) (予)

0

10

20

30

40

50

70

60

40%40%37.5%37.5%

34.5%34.5%

30%30%

25.5%25.5%23.9%23.9%23.4%23.4%

38.938.938.138.1

32.832.8

24.124.1

18.318.3 18.818.823.123.1 24.124.1 22.722.7

11.911.9 12.612.6

20.720.7

7.17.1

19.219.2

27.527.5

33.033.0

43.443.4

49.049.0

46.946.9

22.122.1 22.622.6

34.134.136.436.4

39.739.7

56.556.5

60.360.3

19.019.018.4.18.4.

16.616.613.713.7

12.112.1 12.412.4 13.713.7 14.514.513.513.5

11.411.4 10.810.8

11.711.7

10.310.3

9.59.510.110.1

11.411.4

13.313.3

14.914.9

14.714.7

10.010.06.46.4

9.09.09.49.4 9.89.8

10.510.5 11.011.011.711.7 12.212.2

税引前当期純利益(右軸)

法人税収(左軸)

法人税率

(02)(03)(04)(05)(06)(07)(08)(09)(10)(11)(12)(13)(14)(15) (16)

 法人税は、法人の企業活動により得られる所得に対して課される税です。法人の所得金額は、益金の額から損金の額を引いた金額となっています。益金の額とは、商品・製品などの販売による売上収入や、土地・建物の売却収入などで、また、損金の額とは、売上原価や販売費、災害等による損失など費用や損失に当たるものです。(実際は、税引前当期利益を基礎に法人税法の規定に基づく所要の加算又は減算(税務調整)を行い、所得金額を算出します。) 法人税額は、そうして得られた所得金額に税率をかけ、税額控除額を差し引くことで算出します。

法人税法人税額はどのように計算されているの?~法人税の仕組みについて~Q18

法人税収の推移

企業会計における当期利益の計算 課税所得と法人税額の計算

  (注)1.法人税収は、26年度までは決算額、27年度は補正後予算額、28年度は予算額による。 2.税引前当期純利益は、法人企業統計調査(財務総合政策研究所)による。    

21

Q19 法人税はどのような改革が進められているの?

 日本の立地競争力や、我が国企業の競争力を高めるためには、法人実効税率(法人所得に対する租税負担の一部が損金算入されることを調整した上で、国税の税率と地方税の税率を合計したもの。)を国際的に遜色ない水準に引き下げることが必要です。その際には、2020年度にPB黒字化を実現するという財政健全化目標との整合性を確保するために、税率引下げの財源を確保することも不可欠です。このため、「課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる」という方針の下で法人税改革を行っています。 これにより、法人課税をより広く負担を分かち合う構造へと改革し、「稼ぐ力」のある企業等の税負担を軽減することで、企業に対して、収益力拡大に向けた前向きな投資や、継続的・積極的な賃上げが可能な体質への転換を促すこととしています。 この成長志向の法人税改革は、平成27年度改正から着手しており、改革2年目である平成28年度改正において、目標としていた「法人実効税率20%台」を実現しました。

【平成27年度改正】①欠損金繰越控除制度の見直し過去の赤字(欠損金)を当期の所得から控除する「欠損金繰越控除制度」について、大法人の控除限度を引き下げました。

②受取配当等益金不算入制度の見直し会社支配目的が乏しく、持株比率が低い株式からの配当を中心に、益金不算入割合を引き下げました。

③外形標準課税の拡大(法人事業税)法人事業税(地方税)のうち、大法人を対象とした「付加価値」等を課税標準とする外形標準課税の割合を拡大しました。

④租税特別措置の見直し研究開発税制などの見直しを行いました。

【平成28年度改正】①租税特別措置の見直し生産性向上設備投資促進税制の縮減(27年度末)・廃止(28年度末) や、環境関連投資促進税制などの見直しを行いました。

②減価償却の見直し建物と一体的に整備される「建物附属設備」や建物と同様に長期安定的に使用される「構築物」の償却方法について、定額法に一本化しました。

③外形標準課税の更なる拡大(法人事業税)平成27年度改正に引き続き、外形標準課税の割合を拡大しました。

④欠損金繰越控除の更なる見直し法人税改革を加速しつつ、企業経営への影響を平準化するために、大法人の控除限度の見直しを行いました。

(注) 法人所得に対する税率(国税・地方税)。地方税は、日本は標準税率、アメリカはカリフォルニア州、ドイツは全国平均、韓国はソウル市。なお、法人所得に対する税負担の一部が損金算入される場合は、その調整後の税率を表示。(出所) OECD、各国政府資料等

(2016年1月現在)

28改正

日本 アメリカ ドイツ 中国 韓国 イギリス シンガポールフランス

37.00%

40.75%

33.33%

29.72%

25.00%

24.20%

20.00%

17.00%

34.62%32.11%

29.97%→29.74%

37.00%

40.75%

33.33%

29.72%

25.00%

24.20%

20.00%

17.00%

34.62%32.11%

29.97%→29.74%

課税ベースの拡大

法人実効税率の国際比較

22

(参考)日本の租税条約ネットワーク《65条約、96か国・地域/平成28年4月1日現在》

(注1)多国間条約である税務行政執行共助条約、及び、旧ソ連・旧チェコスロバキアとの条約の複数国への承継のため、条約数と国・地域数が一致しない。(注2)条約数、国・地域数の内訳は以下のとおり    ・二重課税の回避、脱税及び租税回避等への対応を主たる内容とする条約(いわゆる租税条約) :54条約、65か国・地域    ・租税に関する情報交換を主たる内容とする条約(いわゆる情報交換協定) :10条約、10か国・地域(図中、(※)で表示)    ・税務行政執行共助条約(締約国は我が国を除いて全58か国(図中、国名に下線)、うち我が国と二国間条約を締結していない国は21か国)

 世界各国がリーマンショック後に財政状況を悪化させて、より多くの国民負担を求める中、多国籍企業が各国の税制や国際課税ルールのずれを利用することで課税所得を人為的に操作し、課税逃れを行うことに対して批判が高まっています。 このような課税逃れを防ぎ、公平な競争条件を整えるために、2012年に、OECD租税委員会は、国際課税ルールを見直すプロジェクト、「BEPS(Base Erosion and Profit Shifting、税源浸食と利益移転)プロジェクト」を立ち上げました。2015年10月には本プロジェクトの「最終報告書」が公表され、11月にはG20サミットに報告されました。 この最終報告書に基づいて、各国において国内法整備及び租税条約の改正を実施することが求められています。こうした取組によって、多国籍企業の課税逃れが防止され、真面目に納税している人々や会社との間で課税の公平が確保されることとなります。 今後、本プロジェクトの議論を主導してきた日本としても段階的に着実に対応していく予定です。

○ 親会社が、税率が低い国に所在する子会社に対して割高な原材料費を  支払うことで、通常の価格で取引した場合よりも親会社の利益が減少する  こととなる(税率が低い国に利益が移転)。○ 移転された利益は税率が低い国で課税され、グループ全体の税負担が軽減される。

 日本は、二重課税の回避や脱税・租税回避への対応を目的として、96か国・地域と65の租税条約を締結しています。 租税条約には、二重課税の回避等を通じた両国間の投資・経済交流の促進を目的とした規定に加えて、国際的な租税回避や徴収回避に対抗することを目的として、情報交換や徴収共助といった税務当局間の協力のための枠組みも規定されています。

○ 納税者の不公平感の高まり による、税制に対する信頼の揺らぎ。○ 税収の減少等による財政 の悪化。○ 発展途上国で、経済成長 を促進する公共投資に必要 な財源が不足する。

○ 国境を容易に越えられな い納税者がより大きな割合 の税負担を強いられる。

○ BEPSを利用した節税 を行っていない企業やBEPS を利用できない国内企業 (中小企業等)の競争条件 が不利になり、公平な競争が 害される。

中東(7)アラブ首長国連邦 クウェートイスラエル サウジアラビアオマーン トルコカタール

ロシア・NIS諸国 (12)アゼルバイジャン ジョージアアルメニア タジキスタンウクライナ トルクメニスタンウズベキスタン ベラルーシカザフスタン モルドバキルギス ロシア

アフリカ(9)エジプト 南アフリカザンビア

(税務行政執行共助条約のみ)ガーナ チュニジアカメルーン ナイジェリアセーシェル モーリシャス

南アジア(4)インド スリランカパキスタン バングラデシュ

政府 個人 企業

多国籍企業が税制の隙間や抜け穴を利用した節税対策により税負担を軽減〈A国〉

親会社 子会社

〈A国より税率が低い国〉割高な原材料費

原材料

東・東南アジア(11)インドネシア ブルネイ韓国 ベトナムシンガポール 香港タイ マレーシア中国 マカオ(※)フィリピン

国際課税多国籍企業はきちんと税金を納めているの?~グローバル化への対応と「BEPSプロジェクト」について~Q20

「BEPS」の問題点 グループ会社を利用した「BEPS」の例

欧州(37)

アイルランド スウェーデン ノルウェー ポルトガル ガーンジー(※)イギリス スペイン ハンガリー ポーランド ジャージー(※)イタリア スロバキア フィンランド ルクセンブルク マン島(※)オーストリア チェコ フランス ルーマニア リヒテンシュタイン(※)オランダ デンマーク ブルガリア スイス ドイツ ベルギー

(税務行政執行共助条約のみ)アイスランド  キプロス サンマリノ ラトビア アルバニア ギリシャ スロベニア リトアニア エストニア クロアチア マルタ

北米 (2)アメリカ カナダ

中南米(10)ブラジル ケイマン諸島(※)メキシコ バハマ(※)英領バージン諸島(※) バミューダ(※)

(税務行政執行共助条約のみ)アルゼンチン コロンビアコスタリカ       ベリーズ

大洋州(4)オーストラリア ニュージーランドフィジー サモア(※)

構造改革

成長志向

若い世代に

光を当てる

経済の好循環所得税

社会保障・税一体改革

税制改正

財源調達

相続税

グローバル化

消費税

簡素

中立

公平法人税

再分配少子高齢社会財政健全化

平成28年4月

財務省

財務省が答えます!

税に関する20の質問税制改正の内容、各種税制の資料(図解)などをご覧いただけます。

http:www.mof.go.jp

をクリック→税制ホームページへ

財務省または で

税制(国の税金のしくみ)

1step

2step

税制ホームページ

メールマガジンをお届けします!!

財務省では、税制に関する情報を楽しく、分かりやすく、お届けするメールマガジンを配信しています。

「税の世界は複雑で難しい」と感じている方にこそ、是非お目通しいただきたい内容ですので、この機会にぜひご登録下さい!

http://www.mof.go.jp/e-service/tax/index.htm(バックナンバーもご覧頂けます)

QRコード