AMS-3000S技術情報 Vol.1 「外部機器の接続情報」

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1 AMS-3000S 技術情報 Vol.1 「外部機器の接続情報」 2003 年 8 月 22 日初版 2006 年 2 月 6 日改訂(1.21) ナビコムアビエーション(株) 1 はじめに AMS-3000S に GPS、コンパス、高度計などの外部機器を接続する方法を解説します。GPS は必 須、コンパス、高度計は接続を推奨、TAS、衛星電話(外部通信機器)はオプションです。接続ブ ロック図を以下に示します。結線図を次ページに示します。 注意 : ARINC429 入力には、ARINC1 と ARINC2 とがありますが、ARINC2 のみ使用します。 GPS受信機 必須) コ ンパス (推奨 ARINC429出力 気圧高度計 (オプション グレイコート ゙出力 気圧高度計 (推奨) TA S9900 BX or TCAD9900B (オプション) 外部通信機器 (オプション AMS-300 0S マップジェネレータ本体 コントローラ ディスプレイ 外部表示機器 (オプション RS-2 32C ARINC429 高度計は パラレルI/F または ARINC429で接続可 RS-2 32C RS-2 32C パラ レルI/F コントローラケーフ ゙ル ディスフ ゚レイケーブル RGBコンポジット ビデオ出力 外部12 V 電源出力 28V電源入力 エアマップAMS-3000S 接続 ブロック図

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AMS-3000S 技術情報 Vol.1

「外部機器の接続情報」

2003 年 8 月 22 日初版

2006 年 2 月 6 日改訂(1.21)

ナビコムアビエーション(株)

1 はじめに

AMS-3000S にGPS、コンパス、高度計などの外部機器を接続する方法を解説します。GPS は必

須、コンパス、高度計は接続を推奨、TAS、衛星電話(外部通信機器)はオプションです。接続ブ

ロック図を以下に示します。結線図を次ページに示します。

注意 : ARINC429 入力には、ARINC1 と ARINC2 とがありますが、ARINC2 のみ使用します。

GPS受信機

(必須)

コンパス(推奨)

ARINC429出力気圧高度計

(オプション)

グレイコード 出力

気圧高度計(推奨)

TAS9900BX orTCAD9900B(オプション)

外部通信機器(オプション)

AMS-3000Sマップジェネレータ本体

コントローラ

ディスプレイ

外部表示機器(オプション)

RS-232C

ARINC429

高度計は

パラレルI /Fまたは

ARINC429で接続可

RS-232C

RS-232C

パラレルI/F

コントローラケーブル

ディスプレイケ フー゙ル

(RGB)

コンポジット

ビデオ出力

外部12V電源出力

28V電源入力

エアマップAMS-3000S接続ブロック図

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1.1 オプションの働き

オプションの有無により実現できる機能が変わります。接続の有無で、どのような機能が実現されるかを以下に示します。

1.1.1 コンパス接続の有無と機能

コンパスを接続し、機体のヘディング情報を入力することにより、ヘディングアップ表示を行います。コンパスが接続されていない場合、表示機能が一

部制約されます。

機能 詳細 コンパス接続なし コンパス接続有

地 図

表示

自機マークのヘディング方位表

なし、◎表示

あり、コンパス方位により▲表示

自機マークのトラッキング方位

表示

あり、GPS 方位を線で表示

あり、GPS 方位を線で表示

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機能 詳細 コンパス接続なし コンパス接続有

地 図

表示

ヘディングアップ表示(常に進

行方向が上の表示)

できません。ノースアップ表示あるいは、東西南北手

動回転表示のみ可能です。

手動回転時は、左下に北方向を示す矢印が表示さ

れます。

可能です。

手動回転時は、左下に北方向を示す矢印が表示さ

れます。

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1.1.2 TAS 接続の有無と機能

TAS または TCAD を接続した場合、他機情報の表示が可能です。表示地図に他機情報を上書きする「ノーマルビュー(他機情報上書き)表示」と、

レーダーチャート上に他機情報を表示する「ツインビュー(他機情報表示)」の 2 種類の表示が可能です・

機能 詳細 TAS 接続あり、コンパス接続なし TAS 接続あり、コンパス接続有

他 機

情 報

表示

ノーマルビュー(他機情報上書

き)表示

選択できません。

可能です。他機情報が地図に上書きで表示されま

す。

ツインビュー(他機情報表示)

可能です。

可能です。

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1.1.3 高度計接続の有無と機能

高度計を接続することにより、高度警戒領域表示機能を実現します。この機能は、高度計で検出した高度情報と、システムで持っている標高データ

から自機高度より高い標高を持つ領域を塗りつぶす機能です。

機能 詳細 高度計接続なし 高度計接続あり

地 図

表示

高度警戒領域表示 できません。

可能です。1NM(2km)スケール、2NM(5km)スケールを

選択すると表示されます。

設定 QNH 補正値入力 選択できません。

QNH 補正値の入力は必須です。

「スタートメニュー」、「設定・確認」、「高度計 QNH 補

正値設定」により設定します。

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1.1.4 外部通信機器接続の有無と機能

機能 詳細 外部通信機器接続なし 外部通信機器接続あり

通 信

機能

位置情報通信、

メッセージ情報通信など

できません。 可能です。

通信機能の詳細は、インストールマニュアル「付録 B.1 外部通信仕様書」を参照して下さい。

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2 GPS との接続

2.1 概要

GPS 受信機は、RS-232C により通信を行います。受信可能な通信フォーマットには、Trimble X

フォーマットを標準として採用しました。これにより、詳細地図レベルで正確な位置表示を実現し

ます。参考に、各種フォーマットの緯度経度の分解能を次表に示します。

緯度経度分解能 m 換算 接続 補足

Tr imble X フォーマット 1/10000 分単位 約 0 .3m ○ 測位状態の情報あり

Tr imble R フォーマット 1/100 分単位 約 30m △ 測位状態の情報なし

Garmin、KING 等

R フォーマットコンパチ品

1/100 分単位 約 30m △ R フォーマットコンパチだ

が、時 刻 情報 がないた

め、内部時計の設 定が

必要。

測位状態の情報なし

ARINC429 present position

(ラベル 010、011)

1/10 分単位 約 300m × 分解能が 不足のため 、

対応していない

2.2 推奨機種

推奨機種は、FreeFlight 2101 シリーズ(2101 Approach P lus、2101 Approach、 2101 I/O

Approach P lus、2101 I/O Approach)とします。

BP PORT1 あるいは PORT2 に接続可能です。

使用する PORT の出力モードを「X0」、通信速度を「9600」に設定して下さい。

信号名 BP PORT 1 BP PORT 2

TXDBP 6 10

SERIAL COMMON 1 1

CABLE SHIELD 20 20

2.3 その他

Garmin、KING とも接続可能ですが、機能などが限定されます。詳しくはお問合せ下さい。

信号名 SENSE

RS-232C RxD 11

RS-232C Gnd 24

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3 コンパス機器、ARINC 高度計との接続

3.1 ARINC429 ヘディング出力を有する機器(AHRS)を搭載している場合

3.1.1 LITEF GmbH μAHRS LCR-92、LCR-93 の場合

ARINC429 出力のラベル 014(Magnetic Headin g)か、ラベル 320(Magnet ic Heading)の出力が

出ている ARINC429 ポートを確認し、接続して下さい。

信号名

3.1.2 Collins AHS-85、Archangel Systems Inc. AHR150-1 の場合

ARINC429 出力のラベル 014(Magnetic Headin g)か、ラベル 320(Magnet ic Heading)の出力が

出ている ARINC429 ポートを確認し、接続して下さい。

信号名

3.1.3 SFIM Inc. APIRS F200-AHRS の場合

SFIM 社の AHRS では、高度情報が ARINC429 で出力されている場合があります。ARINC429 出

力のラ ベル 014(Magnetic Heading)か 、ラ ベル 320(Magnet ic Headin g)の出 力 および、

AIRNC429 ラベル 203(Alt itu de(1013.25mB))の出力が出ている ARINC429 ポートを確認して接

続して下さい。

信号名

3.2 ARINC429 ヘディング出力を有する機器を搭載していない場合

3.2.1 ヘディング情報を取り出せない場合

外付けのコンパスと King KA-90 または Garmin GAD42 を装着し、ARINC407 を ARINC429 に変

換し AMS-3000S に入力します。

3.2.2 ARINC407 でヘディング情報を取り出せる場合

Shadin 社 Synchro Heading Input to A-429 Converter(P/N:933753-00)、または King 社

信号名 SENSE

ARINC-2 RxD+ 9

ARINC-2 RxD- 22

信号名 SENSE

ARINC-2 RxD+ 9

ARINC-2 RxD- 22

信号名 SENSE

ARINC-2 RxD+ 9

ARINC-2 RxD- 22

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HSI/GPS Inter face Adapter KA-90、または Garmin 社 Interface Adaptor GAD42 を装着し、

ARINC407 を ARINC429 に変換し AMS-3000S に入力します。

4 高度計との接続

4.1 概要

グレイコードを出力するアルチチュードエンコーダとのパラレル接続と、ARINC429 による接続が

選択可能です。いずれも QNH 補正前の情報を取得し、AMS-3000S の入力画面で QNH 補正値

を入力して使用します。

4.2 パラレル入力、ARINC429 入力の優先度

3.1.3 項で示す SFIM 社の AHRS を使用すると ARINC429 で高度情報が取得できる場合があり

ます。ARINC429 とパラレルの両方から高度情報が得られた場合には、AMS-3000S は、パラレ

ル接続の高度情報を使用します。

4.3 Alt itude Encoder をパラレル接続

推奨機種

TERRA 社 AT3000

信号名 BP PORT 2

A1 2

A2 3

A4 4

B1 5

B2 9

B4 10

C1 11

C2 13

C4 12

GROUND 15

STROBE 6

信号名 SENSE

高度計 A1 6

高度計 A2 18

高度計 A4 5

高度計 B1 17

高度計 B2 4

高度計 B4 16

高度計 C1 3

高度計 C2 15

高度計 C4 2

高度計 D4 19

高度計 Gnd 1

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4.4 ADC、AHRS から ARINC 経由で取得

4.4.1 SFIM Inc. APIRS F200-AHRS の場合

ARINC429 ラベル 203(Alt itude(1013.25mB))が出力されている場合、使用可能です。3.1 .3 項を

参照して下さい。

4.4.2 Rockwell Collin s ADS-85、ADS-850 の場合

AIRNC429 ラベル 203(Alt itude (1013.25mB))をデコード可能です。ラベル 203 の出力を確認して

接続して下さい。

信号名

5 TAS との接続

Ryan 社 TAS9900BX または、TCAD9900B と接続可能です。RS-232C で接続します。詳細はイ

ンストレーションマニュアルをご覧下さい。

6 外部通信機器との接続

衛星電話 Aero-M、その他ヘリテレ無線などの外部通信機器と接続可能です。RS-232C で接続

します。仕様に関しては、インストレーションマニュアルをご覧下さい。接続方法等、詳細はお問

合せ下さい。

7 接続確認の方法

GPS が受信できる場所で、電源投入後、「MENU」キーを押し、「設定・確認」を選択、「接続状態

確認」を選択すると、以下の画面になります。

信号名 SENSE

ARINC-2 RxD+ 9

ARINC-2 RxD- 22

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それぞれの項目は、以下のように表示されます。

GPSレシーバ : OK(通信有)/未接続(通信無)

コンパス : OK(通信有)/未接続(通信無)

高度計(シリアル) : OK(通信有)/未接続(通信無)

高度計(パラレル) : OK(通信有)/未接続(通信無)

I/Fユニット : OK(通信有)/NG(通信無)

TCAD : OK(通信有)/未接続(通信無)

衛星電話接続 : OK(通信有)/未接続(通信無)/― ― (確認中)

補足 : 衛星電話接続は、画面遷移時に確認します。確認には 10 秒程度かかります。

接続したのに「未接続」の表示になっている場合は、接続状況(配線は正しいか等)を再度確認

して下さい。

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補足資料(1.21 版修正追加分)

GPS データの入力フォーマットである X フォーマットと、K、R フォーマット時の表示の違いを以下に示します。

緯度経度分解能 m 換算 接続 補足

Tr imble X フォーマット 1/10000 分単位 約 0.3m ○ 測位状態の情報あり

Tr imble K フォーマット 1/100 分単位 約 30m △ 測位状態の情報なし

Tr imble R フォーマット 1/100 分単位 約 30m △ 測位状態の情報なし

機能 詳細 X フォーマット K フォーマット、R フォーマット

地 図

表示

GPS 非受信時または GPS 位

置誤差大の時の自機マークの

表示

GPS からの測位状態の情報により、黒◎表示にな

り、GPS 情報が得られないことを示す。

GPS からの測位状態の情報がないため、赤◎表示

のままとなる。