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運行管理マニュアル ~安全運行管理の指針~ 文書No:QMZ01R Copyright© KOBAYASHI CORPORASION. All rights reserved 株式会社小林運輸

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運行管理マニュアル

~安全運行管理の指針~

文書No:QMZ01R

Copyright© KOBAYASHI CORPORASION. All rights reserved

株式会社小林運輸

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【改訂内容】

運行管理マニュアルを改訂した場合は、以下の改定履歴を更新する。ただし、意図した意味が変化しない範囲で、誤字の修正などの微細な更新は、管理責任者の判断で改定履歴をつけずに修正できるものとする。

番号 改訂日 改訂理由 作成者 確認者 承認者

01 10/2/24 第3章②-⑫追記 小林

02 10/3/9 第5章の追記 小林

03 10/8/31 第1章④-⑦の見直し 小林

04 11/3/31 第1章②中間点呼アルコール確認追記 小林

文書番号 名 称 ページ

QMZ01R 運行管理マニュアル /

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文書番号 名 称 ページ

QMZ01R 運行管理マニュアル /

CSR 企業の社会的責任 …………………………………………………………………………………1

第1章 運行管理者の職務 …………………………………………………………………………………2

乗務員台帳 ………………………………………………………………………………………3

運行前・運行後の点呼 ……………………………………………………………………………4

乗務計画と運行実績の把握 ……………………………………………………………………5/6

異常気象時の基本ルール…………………………………………………………………………7

異常気象時の処置…………………………………………………………………………………8

交通事故発生時の処置 …………………………………………………………………………9

荷扱い事故発生時の処置 ………………………………………………………………………10

重大事故 の報告 …………………………………………………………………………………11

第2章 整備管理者の職務 ………………………………………………………………………………12

日常点検 …………………………………………………………………………………………13

定期点検整備 ……………………………………………………………………………………14

第3章 乗務員に対する教育 ……………………………………………………………………………15

乗務員指導のポイント ……………………………………………………………………………16

指導及び監督 ……………………………………………………………………………………17/18

特定の乗務員に対する指導 ……………………………………………………………………19

運転適正結果に基く助言指導 …………………………………………………………………20

添乗指導 …………………………………………………………………………………………21

車輌の特性 ………………………………………………………………………………………22/23

健康管理の重要性 ………………………………………………………………………………24

プロドライバーの心得 ……………………………………………………………………………25/26

第4章 交通事故原因の追及と対策 ……………………………………………………………………27

事故原因の把握 …………………………………………………………………………………28

指導及び監督 …………………………………………………………………………………29

適正化事業の巡回指導項目 ……………………………………………………………………30

第5章 過去トラからの対策による指導事項 ……………………………………………………………31

目 次

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CSR (Corporate Sosial Responsibility)

輸送事業を営む企業として、社会からの信用を得ずして活動をしていくことは出来ません。地域社会・お客様・お取引様への配慮と調和を図り、「社会から信用される企業」であるために法令遵守と高い倫理観をもって事業活動を展開しなければなりません。貨物自動車運送事業法等の関連法令に対する重大な違反行為は会社存亡の危機や営業停止に直結しかねないことを、十分に認識し、運行管理・車輌管理・労務管理・安全教育等を確実に実践・遂行することが重要です。本マニュアルでは、各事業所で安全運行を確保するために、遵守すべき事項に合わせて安全運行に必要な管理項目等を定めたものであり、適正な運行管理に向けた一助としてご活用ください。

平成17年3月株式会社小林運輸

社会に信頼される安全なサービスの実現

企業の社会的責任

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■運転者として選任された者以外には、事業用自動車を運転させないこと

■乗務員が休憩又は睡眠のための利用することができる施設を適切に管理する

■勤務時間及び乗務時間の範囲内において乗務割を作成し、これに従い運転者を事業用自動車に乗務

させること

■乗務員の健康状態の把握に努め疾病・疲労・飲酒その他の理由により安全な運転又は補助をする事が

できない乗務員を事業用自動車に乗務させないこと

■運転者が長距離運転又は夜間の運転に従事する場合であって、疲労等により安全な運転をすることが

できないおそれがあるときは、あらかじめその運転者と交代するための運転者を配置すること

■過積載による運送の防止について、運転者その他の従業員に対する指導及び監督を行うこと

■貨物の積載方法について、従業員に対する指導及び監督を行うこと

■運転者に対し、点呼を行い報告を求め及び、指示を与えならびに記録し、保存すること

■運転者に対して乗務などの記録をさせ、保存すること

■運行記録計を管理し記録を保存すること

■次に掲げる事業用自動車で運行記録計により記録することができないものを運行の用に供えさせないこと

①車両総重量が8t以上又は最大積載量が5t以上の普通自動車である事業用自動車

②①事業用自動車に該当する被けん引自動車をけん引する自動車である事業用自動車

③①及び②に掲げる事業用自動車のほか、特別積合せ貨物運送にかかる運行系統に 配置する事業

用自動車

■事故が発生した場合には、記録し保存すること

■運転者台帳を作成し、営業所に備えおくこと

■乗務員に対する指導、監督及び特別な指導を行い、ならびに運転者に対して適性診断を受診させること

■異常気象等の理由により輸送の安全の確保に支障が生ずるおそれがあるときは、乗務員に対する適切な

指示その他輸送の安全を確保するために必要な措置を講ずること

■自動車事故報告規則5条の規定により定められた事故防止対策に基ずき、事業用自動車の運行の安全

の確保について、従業員に対する指導及び監督を行うこと

第1章 運行管理者の職務

輸送の安全を確保、交通事故の未然防止を図るためには以下に記する運行管理者の業務を日常的又は計画的に適切且つ円滑に遂行していくことが重要です。

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■乗務員台帳の作成

運転者毎の交通違反や事故、健康診断、運転適正診断の受診結果等の状況を常に把握

することにより、効率的な交通事故防止策を実施する

■乗務員台帳に記載すべき内容

①乗務員氏名・生年月日・住所・入社年月日

②家族構成

③任意保険加入状況

④通勤経路

⑤交通違反・行政処分・事故暦等

⑥安全運転教育・社内教育・賞罰等

⑦運転免許書・リフト免許書のコピー

①乗務員台帳

第1章 運行管理者の職務

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■点呼の実施要領

乗務員が運行を行うため営業車輌にその日はじめて乗務しようとするとき、また1日の運行

を終了したときは、運行管理者はその都度必ず点呼を行う。

営業所の定められた場所で対面点呼を実施しなければならないが、以下の場合は電話点

呼等の方法で行う

①着地から営業所へ戻る場合

②着地にて宿泊する場合

③着地からそのまま他の行き先へ運行する場合

【運行前点呼】

①病気・疲労その他の理由により安全な運転ができないおそれの有無確認

②アルコールチェッカーを使用してアルコール反応を確認する

③日常点検の実施の確認

④輸送の安全を確保するための必要な指示を行う

⑤業務内容等の注意点等必要な指示を行う

【中間点呼(長距離運行)】

①電話にて体調の確認を行う

②簡易アルコールチェッカーにてアルコール反応を確認する(乗務員が携帯する)

③運行日報にアルコール数値を記入(特記欄)

【運行後点呼】

①運送日報の確認

②作業中の変化点・異常がなかったか確認する

③運行記録を確認し指導する

④明日の配車指示を行う

■点呼の記録

指定の点呼記録簿に記録し、検印のうえ1年間保存する

■乗務員の健康状態の確認

乗務員の健康状態は顔色や動作・言葉使い等を良く観察して異常がないかを確かめ、乗

務員自身の自覚による調査も行うことが必要です。

・血色不良 ・目つきが悪い ・無口 ・人の話を聞いていない

・ため息が多い ・下ばかり見ている ・落ち着かない など・・・

②運行前・運行後の点呼

第1章 運行管理者の職務

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■乗務計画作成の留意点

過労運転を防止するために定められた拘束時間・運転時間・勤務時間の範囲内において

運行計画を作成し、それに従って乗務させる。

・乗務員毎の勤務実績月間集計表を作成する

・前回の勤務終了からの休息時間を考慮する

・深夜時間帯の乗務時間を考慮する

・2週間を通じて最低1回は休日を設ける

■乗務記録の管理

乗務員の日常の乗務実態を把握し、過労運転の防止をはじめ適正な運行を確保すること

に活用するため、乗務員毎に運転日報を記入させ、運行後提出させることが必要です。

また、これを1年間保管しなければなりません。

③乗務計画と運行実績の把握

第1章 運行管理者の職務

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■運行記録計(タコグラフ)による管理

事業用貨物自動車のうち車輌総重量8㌧以上又は最大積載量が5㌧以上のもの、それ

に該当するトレーラーをけん引するトラクターには、道路運送車輌の保安基準に適合する

運行記録計を装着する。

また当社に於いては、運行記録計はデジタルタコグラフを装着し記録することで乗務員指

導を行います。

③乗務計画と運行実績の把握

第1章 運行管理者の職務

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■異常とは

交通事故/車輌故障/荷扱いによる商品事故/異常気象の発生等により車輌の運行に

影響をきたし、納入遅延に繋がる場合のことを言う。

■異常情報の措置

万が一、異常が発生した場合は、速やかに対応及び解決策を講じなくてはいけない為

乗務員/取引先/搬入先との連絡体制やその方法をあらかじめ構築し適切な判断や

指示を行うためのルールを以下に定める。

(1)異常処理ルールを作成し、各トラックに常備する

(2)異常処理ルールには、異常別発生時の乗務員の対応手順を明記する

(3)異常処理ルールには、社内及び取引先を含めた情報伝達ルートを明記する

(4)管理者の対応手順は、運行管理マニュアルに明記する

(5)影響度が大きい場合は、対策本部を設置し事業部長を本部長に据える

■異常措置の教育

異常の措置を適正且つ速やかに行うために、以下に定める内容を乗務員に教育する。

【共通項目教育事項】

① 異常処理ルールの主旨、使用方法を理解させる

【交通事故発生時の教育事項】

①高速道路の場合

・非常電話で道路公団交通管制室に通報する

・待機しているときは、安全なガードレール等の外側に待機する

②踏切内で立ち往生した場合

・1秒でも早く警報機に取付けてある『赤ボタン』を押す

・発煙筒を使用して進行してくる方向にできる限り早く走り列車に合図する

・発煙筒が無い場合は、赤旗を振るか煙の出やすいものを燃やす等合図する

④異常発生時の基本ルール

第1章 運行管理者の職務

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道路緊急ダイヤル

『#9910』

全国統一ダイヤル

『0570-011-011』

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■異常気象とは

台風/集中豪雨/積雪(凍結)/地震等により運行に影響が出ると予想される

場合のことを言う。

■異常気象発生時の措置

異常気象が発生した場合の対応は以下の手順に従って行うこと。しかし混乱が

予想された場合は、臨機応変に対応する。

【あらかじめ予想された場合】

① 異常気象予想の共有を行う ・・・・即時 (情報伝達ルート使用)

② 影響地域を特定する・・・・即時

③ 影響地域を運行するルートを洗い出す・・・・30分以内

④ 影響度を予測する

⑤ 回避ルートを選定する・・・・(3)より1時間以内

⑥ 出発時間を決定する ・・・・(5)より30分以内(情報伝達ルートを使用)

⑦ 決定事項を乗務員に連絡する

⑧ 指示書を作成する

【突然発生した場合】

① 気象情報を調査する・・・・・・即時

② 道路状況を調査する(渋滞)・・・即時

③ 回避ルートを選定する・・・・(2)より30分以内

④ 決定事項を乗務員に指示し取引先に連絡する・・・・(情報伝達ルートを使用)

■情報取得方法

気象情報・・・気象庁ホームページ

道路状況・・・各道路公団ホームページ/道路公団への電話確認/乗務員からの情報

■運行可否の判断方法

運行管理者が十分な状況把握のうえ、運行可否の判断を行う。あくまでも安全第一の

考え方で判断し、その判断は荷主へ詳細な状況を報告して了承を得る。

■運行中止の判断目安・基準

・風速20メートル以上の暴風がふいている。又は予測される

・濃霧が発生し視界が20メートル以下になっている。又は予測される

・降雨、降雪等は、その時の交通規制に従って判断する

・異常気象警報が出た場合は運行を見合わせる

⑤異常気象時の措置

第1章 運行管理者の職務

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■交通事故発生時の措置

交通事故が発生した場合の対応は以下の手順に従って行うこと。しかし事故の大きさ

により臨機応変に対応する。

【情報収集事項】

①負傷者の有無及び負傷の程度/救急車の手配状況/応急処置状況)

②発生場所の特定/発生時間/残り業務の確認/業務復帰時刻の確認

③警察への連絡状況

④車輌破損状況(自走可能・不可能)

⑤荷崩れの確認(品番/品名/数量を現品票で確認)

【事故処理】

①事故処理担当者は現場へ急行する(状況に応じて代替え乗務員/車輌を同行)

②事故現場の落下物を撤去する

③レッカー車の手配を行う(自社手配不可能の場合は警察へ依頼)

④移動先にて積荷の乗せ換えを行う

⑤負傷者発生の場合は、病院へ急行し対応する

⑥保険業者への連絡を行う(示談交渉は保険業者が行う)

⑦事故報告書の提出(即日行うこと)

【業務処理】

①取引先へ事故状況を報告する

(事故の詳細/製品への影響度/納入時間への影響度))

②代替え製品の確保を行う

③代替え車輌にて運搬を行う(事故状況に応じて最適な対応を行うこと)

④取引先へ結果を報告する

■事故防止教育

安全運行を実施するために、乗務員の安全意識向上と技術向上を目的とした教育を

行うことで、事故の発生を防止する。

①車輌操作技術の向上/エコドライブの実施教育を行う

②安全運行に対する知識を習得する教育を行う

⑥交通事故発生時の措置

第1章 運行管理者の職務

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■荷扱い事故発生時の措置

荷扱い事故が発生した場合の対応は以下の手順に従って行うこと。しかし事故の大きさ

により臨機応変に対応する。

【情報収集事項】

①荷崩れの確認(品番/品名/数量を現品票で確認)

②発生場所の確認/納入先の確認/発生時間

【業務処理】

①取引先へ事故状況を報告する

(事故の詳細/製品への影響度/納入時間への影響度))

②代替え製品の確保を行う

③代替え車輌にて運搬を行う(事故状況に応じて最適な対応を行うこと)

④取引先へ結果を報告する

⑤事故報告書の提出(即日行うこと)

■事故防止教育

安全作業を実施するために、乗務員の安全意識向上と技術向上を目的とした教育を

行うことで、事故の発生を防止する。

①リフト操作技術の向上を行う

②荷扱いに対する知識を習得する教育を行う

⑦荷扱い事故発生時の措置

第1章 運行管理者の職務

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■事故速報と事故報告書の提出

営業車輌が以下のような重大事故を発生させた時は、24時間以内に電話等によりその

事故の概要を運輸支局長に速報を入れる。また、30日以内に事故の種類、原因その他

必要な事項を『自動車事故報告書』に記載して運輸支局長を経由して国土交通大臣に

届け出る。

■自動車事故報告書の提出が必要な事故の種類

・転落事故・・・・・・・・道路外に転落した場合で、その落差が0.5m以上の場合

・転覆事故・・・・・・・・道路上において35度以上傾斜した場合

・火災事故・・・・・・・・営業車輌又は積載物が火災を起こした場合

・踏切事故・・・・・・・・踏み切りにおいて鉄道車両と衝突又は接触した場合

・死傷事故・・・・・・・・死者又は重傷者を生じた場合

・飛散漏洩事故・・・・積載された危険物・毒劇物・高圧ガス等の全部又は一部が

飛散漏洩した場合

・健康状態に・・・・・・脳梗塞・心筋梗塞等の乗務員の健康状態の異常により運転

起因する事故 ができなくなった場合

・車輌故障に・・・・・・舵取装置・制動装置・車枠・車軸又はシャシばねの破損や脱

起因する事故 落により運行不能となった場合

・国土交通大臣・・・・鉄道や高速道路を3時間以上通行止めにした場合や飲酒等

が指示した事故 の悪質違反事故の場合

⑥重大事故の報告

第1章 運行管理者の職務

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■日常点検の実施方法を定めること

■日常点検結果に基き、運行の可否を定めること

■定期点検に計画をたて点検を実施すること。及び随時必要な点検を実施し必要な整備

を実施すること

■定期点検整備記録簿その他の点検及び整備に関する記録簿を管理すること

■自動車車庫を管理すること

■運転者及び整備員その他の者を指導し監督すること

第2章 整備管理者の職務

事業用自動車の車輌故障や故障が原因による交通事故により、地域社会やお客様に迷惑を掛けないよう未然防止することが整備管理者の職務である。特に日々の運行前点検をマンネリ化させずに効果的に実施できる習慣付け等以下の内容を確実に遂行する。

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■日常点検の実施方法

自動車を運行しようとするものは、1日1回運行の開始前に、ブレーキ・タイヤ・バッテリー・原動

機・燈火装置及び方向指示器・ウインドウォッシャー液及びワイパー・エアタンク等について、異常が

ないかの点検を行う

■日常点検の実施要領

①点検に先立ち、前日又は前回の運行中の異常又は修理の有無を確認する

②点検は始業点検表に基き行う

③点検方法は、始業点検マニュアルを参考に行う

④点検結果の良否は、良はレ点・否は×印で確実に記入する

⑤点検終了後、整備管理者又は代務者へ結果報告し運行の可否決定を受け運行管理

者に報告する

■異常時の処理と記録

・点検時に異常個所を発見した場合は、直ちに整備管理者又は代務者に報告し修理を

必ず受ける

・走行中に異常を発見した場合は、直ちに運行を中止し整備管理者又は代務者に報告し

その指示に従うこと

・修理完了後、必ずその箇所及び処置内容を記録表に記入する

・前日の異常個所に修理があった場合は点検時に必ず異常個所を確認する

①日常点検

第2章 整備管理者の職務

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■定期点検整備の実施

自動車点検基準に定められた3ヶ月・12ヶ月点検時に実施すべき点検項目に基き点検

整備を行う。実施した点検整備の結果は、点検整備記録簿に所要事項をもれなく記載し、

1年間保存する。

あらかじめ、年間又は年度を通じての点検整備計画をたて、予定・実績表を掲示板に提示

して周知徹底を図る。

②定期点検整備

第2章 整備管理者の職務

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■貨物自動車運送事業に関わる諸法令に基き、トラックの運行の安全を確保するために、必要

な運転に関する技能や知識を習得させることについて、重要な責務であることと理解する。

■安全運行に関する指導を行ううえで、『技能』や『知識』に加え、忘れてはならない事として車両

を運転する『乗務員』の安全心理の醸成を図る。

■つまり、乗務員の心=マインドに働きかける教育が大切であり、各乗務員が安全の意識や認識

をどのようなレベルにあるのか特質を把握したうえで、継続的かつ計画的な教育の実践を行う

公共道路を使用させていただき輸送事業を営む企業として、交通安全教育を行うことは法律的・社会的・道義的な責任であり、何にも優先して行われる重要な事項である。交通事故を未然に防止できなかった場合に、企業が負担しなければならない多額な損害賠償をはじめ、社会的な非難やお客様・荷主からの信用失墜等を考慮すると、いくら時間と経費をかけてもこれで十分という限界はないと考え、心血を注ぎ取り組む。

第3章 乗務員に対する教育

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■乗務員への指導方法

「指導」「教育」と呼ばれるものは一時の思いつきやちょっとの期間では効果てき面とはいか

ない。しかも単に「技能」や「知識」を習得させるだけではなく、安全重視や交通弱者への思

いやり等の「意識」を醸成させることは一朝一夕にできるものではなく時間を要する事からも

安全指導・教育は計画的にねばり強く行っていく。

当然のことながら指導項目には緊急性の高いものから優先順位をつけて実施する。

■指導者に必要な3つの持つ

・交通安全は社会問題であり、指導を行うときは一企業の社員教育というよりは、一交通社会

人教育を行っているという「自覚」を持つ。

・交通安全教育の重要性を自覚して、必要なことはやるという信念をもって、実際に行動する

「勇気」を持つ。

・指導の結果が安全運転や交通事故のゼロに結びついていくまで諦めない「根気」を持つ。

■指導者としての留意点

指導をすすめるにあたり、乗務員から信頼されているということが第1の条件になるので乗務員

からの信頼を得るために以下の内容に留意する。

①指導者ということを鼻にかけた反感をかうような言葉使いをしない

②仕事面だけではなく個人的にも良き相談相手に努める

③率先して乗務員の世話ができ部下のための助力に努める

④指導内容についての不満や要望を聞く耳を持ち聞く機会をつくる

⑤信念をもって事にあたる

⑥日常から絶えず道路交通法及び関連法規などの知識習得など自己啓発に努める

■指導する場合の留意点

乗務員ひとり一人に個性があるので、同じ内容の指導をするにしても、乗務員の性格や理解力

に応じた指導を行うようにする。また、指導する場合は効果が半減しないよう、できるだけ具体

的にわかりやすくする。

①乗務員指導のポイント

第3章 乗務員に対する教育

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■一般的な指導及び監督の内容

乗務員に対し継続的且つ計画的に以下の内容を指導・監督することで、他の運転者の模範

となるべき乗務員の育成を行う。

①トラックを運転する場合の心構え

・ トラックによる交通事故が社会に与える影響の大きさ等を理解させ、運行の安全を確保

する使命があることを理解させる。

②トラックの運行の安全を確保するために遵守すべき基本的事項

・貨物自動車運送事業輸送安全規則第17条に基づく運転者が遵守すべき事項及び交通

ルールを理解させるとともに、逸脱した運転による事故事例を説明し確認させる。

③トラックの構造上の特性

・トラックの車高、視野、死角、内輪差及び制動距離等が他の車両と異なることを理解させ

るとともに、把握していなかった事による事故事例を説明し確認させる。

④貨物の正しい積載方法

・偏荷重や運行中の荷崩れ・落下が生じないような貨物の積載方法や固縛方法を指導す

る。また、偏荷重が生じている場合、ブレーキを踏んだときに安定した停止やカーブでの走

行ができなくなることを理解・習得させる。

⑤過積載の危険性

・過積載が起因した事故事例を説明する等して過積載が制動距離等に与える影響を理解

させる。

⑥危険物を運搬する場合に留意すべき事項

・消防法、危険物の規制に関する法令に基づき、運搬する危険物の性状を理解させるとと

もに、取扱い方法、積載方法及び運搬方法について留意すべき事項を指導する。

⑦適切な運行の経路及び当該経路における道路及び交通の状況

・主な道路及び交通の状況をあらかじめ把握させるよう指導するとともに、交通事故の実例

や自社乗務員のヒヤリハット体験を説明する等により安全運転するために留意すべき事項

を指導する。

・道路運送車両法の保安基準について同令55条の認定を受けたトラックを運転させる、又

は道路法に規定する許可を受けてトラックを運転させる場合は、あらかじめ安全に通行で

きる経路として設定した経路を通行するように指導するとともに留意すべき事項も指導し

理解させる。

②指導及び監督

第3章 乗務員に対する教育

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⑧危険の予測及び回避

・豪雨や強風等の悪天候、トラックの特性及び道路環境等が運転に関し生ずる様々の危

険について、危険予知訓練の手法を用いて理解させるとともに必要な技能を習得させる。

⑨乗務員の運転適性に応じた安全運転

・運転適性診断結果に基づき、個々の乗務員に自らの運転行動の特性や注意すべき事

項について自覚させる。また、乗務員のストレス等の心身の状態に配慮した適切な指導

(カウンセリング)を行う。

⑩交通事故に関わる乗務員の生理的及び心理的要因への対処方法

・過労運転及び飲酒等の生理的要因並びに、慣れや自分の運転技術への過信による集

中力の欠如等の心理的要因が交通事故を起こすおそれがあることを事故事例等で説明

して理解させる。また、運転中に眠気や疲労を感じた時は運転を中止し、休憩又は睡眠

をとるように指導するとともに、飲酒・酒気帯び運転及び覚醒剤等の使用の禁止を徹底す

る。

⑪健康管理の重要性

・疾病が交通事故の要因となることを事故事例を説明する等して理解させるとともに、定期

的な健康診断の結果に基づいて、生活習慣の改善を図るなど、適切な健康管理(健康

維持・増進)を行うことの重要性について理解させる。

⑫電話連絡での注意点

・運行中の電話連絡は、道路交通法で禁止されています。

緊急及び電話連絡が必要な時の手順

1)2コールで1回電話を切りましょう

2)荷扱い中/運行中の場合、作業の中断やトラックを停止させてから電話をかけなお

しましょう(その場合なるべく静かな環境を選びます)

3)管理者は、要点をまとめて簡潔な内容で乗務員に伝えましょう

4)管理者は、内容が伝わったか確認しましょう

確認方法は、乗務員に要点を復唱してもらいます

*電話連絡は対面とは違い、相手の環境や心理状態に十分注意を払わないと

伝達不足等から思わぬミスにつながります。

②指導及び監督

第3章 乗務員に対する教育

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■特定の乗務員

交通事故の再発防止及び未然防止を図るために以下に特定した乗務員に対して、よりき

め細やかな指導を行い、且つ国土交通大臣が認定した適性診断を受けさせる。

①死者又は重傷者を生じた交通事故を引き起こした乗務員[事故惹起乗務員]

※重傷者とは14日以上の入院又は全治30日以上の傷害

②乗務員として新たに雇入れた乗務員[新人乗務員]

※初めて乗務する前、3年間他社で乗務員として常時選任された者は除く

③65歳以上の乗務員[高齢乗務員]

③特定の乗務員に対する指導

診断項目 診断概要

性格診断事故につながりやすい感情の安定性、協調性、気持ちのおおらかさ、他人に対する好意など性格についての診断

安全態度交通道徳や交通法規など、交通安全に対する考え方についての診断

危険感受性 危険な事態の予測の仕方や運転に対する心構えの程度の診断

動作の円滑さ持続的な注意配分の仕方や時々の出来事に応じた対応の仕方についての癖の診断

動作の正確さ視覚や聴覚等でとらえた物事に対する反応動作の仕方、正確さを診断

判断・動作のタイミング

判断・動作のタイミングや速度と距離の判断の傾向を診断

視覚機能 運転に必要な視力、深視力、視野、動体視力、夜間視力の診断

・日常的な指導として、日頃の動作や行動ぶりのなかで運転に結びつく欠点を指摘するとともに特徴を自覚させる

・指導者の言い分を押しつけることではなく、乗務員の言い分を聞きながら、カウンセリング的な態度で接する※カウンセリングとは、対話する事などにより、その問題を一緒に解決していこうとする手法

第3章 乗務員に対する教育

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④運転適性診断結果に基く助言指導

良い例 悪い例

関係上司と部下の関係ではなく、対等の関係で話しをする

上司と部下の関係で対話する

場所直接向きあわないで直角的な位置に座る

取り調べのような対面形式に座る

日常身辺的な話題から入る いきなり本題に入る

悪い点を相手に考えさせる 悪い点を一方的に説教する

相手が答えるのを待つ せっかちに立て続けに質問する

結論を相手に出させる 結論を管理者が出す

内用

■カウンセリングの場合

良い例 悪い例

感情の安定性」が不足

・いらいらしやすい・すぐにカッとなる・気分にムラがある・気が散りやすい

・深呼吸して気分転換を図る・常に「ゆとり」が持てるよう、先を急がない運転を心掛ける

「協調性」に欠ける

・他人への思いやりがない・自己中心的である・傍観的な態度をとる・投げやりな面がある

・相手の立場になって考えるようにする・他者に対し「思いやり」や「譲る」という精神を持つ

「気持ちのおおらかさ」が無い

・気が張りつめている・神経質である・こらえ性が足りない

・気にさわることがあってもおおらかに構えるようにする・気持ちを楽に持つ・忍耐力を養う

「他人に対する好意」が無い

・何事も他人のせいにする・自分に甘く他人に厳しい

・自分の都合だけではなく、周囲の人の気持ちを察する・自分勝手すぎではないか振り返ってみる

■正確に応じた指導の要点

第3章 乗務員に対する教育

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■添乗指導による安全運転指導の効果確認

安全運行に関する指導をおこなった結果の効果確認方法として、乗務員に営業車輌を実際

に運転させ、指導者が添乗するなかで安全運転行動の確認及び指導を行う。

確認は「添乗指導チェック表」に基づいて行う。

⑤添乗指導

■添乗指導のポイント

①緊張をほぐし、本来の運転を引き出す1~2時間程度の添乗指導では、本来の運転を引き出すのは難しいので可能な限り(できれば1日)帯同し、雑談等で慣れてきたところの普段の危ない運転癖がないかを確認する。

②運転操作中には指摘しない危険な運転癖などを発見しても、その都度、指導すると乗務員の判断を混乱させ交通事故につながるおそれがあるので、運転操作中には決して指摘はせずに運転が一段落したところを見はからって指導する。

③具体的な指導と記録危険な運転行動を指導する場合は、「〇〇は危険だから注意しなさい」のような曖昧な指導ではなく、何故、危険であるかを指導し、チェック表に記録として残す。

④乗務員に自己診断させる乗務自身の運転評価と指導者としての評価がどのように違うのかを比較・確認させる。

⑤抜き打ち的に添乗指導する乗務員に事前に予告して添乗指導するよりも、抜き打ち的に実施することで、車輌の整理整頓状況を確認する。

第3章 乗務員に対する教育

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■停止距離(制動距離+空走距離)

危険を感じてからブレーキを踏み実際に車輌が停止するまでの距離(停止距離)が走行

速度等によって、どのように変化するのかを理解させる。合わせて車速毎に1秒間でどの

位の距離を走るか(空走距離)についても理解をさせて漫然運転や不用意な脇見などに

よる追突事故への注意を喚起する。

■安全な速度と車間確保

法定速度を遵守していれば安全走行ができるというものではなく、雨天や降雪時のウエット

路面、夜間時の視界が悪い時は定められた最高速度よりも速度を落とし、状況に見合った

安全な速度と車間距離を保持するように指導する。

①時速60km/h以下の場合は走行速度の数字から15を引いた数字の車間距離

②時速60km/h以上の場合は走行速度と同じ数字の車間距離

⑥車輌の特性

第3章 乗務員に対する教育

走行速度 停止距離 空走距離 制動距離

時速20km/h 9m 6m 3m

時速30km/h 14m 8m 6m

時速40km/h 22m 11m 11m

時速50km/h 32m 14m 18m

時速60km/h 44m 17m 27m

時速70km/h 53m 19m 34m

時速80km/h 75m 22m 53m

時速90km/h 93m 25m 68m

時速100km/h 112m 28m 84m

= +

時速60km

時速80km

45m

80m

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■車高の高さと車間距離の見え方

トラックは運転席が高いために乗務員の視点も高く、乗用車と違った距離感を与える特性が

ある。そのため前車との車間距離も長く感じやすく、車間距離が不足する傾向にあるので意識

して車間距離を長めに取るように指導する。

■視界が開けている

視点が高いぶん視界も開け、前方の状況を早めにつかむことができる反面、直前にいる乗用

車を見落とすケースがあることを指導する。

ケース①

交差点の信号待ちで乗用車の後に停車しているとき、乗用車の頭越しに信号が見えるの

で、信号が青になって直ぐに発進しようとすると乗用車が発進していなくて追突する。

ケース②

前方を大型車、乗用車とつながり走行しているような時は、視線が大型車の後部あたりに

向けられるため乗用車の存在を忘れて追突する

第3章 乗務員に対する教育

⑥車輌の特性

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■健康管理の重要性

乗務員は絶えず危険な交通事故と隣り合わせにあり、プロドライバーの基本的な使命である

「荷主やお客様の信頼に応える安全な輸送」のためには、一瞬の油断も許されず常に冷静で

的確な判断が必要である。そのためには、心身ともに健康状態が良好である事が重要であり、

積極的な健康維持及び増進に向けた指導を行う。

■クルマ病

自動車によって起こる健康障害が「クルマ病」と言われ、症状は加齢による身体機能の老化

により生じる体の変化であり、いわゆる成人病です。以下のような症状があれば、予防による

治療を心掛けるように指導する

・階段をのぼると胸がドキドキする

・腹に脂肪がたまる

・肩がこってしようがない

・腰がいたい

・背骨が変形する

・足がむくんでだるい

・15分歩くのもおっくうになる

・難聴や耳鳴りがひどい

・ムカムカしたり胃が痛くなる

・ストレス潰瘍になる

・理由もないのにイライラする

・目が疲れ、まぶたがピクピクする

⑦健康管理の重要性

第3章 乗務員に対する教育

①できるだけ一定の時間に床につき、睡眠時間は最低6~8時間程度はとる②普段から体を動かすようにする。但し過度の運動は疲労原因となるのでしない③バランスの良い食事をできるだけ規則正しくとり、深酒や夜ふかしをしない④休日は仕事を離れ趣味などを活かしてストレス解消を図る⑤定期健康診断を必ず受け、疾病の早期発見に努める

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■道路での運転マナー

物流という重要な役割を担って営業車輌を運転する乗務員は、他車の手本となるべき安全

で人に優しいマナーの良い運転に心掛けるように指導する。

①思いやりと譲り合いの気持ち

「道路を使わせてもらっている」という気持ちを持ち、常に「相手に譲る」という姿勢でハンドル

を握る

②おごりの気持ちを捨てる

「強い者が弱い者を助ける」、この社会的正義の原則にのっとり、相手の立場にたった運転に

心掛ける

③油断はしない

油断は運転に必要な注意力を低下させ漫然運転につながるので、危険感受性を高めた緊

張感のある運転に努める

④運転を過信しない

運転に自信を持つことも大切ではあるが、過信により周囲の他車への思いやりの気持ちが希

薄になるので初心を忘れない運転に心掛ける

⑤「急ぎ」や「あせり」をおさえる

「急ぎ」や「あせり」の心理状態に支配され、スピードを出し過ぎたり、強引な車線変更など周

囲の交通の流れに対する配慮を失わないようにする

⑥平常心を保つ

「カリカリ」等の興奮した状態になると、的確な判断が失われ無理な運転につながるので、冷

静な運転をするように努める

⑦環境への配慮

地域社会、近隣住民等への環境保全のため、エコドライブやアイドリングストップを実践し、環

境に優しい運転に努める

■構内での運転マナー

お客さまの大切な製品を運搬するためにお客様の構内に立ち入る乗務員は、社員と同じ

もしくは、それ以上のマナーを心掛けるよう指導する

①上記、道路での運転マナーを遵守すること

②構内の走行においても道路交通法で定められていることは遵守すること

③構内速度は必ず遵守すること

④ほとんどの工場では構内禁煙となってます。トラック内においても禁煙を遵守すること

⑤荷扱い中/トラックを離れる場合は必ず輪留めをすること

⑥荷扱い作業は周りに十分注意を払い安全作業で行うこと

⑦荷扱い作業を行うときは、ヘルメット/安全靴/反射ベストを着用すること

⑧プロドライバーの心得

第3章 乗務員に対する教育

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第3章 乗務員に対する教育

⑧プロドライバーの心得

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■接遇マナー

乗務員は、直接荷主やお客様と接触しているので、態度や言葉使い、身だしなみの良し・悪

しが会社のイメージや信用に関わることになる。乗務員は荷主に代わって輸送していることを

認識し、誠意をもってお客様と接し好印象を与えるように 指導する

①必ず挨拶する

挨拶は人間関係を築くうえでの基本であり、必ず明るい声で挨拶をする

②好感が持たれる話し方

明るさを第一に心掛け、誠実で心の通った話し方をする

③清潔感のある服装

常に清潔感のあるキチンとした服装や身なりに心掛ける

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交通事故防止の最大のポイントは、起きてしまった事故の原因を徹底的に究明して、

原因に対する防止策を立てることが重要である。類似事故の再発防止を含め「事故の

教訓を忘れず対策を風化させない」取り組みを積極的且つ効果的に行う。

事故原因を究明するに当たっては、乗務員及び警察官や目撃者の証言など三現主義

(現場・現物・現実)に基づき、事実を客観的に捉えたうえで、直接的な原因と間接

的な原因に分けて把握する。

そのうえで、事故原因に対する対策は管理者と乗務員が一体となり立案し、実行性

が高く継続性のあるものとする。

第4章 交通事故原因の追及と対策

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■事故原因の把握と対策の進め方

手順① 三現主義に基づく事故事実の把握

・事故現場の状況や事故の発生状況を5W1Hで事実確認する

・事故に至った経緯を時系列に心理状態や運転操作等に分けて整理する

手順② 事故原因の把握

・乗務員の不適切な運転行動や状態を確認する

・運行管理者の不適切な運転行動や状態を確認する

・運行管理体制の不備を確認する

手順③ 事故原因の深堀り

・事故原因は直接原因と間接原因に区分し問題点(真の原因)を探る

手順④ 対策の立案

・浮き彫りにした原因に対して対策を立案する

・対策は「いつまでに・だれが・どこで・なにを・どのように」の手法で立てる

①事故原因の把握

第4章 交通事故原因の追及と対策

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■貨物自動車運送事業の適正化のため、各都道府県の地方貨物自動車運送適正化事業実施機関の「適正化事業指導員」が定期的に巡回指導を行っています。主な実態調査事項は以下の内容となっています。

②指導及び監督

第4章 交通事故原因の追及と対策

区分 区 分

事業計画等

主たる事務所及び及び営業所の名称、位置の違反がないか

自動車車庫の位置及び収容能力違反はないか

乗務員の休憩・仮眠施設の位置、収容能力及びその保守管理は適正か

運行系統に違反はないか

名義貸し、事業の貸渡しはないか

運賃料金及び運送約款

運賃料金に係る不当な取扱いはないか

運賃料金表、運送約款が掲示されているか

帳票類の整備、報告等

許認可及び提出類等の書類が整理保存されているか

会計関係帳票類が整備され、適正に記帳されているか

運転者台帳、賃金台帳、車両台帳が整備され、適正に記載されているか

営業報告書、事業実績報告書及び事故報告書等を提出しているか

運行管理等

事業計画に従い、必要な員数の運転者を確保しているか

過労防止を配慮した勤務時間、乗務時間を定めているか

乗務割が作成され休憩時間、睡眠のための時間が適正に管理されているか

過積載による運送を行っていないか

点呼の実施及びその記録・保存は適正か

乗務記録(運転日報)の作成・保存は適正か

運行記録計による記録及びその保存・活用は適正か

乗務員に対する輸送輸送の安全確保に必要な指導監督を行っているか

運行管理規程が定められているか

乗務員に適正診断を受けさせているか

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注)貨物自動車運送事業法第39条関係で、地方実施機関から文書又は口頭による説明を求められた場合、正当な理由なしに拒むことはできない

②適正化事業の巡回指導項目

第4章 交通事故原因の追及と対策

区分 区 分

労基法等

就業規則が制定され、届出されているか

36協定が締結され、届出されているか

労働時間、休日労働について違法性はないか

賃金体系が賃金規則に基づき、適正にさだめられているか

所要の健康診断を実施し、その記録・保存が適正にされているか

出勤簿(タイムカード)は備えつけてあるか

帳票類の整備、報告等

労災保険・雇用保険の加入手続きが適正にされているか

健康保険・厚生年金の加入手続きが適正にされているか

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①過去トラと対策内容

第5章 過去トラからの対策による指導事項

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(1)‐Q 過去トラ内容

H22.2.16 本田技研鈴鹿製作所にて部品欠品による搬入異常が発生した。

納品した製品を空箱だと思い引き取りしたことが原因で、台車内の容器確認

不足による。

(1)‐A 対策内容

① 空容器引き取る際は、全ての容器を目視確認することが原則。

② 空容器を返却する際は、台車内から容器を空箱置き場へ整理して返却する

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運行管理マニュアル

株式会社小林運輸

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