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AGRI Lab Report 09 農都共生ラボ活動報告書 グローバル社会で活躍できるリーダーを育成  それがSDM研究科の使命 第2回アグリゼミ北海道視察 2泊3日で農業体験に挑戦 アグリゼミ学生レポート SDM研究所設立のご報告/SDM NEWS AGRI Lab オススメBook&Web 慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科 農業を社会システムの一部として捉え、未来の姿を創造する。 SDMの「アグリゼミ」

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AGRILab Report

09農 都 共 生 ラ ボ 活 動 報 告 書

グローバル社会で活躍できるリーダーを育成 それがSDM研究科の使命

第2回アグリゼミ北海道視察

2泊3日で農業体験に挑戦

アグリゼミ学生レポートSDM研究所設立のご報告/SDM NEWSAGRI Lab オススメBook&Web

慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科

農業を社会システムの一部として捉え、未来の姿を創造する。

SDMの「アグリゼミ」

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 システムデザイン・マネジメント研

究科(SDM研究科)は、社会人や新

卒学生を対象にした、修士課程と博

士課程を持つ独立大学院だ。学生の

背景は、国家公務員、メーカー、ソフ

トウエア、マスコミ、金融界など極めて

多様である。教員も、幅広い分野をカ

バーし、システムの教育・研究を行なっ

ている。

複雑に絡み合う「要素」

 

私たちは、システムを多くの要素

(部品)が複雑に絡み合って一つの働き

をするものの総称ととらえている。シ

ステムにかかわる人や物には、顧客、

利用者、利害関係者(ステークホル

ダー)がある。航空機の製造会社を例

に取ると、顧客は航空会社、利用者は

乗客であり、ステークホルダーは、飛

行場関係者や近隣住民、部品供給企

業など膨大な数にのぼる。

 システムデザインとは、このような

システムの目的、機能、構築・運営、利

害関係者など思いつくすべての要因

を将来にわたる予測を含めて創造的

に考え、総合的にバランスさせ、具体

的な姿にすること。システムマネジメ

ントは、その実現のため適切な目標を

立て、環境の変化に対応しながら相

矛盾する制約を乗り越え、人間とシ

ステムの関係を含む様々な要因を調

整し、目標達成に必要なあらゆる活

動を整合的に進めることを指す。

「木を見る」分析力と

「森を見る」構想力

 

私たちのシステムデザイン・マネジ

メント学とは、この目標を成功裏に達

成するための統合的な学問体系であ

り、「森を見て木も見る」詳細分析力

と、「木を見て森も見る」全体構想力

の両方の育成を目指している。

 では、なぜシステムデザイン・マネジ

メント学が今、必要になったのか。それ

はグローバル化の一言に尽きる。私た

ちを取り巻く環境、個々人の生活や

人生、日々の生活用いる製品やサービ

ス、これらすべてがグローバル化の波に

さらされ、以前のように狭い世界に閉

じこもってはいられなくなった。しか

も、製品や組織も、誕生から廃棄まで

のライフサイクルが著しく短縮され

た。意思決定にもスピードが要求さ

れる。このような状況下で最も必要

なのは、強力なリーダーとチームワー

ク、リーダーシップとフォローワーシッ

プの育成だ。

グローバルスタンダードとして

世界各国で設立

 

従来、リーダー育成は企業内の現

場教育と知識・経験の継承で実施さ

れていたが、グローバル化・国際化に対

応するには、これだけでは不十分に

なった。加えて理工学系の人材にも歴

史や文化の知識と素養(リテラシー)

が求められ、文系出身者にも科学・工

学の素養が必須となった。文理融合

の系統的なシステムデザイン・マネジ

メント教育が求められている。

 こうした社会的ニーズを受け、今や

世界各国の大学でシステムを取り扱

う学部や大学院が数多く設立されて

いる。国際エンジニアリングシステム大

学協議会(CSEN)には、50を超

える大学が加入し、国際システムズエ

ンジニアリング協議会(INCOS

E)も教育部門を強化している。

企業との連携がキーポイント

 システム教育には大学と企業・事業

体との密接な連携が不可欠なのだ。

日本が抱える課題は、「砂漠を森林に

変える」といった途方もない難題では

なく、創意工夫で解決可能なものが

圧倒的に多い。こうした問題を解決

するには、大局的な見方をしながら、

当面の課題に取り組みタイムリーに

解決策を見出し提案できる人材の育

成が急務だが、それこそがシステムデ

ザイン・マネジメント教育の根幹であ

り、私たちの研究科の目標なのだ。

航空宇宙技術研究所、NASAフェロー、東京工業大学教授、慶應義塾大学理工学部教授、宇宙開発事業団技術研究本部研究総監を経て現職

■専門分野複雑システムのダイナミクスと制御/戦略的システムエンジニアリング

■研究テーマ高速ボートによる水上離発着式宇宙往還機の研究宇宙太陽発電システムのフィージビリティ研究人体骨格・筋肉システムのモデル化と連動動作の解明不規則形状を有する剛体のロボットハンドリングシステム

狼 嘉影/OHKAMI YOSHIAKI

慶應義塾大学大学院SDM研究科委員長・教授

グローバル社会で活躍できるリーダーを育成 それがSDM研究科の使命

慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科

03 ● AGRI Lab Report 09 02

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 アグリカルチャーとは農業、農学の

こと。つまりアグリゼミとは農業、農

学に関するゼミだ。しかしながらご存

知の方も多いと思うが、慶應義塾大

学には農学部は無い。しかもアグリゼ

ミが所属する研究科はシステムデザ

イン・マネジメント研究科(以下、SD

M)である。ではどのような研究活動

を行なっているのだろう。

社会システムとしての農業

 

今まで農業を学問として学ぶと言

うことになると、理科系寄りの話が

大半だったのではないだろうか。現

に、農学部はいわゆる「理系」に属し、

研究室で実験に明け暮れる日々が続

くだろう。しかし、このアグリゼミは

所属する研究科はSDMである。こ

の研究科の育成する人材は専門職と

してのスペシャリストではない。社会

のあらゆる仕組みをシステムとして

捉え、様々な問題となる要因や環境

を統合的に考え、システムをマネジメ

ントできるゼネラリストのリーダー

を育成することが目標なのである。

 

このような研究科に属するアグリ

ゼミも従来の理系のスペシャリスト

ではなく、農業を社会のシステムの一

部と考え、次世代の農業や農村の姿

をデザインできる人材の育成が目標

なのである。このような視点で農業

を学問するゼミは全国でも数少ない

のは言うまでもない。

SDMが考える農業の課題とは

 

農業をシステムとして捉えた時、

様々な課題が考えられる。例えば、記

憶にも新しい「食の安全」について。品

質表示の課題、食料の安定供給の課

題、食料自給率の課題などである。ま

た農業は「政策」にも様々な課題があ

る。グリーンツーリズム(農村で過ご

す休暇)についてや、農地法、減反政

策など様々な政策的課題が考えられ

る。また、実際に農業従事者には今、

非常に大きな課題となっている「高

齢化」についてもアグリゼミの研究の

範囲となる。そしてバイオマスやバイ

オ燃料についても農業をシステムと

して学問する上では重要なテーマで

ある。

 このように農業を多面的に捉える

と、決して単一的な視点では解決で

きない様々な課題にぶつかる。このよ

うな課題を解決するためには農業に

軸を置きながらも、幅広い知識と多

視点で農業・農村を総合的にシステ

ムデザインできる人材が今必要なの

である。

環境面から考える農業

 

環境と言うと、また従来の理系寄

りの話になってしまいそうだが、アグ

リゼミが考える環境は決してそれだ

けではない。このゼミを担当する林美

香子教授はエコライフジャーナリス

トとして活躍するだけではなく、農

村と都市が共生し、繁栄するあり方

を研究する農都共生研究会の会長

も務める。つまり林教授が考える環

境とは、エコロジーだけではなく、農

村や都会に住む人が共に豊かに暮ら

せる広義的なシステムとしての環境

を考えるという発想に起因する。昨

今、注目されているエコツーリズムや

アグリツーリズム、アグリライフも観

光としての視点だけではなく、農村

と都会の人的交流の新しい環境とし

て見逃せない。

 

アグリゼミでは農業に関する全て

のテーマを統合的に考え、そこから波

及する課題へも視野に入れながら、

次世代の農業・農村の姿を社会に発

信しているのである。

所属する学生たちも多様

 

2009年冬、アグリゼミに参加

させてもらった。その日は修士論文の

中間発表で、研究の進捗を発表し、

教員や他のゼミ生から指摘やコメン

トをもらい、修士論文の完成度を高

めることが狙いだった。次々に発表さ

れる研究テーマと進捗状況、行き詰

まっている点などに、教員だけではな

く、ゼミ生からも意見やアドバイスが

飛ぶ。前述のように、農業と言う括り

はあるものの、ゼミ生の研究範囲は

多岐に渡る。以前ならば全く違う学

部で扱うテーマにもなりかねない研

究に、それぞれが的確な意見や感想

が言えることに驚く。それもそのは

ず、学部から進学した学生だけでは

なく、社会人経験のある学生も多い。

年齢でいうと40歳前後の学生も所

属する。この多様な環境がそれぞれ

を刺激し合い、助け合い、共にレベル

アップした結果なのだろう。物事を総

合的に捉えられるかどうかは、個々の

人生や仕事の経験によるところが大

きい。しかし、社会全体をSDM的に

システムとして捉えるという発想が

できなければ、様々な経験は宝の持

ち腐れになるのではないだろうか。学

生たちは年齢に関係なく、自らの経

験や感性をぶつけ合い、知識を共有

し、切磋琢磨しているのである。

キヤノン(株)、カリフォルニア大学バークレー校Visiting Industrial Fellow、ハーバード大学客員教授、慶應義塾大学理工学部教授を経て現職

■研究テーマシステムデザイン理論・方法論人間社会システムデザイン技術システムデザイン など

■著書『脳はなぜ「心」を作ったのか』 ほか

前野 隆司/MAENO TAKASHI

慶應義塾大学大学院SDM研究科教授 農都共生ラボ担当

北海道大学農学部卒業後、札幌テレビ放送アナウンサーを経て独立。農業、環境、地域づくりなどのフォーラムに、パネラー・講師・コーディネーターとして参加。北海道大学工学部社会人博士課程において、「農村と都市の共生による地域再生」の研究をし、博士(工学),Ph.D、取得。ホクレン員外監事

■研究テーマ持続可能な農業農村と都市の共生による地域再生食と農による地域づくりグリーンツーリズム

林 美香子/HAYASHI MIKAKO

慶應義塾大学大学院SDM研究科教授 農都共生ラボ担当農都共生研究会会長

AGRISeminar

農業を社会システムの一部として捉え、未来の姿を創造する。

SDMの「アグリゼミ」

慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科

05 ● AGRI Lab Report 09 04

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■ホクレン農業総合研究所の広大な敷地/■品種改良の様子を視察させていただきました/■メノビレッジ長沼のエップ・レイモンドさん/■三田村農園にてオリエンテーション/■蒔いた種が育ちやすいように藁をかけました/■ほうれん草の種まき/■三田村農園にて記念撮影/■農業小学校の方の畑を見学し、聞き取り調査を行ないました/■手作りのうどん。小麦はもちろん三田村農園のもの

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■中野ふぁ~むでは肥料運びの力仕事も行いました/■間引き作業で採った菜種は夕食の一品にも/■中野ふぁ~むにて記念撮影/■中野さんに菜種油の説明をしていただきました/■機械に少しずつ入り絞られる菜種/■小豆の脱穀作業。昔はこの様に踏んで脱穀していました/■ハサンベツの里山プロジェクトをヒアリング/■小林酒造の酒蔵を視察/■ノーザンホースパークを見学 

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年で2回目となるアグリゼミ

北海道視察。初日はホクレン

農業総合研究所やメノビレッジ長沼、

長沼ツーリズム協議会などを訪問

し、大規模農業地域としての北海道

の現状を視察しました。今回、北海道

が初めてという学生もいましたが、多

くの学生は観光などで北海道へ来た

ことがあるとのこと。しかし、観光で

はなかなか訪れることができない農

業の現場を視察し、また様々な意見

をヒアリングすることができ、良い経

験になりました。

 

2日目は昨年に引き続き、今年も

SDM契約農園「三田村農園」で農業

体験を行いました。ここでの調査内容

は「認識と行動」の関係調査。この三

田村農園では「農業小学校」という貸

し農園を行ない、三田村さんが先生と

なって畑の起こし方、作物の育て方、

収穫の時期などを教えてくれます。今

回はその農業小学校に所属する方に

もご協力いただき、ヒヤリングや農作

業をさせて頂きました。学生たちは

慣れない手つきでクワなどの農機具

を使い畑を起こしたり、土だらけの野

菜を見て感激した様子でした。↘

 ご存知の通り、アグリゼミの

所属するSDM研究科は

横浜市日吉にキャンパス

があります。それゆえ、

どうしても都会育ちの

学生が多いことは否め

ません。昨今、都会の多

くの子どもは、スーパー

で売られている野菜しか見

たことがないため、収穫前はどの

ように育つのかを知らないという調

査結果もあります。アグリゼミの学

生の中にも農作業は初めてという学

生や、畑の土がこれほどフワフワして

いるのに感激したと言う学生もいた

ように、学生たちが学問として農業

を総合的なシステム一部として考え

るためにも、このような農作業は彼

らの大きな刺激となったことでしょ

う。また、ここでの体験は農作業だけ

ではありません。事前に三田村さん

が収穫した小麦からうどんを打ち、

茹であげたほか、農業体験で収穫し

た野菜でサラダを作って昼食としま

した。現代の都会育ちの学生たちに

は貴重な体験だったと思います。この

ような作業を一度でも経験するこ

と、そしてその大変さと喜びを感じ

ることが、学生たちの財産となりそ

れぞれの研究内容へ大きく反映され

てくるのでしょう。↖

いて訪れたのは滝川市にある

SDM契約農園「中野ふぁ〜

む」。この中野ふぁ〜むでは滝川で初

めて菜種油を商品化した先駆的な活

動を行なっています。

 

先代から稲作農家を引き継いだ中

野義治さんが、菜種栽培に取り組ん

だのは昭和63年から。滝川独自の

農産物作りを模索するうちに、日本

古来の伝統作物で、美しい景観を作

り出す菜種に注目。しかし当初、栽培

は苦労の連続だったといいます。ま

た、ほぼ手作業で絞る菜種油は手間

がかかり、決して大量生産はできず価

格は高価になる。それでも国産品で

安全な油を作りたいという真摯な姿

勢が、全国に多くのファンを生んでい

ます。今回、学生たちもその菜種油絞

りを体験しました。少しずつ出てく

る油に感激した様子と同時に、一本の

ビンを一杯にする手間と苦労を感じ

たはずです。このような先駆的事例

として取り上げられる活動は、初め

は既存のシステムから外れる流れと

して多くの障害があることでしょう。

しかし、商品にかける生産者の思いや

高品質な差別化が多くの支持を集め

て次第に本流となる。貴重なお話に

学生たちの目は輝いていました。↘

 

中野ふぁ〜むでは

菜種だけではなく、ソバ

やナバナの栽培も行なってい

ます。これらを栽培するにあたっ

て、循環型農業を意識して、菜種油の

絞りカスを土壌に還元するなどの工

夫も行なっています。このような取り

組みに対して、中野さんは「自分の考

えやアイディアを即実行して結果が

わかる農業は、自分の自己表現の場

と考えている。常に昨日とは違ったこ

とをやろうという気持ちが菜種やナ

バナの栽培につながった。」とおっ

しゃっていました。先駆的な取り組み

は現状に満足せず、常に上を目指し

て取り組む生産者にだけ可能なこと

かもしれません。

 

北海道視察で学んだこと、それは

農業という「食」に関わるシステムを

考えるにあたって、「システムデザイ

ン・マネジメント」の考え方は、ますま

す重要になってくるということ。今後

は様々な問題を多視点で考えていか

なければ、農業の未来は創造できない

ということです。学生たちにとって、こ

の3日間の北海道視察は、今まで考

えていた「農業」という枠に厚みと幅

を加え、広い視野を得る良い経験に

なったことと思います。

第2回アグリゼミ北海道視察

常に新しいことを!

農業はそれが可能

手間をかけた野菜は必ず答えてくれます

SDM契約農園「中野ふぁ~む」にて先駆事例に触れる SDM契約農園「三田村農園」にて農業体験

中野ふぁ~む中野ふぁ~む

〒073-0001 北海道滝川市北滝の川754

中野 義治さん代表

花の収穫体験、そば打ち体験、田植え・稲刈り体験ができます。菜の花の里滝川市の特性を活かした菜種油は絶品。

移 動

9/11●金9/12●土9/13●日

12:30

ホクレン農業総合研究所長沼研究農場

15:00

メノビレッジ長沼

17:30

長沼ツーリズム協議会

9:00

ハサンベツ

10:30

小林酒造

13:30

ノーザンホースパーク

9:00

ふれあい体験農園みたむら(SDM契約農園)

12:30

中野ふぁ~む(SDM契約農園)

今続

ふれあい体験農園みたむらふれあい体験農園みたむら

〒069-1211 北海道夕張郡由仁町

岩内1614

三田村 雅人さん代表

札幌市から車で1時間。夕張山地と

馬追丘陵に囲まれた緑

豊かな由仁町岩内地区にあります。

http://www1.ocn.ne.jp/~m-tom

ato/index.html

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2泊3日スケジュール

由仁

苫小牧長沼札幌

滝川

に挑戦!

2泊3日で

[SDM契約農園]

[SDM契約農園]

07 ● AGRI Lab Report 09 06

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「CSA(Community Supported Agriculture)による地域活性化に関する研究」─メノビレッジ長沼のCSAの取組を事例として─ 地域活性学会論文集(2010.3)に掲載

村瀬 博昭SDM研究科博士1年

「農業体験農園の参加者の意思決定プロセスと園主の取組の関係解析」─北海道由仁町の体験農園を事例として─ 地域活性学会論文集(2010.3)に掲載

高峯聡一郎SDM研究科修士2年

「バイオガス変換技術を核とした都市農村交流社会のシステムデザイン」エネルギー・資源学会(2010.1)で研究発表

山本 高士SDM研究科修士2年

2009年度 アグリゼミメンバー学会誌掲載論文並びに学会研究発表論文SDM研究科アグリゼミメンバーの研究活動の一部をご紹介します。

アグリゼミ学生レポートAGRI Seminar Report

農都共生研究会 第2回アグリゼミ北海道視察

に挑戦!

2泊3日で

広い視野と多くの刺激がSDMの魅力

牧野由梨恵YURIE MAKINO

私は「人が環境行動を起こすインセンティブ」を研究のテーマにしています。学部では理工系の学部に所属し、当初は理工系の大学院入学を考えていました。しかし理工系ではカバーしきれない社会心理学的分野もSDMでは研究の範囲として考えられる事から、こちらに入学しました。SDMでは多くの社会人学生も学んでいます。また既存の学部に捕われない横断的な研究もされています。この広い視野と多くの刺激がSDMの魅力と思います。所属するアグリゼミで視察した北海道では畑の柔らかさに驚きました。またハサンベツでの取組みは研究の良い参考になりました。北海道へはぜひまた行きたいと思います。

慶應義塾大学大学院SDM研究科[修士1年]

北海道農業の懐の深さを感じて

山本 高士TAKASHI YAMAMOTO

札幌や富良野など、観光で北海道には行ったことがありました。しかし、今回の視察で訪れたような農村は観光地とは大きく違い、北海道ならではの大規模農業や懐の深さを感じました。また、農業への取組みもイメージしていたものとは違い非常にアクティブで、潜在性の強さを感じました。私は東京電力に勤務し、国内留学としてSDMで学んでいます。近年注目を集めているバイオマスエネルギーを有効に機能させ、地域の活性化を行ない、共に共存共栄し、農村と都市の繋がりを強められるような社会システムの構築を考えていきたいと思っています。そう言った意味でも、今回の北海道視察は私にとって大きな刺激となり、成果が多かったと感じます。

慶應義塾大学大学院SDM研究科[修士2年]

前野 隆司

慶應義塾大学大学院SDM研究科教授農都共生ラボ担当

農業を学ぶ上で北海道は聖地と言っても過言ではないでしょう。大規模農業で食料自給率を支えるだけではなく、品質の面でも北海道ブランドは非常に高い評価を受けています。しかし、今回私も同行した北海道視察で感じたことは、「農は脳に良い」ということ。一見すると駄洒落ですが、私が研究する「脳」と「農」は読み以外にも多くの共通点があり、なにより脳に良い刺激があったと感じました。SDM研究科の大きな特徴は既存の学部を超えた横断的な研究を行なうことです。私は脳と心、特に、感覚や幸福と社会活動の関係の研究を行っています。これまでは、脳と心と工業を関係づける研究を行ってきていましたが、脳と心と農業の研究も、これからの重要なテーマになるべきだと痛感しました。様々な可能性を感じる「農」の今後に注目です。来年もぜひ参加させていただきます。

北海道の農は脳に良い刺激

2009年活動報告

地域の資本を活かして、日本をもっと元気に、

北海道をもっと明るくすることを目的としています。

全国各地の地域づくりの成功例を調査し、

農村と都市の共に繁栄するあり方を研究しています。

さらに農村と都市の共生と交流の促進を提言し、

各地の地域振興の具体的な組織と連携し、各種事業を実践します。

●役 員会 長 林 美香子  慶應義塾大学大学院教授幹 事 鈴木宏一郎  (株)北海道宝島旅行社 代表取締役社長幹 事 浅野 秀昭  マイクロソフト(株)首都圏営業統括本部 第二営業部部長幹 事 大西 雅之  (株)阿寒グランドホテル 代表取締役社長幹 事 野谷 悦子  (有)うつぐみ 取締役社長幹 事 三田村雅人  ふれあい体験農園みたむら 代表幹 事 土肥 寿郎  (有)寿郎社 代表取締役幹 事 湯浅 優子  つっちゃんと優子の牧場のへやオーナー幹 事 町村  均  町村農場 代表幹 事 中野 義治  中野ふぁ~む 園主幹 事 辻村 英樹  (株)コンサルティングオフィス辻村 代表取締役幹 事 伊藤  新  (株)北海道アルバイト情報社 Web企画室 Director 幹 事 東海林宏志  (株)新生 取締役副社長

●活動内容研究会は次の活動を行う。(1) 多様な活動主体の取組活発化に向けた活動(2) 地域住民への普及・啓発に向けた活動(3) 農村と都市の共生と交流推進方策の検討(5) 農都共生に関わるビジネスプランの検討(4) その他研究会の目的を達成するために必要な活動

検 索検 索農都共生研究会

各 種 掲 載 記 事

放送の一部でSDM研究科アグリゼミ北海道視察の中継や、スタジオから前野教授が「脳と農の関係」についての解説も行ないました。

▲新潟日報 9月26日付

FM北海道(AIR-G)9月11日放送「アグリカルチャーアイランド    農業王国北海道」

▲『農家の友』 10月号

▼新潟日報 12月23日付

▼朝日新聞 9月17日付

3月27日6月14日8月2日9月11日 9月11~13日

10月12日

11月25日

2010年3月20日

春いちばん・菜花うどん「農村へ出かけよう」出版記念会農都共生収穫祭『夏』FM北海道(AIR-G)「アグリカルチャーアイランド農業王国北海道」

慶應義塾大学大学院SDM研究科アグリゼミ北海道視察由仁町「みたむら農園」プチ体験ツアー 慶應義塾大学大学院SDM研究科ホウレンソウ試食会  報告書発行

▲春いちばん・菜花うどん  ▲春いちばん・菜花うどん 畑にて

▲「農村へ出かけよう」出版記念会 ▲出版記念会トークショー

▲農都共生収穫祭『夏』 ▲収穫祭『夏』 販売風景

▲FM北海道(AIR-G)収録風景

▲「みたむら農園」プチ体験ツアー

詳しくはホームページをご覧ください

▲ホウレンソウ試食会▼プチ体験ツアー記念撮影

◆FM北海道(AIR-G) 10月18日放送 特別番組 「農&脳 is YES」

「農」と「脳」の意外な関係についてSDM研究科の前野教授と林教授が出演しました。

09 ● AGRI Lab Report 09 08

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SDM NEWS

慶應義塾は大学院システムデザイン・マネジメント研究科の開設と同時に

大学院附属システムデザイン・マネジメント研究所を発足しました。

この研究所は、企業をはじめ社会の様々な組織における

システムデザイン・マネジメントの理解とマネジメント能力の向上のために、

先端的・実践的研究・教育成果を広く社会に還元することを目的としています。

研究所スタッフは、安心・安全・環境共生をキーワードに、産官学の連携を図りながら、

グローバルな環境共生と異文化・異民族の協生を基本とする

社会・技術システム再構築を先導するための研究・教育活動を実践しています。

SDMでは、このように塾内に

システムデザイン・マネジメント研究所を設置し、

産業界との連携に基づき、

真に社会の役に立つシステムの

デザイン・マネジメントを推進しています。

SDM研究科をご支援くださるみなさまへ、当研究科では、毎月の活動を「SDM NEWS」としてまとめ、配信しています。イベントのご案内等も掲載されており、大変ご好評をいただいております。次号より配信希望の方は、下記の申込方法にてご連絡お願いします。

また、SDMホームページにて過去の記事を掲載しております。ぜひご一読ください。

~システムデザイン・マネジメント研究科の「今」を配信~

宇宙ステーション入門 [第2版]宇宙基地、宇宙ステーションを技術的側面から取り上げた成書。大学3年生以上を主対象として、一部大学院生、企業技術者へのテキストとなる様に情報がまとめられている。これ一冊で宇宙ステーションの基礎知識が身に付く。

■著者/狼 嘉影・冨田信之・中須賀真一・松永三郎 (共著)■出版社/東京大学出版会■定価/5,400円+税

脳はなぜ「心」を作ったのか─「私」の謎を解く受動意識仮説

あなたが自分の意思で目の前のコップをつかむ時、実は自分が意図したと錯覚しているだけだったとしたら!? 脳・心・意識のメカニズムを従来とは違う視点で捉え、その答えに挑んだ野心的な一冊。理科系が苦手な方にも解りやすく解説。

■著者/前野隆司■出版社/筑摩書房■定価/1,900円+税

記 憶脳は「忘れる」ほど幸福になれる!

「記憶力なんて悪くてもいいんだ」「記憶力が年齢とともに衰えていくことは喜ぶべきことなんだ」この考えを一流企業の研究員から大学教授となって活躍する著者が自らの経験と論理で解りやすくまとめた力作。もう忘れることを恐れる必要はない!?

■著者/前野隆司■出版社/ビジネス社■定価/1,400円+税

宇宙工学シリーズ7宇宙ステーションと支援技術

国際宇宙ステーション(ISS:International Space Station)は通常の人工衛星とは全く異なるシステムで、宇宙軌道に孤立し、物理的に平衡状態を保つ「小宇宙」である。本書はISSの構想の歴史、開発の経緯、その実現を可能とした支援技術をひも解く。

■著者/狼 嘉彰・冨田信之・堀川 康・白木邦明 (共著)■出版社/コロナ社■定価/3,800円+税

AGRI Labオススメ63

社会をシステムとして統合的に考えるSDM研究科。そのためには幅広い知識が必要になります。アグリラボではSDM的発想の助けとなるオススメブックとウェブサイトをご紹介します。これであなたもSDM的発想が可能かも!?

ふれあい体験農園みたむらSDM契約農園でもある「ふれあい体験農園みたむら」のホームページ。農園体験、農園の歩み、農園ブログなど、各ページで園主三田村雅人さんの農業への真摯な思いと、優しいの人柄が伝わるサイトです。

■ホームページアドレス http://www1.ocn.ne.jp/~m-tomato/index.html

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農村へ出かけよう農都共生と食育のすすめ

ストレスを吹き飛ばし、おいしい健康的な生活を送るための第一歩。それは農村へ足を運ぶこと。著者が進める地産地消や食育をついてわかりやすく解説しています。北海道のおすすめ農場体験、牧場、農家レストラン、農家民宿などの情報も満載。

■著者/林 美香子■出版社/寿郎社■定価/1,000円+税

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農都共生のヒント地域の資本の活かし方

地域の「資本」は人か自然か情報か?全国に波及した熊本(九州ツーリズム大学)と北海道(北の屋台)の成功例を徹底調査。農村と都市をもっと元気にする発想の仕方から収支までグリーンツーリズムの実践方法がわかる一冊。

■著者/林 美香子■出版社/寿郎社■定価/2,000円+税

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いいね! 農 style北海道を愛し、様々な「農style」を応援する北海道アルバイト情報社の特設サイト。人それぞれの個性豊かな農styleの情報発信がされており、農業の見方、考え方も変わるかも!?素敵な写真も必見です。

■ホームページアドレス http://n-style.haj.co.jp/

Web

農都共生研究会持続可能な農業と全国各地の地域づくりの成功例を調査し、見えてくる農村と都市の共に繁栄するあり方を研究する農都共生研究会。サイト上にはこれまでの活動報告も掲載しています。ぜひご覧ください。

■ホームページアドレス http://www.noutokyousei.jp/

Web Web

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RecommendSDM[システムデザイン・マネジメント]研究所設立のご報告

SDMニュース配信ご希望の方は、件名(subject)に「SDMニュース配信希望」と明記の上、メールアドレス [email protected] 宛までメールを送信ください。

❷ 賛助会員および特別会員に対する特典等 (1)各種ご案内 (2)教員や学生との交流の場の提供 (3)社内セミナーへの講師派遣 (4)当研究所主催の講演会、セミナー等への参加料割引 (5)当研究所関係刊行物の配付

[問い合わせ先] 日吉学生部SDM担当 TEL/045-564-2518 E-mail/[email protected]

※詳細はホームページをご覧ください。

横断型研究グループ

■人体ダイナミクス・キネシオロジ研究ラボ Human-body Dynamics and Kinesiology Laboratory■戦略的宇宙システムラボ Strategic Space Systems Laboratory■次世代コンテンツ利用研究ラボ Next Generation Contents Laboratory■情報システムソフトウェア品質向上ラボ           Laboratory of Ensuring Quality and Reliability of   Softwares in Information Systems■VERSTAラボ                        VERSTA Laboratory■ソーシャルライフ・システムラボ                 Social Life System Laboratory■地域資源利活用ラボ                     Local Resource Utilization Laboratory■モデル駆動型システム開発ラボ Model-Driven System Development Laboratory■ユニバーサルデザインラボ Universal Design Laboratory■可視光通信ラボ                       Visible Light Communication Laboratory■ソーシャルデザインセンター                  Social Design Center■エアロスペース・アンド・インテリジェント・システムズ・ラボ Aerospace and Intelligent Systems Laboratory■ソフトウエア研究会                      Software Laboratory

■農都共生ラボ (通称:アグリラボ) Agricultural laboratory 

SDM研究所では

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❶ SDMフォーラム賛助会員の種類  賛助会員  賛助会費を納めている団体  特別会員  学生を派遣している団体、共同研究契約を締結している団体        および寄付金を納めている団体および個人  情報会員  上記趣旨に賛同し、SDM研究科が認めた団体および個人

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システムデザインのVモデル

11 ● AGRI Lab Report 09 10

Page 7: Lab Report - sdm.keio.ac.jp‚¢グリゼミ報告書(頁順).pdf · 農都共生ラボ活動報告書 グローバル社会で活躍できるリーダーを育成 それがSDM研究科の使命

AGRI Lab Report 09 農都共生ラボ活動報告書

2010年3月発行 発行/慶應義塾大学大学院システムデザイン・マ

ネジメント研究科、農都共生研究会 企画・制

作/株式会社新生 (事務局)株式会社新生 〒060-0042 札

幌市中央区大通西9丁目1-1大

通公園ビル7F TEL 011-221-1141 

FAX 011-221-0219

次世代の技術・社会システムを創造するリーダーの育成を担う

慶應義塾大学大学院

システムデザイン・マネジメント研究科Graduate School of System Design and Management

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