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2017・10 AFCフォーラム 15 調調調調調調調調調飼料用米の 認知度高まらず 畜産物や加工品購入は 「味」などがカギ 畜産農家では輸入飼料に代えて国内産の飼料用米 を使う動きが広がりつつあります。今回調査で飼料用 米に対する認知度やそれを使った畜産物や加工品を 購入する際のポイントが浮かび上がりました。 日本政策金融公庫 農林水産事業 Report on research 情報戦略レポート 便便便便2017年度上半期 消費者動向調査

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2017・10 AFCフォーラム 15

飼料用米の動向

 飼料用米の認知度

 

米の生産調整に対する国の直接

関与が二〇一八年度より廃止とな

ること、また、食料自給率の向上に

国産飼料の確保が課題となってい

ることから飼料用米が政策推進さ

れています。

 

消費者は飼料用米で育てられた

畜産物などについてどのように評

価を行っているのでしょうか。

 

まず家畜に飼料用米をエサとし

て与える取り組みについて知って

いるかを聞いたところ、「知ってい

る」が二七・七%と前回調査(二〇一

五年七月)より三・二ポイント低下

し、これまでの三回調査のうち認知

度は最も低くなりました(図1)。

 

また、飼料用米で育てた畜産物

やその加工品の購入(外食を含む)

経験を聞いたところ、「購入したこ

とがある」は一二・四%と前回調査

よりもわずかに上昇しているもの

の、依然として一割程度にとどまっ

ています(図2)。

 

飼料用米で育てた畜産物やその

加工品の今後の購入意向を聞いた

ところ、「積極的に購入したい」は

七・三%、「おいしければ購入した

い」は一七・四%と上昇する一方で、

「近くで売っていれば購入したい」

は一九・七%、「価格次第では購入し

たい」は三七・二%と前回調査より

低下しました(図3)。

 

積極的な購入意向は前回調査よ

り上昇しているものの、依然として

一割を満たしていないことから、畜

産物やその加工品の購入は「価格」

「場所」「味」次第であるという見方

ができると思われます。

 割高でも購入五割

 

従来品と比べ、どのくらいの価格

レベルまでなら飼料用米で育てた

畜産物やその加工品を選ぶか、いわ

ゆる価格許容度を聞いたところ、

「割高でも購入したい」は五一・五%

と調査開始以来最大となりました

(図4)。

 

実際に購入した理由は何でしょ

うか。「国産で安心できる」が五九・

五%、「味が良さそう」が四七・八%

と上昇しました(図5)。一方で、「取

り組みを支援したい」が一七・〇%

と八・三ポイント低下し、調査開始

以来最少となりました。

 

これは新たな取り組みを支援す

るというよりも、飼料用米で育てた

畜産物の「安心」「味」に注目している

という見方ができると思われます。

 

次に、飼料用米を与える取り組

みにより、どのような効果が期待で

きると感じるかを聞いたところ、

「農地の維持」が二二・八%で前回調

査より二・一ポイント低下したもの

の、最多回答となり、次いで「食料自

飼料用米の認知度高まらず

畜産物や加工品購入は「味」などがカギ

畜産農家では輸入飼料に代えて国内産の飼料用米を使う動きが広がりつつあります。今回調査で飼料用米に対する認知度やそれを使った畜産物や加工品を購入する際のポイントが浮かび上がりました。

日本 政 策 金 融 公 庫 ◦ 農 林 水 産 事 業

Report on research

情報戦略レポート

給率の向上」一八・三%、「安全に感

じる」一八・〇%、「農家の所得向上」

一六・八%の順となりました(図6)。

 

これらのことから、飼料用米で育

てた畜産物やその加工品の購入を

促進するためには、販売価格の妥当

性の検討、消費者の目に留まる機会

を増やすこと、味のPRを行うとと

もに、農地の維持や食料自給率の向

上といった食料安全保障に貢献し

ているということを消費者に訴え

ることが重要であると思われます。

食に関する志向

 簡便化志向が伸長

 

消費者の現在の食の志向では、

「健康志向」が一四期連続で最多の

四四・六%となりました。次いで「経

済性志向」三二・八%、「簡便化志向」

三一・四%と続いており、「健康」「経

済性」「簡便化」が引き続き三大志

向となっています(図7)。

 「健康志向」が二期連続で上昇し

た一方で、「経済性志向」は四期連続

で低下し、「健康志向」と「経済性志

向」のポイントの差は五期ぶりに一

〇ポイント以上となりました。ま

た、「簡便化志向」は三〇歳代を除い

た全ての年代で上昇し、三一・四%

となったため、「経済性志向」とのポ

イントの差は一・四ポイントとなり、

―2017年度上半期 消費者動向調査―

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16 AFCフォーラム 2017・10

Report on research

図1 家畜の飼料に国産の米を与える取り組みについて

図5 飼料用米で育てた畜産物やその加工品を購入(外食を含む)した理由(複数回答)

図4 飼料用米で育てた畜産物やその加工品の従来品に対す    る価格許容度

図3 飼料用米で育てた畜産物やその加工品の今後の購入意向

図2 飼料用米で育てた畜産物やその加工品を購入(外食を含    む)したことがあるか

積極的に購入したい3割高超 3割高 1割高

従来品未満

購入したことがない知らなかった

2割高

購入したことがある知っている

同等 どちらでもない購入したくない試しに購入したいおいしければ購入したい価格次第では購入したい

近くで売っていれば購入したい

00

0 0

1010

10 10

2020

(%)

味が良さそう 健康に良さそう 国産で安心できる お店で勧められた 従来品と食べ比べてみたい

取り組みを支援したい その他

70

60

50

40

30

20

10

0

20 20

3030

30 30

4040

40 40

5050

50 50

6060

60 60

7070

70 70

8080

80 80

9090

90 90

100100

100 100

(%)(%)

(%) (%)

2015/72015/7

2015/7 2015/7

2017/72017/7

2017/7 2017/7

87.4%購入したい11.66.8 42.7 14.020.0

3.9

1.3

85.9%購入したい

48.7%割高でも購入したい

51.5%割高でも購入したい12.07.38.8 37.2

12.4

15.1 29.6

31.0 44.8

39.8 17.419.74.3

1.7

2.6

3.6

4.2 2.2

6.5

12.4 87.7

11.1 30.9

27.7 72.3

89.0 69.1

43.4

47.8

43.441.3

48.9

59.5

10.4 10.5

22.2

17.8

25.3

17.0

5.92.8

2015/7 2017/7

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2017・10 AFCフォーラム 17

調査開始以来最少となったことが

今回の調査結果の特徴です。

 

食料品を購入するとき、あるいは

外食するときに、国産かどうかを

気に掛けるか聞いたところ、食料品

の購入時に「気に掛ける」は七九・

二%と前回調査(二〇一七年一月)

より一・二ポイント低下しました。

 

外食時に「気に掛ける」は三期連

続低下し、前回調査よりも二・三ポ

イントマイナスの三一・六%となり

ました。「気に掛けない」は三期連続

増加し、前回調査よりも一・四ポイ

ントプラスの五九・三%となり、外

食時に国産食品にこだわらない人

が増えていることがうかがえます。

 輸入食品のイメージ

 

国産原料の食品と輸入食品に対

するイメージを聞きました。国産食

品は「価格が高い」「安全である」「お

いしい」が上昇しました(図8)。ま

た、輸入食品では「価格が安い」「お

いしい」が上昇しました。また、「安

全面」については、「どちらともいえ

ない」が上昇する結果となりました。

 

輸入食品と比べ、どのくらいの価

格レベルまでなら国産食品を選ぶ

か、いわゆる価格許容度を聞いたと

ころ「割高でも国産品を選ぶ」は六

三・九%と前回調査より若干低下し

たものの、依然として高い割合とな

図6 家畜の飼料に国産の米を利用する取り組みにより、どの    ような効果が期待できると感じるか 

図7 現在の食の志向の推移/2つまで回答

00 1020 510 1530 2040 2550 3060(%)(%)

農地の維持健康志向

経済性志向

簡便化志向

安全志向

手作り志向

国産志向

美食志向

農村景観の維持

農家の所得向上

安全に感じる

おいしくなる

食料自給率の向上

高価になる

もったいない

効果がない

24.941.041.741.6

44.144.6

38.436.4

35.335.2

27.9

32.8

31.231.6

30.231.4

21.120.119.7

21.920.7

23.621.822.822.722.1

19.018.018.3

17.318.8

9.810.9

10.010.110.0

22.8

4.62.0

11.616.8

23.118.0

3.96.9

9.618.3

3.45.7

6.56.0

12.72.8

2015/72016/12016/72017/12017/7(今回)

2015/72017/7

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18 AFCフォーラム 2017・10

Report on research

りました(図9)。

 

また、「三割高を超える価格でも

国産品を選ぶ」が二○・三%と二割

を超える水準となっています。これ

はその他の結果も踏まえると、消費

者は国産食品に対して、安全でおい

しいといったイメージを持ってお

り、輸入食品と比べて割高になって

も、国産食品を選ぶ傾向が続いてい

ることがうかがえます。

 

今回の調査から、消費者のイメー

ジでは引き続き国産を支持する傾

向があるものの、輸入食品のイメー

ジも改善傾向が見られました。イ

メージの良い「国産」をさらに確固

たるものにするために今後対策が

求められそうです。

(情報企画部 

五十嵐

拓)

今回ご紹介した内容を含む本調査

結果に関する公表資料は、当公庫

ホームページに掲載しております。

(https://ww

w.jfc.go.jp/n/findings

/investigate.html#sec04

)  

︻調査概要︼

調査対象

 

全国の二〇~七〇歳代の男女二〇

〇〇人(男女各一〇〇〇人)

実施時期

 

二〇一七年七月

調査方法

 

インターネットによるアンケート

[注]図については、四捨五入の関係上、合

計が一致しない場合があります。

図8 国産原料の食品/輸入食品に対するイメージ

図9 国産食品の輸入食品に対する価格許容度

(%)

(%)

(%)

(%)

(%)

(%)

(%)

(1)価格国産食品 輸入食品

安い 安いどちらともいえない どちらともいえない高い 高い

(2)安全面安全である 安全であるどちらともいえない どちらともいえない安全面に問題がある 安全面に問題がある

(3)おいしさおいしい おいしいどちらともいえない どちらともいえないおいしくない おいしくない

0 20 40 60 80 100

2016/7

2017/1

2017/7

0 20 40 60 80 100

2016/7

2017/1

2017/7

0

10 200

20

30

40

40 50

60

60

80

80 9070

100

100

2016/7

2017/1

2016/7

2017/1

2017/7

2017/7

0 20 40 60 80 100

2016/7

2017/1

2017/7

0 20 40 60 80 100

2016/7

2017/1

2017/7

0 20 40 60 80 100

2016/7

2017/1

2017/7

3.727.1

3.026.2 70.9

69.23.1

65.5 31.5

3.166.6 30.3

67.1 29.83.2

69.9 27.52.7

70.3 25.93.9

3.325.7

45.3

71.1

2.552.3

45.02.5

1.6

52.6

53.8 44.770.8

63.2

26.0

35.6

3.3

1.362.7 35.4

34.32.0

2.3

4.878.3 16.9

4.9

5.0

78.5

79.2

16.7

15.9

3割高を超える価格でも国産品を選ぶ 3割高までなら国産品を選ぶ国産品へのこだわりはない

1割高までなら国産品を選ぶ2割高までなら国産品を選ぶ同等の価格なら国産品を選ぶ

63.5

19.0 8.4

9.3

8.5

16.5

18.6 17.8

17.2 17.9

17.6 25.8

24.8

24.0

12.8

11.3

12.2

18.3

20.3

61.4%割高でも国産を選ぶ

64.0%割高でも国産を選ぶ

63.9%割高でも国産を選ぶ