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GIFU CITY
令和元年11月
岐 阜 市
GIFU CITY
RPA導入実証実験結果報告書
目 次
1.1. 背景 ‥…………………………………………………………………… 1
1.2. 目的 …‥……………………………………………………………‥… 1
1.3. 実施手順 ‥…………………………………………………………‥… 2
1.4. 実施スケジュール ……………………………………………………‥… 2
1.5. 実施体制 …………‥………………………………………………‥… 3
1.6. 検証に使用したツールについて ……………………………………‥… 3
2.1. 検証対象業務の選定 ……………………………………………‥… 4
2.2 検証対象業務 ……………………………………………………‥… 5
2.3. 重点検証業務の検証 …………………………………………………‥ 5
2.3.1. 解体済車両の調査の検証 ……………………………………‥ 6
2.3.2. 軽自動車税廃車申告書入力の検証 …………………………‥ 8
2.3.3. 年金再裁定資料の登録の検証 ………………………………‥ 10
2.3.4. 勤務先情報入力の検証 ………………………………………‥ 12
2.3.5. 口座振替依頼書による口座情報登録の検証 ………………‥ 14
1 目的と概要
2 検証対象業務
3.1. 定量効果 ………………………………………………………………‥ 16
3.2. 定性効果 ………………………………………………………………‥ 17
3.3. RPAシナリオ難易度等の比較 ………………………………………‥ 18
3.4. AI-OCR等の成果と分析 ……………………………………………‥ 18
4.1. 本格導入に向けた展開 ………………………………………………‥ 20
4.2 今後の課題と対応策 …………………………………………………‥ 21
4.3 実証実験に関わった職員の主な意見 ………………………………‥ 21
3 検証結果と分析
4 本格導入に向けた考察
GIFU CITY
1 目的と概要
縮減した業務時間をより質の高い住民サービスへ働き方
改革人的ミスの防止
業務効率化
1.1. 背 景
我が国においては、急速な少子高齢化の進展に伴い、
生産人口の減少が見込まれており、本市においても
2040年には、生産年齢人口の割合が52%まで減少し続
け、働き手の確保がより厳しくなると見込まれている。
このような人口減少社会において、ICTを活用し業務の
自動化を進め、職員は市民への更なるサービスの向上
や喫緊の課題対応に注力できる「スマート自治体」へ
と転換する必要がある。
1.2. 目 的
2040年
生産年齢人口減少による労働力不足
2015年
Society5.0における技術発展の加速化
(出典)「日本の将来推計人口(平成29年推計)」国立社会保障・人口問題研究所「地方自治体における業務プロセス・システムの標準化及びAI・ロボティクスの活用に関する研究会(第3回)」総務省
定型的な業務の多い、「市税賦課徴収事務」において、RPA(Robotic Process Automation)及び
AI-OCR等の導入実証実験を行い、業務分析や見直し、 RPA活用の効果や課題を検証・整理して、本格導
入に向けたRPAモデルを検討することを目的とする。
1
実施計画策定 目的、内容、体制、スケジュールの明確化
契 約
環境構築・研修
対象業務選定
構 築
検 証
報 告 書 作 成
研修の実施、ソフト・ハードウェアの整備、コミュニケーション体制の構築
仕様書等作成、指名競争入札、契約
業務分析・ヒアリングの実施、RPAモデルを検討
RPAシナリオの作成、AI-OCR等の読取設定
対象業務の実測や工数について、現行とRPAモデルを比較し効果を算出
実証実験の成果、課題、提言、今後の展開について報告書を作成し、報告会を実施
1.3. 実施手順
本実証実験の具体的な実施手順を以下に示す。
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月
実施計画策定
契 約
環境構築・研修
対象業務選定
構 築
検 証
報告書作成
1.4. 実施スケジュール
本実証実験の実施スケジュールを以下に示す。
2
1.5. 実施体制
体 制 役 割
事務局 税制課
・実施計画策定・契約事務・実証実験に関する調整・集約・環境構築
実施主体
税制課市民税課資産税課納税課
・業務選定・業務分析・業務フロー作成・RPAシナリオ作成・AI-OCR等の読取設定・実測
協力部署等
情報政策課 ・環境構築支援
財政部若手職員プロジェクトチーム
・政策提言
受託会社 日本電気株式会社 岐阜支店
・業務選定・研修の実施・環境構築・技術支援・報告書作成
本実証実験の実施体制を以下に示す。
1.6. 検証に使用したツールについて
RPA(Robotic Process Automation)
ソフトウェア名NEC Software Robot Solution
デスクワーク(主に定型作業)を、PCにインストールしたソフトウェア型のロボットが代行・自動化
AI-OCR
OCR
本実証実験においては、RPAだけでなく、AI-OCR等を併せて活用し、手書きや活字帳票の情報入力の自
動化についても検証した。使用したソフトウェアは以下に示す。
文字のイメージファイルを読み込み、テキストデータに変換。AIの学習機能により、手書き文字も含め、高い読み取り精度が期待できる。
ソフトウェア名AI手書き文字認識サービス
ソフトウェア名FormOCR
従来型のOCR。文字のイメージファイルを読み込み、テキストデータに変換。
(費用対効果を測るため、AI-OCRと比較検証)
3
GIFU CITY
2 検証対象業務
2.1. 検証対象業務の選定
業務分析表の作成業務フローの洗い出し・見直し
業務量、内容、頻度等をヒアリング
定型業務のうち31業務を選定
重点検証対象とする5業務ほか全12業務を選定
詳細な業務フロー図を作成シナリオ作成と並行し、随時業務フロー見直し
対象業務の選定にあたっては、事務フローを全ての工程に分けた上で業務分析を行い、必要に応じて業
務の見直しを行った。また、以下に示す選定基準に基づき、より高い効果が見込まれる業務を「重点検証
業務」として5業務選定し、他7業務についても効果が見込まれることから、合計12業務を選定し実証実
験を行った。
【選定手順】
RPAモデルの検討
業務分析
第1次選定
ヒアリング
第2次選定
【選定基準】
作業量の多さ
定型業務事務フローがシンプル 汎用性の
高さ 統一様式(AI-OCR等)
4
№ 業務 事務 事務概要 ソフトウェア
6
個人市民税
情報連携による所得照会 情報照会対象者(住登外の被扶養者)一覧をもとに、情報連携システムに対して情報照会内容を登録する。
RPA
7未申告調査対象者フラグ設定
未申告調査候補者リストをもとに、業務システムにて未申告調査対象者に対する課税台帳の作成及びメモの登録を行う。
RPAFormOCR
8配偶者特別控除対象者に係る配偶者所得更新
扶養者の配偶者所得が、被扶養者の合計所得金額よりも小さい場合、扶養者の配偶者所得を被扶養者の合計所得金額に変更する。
RPA
9連携用異動チェックリストの出力
税情報の連携対象者リストをもとに、異動チェックリストを出力する。 RPA
10
固定資産税
評価異動のない資産におけるフラグ抹消
土地調査票兼確認票(紙)の中から評価異動が不要となるものを仕分け、それらをもとに、業務システムに登録されている不要なフラグを抹消する。
RPA
11代表相続人指定(変更)届出書の入力
納税義務者から提出された代表相続人指定(変更)届出書(紙)をもとに、業務システムへ代表相続人の新規・変更登録を実施する。
RPAAI‐OCR
12 収滞納管理 担当者変更フラグ入力 現年課税担当と滞納繰越担当とを区別するフラグを業務システムに入力する。 RPA
2.その他検証業務(RPAを導入することに、効果が得られると想定される業務)
№ 業 務 事 務 事務概要 ソフトウェア
1
軽自動車税
解体済車両の調査 既に解体されているが、申告のない軽自動車について、公的な自動車リサイクルシステム(インターネット)にて、該当車両を照会し、結果をもとに適切な賦課を行う。
RPA
2軽自動車税廃車申告書の入力
軽自動車検査協会より届く申告書(紙)等をもとに、業務システムにて廃車登録を実施する。
RPA
3 個人市民税年金再裁定資料の登録 年金機構から提出される年金再裁定資料(紙)をもとに、業務システムにて、
課税資料情報(収入金額など)を登録・修正する。RPA
FormOCR
4 収滞納管理勤務先情報入力 総合行政システムに登録されている勤務先情報を、滞納管理システムに転記す
る。RPA
5 収滞納管理口座振替依頼書の入力 納税義務者から提出された口座振替依頼書(紙)をもとに、業務システムにて
振替口座情報の新規・変更・廃止登録を実施する。RPA
AI‐OCR
1.重点検証業務(RPAを導入することで、より高い効果が得られると想定される業務)
2.2. 検証対象業務
GIFU CITY
2.3 重点検証業務の検証
5
2.3.1. 解体済車両の調査の検証
1.RPA導入前 業務フロー及び処理時間
軽自動車税 解体済車両の調査(重点検証業務①)のRPA導入前後の業務フロー、計測結果等を以下に示す。
車両台帳の抽出と加工
軽自動車税システムから、現存の車両を抽出し、
情報を確認したい車両を絞り込み、車両台帳を作成する。
②③④を
車両分
くりかえす
車両の検索
①で作成した車両台帳をもとに、リサイクルシステムに
て車両の解体状況を検索する。
解体済みの判断
②の検索結果をもとに、
解体済みかどうかを判断する。
解体情報の記録
解体済みの車両の場合、解体情報を印刷し、
その結果をExcelに記録する。
業務プロセス年間処理件数(回数)
年間処理時間
車両台帳の抽出と加工 1回 20分
車両の検索
15,000件
30,000分
解体済みの判断 1,500分
解体情報の記録 7,502分
合計39,022分
(約651時間)
導入前業務フロー 導入前処理時間
1
2
3
4
1
2
3
4
車両台帳の抽出と加工
RPA導入前 RPA導入後
車両の検索
解体済みの
判断
車両の検索
解体済みの
判断
CSV
解体情報の
記録解体情報の
記録
2. RPA導入前後の業務フローの比較
1
2 2
3
4
3
4
6
3.計測結果
RPA導入前後の計測結果
業務プロセス導入前 導入後
職員作業時間 職員作業時間 機械稼動時間
車両台帳の抽出と加工 20分 20分 -
車両の検索30,000分 - 5,250分
解体済みの判断1,500分 - 1,500分
解体情報の記録7,502分 - 1,501分
合 計
39,022分
(約651時間)
20分
(約1時間)
8,251分
(約138時間)
1
2
3
4
■強靭化で分離されたネットワーク間である仮想デスクトップを利用したインターネット環境でのRPAの稼働が可能であることを実証。
■職員は検索用データ作成のみで、その他の作業(検索・印刷・excelへの記録)の全てを自動化することができた。■RPA導入により、導入前より多くの調査が可能となり、適正な賦課を実現することができる。
年間削減時間
導入前 :39,022分(年間)÷ 60分 ≒ 651時間
導入後 : 20分(年間)÷ 60分 ≒ 1時間
削減時間 651時間(導入前)- 1時間(導入後)= 650時間/年
時間
導入前 導入後
職員(651)
600
400
200
機械(138)
650時間削減
職員(1)
4.年間削減時間
削減率 99.9%
7
2.3.2.軽自動車税廃車申告書入力の検証
1.RPA導入前 業務フロー及び処理時間
軽自動車税 軽自動車税廃車申告書入力(重点検証業務②)のRPA導入前後の業務フロー、計測結果等
を以下に示す。
②を車両分
くりかえす
廃車処理
①でチェックした申
告書をもとに、業務
システムにて対象と
なる車両を検索し、
廃車処理を実施。
現存車両とのマッチング
③のデータを業務システムに県外廃車データと
して取り込み、業務システムに登録されている
現存車両とマッチング。
申告書のチェック
軽自動車検査協会から届く申告書(紙)を標識番号順に並び替え
記入漏れがないかをチェックし、必要に応じて補記する。
導入前業務フロー 導入前処理時間
県外廃車処理
④で抽出された車両の中で、廃車すべき車両に対して廃車処理を実施。
廃車データのダウンロード
業務プロセス年間処理件数(回数)
年間処理時間
申告書のチェック 13,500件 6,750分
廃車処理 13,500件 13,500分
廃車データのダウンロード 15回 75分
現存車両とのマッチング 15回 78分
県外廃車処理 1,500件 2,900分
合計23,303分
(約389時間)
1
2
3
4
5
1
2 3
4
5
軽自動車検査情報システムから廃車
データをダウンロードする。
※県外で廃車された車両は、申告書(紙)が届かないケースがあるため廃車データを利用して、県外廃車処理を実施。
⑤を車両分
くりかえす
RPA導入前
廃車データ
の編集
CSV
申告書の
チェック
廃車データの
ダウンロード
現存車両
とのマッチング
廃車処理
県外廃車処理
RPA導入後
廃車データの
ダウンロード
廃車処理
県外廃車処理
未処理分の
の特定、入力
CSV
申告書(廃車分)
の抜き取り
CSV
紙
申告書の
チェック
2. RPA導入前後の業務フローの比較
3
b
2
5
c
a
1
4
3
1
2
5
8
業務プロセス導入前 導入後
職員作業時間 職員作業時間 機械稼動時間
申告書のチェック 6,750分 7,500分 -
申告書(廃車分)の抜き取り - 2,500分
廃車データのダウンロード 75分 40分 -
入力用データの編集 - 160分 -
現存車両とのマッチング 78分 - -
廃車処理
県外廃車処理 16,400分 - 12,500分
未処理分の特定、入力 - 1,000分 -
合 計23,303分
(約389時間)
11,200分
(約187時間)
12,500分
(約209時間)
3.計測結果
■業務の見直しにより、導入前は別々で行っていた2つの工程を1つにまとめて実施することができた。
■導入後は新たな作業(申告書の抜き取り等)が発生したが、全体では職員の作業時間を削減した。
3
b
2
5
c
a
1
4
RPA導入前後の計測結果
時間
導入前 導入後
職員(389)
450
300
150
機械(209)
202時間削減
年間削減時間
導入前 :23,303分(年間)÷ 60分 ≒ 389時間
導入後 :11,200分(年間)÷ 60分 ≒ 187時間
削減時間 389時間(導入前)- 187時間(導入後)= 202時間/年 削減
職員(187)
4.年間削減時間
削減率 52.0%
9
2.3.3. 年金再裁定資料の登録の検証
1.RPA導入前 業務フロー及び処理時間
個人市民税 年金再裁定資料の登録(重点検証業務③)のRPA、OCR導入前後の業務フロー、計測結果等を以下に示す。
②③④を
対象者分
くりかえす
導入前業務フロー 導入前処理時間
課税用資料の作成
再裁定リスト(B4サイズ。1枚につき4件掲載)をコピー。
コピーを1件毎に裁断し、それぞれをA4サイズにコピー。
対象者の検索
②で処理対象としたものに対して、
業務システムにて対象者を検索する。
処理対象の判断
①で作成した課税用資料の中で、3年内もしくは5年内で
税額又は課税標準額が減少するものを処理対象とする。
資料登録
③で検索された対象者に対して
業務システムにて資料を登録する。
業務プロセス年間処理件数(回数)
年間処理時間
課税用資料の作成 10回 4,500分
処理対象の判断
4,000件
400分
対象者の検索 1,667分
資料登録 2,700件 2,250分
合計8,817分
(約147時間)
1
2
3
4
1
2
3
4
RPA導入後RPA導入前
対象者の
検索
3
資料登録4
処理対象の
判断
2
対象者の
検索
3
資料登録4
スキャナ装置での
イメージファイル化
a
OCRソフトウェア
でのデータ化
b
jpg
入力用データ
の編集
c
CSV
課税用資料の
作成
1
処理対象の
判断
課税用資料の
作成
1
2
未処理分の
の特定、入力
d
Excel
資料登録
対象者の
検索
3年超3年内
2.RPA導入前後の業務フローの比較
10
業務プロセス導入前 導入後
職員作業時間 職員作業時間 機械稼動時間
スキャナ装置でのイメージファイル化
- 145分 -
課税用資料の作成 4,500分 - 750分
OCRソフトウェアでのデータ化 - 10分 40分
入力用データの編集 - - 27分
処理対象の判断 400分 200分 -
対象者の検索
資料登録3,917分 520分 3,240分
未処理分の特定、入力 - 810分 -
合 計8,817分
(約147時間)
1,685分
(約29時間)
4,057分
(約68時間)
2
3
4
a
1
b
c
d
3.計測結果
■業務の見直しを行い、OCRのために読取った画像を活用することで、従来は紙帳票を裁断処理していた工程を削減することができた。
■OCRの読取方法を工夫(1文字ずつの読取)することによって、読取精度が向上し、削減率に繋がった。
RPA導入前後の計測結果
時間
導入前 導入後
職員(147)
150
100
50
機械(68)
118時間削減
年間削減時間
導入前 :8,817分(年間)÷ 60分 ≒ 147時間
導入後 :1,685分(年間)÷ 60分 ≒ 29時間
削減時間 147時間(導入前)- 29時間(導入後)= 118時間/年 削減
職員(29)
4.年間削減時間
削減率80.3%
11
2.3.4.勤務先情報入力の検証
1.RPA導入前 業務フロー及び処理時間
収滞納管理 勤務先情報入力(重点検証業務④)のRPA導入前後の業務フロー、計測結果等を以下に示す。
導入前業務フロー 導入前処理時間
勤務先情報の確認
市県民税システムにて、個人を検索し、その個
人の勤務先となる事業所の指定番号を取得する。
勤務先情報入力
②にて検索した結果、事業所が存在する場合に
は、滞納管理システムに個人の勤務先情報(名
称・住所等)を市県民税システムから転記する。
勤務先情報の検索
①で取得した指定番号をもとに、市県民税シス
テムにて勤務先となる事業所を検索する。
①②③を
対象者分
くりかえす
業務プロセス年間処理件数(回数)
年間処理時間
勤務先情報の確認
15,000件
5,000分
勤務先情報の検索
17,500分
勤務先情報の入力
合計22,500分
(約375時間)
1
2
3
1
2
3
RPA導入前 RPA導入後
勤務先情報の
確認1
勤務先情報の
検索2
勤務先情報の
確認1
勤務先情報の
検索2
勤務先情報の
入力3勤務先情報の
入力3
入力データ
の作成a
CSV
入力データ
の編集b
CSV
CSV
2.RPA導入前後の業務フローの比較
12
業務プロセス導入前 導入後
職員作業時間 職員作業時間 機械稼動時間
入力データの作成 - 10分 -
勤務先情報の確認 5,000分- 2,500分
勤務先情報の検索 10,000分- 7,400分
入力データの編集 - - 5分
勤務先情報の入力 7,500分 - 7,500分
合 計22,500分
(約375時間)
10分
(約1時間)
17,405分
(約290時間)
3.計測結果
■導入後、職員は入力データを作成するだけの作業となったため、大幅に作業時間を削減すること
ができた。
■複数のシステムを介したデータ登録処理をRPAで自動化できることをした。
1
2
3
a
b
RPA導入前後の計測結果
導入前 :22,500分(年間)÷ 60分 ≒ 375時間
導入後 : 10分(年間)÷ 60分 ≒ 1時間
削減時間 375時間(導入前)- 1時間(導入後)= 374時間/年 削減
年間削減時間
時間
導入前 導入後
職員(375)
450
300
150機械
(290)
374時間削減
職員(1)
4.年間削減時間
削減率99.8%
13
2.3.5.口座振替依頼書による口座情報登録の検証
1.RPA導入前 業務フロー及び処理時間
収滞納管理 口座振替依頼書による口座情報登録(重点検証業務⑤)のRPA・AI-OCR導入前後の業務フロー、計測結果等を以下に示す
導入前業務フロー 導入前処理時間
②を対象者分
くりかえす
依頼書の内容確認
口座振替依頼書(紙)の記載内容に不明瞭な点がな
いかを確認し、必要に応じて補記する。
口座情報の登録
①にて、記載内容に問題がなかった場合、
依頼書をもとに、口座システムに口座情報
を登録する。
業務プロセス年間処理件数(回数)
年間処理時間
口座振替依頼書の内容確認
10,000件 20,000分
口座情報の登録
合計20,000分
(約334時間)
1
2
1
2
RPA導入前 RPA導入後
口座情報の
登録
2
スキャナ装置での
イメージファイル化a
OCRソフトウェア
でのデータ化
b
jpg
入力用データ
の編集
c
CSV
依頼書の
内容確認
1
口座情報の
登録
2
CSV
未処理分の
の特定、入力
d
紙
2.RPA導入前後の業務フローの比較
14
業務プロセス導入前 導入後
職員作業時間 職員作業時間 機械稼動時間
スキャナ装置でのイメージファイル化 - 2,000分 -
OCRソフトウェアでのデータ化 - - 1,600分
入力用データの編集 - 5,000分 -
依頼書の内容確認
口座情報の登録20,000分 - 14,300分
未処理分の特定、入力 - 2,400分 -
合 計 20,000分
(約334時間)
9,400分
(約157時間)
15,900分
(約265時間)
3.計測結果
■ 口座振替依頼書は複写式の紙帳票であることや、様式の枠が狭い、手書き氏名がある等の理由に
より、AI-OCRの文字認識が難しいものがあり、データ補正に時間を要した。
■ スキャナ取込を行うことで、帳票の電子保存を検討するきっかけとなった。
■ 帳票様式の変更等、事務の見直しを行うことで作業時間は更に短縮できる見込み。
b
2
c
a
1
d
RPA導入前後の計測結果
時間
導入前 導入後
職員(334)
450
300
150
機械(265)
177時間削減
年間削減時間
導入前 :20,000分(年間)÷ 60分 ≒ 334時間
導入後 : 9,400分(年間)÷ 60分 ≒ 157時間
削減時間 334時間(導入前)- 157時間(導入後)= 177時間/年 削減
職員(157)
4.年間削減時間
削減率 53.0%
15
GIFU CITY
3 検証結果と分析
№ 業務区分 業 務 内 容 処理件数導入前処理時間
導入後処理時間
削減時間
削減率
① 重点検証業務
1軽自動車税
解体済車両の調査 15,000 651 1 650 99.9%
2 軽自動車税廃車申告書入力 15,000 389 187 202 52.0%
3 個人市民税 年金再裁定資料の登録 2,700 147 29 118 80.3%
4収滞納管理
勤務先情報入力 15,000 375 1 374 99.8%
5 口座振替依頼書による口座情報登録 10,000 334 157 177 53.0%
小 計 57,700 1,896 375 1,521 80.3%
② その他検証業務
6
個人市民税
情報連携による所得照会 4,000 134 1 133 99.3%
7 未申告調査対象者フラグ設定 1,800 166 129 37 22.3%
8配偶者特別控除対象者に係る配偶者所得更新
1,200 21 3 18 85.8%
9 連携用異動チェックリストの出力 1,500 19 3 16 84.3%
10固定資産税
評価異動のない資産におけるフラグ抹消 4,000 200 157 43 21.5%
11 代表相続指定(変更)届出書の入力 3,000 76 34 42 55.3%
12 収滞納管理 担当者変更フラグ入力 12,000 100 0 100 100.0%
小 計 27,500 716 327 389 54.4%
合 計 85,200 2,612 702 1,910 73.2%
3.1. 定量効果
実証実験を行った12業務の計測結果を以下に示す。
■ csvやexcelデータを利用する業務やRPAシナリオに分岐が少ないものに高い効果が表れた。■ OCR利用の場合は、読取後の補正等に時間を要し、削減効果に繋がらない場合がある。
16
3,000
時間
導入前 導入後
2,000
1,500
1,000
500
2,5001,910時間
削減
職員(2,612)
職員(702)
全12業務 合計削減時間
1.重点検証業務の年間削減時間
2.その他検証業務の年間削減時間
全12業務のRPA導入前と導入後の年間削減時間を比較した場合
全12業務の年間削減時間
1,896時間(導入前)- 375時間(導入後)= 1,521時間/年 削減
716時間(導入前)- 327時間(導入後)= 389時間/年 削減
2,612時間(導入前)- 702時間(導入後)= 1,910時間/年 削減
削減率 73.2%
3.2. 定性効果
実証実験の結果で得られた定性効果を以下に示す。
区分 効果の内容
業務改善マインドの向上 ・RPA化を検討するために、業務を可視化することで、フローの整理、課題の抽出をすることができる。
・OCR読取率の向上のために帳票様式を見直すことで合理化を図れる。・業務を可視化・標準化することで、人事異動の際にも適切な引継ぎを行うことができる。・業務システムに改修を行うことなく業務改善が実現できるため、予算外のコスト発生を抑えることができる。
・業務システムの再構築における改善のヒントを得る機会が得られる。
業務の正確性の向上 ・単純な繰り返し作業を続けても品質の低下や単純なミスが発生することがない。・職員のスキルやキャリアと関係なく正確性を保つことができる。
ペーパーレス化 ・AI‐OCR等で文字化するために読取った帳票画像を保存・管理することで、ペーパーレス化が図れる。
・データ出力・転記の自動化による帳票印刷と保管スペースの排除。
横展開の可能性 ・本実証実験で作成したRPAシナリオ(エクセルファイルやCSVファイルから業務システムへの転記等)を類似業務に流用することができ、今後の全庁展開にも繋がる。
導入に向けた指標化 ・業務や事務のボリュームに対して、RPAのシナリオ作成にどれぐらい時間を要するかの指標となる。
・帳票のデータ化については、従来型のOCRとAI-OCRの読取をそれぞれ実証したことにより、対象帳票に対して、コスト的な観点も含め、どちらのOCRソフトウェアが適しているかの指標となる。
その他 ・強靭化で分離されたネットワーク間でも、RPAが問題なく動作することを実証。(軽自動車税 解体済車両の調査では、RPAが仮想デスクトップを使用して、インターネット上で稼働している自動車リサイクルシステムを操作。)
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№ 業務 事務シナリオ難易度
シナリオ作成時間 シナリオコマンド数
備考
① 重点検証業務
1軽自動車税
解体済車両の調査 低 10.0 - 94
2 軽自動車税廃車申告書入力 中 15.0 - 115
3 個人市民税 年金再裁定資料の登録 高 25.0 6.0 435 FormOCR使用
4収滞納管理
勤務先情報入力 中 25.0 - 198
5 口座振替依頼書による口座情報登録 高 35.0 15.0 341 AI-OCR使用
小計 110.0 21.0 1,183
② その他検証業務
6
個人市民税
情報連携による所得照会 低 7.0 - 93
7 未申告調査対象者フラグ設定 低 2.5 - 113
8 配偶者特別控除対象者に係る配偶者所得更新 中 16.0 - 137
9 連携用異動チェックリストの出力 低 4.0 - 88
10
固定資産税
評価異動のない資産におけるフラグ抹消 低 10.0 1.0 82 FormOCR使用
11代表相続指定(変更)届出書の入力
高 15.0 3.0 439AI-OCR、FormOCR使用
12 収滞納管理 担当者変更フラグ入力 低 1.5 - 28
小計 56.0 4.0 980
総計 166.0 25.0 2,163
12業務のRPAシナリオ難易度等は以下の通り。
3.3. RPAシナリオ難易度等の比較
■「シナリオ難易度」は、シナリオコマンド数が多いものや分岐が複雑なものが「高」、安易なものが「低」。
■ 難易度が「高」であって作成時間が短いものは、既存のシナリオを転用することで作成時間の短縮となっている。
内OCR
(1)OCRの読取結果
№ 読取帳票読取文字数
正読文字数
正読率読取ソフトウェア
読取文字
1 年金再裁定リスト 1,500 1,498 99.9% FormOCR 活字
2 土地調査票兼確認票 255 255 100.0% FormOCR 活字
3 代表相続人指定届出書
776 767 98.9% AI-OCR
手書き(数字のみ)
776 760 98.0% FormOCR
4 代表相続人変更届出書
762 757 99.4% AI-OCR
手書き(数字のみ)
762 757 99.4% FormOCR
5 口座振替依頼書 2,497 2,315 92.8% AI-OCR 手書き
合計 7,328 7,109 97.1%
OCRソフトウェアの正読率
読取帳票(5帳票)のOCRソフトウェアの正読率は以下の通り。
7,109文字(正読文字数)÷ 7,328文字(読取文字数)=
■従来型のOCRであるFormOCRも、文字が活字や手書きの数字であれば正読率が高いことが実証された。
⇒活字や手書きの数字を読み取る場合は、 利用料金が安価であるFormOCRを使用し、費用対効果を図る。
■№5の口座振替依頼書の正読率が他と比較して低いのは、様式の文字枠が狭い上、氏名が手書きであるため、文字が正常に読み取
れていないことが多いといったことが原因。帳票様式をOCRに適した様式に見直すことにより、正読率は向上する可能性が高い。
正読率 97.1%
3.4. AI-OCR等の成果と分析
18
(2)帳票様式等の見直し
OCRの正読率を高めるため、帳票様式等の見直しを行うことがRPAによる更なる自動化へ繋がる。
桁数が想定できる項目については、1桁ずつ記入するための枠を設ける。
また、1桁ずつ罫線で区切る
変更前 変更後
変更前 変更後
OCRの読取範囲 OCRの
読取範囲 帳票の隅に位置合わせのための目印(”■”)を印字する
OCRの読取範囲外に、文字が記入されると別帳票と識別されたり、読取範囲がズレる可能性があるため、記入される位置の外側に目印(“■”)を設けてOCRの読取範囲を拡大する。
変更前 変更後
代表相続人指定(変更)届出書について、受付印に付与されている受付日を読み取るのではなく、受付印とは別に、受付日の
押印欄を設け、押印する。
口座振替依頼書の口座名義人や預・貯金種目について、枠が狭いので大きくする。
口座振替依頼書の預・貯金種目や納付区分について、選択式の項目はチェックボックスにするのが望ましい。もしくは、
「○」をなぞれるように点線を印字する。
(3)ペーパーレス化
紙媒体のペーパーレス化として、スキャナ装置でデータ化した帳票を保管・管理することが可能。
また、スキャナ装置で、データ化した帳票にRPAでナンバリングを行うことで、帳票を電子ファイリングすることが可能とな
るため、RPAを使った付加価値実現に繋がる。
変更前 変更後
1 普 通
預・貯金種目
2 当 座
3 納税組合
□ 普 通
預・貯金種目
□ 当 座
□ 納税組合
1 普 通
預・貯金種目
2 当 座
3 納税組合
20191030
変更前
変更後
受付印の傾きや押印位置により、印影の罫線部分も文字として読み取ってしまい、受付日が正しく読み取れない
OCRの読取位置
OCRの読取位置
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GIFU CITY
4 本格導入に向けた考察
4.1. 本格導入に向けた展開
導入準備期
(R1年度)
導入期
(R2年度)
発展期
(R3年度~)
・プロジェクトチーム設置・運用体制の構築・事業計画書の作成
・RPAの管理・統制・研修の実施・業務ヒアリング・対象業務の選定・費用対効果の算定・シナリオ作成、テスト、適用化・全庁へ情報発信
(以降毎年度実施)
最適なRPAモデルの策定
業務の効率化正確性の向上費用対効果
他部門への展開
・業務・帳票の標準化・他部門への展開・導入支援
今後のRPAの活用に向けたスケジュールを以下に示す。
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4.2. 今後の課題と対応策(案)
課 題 対 応 策
推進体制 RPA推進 ・RPA推進プロジェクトチームの設置。・事業計画書、運用マニュアルの作成・対象業務のヒアリング、シナリオ作成等実施。・各課へRPAを活用した業務改善の提案。
管理統制 知識・技術 ・RPAの知識や技術を一元化することで、レベルを維持・向上。・専門窓口を設け、RPAに関する専門的な知識や技術をもつ職員が、各課をサポートする体制を整備。
シナリオ管理 ・シナリオが複数乱立することや、シナリオ作成者しか判読できなくなる(ブラックボックス化)ことを防ぐため、一元的にシナリオを管理。
セキュリティ対策
・RPA使用業務の個人情報セキュリティの強化・危機管理体制の整備
職員の育成 担当職員 ・RPA担当職員に対する定期的な研修の実施・常時各課複数の職員を育成し、人事異動に影響されにくい体制の構築。・イントラ等活用し、プロジェクトチーム内で工夫や改善点を共有し、スキルを高める。
全職員 ・RPAの推進には、導入対象業務の深い知識が必要であるため、RPA担当だけでなく、全職員のICTに対する理解を進め、積極的に活用していくための意識を醸成する。
費用対効果 シナリオ作成帳票定義他の方法との比較
・事務フローが似た業務をグループ化し、プロセスや帳票様式を標準化することで、シナリオ作成や帳票定義に係る時間と費用を軽減。
・AI-OCRと比較して従来型のFormOCRは安価であるため、帳票様式ごとに検討し、より効果の高いツールを選択する。
・業務規模からシステム改修等の方が費用対効果が大きい場合もあるため、他の方法と比較しながら対象業務を選定する。
他業務への展開
導入支援 ・先行事例としての財政部の取組みを全庁に発信し、導入支援をする等、他部門への展開を推進する。
実証実験において明確化した課題に対し、本格導入に向け検討・準備するものとする。
良かった点 ・想定していたより汎用性が高く、理解していくにつれて使いたい業務が増えた。
・処理を自動化するのは想像より難しくはなく、簡単にできる。
・単純作業が無くなれば、より考える業務に時間が割けそうだと思った。
・ワーキンググループ内で様々な形で情報共有することができたので、安心して進めることができた。
・シナリオ作成に、業者の支援があったため相談ができ良かったと思う。
・適切に運用できれば、単純業務はかなり効率的になると感じた。
・中間報告会では、担当者の工夫した点や苦労した点を共有することができたので有意義であった。
苦労した点 ・少しのズレやミスで動かなくなったり、誤って別の対象を操作してしまうため、完璧なものを作るま
でに時間がかかる。
・システム画面が改修等で変更になったとき、シナリオ修正に時間を要する可能性がある。
・分岐の多い業務は、シナリオ作成が複雑で難しかった。
・AI-OCRで読み取る際の帳票定義が難しい場合があった。(文字が小さい、色が薄い、枠に収まって
いない等)
4.3. 実証実験に関わった職員の主な意見
・シナリオ作成の難度が高く、作成に時間がかかるのではないか。
・どの程度の安定運用ができるのか不明。
・セキュリティは確保されているのか。
・使える場面が限定的で、あまり効果がなさそう。
実証実験前の主な意見
実証実験後の主な意見
12業務をRPA化
シナリオ作成やOCRの帳票定義が難しい場合があったことなど、苦労した点もあったが、多くの職員は、想
定していたより汎用性が高く、適切に運用できれば、定型業務はかなり効率化できるとの意見であった。
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