I. 血液学mkobaya/Kobayashi/Internal...急性白血病の治療...

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I. 血液学 1.はじめにー血液で学ぶことー 血液とは何か? 血液は何をしているのか? 2.造血組織 血液はどのようにできるのか? 幹細胞とは? 3.貧血 4.白血病 5.出血・凝固異常

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  • I. 血液学1.はじめにー血液で学ぶことー  血液とは何か?  血液は何をしているのか?2.造血組織  血液はどのようにできるのか?  幹細胞とは?3.貧血4.白血病5.出血・凝固異常

  • Q:なぜ血液は赤いのか?

    A:血液中の血球成分で最も多いのは赤血球。赤血球が赤  いために、血液は赤い色をしている。しかし動脈の色は赤  いが、静脈の色はやや青い色をしている。  赤血球中にはヘモグロビンが含まれ酸素運搬役を担当し  ている。ヘモグロビン中で酸素と結合するのは鉄であるが、  鉄は酸素と結合すると(さびる)、赤くなる。したがって酸素  と結合した動脈血中の赤血球は真っ赤な色をしている。

  • 造血幹細胞の分化

    赤血球      顆粒球       リンパ球 単球   血小板

    白血球

  • 急性リンパ性白血病と急性骨髄球性白血病

    どちらがリンパ性?どちらが骨髄球性?形だけで区別がつきますか?

    急性骨髄性白血病 急性リンパ性白血病

  • 急性白血病の診断過程

  • 急性白血病の治療

    血液学的完全寛解:治療により、顕微鏡検査をしても白血病細胞が目で見た限りは見つからなくなり、同時に白血球、赤血球、血小板の数が正常な範囲内にある状態です。全身には、まだ白血病細胞がたくさん残っている可能性があります。

    分子学的完全寛解:白血病細胞が持つ染色体異常(遺伝子変異)を目安にして、より精密に検査しても白血病細胞が見つからない状態です。上記よりは少ないものの、この状態でもなお、体内には100万個までの白血病細胞が生き残っている可能性があります。

  • 慢性骨髄性白血病

    t(9;22)の結果、bcr‐abl融合蛋白が形成

    未熟な芽球から成熟した好中球まですべてが増加する。

    Bcr‐abl特異的阻害剤であるグリベックの効果

  • 成人T細胞性白血病

    写真1はATL患者の末梢血のリンパ球です。上の写真では核(細胞の中の紫色の部分)が4つばのクローバーのような花びらになっています。

    分類1.急性型血液中に花びらの形をした異常なリンパ球が出現し、急速に増えていくものです。リンパ節の腫れや、皮疹、肝臓・脾臓の腫大を伴うことも多くみられます。

    2.リンパ腫型悪性化したリンパ球が主にリンパ節で増殖し、血液中の異常細  

    胞はあまり多くない型3.慢性型血液中の白血球数が増加し、多数の異常リンパ球が出現していますが、その増殖は早くなく、症状をほとんど伴いません。

    4.くすぶり型白血球数は正常ですが、血液中には確実に異常リンパ球の存在する型です。

    5.急性転化型慢性型やくすぶり型から、急性型やリンパ腫型へ病状が進む場合を急性転化型と呼ぶ

  • 血小板の形態

    左図に示したように、赤血球に比較しても1/5くらいの大きさのやや青みがかった小さい細胞が血小板である。図ではたまたま凝集した血小板が見えるが、血小板は血管が傷ついたときに傷を埋めるために最初に行動する。最初の行動が凝集である。その後、凝集した血小板からはいろいろな物質が放出されて、最終的に血液が固まる(これを血液凝固と呼ぶ)