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広島県教育委員会会議録 平成 29年6月9日 広島県教育委員会

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広島県教育委員会会議録

平 成 2 9 年 6 月 9 日

広島県教育委員会

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広島県教育委員会会議出席者名簿

平成29年6月9日(金) 13:00開会

14:43閉会

1 出 席 者

教 育 長 下 﨑 明

委 員 佐 藤 卓 已

細 川 喜 一 郎

中 村 一 朗

志 々 田 ま な み

近 藤 い ず み

2 欠 席 委 員 な し

3 出 席 職 員

教 育 次 長 佐 藤 隆 吉

管 理 部 長 畦 地 博 之

教 育 部 長 諸 藤 孝 則

参 与 北 川 千 幸

理 事 原 恒 雄

総 務 課 長 大 内 貞 夫

秘 書 広 報 室 長 佐 藤 哲 義

教 職 員 課 長 福 嶋 一 彦

学 び の 変 革 推 進 長 寺 田 拓 真

高 校 教 育 指 導 課 長 阿 部 由 貴 子

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教 育 委 員 会 会 議 定 例 会 日 程

開催日時:平成29年6月9日(金)

13:00~

日程第1 会議録署名者について 1

日程第2 報告・協議1 平成29年度広島県教師養成塾について 1

日程第3 報告・協議2 「学びの変革」を先導的に実践する学校の検討状

況について

日程第4 報告・協議3 平成29年度広島県公立高等学校入学者選抜一般学

力検査の結果について

11

日程第5 第 1 号 議 案 平成29年広島県議会6月定例会に提案される教育

委員会関係の議案に対する意見について

14

日程第6 第 2 号 議 案 知事の専決処分に対する意見について 14

日程第7 報 第 1 号 教職員人事について 14

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1

下﨑教育長: ただ今から本日の会議を開きます。

直ちに日程に入ります。

まず,会議録署名者の件ですが,本件は会議規則第22条の規定によりまして,私から

御指名を申し上げます。会議録署名者として,佐藤委員及び中村委員を御指名申し上げ

ますので,御承諾をお願いいたします。

( 承 諾 )

下﨑教育長: 本日の会議議題は,お手元のとおりです。

議題のうち,公開になじまないものがあれば,後に回して審議をしたいと思いますが,

いかがいたしましょうか。

佐 藤 委 員: 第1号議案及び第2号議案は,議会提案前の内部検討を行うものであり,また,報

第1号は,個別の人事に関する案件ですから,審議は非公開が適当ではないかと思いま

す。

下﨑教育長: ほかに御意見はありますか。

( な し )

下﨑教育長: それでは,ただ今の佐藤委員の発議について採決いたします。

第1号議案の平成29年広島県議会6月定例会に提案される教育委員会関係の議案に対

する意見について,第2号議案の知事の専決処分に対する意見について,報第1号の教

職員人事については,公開しないということに賛成の方は,挙手願います。

( 全 員 挙 手 )

下﨑教育長: 全員賛成と認めます。

したがいまして,本日の議題は,第1号議案,第2号議案及び報第1号を公開しない

で審議することといたします。

報告・協議1 平成29年度広島県教師養成塾について

下﨑教育長: それでは,報告・協議1,平成29年度広島県教師養成塾について,福嶋教職員課長,

説明をお願いします。

福嶋教職員課長: それでは,平成29年度広島県教師養成塾について御説明申し上げます。

本年6月1日付けで文部科学省の委託事業の決定通知を受けましたので,本日より募

集要項等を教育委員会ホームページに掲載いたしまして,事業をスタートして参りたい

と考えております。

資料の1ページを御覧ください。

「1 目的」につきましては,本県の小学校教員を志す大学生を対象に,3年間にわ

たりまして継続的に実地研修や集合研修を実施することにより,大学等で学ぶ理論と実

践の往還によります実践的指導力の基礎の育成を図るとともに,中山間地域をはじめと

した広島県の教育を担う人材を育成して参りたいと考えております。

次に,「2 各研修のねらいと内容」についてでございます。本教師塾は,実地研修と

集合研修を柱といたしまして,大学1年次から3年次までの3年間実施いたします。実

地研修は,大学1,2年次の2年間,広島市を除く県内22市町の小学校におきまして,

児童との触れ合いや教師の仕事を体験することを通しまして,教育に対する情熱,使命

感を涵養し,教職への意欲を高めます。集合研修は,大学1年次から3年次までの3年

間実施いたしまして,本県の教育施策の理解,他大学の学生との交流といったことを通

して,視野を広げていただく,物の見方・考え方を深めたりするとともに,模擬授業な

どを実施して実践的指導力の基礎を育成したいと考えております。

「3 応募要件」についてでございますが,要件といたしましては4点ございます。

1点目は,平成29年度入学の大学1年次生であり,将来,本県の各市町立小学校で教職

に就くことを志望する方,2点目は,3年間継続的に受講する意志がある方,3点目は,

大学卒業時に小学校教諭一種免許状取得予定である方,4点目は,本教師塾におきます

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活動中の不測の事態に備えまして,自分自身のけが等,さらには対人・対物賠償に適用

できる保険に加入している方を要件と考えております。

募集人員は100人程度としております。

続きまして,2ページを御覧ください。

「5 広島県教師養成塾における3年間の主な内容について」でございます。アピー

ルポイントといたしましては,大学1年次は,主に実地研修を行いながら,3月の集合

研修では地域の特色をいかした学校教育を実感していただくために,三つのグループに

分かれて,山や海に囲まれた自然豊かな中山間地域の学校訪問を計画しております。大

学2年次には,1年次と同様に,実地研修を主体としながら,集合研修では発問,ノー

トの指導,板書計画等,授業づくりの基礎となる実践的な研修を考えております。また,

3月には,三つのグループに分かれまして,指導教諭や授業の匠といった優れた授業の

参観も計画をしております。さらに,大学3年次の集合研修では,広島版「学びの変

革」アクション・プランを理解し,主体的な学びの充実に向けた授業づくりについて学

ぶとともに,受講者自らが模擬授業等を実施しまして,基礎的な授業力の向上を図って

参りたいと考えております。

なお,「6 その他」といたしまして,3年間の本教師塾への参加が困難で,応募でき

ない大学生等を対象に,本教師塾を活用しました学校インターンシップを実施すること

としております。定員は50から70人程度としてはおりますけれども,実地研修受入校の

空き定員に応じまして,可能な限り希望者を受け入れて参りたいと考えております。

今後のスケジュールとしましては,本日中に本県教育委員会のホームページに募集要

項等を掲載しまして,9月の上旬をめどに入塾希望者を募って参ります。また,本教師

塾実施に向けまして,県内の小学校教諭一種免許状の取得可能な10大学,各教育事務所

及び各市町教育委員会との連携を進めるとともに,8月には主に県外大学の在籍者を対

象としました説明会を実施する予定でございます。その後,9月27日までに入塾者を決

定いたしまして,10月15日(日)に入塾式を実施し,第1回の集合研修を実施しまして,

実地研修のオリエンテーションを行った後に,11月上旬から実際の実地研修に入ってい

ただくといったことを考えております。

説明は以上でございます。よろしくお願いします。

下﨑教育長: ただ今の説明に対しまして,御質問又は御意見がありましたら,お願いいたします。

近 藤 委 員: 実地研修のところで,1年次からの実地研修に力を入れているというお話だったので

すが,現在予定している時間数は決まっているのでしょうか。

福嶋教職員課長: まず,1年次のスタートが秋口からになります。大学の長期休業は恐らく2月,3月

あたりだろうと思っております。そのため,1年次は大体20時間以上で,2年次になり

ますと,さらに学生さんは夏の長期休業期間も活用できますので,そこと春の長期休業

を加えまして,おおむね40時間以上,これぐらいのボリュームでそれぞれの小学校での

実地研修を体験していただくように考えております。

近 藤 委 員: 大学1年次の10月の主な内容のところで,実地研修校訪問に「研修スケジュールの決

定」という項目がありますが,これは入塾生一人一人にこの学校で継続して実地研修を

行ってくださいということを決めて,それが2年次も引き継がれるというやり方になる

のですか。

福嶋教職員課長: まず,実地研修に行っていただく学生さんには,基本的には学生さんの御都合と受入

れ校の御都合,両方が良いところを調整していただくということでございます。そのた

めに,まずは10月の入塾式等で実際の配置校,行っていただく学校を決定して,その後,

その学校との調整等々について,いろいろ事前のレクをいたしまして,ここに書いてご

ざいます実地研修校訪問というときには,それぞれの学校との具体的な今後の予定につ

いて協議をいただこうと考えております。2年生と3年生につきましては,ある程度見

通しが立つところについては結構ですけども,まずもっては,1年次の段階のところは

このように決めていただきます。

なお,配置先の学校は,1年生と2年生のときは,原則としては同じ学校を考えてお

ります。

中 村 委 員: 目的は,大変結構なことだと思います。これは,費用は取らないということだったで

しょうか。

福嶋教職員課長: 基本的には,受講生の方からは,参加に係って費用を徴収することはございません。

中 村 委 員: 応募要件(1)は非常に大事なところだと思いますけれども,これはどこまでの縛り

というか,担保というか,その辺はどう考えていらっしゃいますか。

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福嶋教職員課長: この応募要件(1)の大学1年次生というのは,3年間にわたって子供の成長を見て

いただきながら学んでいただきたいということで,まずはそういう縛りをかけておりま

す。それと,その次の広島県内の各市町立(広島市を除く)小学校を志望する者とござ

いますけれども,私どもで考えておりますのは,これまでの採用試験において,広島市

と共同で実施してございますから,広島市,広島県,どちらでもよいという選択肢の中

で,小学校で広島県とどちらでもよいと選ばれた方々が過去数年間,大体100人前後で推

移している経緯がございます。したがいまして,まずはそういった方々を優先し,また,

明確に広島市しか行きませんという意志をお持ちの方であれば,とりわけ私どもの施策

は市とは違っているところもございますので,そういった方以外はできるだけ受け入れ

ていきたいと考えております。

中 村 委 員: 最初から,もうここで受けたら広島県以外はだめというのはなかなか難しいとは思い

ますけれども,是非そういう志望をしていくように持っていってもらうということが大

事だろうと思います。

それから,実地研修,近藤委員からも質問がありましたが,具体的にどういう割り振

りをしていくのか等,細かいことも決まっていると思いますけれども,教育実習との違

いであるとか,細かい内容を募集のときに明らかにされるのでしょうか。受け入れる方

の負担もあると思いますし,実地研修をするからには成果を得ていただきたい。それは,

やはり環境を整えておかないと,ただ「あなたはここ」と振り分けるだけでは,なかな

か効果が得られないケースもあると思いますので,そのあたりは十分,受入れ側の負担

も含めて,丁寧にやっていただかないといけないのではないかと思いました。

福嶋教職員課長: まず,今委員からいただきましたことにつきましては,まだこれから詳細を詰めてい

くところもございますけれども,例えば大学生の方からは,希望される地域なり,学校

なり,このあたりを三つぐらいまでは希望を伺いながら,できるだけそれに沿うように

はしたいと考えてございます。

さらに,教育実習とこの教師塾の違いと言いますと,教育実習というのは,明確に5

週間という限られた期間で,実際に授業もやれるように一つの単位になっているもので

すけれども,この教師塾は,基本的には授業はしない。あくまで学校の中に入っていた

だいて,先生方のお手伝いなりをすることによって,学校の子供たちとの距離感とか,

学ぶ子供の成長とか,いろいろな学校のことを体感していただくというのが目的となり

ますので,そのあたりのところは,既に今年度に入りましても県内の10大学を訪問して

御説明した状況でございます。ただ,いずれも,質問等がかなり出て参りますので,そ

のあたりについては丁寧に対応しながら,さらに,今後市町の方に入塾生を割り振って

具体な連携をする折には,市町教育委員会なり,学校なりの御要望等もあると思います

ので,出てきた課題につきましては,丁寧にこれからも対応していきたいと思っており

ます。

中 村 委 員: くどいようですけども,特に受入れ側と県教育委員会の意識,学生の目的意識にずれ

があるといけませんので,思いの共有,目的の共有をしっかりやっていただきたいと思

います。よろしくお願いします。

細 川 委 員: 応募要件(2)のくくりでございますが,3年間にわたり受講する意志があることと

いうことになっております。しかし,1年次のときはさほどそうでもなかったが,2年

次ぐらいから本格的に教員を目指したくなった方というのは,もうこれに参加できない

のかということと,それから,これは3年次までで終わっておりますが,4年次まで延

ばさない理由があるとしたら,何をお考えになられているかをお聞かせください。

福嶋教職員課長: まず,2年次ぐらいから入塾を希望される方が出た場合,この教師塾については,私

どもの方で例えば一定の単位なり,何か資格を与えるというものではございませんので,

個別に御相談に乗りながら,会場等々に余裕があればオブザーバーでの参加についても,

いろいろ御相談いただく中で,可能な限りはお応えしていきたいと考えております。

それから,4年次を対象としていないことにつきましては,直接この制度が採用試験

にインセンティブを与えるものではございませんけれども,基本的には4年次の夏には

採用試験の受験ということもございます。そういったことを考えれば,その前年度まで

に本県の教育の状況について,体感的にもいろいろな面で御理解いただきながら,4年

次での受験に備えていただければというのが,私どもの思いでございます。

細 川 委 員: そういうことで承知をしたということですけれども,今,市町教育委員会では,私ど

もの自治体もそうですけれども,県の採用試験に合格しなかったために,市町教育委員

会で,市町の経費で教員をしている方がいらっしゃいます。県で採用された先生と市町

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で採用された先生が同じ学校にいて,同じ担任なのです。保護者としましては,そうい

う方々のスキルアップアップを非常に望んでいるところがあります。そういう意味で,

市町で採用している教員の方の,例えばオブザーバー出席とか,もう一歩前へ出て,参

加というようなところのお考えはないのですか。

福嶋教職員課長: 市町費で任用していらっしゃる臨時的任用の職員の方というのは,恐らく,もう大学

等を終えられて,一般の社会人等々であるように思います。この教師塾につきましては,

原則的には大学生を対象として考えてございますので,それにはまるかというと,なか

なか苦しいかなとは思っております。ただ,現在私どもの教育センター等々で持ってご

ざいます各種の研修につきましては,例えば臨時的任用の職員等につきましても,定員

の状況等に応じて受入れをしてございますので,その辺については,また御希望があれ

ば御相談に乗らせていただきたいと思います。

佐 藤 委 員: 一つはお願いと,一つは質問です。

先ほど県内10大学に説明されたとお聞きしましたけれども,小学校の先生を目指すと

いう場合は,各大学の中でも小学校教員養成を担当される学部,学科になってくるわけ

で,そこの授業内容と今回の3年間にわたるこの教師塾が離れたものになってはいけな

いと私は思います。大学側からして,よく理解をいただき,さらにこの養成塾に対して

期待も持っていただきながら実施していくに当たっての御要望等々をしっかりと受け止

めていただきたい,お尋ねしていただきたい。そして,それをまた反映していただきた

いということが,お願いであります。

もう一つは,せっかく中山間地域の学校を中心として訪問していただくので,そうい

う重要性というのをこの3年間にわたって感じていただきたいというのが,文字として

は表れていませんが,広島県内の事情からしては,当然そういうことだろうと思います。

教員になられる方が中山間地域で教鞭をとりたい,そういう子供たちのためになりたい

という人材をこれからも多く得たいという気持ちが,このプランの中にあるのだろうと

忖度しているわけですが,そうしたとするならば,何か資格を与えることはない,この

3年間受けられたから教員採用試験のときにプラスになるようなことはないというお話

でございましたが,そうではなくて,何らかのプラスになると言ってあげる方が,実効

性があるのではないかと。非常に難しいことでありましょうが,お考えになられること

はないでしょうか。

福嶋教職員課長: まず,1点目の大学側との連携のお話でございますけれども,確かに大学の方と会っ

て御相談なり説明させていただいた際に,大学からの御要望としては,既に大学が持っ

ていらっしゃる単位に関係するようなものとの兼ね合いについて検討してほしいという

こともございました。私どももそれは当然ながら,可能な限り大学と一緒に併せてでき

るものであれば,その方向で検討してくださいというのを複数の大学から依頼があった

のも事実でございます。おおむね10大学それぞれからは,前向きな反応であったと受け

止めてございます。

2点目の本教師塾を終えて,プラスになるところ,なかなか言いにくいことではござ

いますけれども,まず私どもは,この教師塾を実施することそのものが,大きな課題で

ある志願者数の増,ここにつながることは難しい事業であるというところは分かっては

ございます。しかしながら,やはり小学校教員という,新規に採用されてすぐに担任も

し,さらにはすぐに保護者対応も直接し,こういったところで実践力を発揮できる,そ

ういったこと,さらには,本県の教育施策がどんな方向へ向いているのか,こういった

ことをあらかじめ幾らかでも理解しながら,教員採用試験を受けていただくということ

は,本人にとっては非常に大きなプラスになるであろうと思います。ちなみに,既に他

県でこの教師塾を先行しております奈良県では,こういった塾を卒業された方が同期の

採用者の中でのリーダーシップを発揮しながら,例えば初任者研修等々でもそういった

力を発揮してくれているという情報も得ております。したがいまして,ずばり採用試験

に合格してどうこうということではございませんけれども,何かしらそういう目指す教

員になった後に,より一層自信を持って教員として実践していただくには,是非プラス

になっていただけるような事業にしていきたいと思っております。

佐 藤 委 員: 1年限りのプロジェクトではないので,継続する中で,3年間受けられて4年生のと

きに採用試験に合格して,先ほど課長がおっしゃられたようにリーダーシップをとられ

る方が,後輩に向かっても「これはいいよ。この教師塾,私はすごくよく参考になった

し,スキルアップになったし,試験でもうまくいったよ」と先輩が言うのは何も関係が

ないでしょうから,そういう好循環になるように努めていただければと思います。

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志々田委員: 楽しみな取組だと思います。一番懸念しているのは,やはり実地研修の際に,学校側

がどういうつもりで受け入れるのかということかと思います。もちろん教員の確保とい

う意味で,こういう事業が大事だというように,これは県教委の都合でそう思っている

のですけれども,現場の先生からすると,教育実習が長引いたのではないかと受け取っ

たら大変なことになるかと思います。私は教員養成の大学に勤めていましたので,いか

に教育実習生が学校にとって負担かということを,学校訪問に行くたびにすごく長い時

間校長先生から言われて,だから,厳選して少ない人数を送ってこいということをもう

何十年間もずっと言われ続けています。困る,来てほしくないとはっきりおっしゃられ

る学校すらあります。ただでさえ学校現場が負担の状況で,中村委員の指摘もありまし

たけれども,教育実習の延長だと思わせないような努力がいるだろうと思います。

そのときに,先生のお手伝いでということをおっしゃられたかと思うのですが,これ

はまた別の懸念がありまして,広島市が実施している学校インターンシップという制度

があると思うのですが,私は立ち上げのときの協議会に何回か参加したときに,最近は

ないですが,学校の先生のお手伝いだから入れてくださいと言って行くと,草むしりを

したり,本の整理をしたり,お掃除をしたりというようにして,学校の先生方が雑用と

思っておられることを手伝いに来てくれてありがたいとおっしゃられる。要するに,子

供と触れ合わない現場,それも学校のお手伝いで,学校の先生の仕事の中の一部かもし

れないですけれども,雑用係や来てくれるヘルパーさんのような形で大学生たちを受け

入れるようなことがあったときに,それが大学生にとって良い教育効果を果たすかとい

うと,そうではない。「学校ってしんどいな」とか,「学校の先生ってこんなに私たちの

ことを使うんだ」という誤解を招いてもいけないので,やはりこちら側として,「学校に

いさせてくださるだけでいいんです」,「子供たちとの距離のとり方を教えてやってくだ

さい」,「子供たちとしゃべらせるだけでもいいですから置いてください」と言っても,

多分良い教育効果は出なくて,やはり先生方にどんな場面に大学生を連れて行ってほし

いのかとか,どんな仕事をさせてやってほしいのかとか,どういう点を指導してやって

ほしいとか,余り負担にはならないようにですけれども,教育実習生ではない,この塾

の大学生たちを受け入れる際のガイドラインというか,指導の手引みたいなものを用意

していただけると,学校の先生にとってもプラスになるだろうし,この大学生にとって

もプラスになるだろうと思います。そばにいるだけ,ジョブシャドウのようなことをし

ているだけでは,多分,力は着かないと思いますので,そこが必要だなと。

もう一つ,やはり子供にとって新しい若い先生がやってくるというのは,教育的に非

常にやる気が出てきたりするだろうと思います。やはり学校側のメリットというか,引

き受けたなりの子供たちのメリットというか,大学生が来てくれることによって,学校

側にとってもプラスになる部分がないとこの事業が継続的にはいかないかなと。なので,

例えばですけども,前に聞いたことがあるのは,養成塾に来た先生とある一定時間過ご

すと,仲良くなって,子供は先生行かないでと当然なってくれるので,そうしたら,実

地研修から帰った後もお手紙のやりとりをしたり,その実地研修に来てくれた先生に発

表を見に来てもらったりだとか,何かそういうように子供たちにとって,先生と自分た

ちともう一人,第三者的に自分たちの育ちに関わってくれるような,そういう地域のお

兄さん,お姉さんという役割を背負ってもらうことによって,多分子供たちにとっても

良い教育効果があるでしょうし,大学生にとっても,この地域の子供が愛おしいと。こ

ういう中山間地域の子供たちとのやりとりの中で,そんなに都会ではない地域の中で教

員をするということや教師という仕事に就くことのすばらしさを感じてくれると思うの

で,そのように行って,わっと何かやって,帰ってきて集合研修で勉強してではなくて,

3年間の取組の中で集合研修と実地研修に相互作用があるように,子供たちにとっても

プラスになるように,これから開発されるのだろうと思いますが,うまくプログラムを

精緻化していっていただけるといいかなと思っています。

福嶋教職員課長: 正に志々田委員が後半にお話しいただいたところが,私どもの本事業の目指すところ

でございます。そのためには,御指摘のとおり,やはり学校側の考えなり,私どもの考

えなりをうまく合わせることが必要でございます。今現在の予定ですけれども,今月末

に,各市町教育委員会の担当者と私どもとが意見交換する場を設けてございます。です

ので,その場である程度学校の要望を,市町教育委員会には把握した上で参加していた

だき,私どもも本来のこの事業で目指すところを具体的にそういった担当者に伝えなが

ら,そこの連携もしっかりして,やはり市町教育委員会の方がそれぞれの学校と正に意

識のずれが生じないようなことができるだけできるように,連携を十分図っていく努力

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をしていきたいと思います。

下﨑教育長: 市町教育委員会だけでなくて,例えば該当の校長先生ともその趣旨の徹底というか,

趣旨の理解をしてもらうということは計画としてあるわけですか。

福嶋教職員課長: 校長先生と直にお話しできるのが一番良いと思いますけれども,現段階のところ受入

れの学校は,100名プラス,先ほどのインターンシップもございますので,受入れ候補校

は130校ぐらいございます。そのため,一遍にまとまってお話しできる機会が,これから

先の中でうまく組めるようであれば,そこの中でも私どもが,直に話をしていくことが

大事だと思いますので,当然ながら,実地研修の方でお預けしているときには,私ども

もできるだけ教育事務所とともに学校を訪問して,校長先生の生の声もいただきながら,

できるだけ改善なり,良い方向にも反映はしていきたいと思います。

下﨑教育長: ほか,いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

( な し )

下﨑教育長: 以上で本件の審議を終わります。

報告・協議2 「学びの変革」を先導的に実践する学校の検討状況について

下﨑教育長: 続いて,報告・協議2,「学びの変革」を先導的に実践する学校の検討状況について,

寺田学びの変革推進課長,説明をお願いします。

寺田学びの変革推進課長: 「学びの変革」を先導的に実践する学校,いわゆるグローバルリーダー育成校(仮

称)の検討状況について御説明をさせていただきます。

本件につきましては,昨年11月に学校概要パンフレットを作成したところでございま

して,今後,本年秋に学校案内を作成すべく,現在様々な準備に取り組んでおります。

その一環として,まず,カリキュラムの検討状況について御説明をさせていただきます。

A3のカラーの資料を御覧いただければと思います。

一番上に記載しておりますように,この学校では,社会の持続的な平和と発展に向け,

世界中のどこにおいても,地域や世界の「より善い未来」を創造できるリーダーを育成

することとしております。そして,こうした人材に必要な資質・能力といたしまして,

様々な場面で活用できる「知識・技能」の深い理解,新しい価値を生み出す「創造的・

批判的思考力」,異なる文化・価値観を持つ人々と「協働する力」,目標に向かって「や

り抜く力・自信」,日本語だけではなく英語でも議論・協働できる「高い語学力」という

五つを整理いたしておりまして,この力を育む観点からカリキュラム全体を組み立てて

ございます。

教育課程を御説明する前に,主な特徴について先に御説明させていただきます。

まず,左下に記載してございますけれども,各教科で学んだ知識を活用し,協働して

実社会の課題解決に取り組む学習活動を,「未来創造科」という名称で実施いたします。

これは,その下に記載してございますが,総合的な学習の時間の授業時数を通常より充

実させるとともに,国際バカロレアのプログラムにおきましてはTOK( Theory of

Knowledge 知の理論),あるいはCAS(Creativity 創造性/Action 行動/Service 奉

仕)と呼ばれる時間を活用して実施する予定にしております。この時間では,「社会の持

続的な平和と発展」をテーマに,生徒が自ら課題を設定いたしまして,その解決に取り

組む「プロジェクト学習」を実施することとしており,「答えが一つに定まらない問題」

に対する生徒のチャレンジや失敗といったものを最大限奨励,尊重して参りたいと考え

てございます。

具体的には,三つのステップで取り組むことを考えておりまして,それぞれ2学年の

学年横断で取り組みます。まず,ステップ1といたしまして,「プロジェクト学習」の実

践に必要となる情報分析や表現方法などの学び方を学ぶとともに,大崎上島の地域資源

を活用した学習活動を実施して参ります。次に,ステップ2といたしまして,高校から

入学してきた外国人留学生も含めてチームを組みまして,グローバルなトピックに関す

る議論や協働活動を実施します。最後のステップ3では,県内企業やNPO等,多様な

主体の方々と連携・協働いたしまして,生徒自らが設定した課題の解決を目指す「卒業

プロジェクト」に取り組むこととしてございます。

次に,二つ目の特徴といたしまして,「国際バカロレア・ディプロマプログラム」の導

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入を予定しております。こちらは,「より良い,より平和な世界を築くことに貢献する,

探究心・知識・思いやりに富んだ若者の育成」という理念に基づくプログラムでござい

まして,履修後,最終試験で所定の成績を収めますと,世界2,000校以上の大学で認めら

れている入学資格が取得可能となって参ります。

最後の特徴でごさいますけれども,実践的な英語力の習得にも力を入れて参ります。

高校段階では,ほとんどの教科を英語で授業を実施するということになりますので,中

学校段階から系統的に英語力を強化していくプログラムを用意しております。具体的に

は,中学校では週二コマ程度,ネイティブ講師等による英会話の授業を開設いたします

とともに,高校1年生でもアカデミック英語の授業を,同じく週二コマ程度開設いたし

まして,国際バカロレアで求められる英語による論文作成などの力を向上して参ります。

また,中学校2年生では2週間,高等学校1年生では3週間程度,全生徒参加による海

外研修も実施して参る予定です。

以上のような内容を,中央に教育課程として整理をいたしてございます。各教科の色

が,白から徐々にオレンジ色が濃くなっていっておりますように,学年が上がるにつれ

て英語による授業の割合を段階的に増やしていく予定としてございます。また,高校2

年生,3年生は,国際バカロレア・ディプロマプログラムに対応いたしますとともに,

日本の高等学校の学習指導要領,あるいは中学校の学習指導要領にも基本的には準拠す

る形で,日本の学校の卒業資格も入手できるような格好になってございます。

以上が現時点で整理できております内容でありますけれども,これに加えまして,各

教科における授業について,先ほど申し上げた資質・能力を基点とした上で,生徒の好

奇心や探求心を刺激するものとしていくことや,あるいは「未来創造科」における体験

的な学習と各教科におけるアカデミックな学習,さらには,教育課程内の学習と教育課

程外,放課後の学習とを相互に関連付けさせ,融合したものとしていくことなどの点に

ついても,現在検討を進めてございます。

本年6月1日からは,イギリスにございますボーディングスクール,ユナイテッド・

ワールド・アトランティック・カレッジという学校の前副校長でございます,ディビッ

ド・ブッカー氏にイギリスより広島に移住をしてきていただきまして,常駐のアドバイ

ザーとして検討チームに加わっていただいております。今後,同氏から様々なアドバイ

スをいただきながら,更に検討を加速して参りたいと考えてございます。

続きまして,学校施設の設計状況について御説明をさせていただきます。A4資料の

「『学びの変革』を先導的に実践する学校」の施設設計について,を御覧ください。

昨年10月に設計者を決定して以来,様々な調整を行って参りましたが,このたび建物

の配置,構造,平面計画等の基本設計がおおむね完了いたしました。「3 設計コンセプ

ト」に記載してございますように,多様なアクティビティに満ちた「学びの場」の創造

を基本コンセプトに掲げまして,フィールドと建築が調和した豊かな屋内外の環境,多

様な交流・協働が自然に生まれる空間構成,そして,自由度が高く柔軟な学習環境など,

本校のミッションにしっかりと適合した設計内容といたしてございます。

配置や平面計画等について御説明させていただきますので,別紙A3の図面を御覧い

ただければと思います。図面の1枚目でございますけれども,全体の配置といたしまし

ては,西側が海沿いになって参りますが,海沿いの敷地をスポーツゾーンと位置付けて

おります。東側の敷地には,中央に広場や食堂棟のある地域交流ゾーン,南側には管理

棟や教室棟などの学習ゾーン,そして,北側には寮を配置して生活ゾーンという,大き

く四つのゾーンに分かれた配置をいたしております。

2ページを御覧ください。少し詳しい図面を添付しております。真ん中の少し上ぐら

いにございますけれども,広場を取り囲むように体育館,武道場,食堂棟を配置してお

りまして,生徒や教職員のみならず,地域の方々も含めて,自然とコミュニケーション

が生まれる空間を創出しております。そして,広場の右下に回廊がございますが,この

回廊を中心といたしまして,管理棟,特別教室棟,普通教室棟などの建物を配置いたし

てございます。

続いて,3ページを御覧ください。まず,寮の関係でございます。寮の全体像を整理

いたしておりますけれども,中央に管理棟がございます。この管理棟を中心といたしま

して,左側が男子寮,右側が女子寮となって参ります。基本的には,この真ん中の管理

棟を通過しないと寮の中には入れない,また,男子寮,女子寮の行き来もできないとい

う構造にいたしております。また,生徒が生活する居住区域は,それぞれ中庭を囲むよ

うに五つの建物が配置されておりまして,この五つの建物でハウスというものを構成し,

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それらが男女三つずつ,合計六つのハウス群で構成されております。各建物につきまし

ては,木造2階建てで建設することを予定しておりまして,中学校1年生から高校3年

生までの多国籍な10人の生徒たちが一つ屋根の下で共同生活を送りますとともに,それ

らが五つ集まった50人1単位のハウスを中心といたしまして,自分たちで生活のルール

を設定し,規律的な生活を送るとともに,様々なイベント等を開催して参ります。

続きまして,4ページ目を御覧ください。こちらは教室周りのレイアウトでございま

す。この資料の右側が普通教室棟になって参りますけれども,中央に位置します図書・

メディアセンターを中心といたしまして,六つの教室ユニットを配置しております。本

校では,「教科センター方式」を導入する予定としておりまして,各教室ユニットを国語,

英語,数学,社会といった各教科の拠点として位置付けた上で,時間割りに応じて,生

徒たちが各教科の教室に移動して授業を受けるイメージです。各教室は,それぞれの教

科の特色を踏まえましてカスタマイズをする一方で,中央の図書・メディアセンターが

各教科における知識や学習をつなぐ場として機能いたします。また,各教室の構成とい

たしましては,LL=ラーニングラウンジの略でございまして,オープンなスペース,

CS=セミオープンなクラススペース,QS=クローズドなクワイエットスペースとい

う三つの空間を用意いたしまして,国際バカロレアにも対応して様々な学習集団におけ

る多様な学びを展開できるフレキシビリティの高い空間設計としております。さらに,

中央にございます図書・メディアセンターは,読書スペースのほか,グループ学習がで

きるスペースも設けております。また,中央には半円,馬蹄形といいますか,そういっ

た形のプレゼンテーションスペースを用意いたしております。この空間の中で,例えば

異学年の生徒たちが合同でワークショップ等を開催することも可能な設計としておりま

す。

5ページには,学校全体のイメージパースを掲載させていただいておりまして,東側

から捉えた形になっております。また,6ページ以降につきましては,ただ今申し上げ

ました校舎や寮周りの個別のイメージパースを添付しています。6ページの右下のパー

スを御覧いただきますと,先ほど申し上げた図書・メディアセンターにおけるプレゼン

テーションスペースのイメージでございます。基本的には,全体として木材を多く用い

まして,温かみのある環境といたしますとともに,ガラス張りや半屋外の空間を多数設

けるなど,風通しや採光にも配慮をいたしたものとしております。

なお,本日御説明させていただきました図面等はあくまで現時点でのイメージでござ

いまして,今後実施設計段階で変更が生じる可能性もございますので,御承知おきいた

だければと思います。

最後に,先ほどのA4の資料の裏面を御覧いただければと思います。「【参考】学習活

動・学習環境・学習集団のイメージ」と書かせていただいてございます。ただ今御説明

申し上げましたように,現在,学習活動や学習環境の在り方について様々な検討を進め

ておりますが,これと併せまして,学習集団の在り方についても検討を進めてございま

す。学習活動等に関する現時点での検討の方向性について,点線の枠囲みで記載してお

りますけれども,例えば一番上にございますように,国際バカロレアで求められる少人

数の探求学習を展開することや,その下にありますけれども,4人,5人,6人,こう

いった集団をはじめとする様々な規模でのグループ学習を積極的に取り入れていくこと。

さらには,多国籍の集団における国際プロジェクト学習を展開していくこと。なお,そ

の際に,現在進めております広島創生イノベーションスクールにおきましては,日本人

生徒と外国人生徒の割合を,おおむね2対1という形で設定いたしまして,活発な協働

活動が行われていること。また,異学年集団による学習活動も積極的に展開していくこ

と。さらに加えまして,学習,生活の支援という形で記載しておりますけれども,全寮

制かつ,開校当初は上級生がいないということを十分に踏まえ,生徒一人一人へのきめ

細かい支援を実施していく必要があることや,全県への波及という観点なども踏まえま

すと,開校時における学習集団の規模といたしましては,中学校は40名,高等学校は,

外国人留学生20名を含みます60名をベースとして,今後詳細について検討して参りたい

と考えてございます。

今後,冒頭申し上げましたとおり,本年秋に学校案内を作成すべく,更に検討を加速

させて参ります。

御説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

下﨑教育長: ただ今の説明に対しまして,御質問又は御意見がありましたら,お願いいたします。

佐 藤 委 員: まだこれからスタートするので,人数が少ないということであれば,部活動というの

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はどうお考えになっておられるのか。そして,この海に近い環境を考えると,日本全国

多くの学校で,海に近いところではヨット活動であったり,レガッタであったり,シー

カヤックであったりと,特徴ある部活動が盛んに行われていますけれども,私の知って

いる伊豆の方の学校は,中学1年のときに自分でヨットを作って,そのヨットで6年間,

海洋でいろいろな活動をするというところもあります。せっかく海に近い学校なので,

そういう部活動のところは何かお考えがあるのかが一つと,それから,カリキュラムを

こうやっていろいろお考えになっていますが,広島県としては全く新しいことではある

けれども,他県では何校かは既にこういう試みはされておられて,特に東京で昨今有名

になっている広尾学園は,非常にこの研究,プロジェクトステップのイメージというか,

いろいろなツールを導入されて,生徒の探求心,研究心というものに火をつけて,学校

自体が変わってきているという内容の報道を耳にしたこともあります。そういった全国

的に既に取り組まれているところをどれだけ研究した上で,良いとこ取りということで

はなくて,これからつくられるこの学校が広島県のオリジナルでできることは当たり前

の話ですけれども,全く自分たちで勝手につくるのではなく,参考事例としては多くを

集められて臨まれているのかということも確認をさせていただければと。

寺田学びの変革推進課長: まず,部活動について,現時点でのイメージを申し上げますと,基本的に通常の学校

で部活動ということになりますと,野球なら野球,サッカーならサッカーという形で,

一つのものしかやらない,それを週5日とか,4日とかという格好になってきますが,

この学校は現時点ではそういったイメージを持っておりません。どちらかと言いますと,

多様な放課後の活動にいろいろと触れさせてあげたいというところがありまして,当然

その中にはスポーツといったものも入ってくる部分はあろうかと思いますけれども,そ

れだけではなく,例えば地域のお祭りを一緒に企画するような活動ですとか,さらには

文化的な活動ですとか,そういったものをいろいろ選び,月曜日はこれ,火曜日はこれ

といった形で,自分のニーズに合わせて組み立てていくという形にしていきたいと思っ

ております。その際には,全てを教員がやるということではございませんで,できるだ

け,地域の活動と一体という形にしていきたいと思っております。先ほどお話がありま

した海洋,海を使ったようなスポーツや活動というところも当然,大崎上島の方でいろ

いろなものが既に行われている部分もたくさんございますので,そういったところとの

連携ということについても,具体的な相談をスタートしているところでございます。

もう一つ,他県の事例という関係につきましては,おっしゃるように,他の都道府県

で行われている事例をリサーチしていくことは非常に重要だと思ってございまして,お

話のありました広尾学園も含めまして,全国的,あるいは国外の事例も含めて,多くの

ものをリサーチしてございます。国際バカロレアの学校というところでは余り国内に事

例はございませんけれども,それ以外でも,先ほどお話があったようなプロジェクト,

あるいはテクノロジーを活用してやっておられるような事例ですとか,探求的な学習の

事例ですとか,全寮制の学校の事例等々ございますので,そういうものを踏まえた上で,

この学校の場合にはやはり社会の持続的な平和と発展を牽引できるリーダーというとこ

ろのコンセプトと,総合的な学習の時間の「プロジェクト学習」と教科の学習をしっか

り連動させていくというところが大きなコンセプトになっておりますので,他の県での

事例も参考とさせていただきながら,広島県の新しいモデルをつくっていきたいという

ことを考えております。

中 村 委 員: 平面図でありますとか,このカリキュラム,教育課程のグランドデザインを拝見しま

して,あと2年弱ということで,だんだん近づいてきたなと私も少し緊張感漂うような

気がいたしております。

この教育課程を見て,本当に具体的にイメージができるようになったと思います。そ

の中でも,「社会の持続的な平和と発展」をテーマに,自ら課題を設定し,学年横断チー

ムで,その解決に取り組む「プロジェクト学習」というのが中学1年から始まって,だ

んだんオレンジになり,赤になり,最後は英語で取り組むといったようなこともイメー

ジが湧きます。是非,目的に見合った成果が上がるように持っていっていただきたいと

思います。

その中で,今日の報告事案に沿っているかどうか分かりませんけれども,留学生20人

の募集についてです。これは高校1年からですから,まだ開校より少し後になるのかも

しれませんけれども,なるべく多様なバックグラウンドであったり,文化であったりの

留学生に集まってもらう方が良いだろうなと思いますけれども,そういった留学生の募

集に向けての準備という点ではどんな状況でしょうか。

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寺田学びの変革推進課長: 基本的には,御指摘のとおり,できるだけ多様な文化,バックグラウンドを持った生

徒たちに集まってもらいたいというところがございます。恐らく一つのやり方といいま

すよりは,いろいろなやり方を組み合わせてやっていく必要があるのかなと思っており

まして,一つといたしましては,まず,現時点で既に九つの海外の自治体等と教育協定

を結んでございます。そういった教育協定を結んでいる自治体とは,具体的に生徒の募

集といいますか,生徒を送っていただくようなことも含めて,順次御相談をしてござい

ます。それだけではなく,例えば先ほど申し上げたイギリスから来たディビット・ブッ

カー氏のネットワークもございますし,さらには,例えば広島大学が既に持っておられ

るネットワークというところも含めて,県内の大学が持っているネットワークも十分活

用していく必要があるだろうと思ってございます。加えまして,申し上げました広島創

生イノベーションスクールの関係でも,ハワイにありますアメリカの教育研究機関であ

るイースト・ウェスト・センターですとか,あるいはOECDといったところとも連携

をしながらプロジェクトを進めておりまして,実際にニュージーランドやフィリピンや

インドネシアやアメリカの高校生たちと一緒に活動に取り組んでおりまして,相手先の

学校からもこういった学校ができるのはおもしろいねという話もいただいてございます。

そういった形で,今後,平成34年度からということになりますけれども,それに向け

まして,こちらで待っているだけではなく,積極的に出向いて行きまして,海外での説

明会ですとか,あるいはサマースクールといったようなものも開催をしながら,かなり

積極的にPRを図っていく必要があると思っておりますので,それに向けてできるだけ

早いタイミングで動き出せるように準備をしていきたいと思っております。

志々田委員: わくわくするようなプログラムだなと思って見ているのですが,まず,総授業時間数

を何分で計算しておられるのかなと。1週間のモデルが付いているのですが,数が多い

ような気がします。もちろん,いわゆる学校教育法上で定められている日程を超えるわ

けにはいかないわけですので,1週間の授業時間数や学校の期間を通常の学校よりは長

くとっているのかどうかということと,もちろんプラスして授業時間外,授業外の学習

というのが恐らく彼らにとって必要なことだろうと。つまり,授業でずっと縛っている

と,自分で内省をしたり,準備をしたり,予習・復習というところが学力に響いてくる

わけですので,そういう授業時間外の学習時間というのをどの程度確保しているのか。

多分宿題をしてこないと,次の日の授業に間に合わないようなレベルで授業を進めてい

くはずだと思うので,全体的にどれぐらいの時間,要するに授業で何時間,授業外学習

で何時間,それ以外の休憩やお昼やという時間をどういうバランスで考えておられるの

か,教えていただければと。

寺田学びの変革推進課長: 授業時数,週当たり何コマ展開するかというところは,展開数,つまり学習集団をど

う切るかというところによる部分もございますので,今詳細について検討しているとこ

ろでありますけれども,基本的には学校教育法の施行規則等で定められている標準時数

よりは,少し多い授業時数を設定せざるを得ないかなと思ってございます。先ほど申し

上げた英会話の授業の新設ですとか,あるいは未来創造科,総合的な学習の時間を増や

しますけれども,それに伴って他の授業を削るというのもなかなか難しいところがござ

いますので,その分は上に乗ってくる部分が出てこようかと思ってございます。

一方で,授業時間というところでは,50分を基本としながらも,授業のねらいに応じ

てそれを細かく切って,20分,25分でやってみるとか,あるいはこれは100分にしてみる

とか,そういった授業時間の弾力的な運営,運用というのも併せてやっていきたいと考

えております。基本的には,日中の授業は通常の学校よりも少し多めになって参ります

けれども,それと同時に,放課後は,全寮制ということになって参りますので,基本的

には放課後の学習時間というのを低学年はある程度設定する必要があるのかなと。一斉

自習時間というような形で低学年は設定をしつつも,だんだんそれを自律的に自分で組

み立てていけるように渡していくということをやっていきたいと思っております。

併せまして,もう一つ,総合的な学習の時間,未来創造科の部分につきましても,恐

らくは教育課程内でやっている時間と教育課程外でやる部分がだんだんミックスされて

いくといいますか,そういう部分が出てくるのではないかと思っております。今の時間

割りの組立てでは,金曜日の午後は丸々未来創造科という予定をしておりまして,未来

創造科を受けて,一定のところまでは教育課程内の授業ですけれども,他方で,地域の

お祭りの議論が盛り上がった場合には,教育課程外の部活動にそのまま自動的に移行し

ていきまして,その地域で議論をしたり,あるいは活動したり,場合によっては,その

まま活動が続いていくような,放課後の部分も最大限活用したカリキュラムを組み立て

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ていきたいということで,今検討をしております。

志々田委員: 非常にフレキシブルで,良いアイデアだなと思っています。それをどう管理するかと

いうことと,前提として基本的に年間の学校教育計画というのは,変えてはいけないわ

けではないですが,前年度までにある程度きちんと出し,しかもこういう性質の学校で

すから,公表もしなければならないとも思いますし,それに対する評価も加えていかな

ければならないかと思います。学校経営のマネジメントというか,手腕というか,それ

から,柔軟性を持っていなくてはならないので,そのあたりがきちんと組み上がって,

最初から決めるのは無理だろうと思うので,まずは最低授業時間数,心配はないと思い

ますが,必要なものがきちんと必要な分だけあるのかどうか。それはバカロレアの部分

も含めて,そこのチェックはきくと思いますけども,やはりそこを,校長先生だけでは

とても,それから,学校の中だけではとても,外の関係もあるでしょうから,そことき

ちんと議論し合える協議会なり,自己点検をしていくようなスタッフチームというか,

そういうものが必要なのかなと。そういうことができると,ジグソーパズルのようなこ

のカリキュラムがうまく動くのかなと思ってお聞きしていました。でも,非常に魅力的

で良い授業だと思います。

細 川 委 員: このプロジェクトステップのイメージのステップ3のところに,県内企業,NPO,

大学などと一緒に取り組むという中に,起業とか法人の設立などということをお書きい

ただいているのですが,例えばそれもそれでしょうけども,もう少し県教委として,こ

の学校を出た後の子供たちの進むいろいろな道などに対する期待を含めて,この企業,

NPO,大学などにどういうことを期待されるのか。それから,年々,時間がたつにつ

れて,いろいろと例えば企業などにアプローチをされると思うのですが,どのようなア

プローチをしようと考えられておられるのか,お聞かせいただければ。

寺田学びの変革推進課長: 基本的には,「プロジェクト学習」につきましては,申し上げるまでもございませんが,

社会との接点をしっかりつくっていく必要があると思っております。そういった中では,

当然のことながら,企業やNPOの方々,さらには地域の方々を含めて,先ほどの志々

田委員のお話のカリキュラムマネジメントという部分とも重なって参りますけれども,

できるだけ多くの方々からフィードバックをもらい,協働して活動していくというスタ

イルをつくっていく必要があると思ってございます。

そういった観点と,併せて申し上げますと,進路として,将来この学校を出た後,ど

ういう仕事に就くのかというところは,なかなか一言でこれというところは決められな

いかなとは思ってございます。基本的には,社会の持続的な平和と発展というところが

全体を貫いていきますので,どんな仕事であっても,これに関係するような活動をして

いってもらいたいという思いはありますけれども,その部分を6年間かけましてしっか

り具体的な進路という形で落とし込んでいくようなことを,生徒と一緒にやっていく必

要があろうかと思ってございます。

そういったところで,やはりカリキュラムのある程度大枠のフレームができましたタ

イミングでは,それを世に出しまして,例えば商工会議所や,あるいは経済同友会さん

といった方々にも御相談をさせていただきながら,どういったやり方であれば,一緒に

プログラム,プロジェクトをつくっていくことができるのかというようなことは,どの

タイミングになってくるかは何とも申し上げられませんが,必要であろうかとは思って

おります。

下﨑教育長: ほか,いかがでしょうか。

( な し )

下﨑教育長: 以上で本件の審議を終わります。

報告・協議3 平成29年度広島県公立高等学校入学者選抜一般学力検査の結果について

下﨑教育長: 続いて,報告・協議3,平成29年度広島県公立高等学校入学者選抜一般学力検査の結

果について,阿部高校教育指導課長,説明をお願いします。

阿部高校教育指導課長: それでは,平成29年度広島県公立高等学校入学者選抜一般学力検査の結果について御

説明いたします。

この冊子は,3月7日(火)及び8日(水)に実施いたしました広島県公立高等学校

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入学者選抜の選抜(Ⅱ)における一般学力検査についてまとめたものでございます。

まず,1ページの下にある平均点の表を御覧ください。一般学力検査は,国語,社会,

数学,理科及び英語の5教科で実施をしておりまして,この5教科全体の平均点は50点

満点で19.8点となっており,平成28年度より3.2点低くなっております。

続いて,検査結果の概要について御説明いたします。2ページの各教科等の得点分布

を表すグラフを御覧ください。右下の5教科を合計したグラフから,250点満点の約40%

に当たる100点あたりをピークとした山形となっております。全体としまして,知識・技

能を活用して課題を解決するために必要な思考力,判断力及び表現力等が十分に身に着

いていないと考えられます。

教科別に見て参りますと,国語では,全体の中央が高くなった山形になっており,応

用的問題に十分に対応できていない受検者が多いと考えられます。分野・領域別に見ま

すと,要旨を的確に捉え,そのことを適切に表現することに課題が見られます。社会と

数学では,全体の形がやや左寄りの山形となっており,応用的な問題への対応,あるい

は基礎的・基本的な学習内容の定着が不十分な受検者が少なくないと考えられます。社

会では,資料を読み取ったり,関連付けたりして考察し,その過程を説明することに課

題が見られております。数学では,分野・領域別に見ますと,グラフを用いた考察,日

常生活における問題を解決する場面での数学的な思考力について,昨年度に引き続き課

題が見られます。理科,英語では,全体の形がかなり左寄りの山形になっており,基礎

的・基本的な学習内容の定着が不十分な受検者が多くいると考えられます。理科では,

既習の学習内容を活用して,事物・現象について考察し,表現することに課題が見られ

ます。また,英語では,分野・領域別に見ますと,英文の内容を的確に捉えた上で,場

面や状況に合った内容を表現することに課題が見られると考えております。

3ページを御覧ください。教科に共通した課題としましては,日常生活などの場面で,

文章や資料から読み取ったこと,観察・実験の仮説や結果等を既習の知識や学習内容等

と関連付けて考察し,自分の考えを持ったり,判断したりして,その過程や結果を表現

することが挙げられます。こうしたことから,「広島版『学びの変革』アクション・プラ

ン」に基づき,学習者を基点とする能動的で深い学びである主体的な学びを促す学習活

動を充実し,思考力,判断力,表現力を育成していきたいと考えております。

なお,本資料におきましては,結果の報告にとどまらず,課題の分析や指導のポイン

トを各教科におきまして詳細に記述をしております。これまでも義務教育指導課と連携

し,中学校に対する指導を行って参りましたが,今後も引き続き公立の中学校や高等学

校,また,市町教育委員会に配付をし,中学校はもとより,高等学校における指導内容,

指導方法の工夫,改善に生かすよう取り組んで参ります。

説明は以上でございます。

下﨑教育長: ただ今の説明に対しまして,御質問又は御意見がありましたら,お願いいたします。

志々田委員: 報告を見させていただいてびっくりしたのですが,英語が随分と低い。これは,毎年

この問題自体を,平均点が大体何点取れるのかという水準で作っておられるのか。今回,

英語の点数が非常に低くなっています。これは,問題が難しかったのか。というのは,

やはり入試も一つの学力検査ですので,継続的にデータを取っていくとするのならば,

大体同じ水準で同じような点数が取れる検査をしないといけないと思うのですけれども,

今回たまたまこの英語の問題が難しかったのか,もしくは想定していたよりも学力が下

がっていてできなかったのか。全体的に他の教科は変わらないので,英語だけのへこみ

が少し気になるのですけれども,英語のテストの,用意したものがどうだったのかとい

うことを少しお聞かせいただければと思います。

阿部高校教育指導課長: まず,最初の大体の平均通過率の設定については,毎年6割,30点を目途に設定をし

ているところでございます。

続いて,英語について平均点が下がっているというところについては,難しいという

状況なのか,学力が下がっているという状況なのかでございますけれども,これにつき

ましては,まずはこの学力検査の問題というのは,一義的には入学者の選抜に資するも

のということであります。ただ,委員の御指摘のとおり,各年について難易度のぶれと

いうのがあってはいけませんので,今回の英語の分析をしましたところ,やはり課題と

して挙げられるのが,文章の概要や要点を理解して,そこでまず理解のところでの思考

をするということ,そして,もう1段階,その場面や状況に合った内容を自分の考えと

して表現するという段階での思考というのを今年度も求めております。そこについての

通過率におきましては,やはり低い状況が見られておりますので,各年度と直接比較と

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いうのは非常に難しいところではありますが,ここについては生徒実態の中で課題とし

て考えられるのではないかと分析をしております。

志々田委員: 学力テストの中で平均点が8点も下がっているというのは,かなりの差だと思うので

す。ですので,難しかったのでしょうか。おっしゃられたような子供たちのどこが伸び

ていないのかというのはもちろん大事なことだと思うのですけれども,問題として難し

かったのでしょうか,それとも,昨年度と同じ傾向が出たのでしょうか。

阿部高校教育指導課長: まずは,評価をしたい力については,昨年度と今年度,身に着けさせたい力というの

は,ほぼ同じ力を見とりたいということで設定をしております。ただ,題材ですとか,

あるいはその内容について,若干取り組みやすかったり,取り組みにくいとか,あるい

はどのように書こうかというところについての差は見られると考えております。

志々田委員: 私がこのデータを見て思ったのは,これはどんな学力テストでもよく言えることだと

思うのですが,国語と社会というのは,基本的にどの子もよくできる。それ以外の科目

というのは,学力の差がすごく出やすい。つまり,社会とか国語というのは,多分自分

の文化的な経験とかそういうもので,このグラフでも割ときれいな放物線を描いていて,

平均の一番大きな山も真ん中のところにあるのかなと。それに比べると,英語のグラフ

はこんなにできないのかと。50点中10点しかとれない子がこんなにたくさんいるという

のをあまり見たことがないのですけれども,これはあまり見ない,異常値というか,英

語のことについて,これはそんなにたいしたことではないのでしょうか。随分と真ん中

が膨らんでいなくて,左側がすごく膨らんでいて,これをどう理解していいのか。

諸藤教育部長: 今回の試験の結果につきましては,各教科の平均点にありますように,英語ももちろ

ん下がっているのですけれども,全体的に下がっている傾向にございます。これは,本

県が進めております「学びの変革」で着けようとしている力の中で,特に思考力,判断

力,表現力,ここについてしっかり見ていきたいし,そういったことを学校にも期待し

たいと。そういったことで作問上の工夫といいますか,そういったことについては,例

年にも増して取り組んできているという状況はございます。そういった中で,回答をす

るところで,求めている力の整理はこれまでと変えていませんし,枠組みについてもそ

れほど変わっているわけではないのですけれども,そういったことでの本当にそういう

思考力,判断力,表現力がどう着いているのかということによって,今回の結果として

出ているということがございますので,こういったことを更にそれぞれの学校でどう受

け止めて,それについての力をしっかり着ける学習を進めていくかということを,我々

はこれを基に指導していきたいと考えております。

志々田委員: よく分かりました。身に着けさせたい力ということをベースにして問題を作っていて,

おっしゃられることはすごくよく分かるのですが,だから去年,できないかもしれない,

できないだろう,身に着けていてほしいという力をベースに問題を作っている。ただ,

それは「学びの変革」で求めているところで,今はその途中の段階だから,伸びている

ところと伸びてないところのそういうまばらなところがあると読めばいいということで

すね,この状況を。

諸藤教育部長: 今,委員が言われたような状況があると認識しておりますけれども,それぞれの問題

の中の見方とか,いろいろな分析はこれから更に我々もしていかなくてはいけないし,

学校にもそういったところの分析をしながら,指導をしていきたいと思っております。

下﨑教育長: この問題については,今までは知識を再生すればある程度回答ができたけれども,今

年度ももちろんそういう部分もありますけども,更に「学びの変革」において深い学び,

もう1段,自分の考えを付け加えたり,批判的に考えたりという回答を求める部分を増

やしたということで,そこまでの力のところで対応できてないというところが,今課題

だと。それについては,しっかりまた中学校に生かしてということになろうかと思いま

す。

志々田委員: しつこいようですが,英語の学力が著しく低いというわけではないということですね。

阿部高校教育指導課長: 今,御指摘をいただいているところについては,英語の学力が低いというよりも,自

分の考えを表現するというところについての課題というのは,やはり各教科共通という

ことで,そこについての課題と捉えております。

志々田委員: ありがとうございます。

中 村 委 員: これはいわゆる入学者選抜の試験ですから,通常の学力テストとは違うと思いますけ

れども,各学校,これは中学校の終わりであり,高校の始まりですよね。ですから,各

学校は自分のところに入ってくる生徒の結果というのをよく分析できると思うのですけ

れども,やはり,これは中学生に,課長が言われたように,求める能力を問うというこ

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とでしょうから,中学生,中学校に対するアピールということだと思いますので,その

辺が変わってきているということですから,御説明にもありましたけれども,求める能

力というものが何かということをはっきり伝える努力をしっかりしていただきたいなと

思います。

細 川 委 員: 私も正答率が極端に低い問題とか,誤答率が極端に高い,もしくは無答率が比較的高

いというところが若干気になっているところですが,以前この会議でも,読書をしてい

ますかという問いに対して,全くしていないとか,余りしていないという生徒がいたと

思うのです。そのあたり,読書をすれば解決するのかということでもないでしょうけれ

ども,課長が先ほど言われましたように,まず問題を読解して,最後まで読む力とか,

その問題の意味を理解するという意味においては,ものを読む力というのは非常に問わ

れると思うのです。そういう意味で,問題を解くということも必要でしょうけども,そ

の前段としての本を読むということも一応御指導をいただいたらどうかなということと,

諸藤部長も言われましたけれども,「学びの変革」で進めておられる中で,やはり教員の

中に指導力の差があって,同じ「学びの変革」ということに取り組むにしても,クラス

によって差が出ているのではないかなというのも地元の学校を見て分かります。その辺

のところが,それを県教委として取り組んでおられるのに,なかなか生徒に落とし込め

ずに,学力検査に数字として表れたのかなという気もするのですが,その辺のところの

御指導も今後お願いをできたらなということを感じますので,これは義務教育の方かも

しれませんけれども,よろしくお願い申し上げます。意見として。

中 村 委 員: これは,中学校区ごとの分析とかではなくて,あくまで全体の数字の分析ということ

ですよね。そういうフィードバックはできないという理解でいいですよね。

阿部高校教育指導課長: これは全体の分析ですので,地域のところまでは難しいです。

下﨑教育長: ほか,よろしいでしょうか。

( な し )

下﨑教育長: 以上で本件の審議を終わります。

続いて,先ほど公開しないと決定した議案について審議を行いますので,傍聴者の方

は退席をしてください。

(14:21)

【非公開審議案件】

第1号議案 平成29年広島県議会6月定例会に提案される教育委員会関係の議案に対する意見につい

平成29年広島県議会6月定例会に提案される教育委員会関係の議案に対する意見について,審議の

結果,全員賛成により原案に同意する旨可決した。

第2号議案 知事の専決処分に対する意見について

知事の専決処分に対する意見について,審議の結果,全員賛成により原案に同意する旨可決した。

報第1号 教職員人事について(別紙1)

高等学校教頭のわいせつ行為に係る人事措置(懲戒処分)について,審議の結果,全員賛成により

原案どおり承認した。

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報第1号 教職員人事について(別紙2)

高等学校教諭のわいせつ行為に係る人事措置(懲戒免職)について,審議の結果,全員賛成により

原案どおり承認した。

(14:43)