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2012年度後期 課題演習A7宇宙X線放射過程 (Ver. 2) 担当 :鶴 剛 (R334075-753-3868[email protected]TRA :大西隆雄(R336075-753-3843[email protected]TA :岸本哲朗(R338075-753-3827[email protected]目標 比例計数管と回路を自作し,実験することで X線と物質の相互作用を理解する. 比例計数管の動作を理解する. 放射線計測に必要な基礎回路を理解する. 以上を自作する能力を得る. 作るシステム 全体の構成 比例計数管 1000pF 1000pF 10MΩ 100MΩ 6keVまたは22keVのX線

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2012年度後期 課題演習A7宇宙X線放射過程(Ver. 2)

担当 :鶴 剛 (R334,075-753-3868,[email protected])TRA :大西隆雄(R336,075-753-3843,[email protected])TA :岸本哲朗(R338,075-753-3827,[email protected]

目標比例計数管と回路を自作し,実験することで

• X線と物質の相互作用を理解する.• 比例計数管の動作を理解する.• 放射線計測に必要な基礎回路を理解する.• 以上を自作する能力を得る.

作るシステム

全体の構成

比例計数管

1000pF

1000pF

10MΩ

100MΩ

6keVまたは22keVのX線

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プリアンプ

5pF

22MΩ

+

-

ローパスフィルター

10kΩ 100kΩ

22pF

+

-

ハイパスフィルター

1kΩ

0.022μF

10kΩ

+

-

ローパスとハイパスフィルタの組み合わせを,NIMのシェイピングアンプで実現する事が

できる.

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一般に信号レベルが小さいはず.MCAに直接いれるのではなく,NIMのシェイピングアンプ,またはローパス&ハイパスフィルタに入れて,MCAにいれる.

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参考文献

• 放射線計測ハンドブック        Knoll 日刊工業新聞社• 放射線計測技術(物理工学実験9)   河田 燕 東京大学出版会• 放射線計測  (新物理学シリーズ26)加藤貞幸 培風館• 放射線計測の理論と演習 上巻・下巻  ニコラス ツルファニディス 現代工学社• 万能基板に電子回路を制作する. (電子回路の製作テクニック1) • エレクトロニクス講義録        鶴 剛

 http://www-cr.scphys.kyoto-u.ac.jp/member/tsuru/lecture/index.html

シラバス• セミナー• 自作回路を作成とその試験• メーカー品を使った実験• 既製品比例計数管に自作回路を繋いで動かす• 比例計数管の自作• 自作比例計数管に自作回路を繋いで動かす

メンバー• 真砂全宏 Manago Masahiro   [email protected]

• 山下真澄 Yamashita Masumi [email protected]

• 衛藤貫太 Eto Kanta [email protected]

• 渡辺周平 Watanabe Shuhei   [email protected]

• 加藤省吾 katou shougo [email protected]

ファイルの在処 

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1.セミナー

手分けをして以下に示す部分の講義を行ってください.その部分だけ読んでも理解できない場合は,章をさかのぼって学習する.当たっていな人も怠らず予習をしてくること.

1.1.セミナー1日目(2012.04.16)以下の内容を講義をして下さい(2名).

• X線と物質の相互作用(1人:40分講義,20分議論)放射線計測技術(河田 燕 東京大学出版会)の2.1, 2.2章(20ページ)の内容を講義してください.「光電効果」「コンプトン・トムソン散乱」「蛍光X線または特性X線」については詳しく説明してください.

• 比例計数管の動作(1人:40分講義,20分議論)放射線計測ハンドブック(Knoll 日刊工業新聞社)6.1~6.4章(30ページ)の内容を講義してください.「ガス増幅率」「X線のエネルギーと出てくる電荷量の関係」「エネルギー分解能」については詳しく説明してください.

1.2.セミナー2日目(2012.04.23)回路とシステム全体の動作について講義をして下さい(3名).

• エレクトロニクスの一般論(40分講義,20分議論)エレクトロニクス講義録(鶴剛)の2章,6章の内容を講義してください.「抵抗,コンデンサーのインピーダンス」「インピーダンスの合成」「微分回路,積分回路」「オペアンプとは」「反転増幅器」については詳しく説明してください.

• 放射線計測技術に必要な回路(40分講義,20分議論)放射線計測技術(河田 燕 東京大学出版会)の4章(20ページ)の内容を講義してください.「マルチチャンネル波高分析器(MCA)」については詳しく説明してください.

1.3.セミナー3日目(2012.05.07)• A7で作るシステムについて(40分講義,20分議論)以下の内容を重視しながらA7で作るシステムを説明してください.「微分回路・積分回路・プリアンプ(チャージセンシティブアンプ)」「X線のエネルギーと出てくる電荷量の関係」「どのような波形が出力されるのか?」

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2. RCの回路の実験 (2012.05.07)

・セミナー「 エレクトロニクスの一般論」に従って,RC微分回路または積分回路を作って,周波数特性と位相の変化を調べる.

・次回までに実験結果と,理論曲線と比較する.

3.メーカー品(GE製)の比例計数管を用いた実験 (2012.05.14)

メーカー品は1セットしかありません.そこで,2グループにわかれて実験をしてください.実験をしていないグループは先の課題を先行して行って下さい.

3.1.準備実験(2012.05.14)準備するもの.

• パルスジェネレータ• オシロスコープ• シェイピングアンプ• MCA

パルスジェネレーターを比例計数管+プリアンプに見立ててシェイピングアンプに入力し,MCAでデータを取る.パルサー出力とシェイピングアンプ出力はオシロスコープで同時に観測すること.

課題1パルスジェネレーター出力,シェイピングアンプ出力の波形を記録し,それぞれの波高とMCAのピークチャンネルの関係を調べよ.

課題2パルスジェネレーター出力の電圧をプラスマイナス逆にした場合,ゲインの変更,シェイピングタイムの変更の方法を理解せよ.

この実験を通じて,以下の実験装置の使い方を理解すること,• パルスジェネレーター

• 波形の選択方法• 周波数の変更方法• 出力電圧振幅の変更方法

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• DCオフセットの変更方法• オシロスコープ

• 横軸のスイープ時間レンジの変更方法

• 縦軸の電圧レンジの変更方法• ビーム位置の移動• トリガ方法(Auto、Normal)

• パルスジェネレータでDC オフセットを与え、カップリングの違いを理解する。(AC、DC)

3.2.本実験(2012.05.21)準備するもの.

• GE製の比例計数管• NIM 高圧電源• SEIKO EG&G のプリアンプ• SEIKO EG&G のNIM シェイピングアンプ• MCA• X線源:55Feと109Cd

注意X線源は事故(紛失,飲み込むなど)が起こると大変なことになります.十分取り扱いには注意すること.

課題1109Cdを照射し,プリアンプ出力,シェイピングアンプ出力の波形を記録せよ.MCAでスペクトルを取得せよ. 同様に55Feを照射し,同じことを行う.55Feと109Cdのどちらもセットアップの変更なしにMCAでスペクトルを得られるように調整せよ.

課題2109Cdと55Feのスペクトルの測定から,エネルギーとMCA出力ピークチャンネルの関係を求めよ.

課題3109Cdおよび55Feのスペクトルに対して,エネルギー分解能を求めよ.エネルギーに対するエネルギー分解能のグラフをプロットせよ.エネルギー分解能は,スペクトルの半値幅をピークチャンネルで割った物である.

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課題4109Cdを当てた状態で,高圧電源の電圧を変える.ピークチャンネルの高圧電源電圧に対するグラフをプロットせよ.

課題5プリアンプ出力のパルスの波形を観測し,比例計数管からの出力波形を検討せよ.つまり.テキストの図6.12になるかどうかを検討せよ.

4.比例計数管の自作(2012.05.21)

ELCASの資料を参考にして,比例計数管キットを組み立ててください.メーカー品の読み出し回路を繋いでデータを取得してください.2.2で示した課題を行ってください.

5.回路の作成と試験

「作るシステム」のうち,プリアンプ(チャージセンシティブアンプ)を作ってください.後段のシェイピングアンプはメーカー品を使ってください.それぞれの結果を最後に作成するレポートに含めること.作った回路は写真に撮ってレポートに入れてください.ここで示した各課題での説明は不十分です.行う前に,TA又は指導教員のアドバイスを聞いてください.

5.1. プリアンプ回路図と基板上の実装配線図課題1プリアンプ回路の回路図を描け.

• 「作るシステム」の回路図には本質的な部分しか書いていない.実際に動作させる上で必要な,オペアンプの電源端子,COM,パスコン,コネクタを忘れないこと.

• 普通の低電圧用素子で良い場所と,高電圧に耐えるコンデンサーや抵抗を使わなければならない場所がある.それがどれか記入すること.

課題2

基板上の実装配線図を描け.

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5.2.回路の作成課題1がんばって作ってください.• Appendix 1をざっと読んで,万能基板にハンダ付けするテクニックを理解する..• 「きれいに作る」を心がける.• ハンダ付けの練習を少し行ってから実際の回路を作ると良いだろう.

5.3.回路の試験

課題1プリアンプを試験せよ.• パルス発生器に抵抗を付けてプリアンプに入力する.パルス高とパルス幅で入力電荷量を調整する.

• 抵抗値,パルス高,パルス幅の値は比例計数管から出力される典型的な電荷量を模擬するように決める.

課題2回路システムを試験せよ.• パルス発生器に抵抗を付けてプリアンプに入力,メーカー品シェイピングアンプをMCA

に入力し,回路系を通して試験せよ.

• プリアンプには比例計数管から出力される典型的な電荷量を模擬する信号を入力する.

この実験を通じて,以下の実験装置の使い方を理解すること,

• デジボルとDC 電源• デジボルは何を測定できるか確認する• デジボルで抵抗を測定してみる• DC 電源で電圧出力させてみる• カレントリミットの使い方• DC 電源のCOM、GND などの端子の意味を理解する• デジボルで電圧を測定してみる

• 入力インピーダンスと出力インピーダンス• 同軸ケーブルの先端に抵抗を付け、パルスジェネレータの出力インピーダンスを理解する

• オシロスコープの入力インピーダンスの切り替えの方法• プローブ

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• プローブの使いかた• プローブのインピーダンスとゲイン

6.既製品比例係数管と自作回路を用いての実験

既製品比例計数管に自作回路を繋いで、55Fe、109Cd を照射し、スペクトルを得る。

課題1

既製品比例計数管に自作プリアンプ回路およびメーカー品シェイピングアンプ,MCAを取り付ける。高圧電源を50V程度まで出力させ、所定の電圧が出ていることをデジボルで測定する。ここの作業は怖いので、できるだけ指導教員と行うこと。

課題2

上記が確認できたら、55Fe や109Cd を利用しX線を入射、実際にデータを取得する。安全対策を十分に行うため、TA と一緒に(可能なら指導教員も) 行うこと。

課題3

55Fe と109Cd のどちらもセットアップの変更なしにMCAでスペクトルを得られるように調整せよ。

課題4

109Cd および55Fe のスペクトルに対して、エネルギー分解能を求めよ。エネルギーに対するエネルギー分解能のグラフをプロットせよ。

7.自作比例計数管と自作回路を用いての実験

8.レポートの作成

レポートは電子的に作成すること.latexでも良いし,ワードでもかまわない.グラフもgnuplot, qdp, エクセルなど,何でもかまわない.

9.予備知識

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9.1.X線源55FeはMnのKαおよびKβ輝線を放射する.109CdはAgのKαおよびKβ輝線を放射する.それぞれのエネルギーはWebサイトなどで調べること.

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