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舩木 敬 産業技術総合研究所 太陽光発電工学研究センター

http://www.aist.go.jp/

色素増感太陽電池のための 高い光安定性を持つルテニウム錯体色素の開発

研究の目的

色素増感太陽電池の模式図

レッドダイ (N3、又はN719)

ブラックダイ (N749)

代表的なルテニウム錯体色素

: 透明導電性ガラス

: 酸化チタン(TiO2) : 色素

: 対極(白金やカーボン)

電解液

対極

e- I3-

I- I- I-

e-

太 陽 光

NN

N NRuO

O

OHO

OO OOH

N

N

TiO2

CS

C S

TiO2微粒子(粒径20 nm)

に色素が吸着

e-

e- I-

I3-

I- I-

太陽光

多孔質酸化チタン膜のSEM像

色素増感太陽電池は従来の太陽電池に比べて安価に製造できるなどの利点から、次世代の太陽電池として期待されており、さらなる高性能化をめざした研究が進められている。色素増感太陽電池の長寿命化と高効率化を同時に満たす指針を見出すためには、高い安定性を持つ色素の開発や劣化のメカニズムの解明が必要である。 我々は、色素安定性や変換効率の更なる向上を目指し、近赤外光を利用できる新規ルテニウム錯体色素を設計・合成し、電池性能を評価している。

多くのルテニウム錯体色素の配位子は ポリピリジンとイソチオシアナト(NCS)基

単座配位子のNCS基は最も不安定な部分 熱や光による置換反応などが報告

電池の性能を低下させる要因のひとつ

ルテニウム錯体色素の安定性の向上に有効な方法

•水や酸素の混入を防ぐ •NCS-イオンの添加(GuNCSなど) •ドナー性の多座配位子の導入

• O. Kohle et al., Adv,. Mater., 1997, 9, 904. • H. G. Greijer et al., Solar Energy, 2003, 75, 169. • T. Lund et al., Sol. Energy Mater. Sol. Cells, 2007, 91, 1934.

NN NCS

N NCSN

Ru

Bu4NO2C

COOH

Bu4NO2C

COOH

NCSNN

NRu

NCSHOOC

Bu4NO2C

Bu4NO2C

NCS

+NBu4

安定性の高い近赤外ルテニウム錯体色素の開発

T. Funaki et al., Chem. Lett., 2009, 38, 62. T. Funaki et al., Chem. Lett., 2012, 41, 647.

N

OO

NCS

N

N

N Ru

HOOC

HOOC

HOOC

構造 修飾

ブラックダイ

N OO

N

N

N

OO

Ru

HOOC

HOOC

HOOC

FT28 FT19 二座配位子の導入

(NCS基を一つ含む) 三座配位子の導入

(NCS基を含まない)

色素 TBP/M Jsc/mA cm-2 Voc/V ff η/% ブラックダイ 0.5 19.0 0.71 0.71 9.6

FT28 0.1 19.8 0.68 0.72 9.7 FT19 0.05 17.4 0.64 0.71 6.5

予備的な電池性能の評価

NCSNN

NRu

NCSHOOC

Bu4NO2C

Bu4NO2C

NCS

+NBu4

NCS基を含まない FT19は変換効率の

向上が課題

色素の光安定性評価

電子の流れ

Eox

ECB

多孔質TiO2 白金 対極

電気

化学

ポテ

ンシ

ャル

色素

Eredox

ヨウ素 レドックス

Eox*

電池の中で生じる光誘起電子移動 今回評価した条件

ECB

多孔質TiO2

電気

化学

ポテ

ンシ

ャル

色素

Eox

Eox*

色素を吸着した光電極に疑似太陽光を照射(420 nm以上)

光励起により生じる色素の不安定状態が長い

色素の不安定状態の時間を積算すると

2時間の光照射が屋外設置の太陽電池の約10年(最長)に相当 (R. Kato et al., Energy Environ. Sci. 2009, 2, 542)

100 ns

µ-ms 色素の再生に時間が かかる

光照射によるスペクトルや色の変化 レッドダイ ブラックダイ 吸収スペクトルは吸収極大で規格化 FT28 FT19

NMRスペクトル

0h

6h

光照射により色素が壊れている スペクトルに変化なし

0

0.5

1

1.5

400 500 600 700 800

0h2h4h

Abs

波長 (nm)

0

0.4

0.8

1.2

1.6

400 500 600 700 800 900

0h2h4h

Abs

波長 (nm)

0

0.5

1

1.5

2

400 500 600 700 800 900

0h2h4h

Abs

波長(nm)

0

0.5

1

1.5

2

400 500 600 700 800 900

0h0.5h1h

Abs

波長(nm)

極大のシフト 形状変化

わずかに 形状変化

変化なし 極大のシフト

形状変化

0h

6h

光照射により色素が壊れている

光照射による変換効率の変化 まとめ

0.6

0.7

0.8

0.9

1

0 1 2 3 4 5 6

レッドダイ

ブラックダイ

FT28FT19

η xh/η

0h

時間(h)

FT19で 高い

光安定性

• ルテニウム錯体色素の安定性向上を目指して、多座配位子を導入した近赤外ルテニウム錯体色素の光安定性を評価した。

• 基準色素では、疑似太陽光照射により色やスペクトルの変化が見られ、変換効率も減少した。

• 三座配位子を導入したFT19は高い光安定性を持つことを明らかにした。

色素が吸着した 多孔質TiO2膜

電解液

白金対極

透明導電性 ガラス

ポリプロピレン

色素吸着 光照射 電池作製

UVカット フィルター

疑似太陽光

色素を吸着した電極に光照射し 電池を作製

NMRスペクトル NMRスペクトル NMRスペクトル

光照射により色素が壊れている

0h

6h

レッドダイは マイナー成分

FT28は マイナー成分

変化なし ブラックダイは マイナー成分

0h

6h