研究の背景及び目的 - miyazaki-u.ac.jp研究の背景及び目的 ......
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<問い合わせ先>
みやだい COC 推進機構
住所:宮崎市学園木花台西1-1
Tel: 0985-58-7250
E-mail: [email protected]
研究の背景及び目的
実施状況
目標の達成度及び成果 今後の課題及び展開
http://www.city.kushima.lg.jp/enjoy/corse/post-6.html
・課題地域: 串間市・対象領域: C.地域志向社会貢献領域・地域志向教育研究経費区分: Ⅲ.地域課題解決型・名前: 伊藤 健一・所属: 宮崎大学 国際連携センター 講師(兼 語学教育センター日本語教育部門長、兼 産学・地域連携センター)・連携機関・団体: 串間市役所商工観光スポーツランド推進課、串間市観光協会 串間エコツーリズム推進協議会協力: 宮崎大学留学生交流サークルMIC(Miyazaki International Club)
「ゆったりと、いろんな国の隣人とおしゃべりしながら縁側でひなたぼっこできる、そんな明るく楽しい、宮崎の将来を目指します」
串間市の地域振興の一つである観光国際化を目指して、本年度はCOC事業の支援を受けた「大学のリソース人・物・金によるスタートアップ」を実施した。自治体-大学間の連携による留学生の地域参加等を通じた取り組みについて、串間市にその効果を受容して、実績・成果として認識してもらい、次年度以降の自主財源等による串間市および地域の主体的な取り組みを導き、継続した連携的地域振興への取り組みの契機となることを目標とする。そのため、留学生との交流を主体とした活動を通じて、国際的視点のフィードバックと啓発、課題の顕在化と対応、多言語化支援を行う。具体的には、留学生日本語科目「日本語実践学習I,II-A/B」と連携して右の3点を段階的かつ循環的に実施する。
目標の達成状況
① 現状把握: 留学生(外国人)の視点を借りて、言語、案内、食、宿泊、移動など幅広く課題を抽出。
② 課題対応: 観光資源の提供について、現状の工夫と活用による対応・改善を実施。外国人観光客向け多言語観光案内ツールを協働製作、提供。
① 地域国際化の具体的な将来像、ビジョン⇒ 外国人観光客受入、産業の国際化、外国人定着など。
② 継続的な観光の国際化、地域の国際化を目指したロードマップの構築⇒ 社会動向に照らした経時的計画と、それに沿った大学と地域との連携、活動の展開の検討。
③ 地域DMOとの連携⇒ 日南市南郷地区及び串間市で構成される「南の郷DMO(Destination Management Organization/
Destination Marketing Organization)」のコンセプトや戦略をとの連携の模索。④ 地域間連携による串間市へとつなぐ観光経路
⇒ 宮崎県南端のためアクセスに難があることから、例えば県内の他地域と連携した点を線で結ぶ体験・滞在型長期ツアーなどの企画による、観光客の勧誘と地域で長く楽しませる工夫の検討。
⑤ 地域外国人の活用
⇒ 地域在住外国人の地域国際化への参加促進を目指した、大学および各地域自治体、国際交流団体等による日本語学習支援の連携を行い、地域外国人財の社会参加と活用を促進
⑥ 大学教育としての地域展開
⇒ 留学生日本語科目としてだけでなく、日本人学生が地域課題や自治体運営、地域振興、観光等を学ぶ科目等との連携による、日本人学生と留学生との共学によるシナジー強化を期待。
体 験 実 施準備 ・ 協議
①事前調査、協議串間市の観光、および国際化への期待やニーズの把握、認識の共有。• 意識: 住民間での国際化、観光への意識はまだ低く、自治体主導。• 協働: 地域のステークホルダーの巻き込みを提案。
③串間日帰りツアー(6/17)• 参加者: 日本語話す留学生等7名5ヵ国(韓国3、台湾1、中国1、スロベニア1、タンザニア1)、引率2名• 経験: 串間市役所、串間エコツーリズム推進協議会が外国人観光(模擬)ツアーを実施。• マッチング:「都井岬の野生馬」、「文化財・旧吉松家住宅」、 「ブリプリ丼」 、「茶道体験」• 視察型、体験型の地域観光の目玉 ⇒ 外国人目線での一定の関心を確認。• 食習慣への対応: 生魚等の忌避に関する食習慣 vs 創作郷土料理、 「ブリプリ丼」
⇒ ブリプリ丼中の刺身の加熱料理へのアレンジを提案。客の要望に対応できること、食味も十分であることを経験、確認。
双方向の検討、提案、協議、実施による協働体制
⑤宿泊モニター(8/7-9)• 参加者: 留学生9ヵ国14名(韓国3、台湾2、中国1 、ミャンマー1、マレーシア2、インドネシア1、アフガニスタン2、スロベニア1、
タンザニア1)、サポート日本人学生3名、引率教員2名の計19名
• 食事: レストラン、宿泊施設へ事前情報提供したため、和食、洋食ともに食味は概ね好評。しかし、貝など食習慣に無い食材は郷土料理でも外国人向けではないことを確認。また、米文化圏以外は主食の考えが薄く、ご飯とおかずのバランスは考慮必要。
• 宿泊: 串間温泉いこいの里。少人数の個室はムスリムのお祈りにも利用可能。
• 風呂: ムスリムの特に女性が他人に肌を曝すことを避けることから、身障者用個室風呂の時間利用により対応。一部の部屋にも風呂があり、既存施設の活用により、外国人客への対応可能と確認。
• 串間市街地散策とワークショップ: 駅前や市街地の散策、解説後、串間駅前再開発の一環として導入された路面電車の活用と国際的観光向けの駅前の在り方について、ワークショップを実施。意見はその場で発表し、串間市関係者へ外国人目線の意見をフィードバック。
• 観光スポット(都井岬、御崎神社、都井岬灯台): 都井岬ウォーキング、神社や灯台などは好印象。ただし、外国語の説明、道案内等がなく、引率無しでの海外客の来訪、散策は困難。
• 体験観光: 定置網漁、竹細工、流しそうめんを体験。各体験は好印象で、食習慣等の問題なく広く受け入れられる。しかし、参加申し込み、事前説明、安全確保のため外国語の対応・案内が必要。
• 交流会: 串間の市役所、観光協会、遊覧船、漁協、森林組合、婦人会、ボランティアグループ、市議等に串間で観光に携わる地域ステークホルダーと交流。日本語話せる留学生の存在と、既に串間を体験していることが、留学生=外国人の心理的障壁を下げ、盛会のうちに終了。こうした小規模で密な国際交流が、地域住民・ステークホルダーの国際視野と受入の醸成に貢献することが期待される。
⑧串間ホームステイ(11/28-29)• 参加者: 留学生7名(韓国2、台湾2、中国2、タイ1、)、サポート日本人学生1名、引率1名• 民泊試行: 地域との交流、草の根的国際化推進、民泊F/S調査のため、3軒で。• 交通: 一般観光客の移動を考慮して、電車で移動。日南線は無人駅もあり、利用には、JRによる多言語化、あるいはパンフレットなどでの別途案内を要することを確認。
• 調査: 都井岬、串間駅総合案内所に分かれて、不便なため各言語の表示が必要な点、魅力ある点、外国人視点で観光や利用の際に気になる点、について調査、検討、意見交換。
• 多言語化: 日本語中級以上の参加者で、観光の国際化支援として、協働活動として検討。
②派遣計画検討現状とニーズを踏まえた、段階的、弾力的な意識の浸潤と展開を検討。
• 留学生派遣: 「日帰り」⇒「宿泊」、また「日本語話せる」⇒「話せない」と段階的にハードルを上げて行う。
• 滞在: 少ない宿泊施設を補うため、民泊や空き家を視野に検討。
④フィードバック、企画ツアー結果、課題、留学生の反応と関心をフィードバックし、宿泊を計画。
• 多様性対応: 日本語をあまり話せない留学生、食事や風呂等に配慮が必要なムスリムや仏教徒の留学生の参加。留意点、対応事項について事前アンケート等で抽出し、串間市主導で立案、大学と協議。
⑦事前講習(11/18)、対応検討• 多言語化: 観光状況の改善のために共通課題の多言語化を検討。• 民泊: 地域の交流深化と民泊の可能性検討ためホームステイを計画。• 外国人視点共有: 「国際化」に関する留学生の意見を抽出、市へ提供。
⑨フィードバック、観光ツール協働製作(1/22)• 滞在、調査の結果を串間市関係者へフィードバック。
• 多言語化: 調査の結果、多言語表記の必要な対象について検討、抽出。
• 協働: 串間市、串間エコツーリズム推進協議会が来学して、留学生と翻訳ツールづくりを実施。翻訳内容に対して、串間側の出口イメージを擦り合わせて、調整、改善。
⑩多言語観光ツール• 提供: 多言語化した翻訳物、案内、解説板説明文などの観光ツールの提供。
• 串間の観光HP等への留学生活動の写真等の利
用による、外国人観光客の関心喚起と、地域住民の地域国際化実感の芽生えの促進。
⑥フィードバック、課題整理• 提案: 体験した中での関心、課題、留学生の考える串間滞在プラン等を串間市関係者にフィードバック。
• 共通課題: 全体の観光・体験で、外国語の不足が致命的。
①協議・準備: 串間市及び関係者と現状、課題、ニーズ等の共有。計画立案。留学生への訪日外国人視点での関心のヒアリング。
①試行・体験: 留学生の訪問による地域国際化促進。体験等から課題抽出、対応。②成果: 課題の地域関係者へのフィードバック。改善の助言。国際受容性の向上。
国際視野の醸成。外国人向け多言語観光案内ツールの提供。
地域の主体的行動の呼び水地方創生加速化交付金に申請の「10市町連携インバウンド推進事業」(平成28 年3 月18
日採択)において、留学生を活用した「宮崎大学国際連携センター&串間市共同事業(案)」を企画。串間市の主体的な取り組み開始で、本成果の今後の発展が期待される。地域の国際意識、国際受容性の向上
JSTさくらサイエンスプログラムで来訪のインドネシア学生10名を串間市で受け入れし、ハラル食と郷土料理の地域国際交流、ホームステイを実施した(平成28年2月25-26日)。地域での積極的な国際化と国際的受容性の向上の現れであり、今後の展開が期待される。
期待される教育効果と実効果
① 留学生: 実践的日本語力の向上,地域参画による日本文化理解の深化。
② 日本人学生: 参画学生のグローバル視点を通した地域課題の多面的理解と国際的視野の促進。
③ 地域社会: 国際的視野の醸成。異文化理解促進。